JPH033767B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は地盤改良工事等における地盤中への
複数のグラウトの選択的注入に伴うグラウトの切
換送給の技術分野に属する。

〈要旨の概要〉 以上、この発明によれば、グラウト注入管内の
複数の送給路の基端に接続されるグラウト送給通
路が対応する複数のグラウトミキサー等のソース
に接続され、その中途に圧送ポンプを有するグラ
ウト送給切換装置に関する発明であり、特に、１
つの切換バルブが送給路側通路に接続され、他の
切換バルブがソースに接続する通路に設けられ、
而して、該両１対の切換バルブの間に圧送ポンプ
を有する１本の共通通路が接続され、吸入側の切
換バルブと吐出側の切換バルブの動作にタイムラ
グがあるようにした制御装置が該両切換バルブに
対して電気的に接続されているグラウト送給切換
装置に係る発明である。

〈従来技術〉 周知の如く、地盤改良等においては地盤に対す
るグラウト注入が広く用いられているが、当該地
盤の性状によつて最適凝固を図ることと、地下水
汚染防止等の環境保全を図ることが大きな課題と
なつてきており、したがつて、限定領域に於ける
最適注入には種々の注入技術が開発改良されてき
つつある。

そのうちで、１つの注入管を用い、その内部の
複数のグラウト送給路に対して経時的にグラウト
をその種類を変えて選択的に送給し、例えば、最
初２シヨツト方式で瞬結性のグラウトを送給して
注入管の周囲の地盤中に瞬結パツカを形成し、そ
の後、1.5シヨツト方式で浸透性の二次グラウト
を注入して理想的な土粒子間浸透固結改良域を形
成するような複合グラウト注入技術等が案出採用
されている。

したがつて、該種複合グラウトの注入に際して
は地上でミキサー等対応数のグラウトソースを設
置し、同一注入管内の複合送給通路に選択的に対
応するグラウトを切換え送給する必要がある。

即ち、第１，２，３図の工程略図に示す様に、
まず、注入管１に対して送給路２から削孔水３を
送給して削孔を助勢しながら地盤４内を所定深度
まで削孔し、次いで、送給路２、及び、５からＡ
液、B₂液の各グラウトを送給して管先端で混合
して２シヨツトの瞬結パツカ６を地盤４中に形成
して地盤４内の間隙を充填し、その後、図示しな
い切換バルブの操作により送給路２からＡ液を、
送給路７よりB₁液を送給して1.5シヨツト方式で
管内混合送給噴出して瞬結パツカ６の周囲に二次
グラウト８を効果的に注入するようにする。

〈発明が解決しようとする課題〉 さりながら、これまでの上記切換バルブの切換
操作は人手作業によつていたため、圧送ポンプの
吸入側の切換バルブと吐出側の切換バルブとのタ
イムラグが一定でなく、そのため、該圧送ポンプ
の前後に設けられた切換バルブ間の共通した１本
の通路内にて選択されたグラウト以外の他のグラ
ウトの残留分が混合することになり、ゲルタイム
が設計通りにいかず、せつかくの優れた複合グラ
ウト注入の利点が充分に発揮されないという欠点
があつた。

而して、複数本の注入管に対する切換バルブの
操作を行うと上述の欠点は増幅され、これを調整
するには相当の熟練が要り、管理も難しいという
難点があり、作業が極めて煩瑣となる不具合が払
拭出来ず、工数が多くて結果的にコスト高になる
不利点もあり、精度保証が低いという不都合さも
あつた。

〈発明の目的〉 この発明の目的は上述従来技術に基づく複合グ
ラウト選択注入における単基の圧送ポンプの前後
の切換バルブの操作を伴う欠点等の問題点を解決
すべき技術的課題とし、圧送ポンプ、切換バルブ
間の共通通路の距離、グラウト種等により予め、
前後の切換バルブのタイミングプログラムを設定
して該両切換バルブの時間ずれ動作により、共通
通路内に選択されたグラウトのみを通過し、他の
グラウトの残余分の混入等を生ずることなくして
建設産業における地盤改良技術の利用分野に益す
る優れたグラウト送給切換装置を提供せんとする
ものである。

〈課題を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とす
るこの発明の構成は前述課題を解決するために、
複数のグラウトソース側の通路に接続した１つの
切換バルブと注入管の複数の送給路に接続する通
路に設けた他の切換バルブとの間に圧送ポンプを
有する共通通路を設けて上記１対の切換バルブを
相互独立に時間差を有して動作する制御装置に電
気的に接続し、而して、該制御装置により所定に
選択されたグラウトが吸入送給されてグラウト注
入を行い、次いで、次の選択されたグラウト注入
を行うに際し、制御装置が吸入側の切換バルブを
閉じ、吐出側の切換バルブを設定時間開放状態に
維持して両切換バルブを共通通路間の選択された
グラウトを完全に送給し、送給し終ると、吸入
側、吐出側の切換バルブを他の選択されたグラウ
ト側にタイムスケジユールに従つて開き、それま
での残余のグラウトの混合がないように送給し、
確実に設計ゲルタイムで注入が行えるようにした
技術的手段を講じたものである。

〈実施例〉 次に、この発明の１実施例を第１〜３図を採用
し、第４図以下の図面に基づいて説明すれば以下
の通りである。

第４図に示す機構図において、９，１０，１１
はグラウトソースとしてのグラウトミキサーであ
り、それぞれＡ液、B₁液、B₂液の混合用にされ、
Ａ液用のグラウトミキサー９はグラウト用の圧送
ポンプ１２、流量、圧送圧計測装置１３を介装し
て通路１４により注入管１の基端の外管の合流管
１５の一方の通路２に直結して接続されている。

又、B₁液用のグラウトミキサー１０とB₂液用
のグラウトミキサー１１とは通路１６，１６′を
介して一方の切換バルブとしての吸入側の電磁式
三方バルブ１７に接続されている。

又、合流管１５の他方の送給路７に接続する通
路１８と注入管１の内管送給路５に接続する通路
１９とは他方の切換バルブとしての吐出側の電磁
式三方バルブ１７′に接続されている。

したがつて、通路１４はＡ液グラウト専用、通
路１６，１８はB₁液グラウト専用、通路１６′，
１９はB₂液グラウト専用とされていることにな
る。

そして、両三方バルブ１７，１７′の間にはB₁
液、B₂液共通通路の１本の通路２０がグラウト
用圧送ポンプ１２′を介装して接続されている。

而して、三方バルブ１７，１７′には第５図に
示す様に、各々制御エアシリンダ２１，２１′が
連結され、圧縮エア源２２に接続されるエアホー
ス２３により動作される電磁式スプールバルブ２
４，２４′により切換られるようにされている。

一方、２５はタイムラグ動作制御装置であり、
タイマー、リレー、シーケンス機構等の所定の電
気制御装置、計測装置等を装備して第４図に示す
様に、前記流量、圧送圧計測装置１３にケーブル
２６で接続されると共に第５図に示す様に、上記
三方バルブ１７，１７′のエアシリンダ２１，２
１′の電磁スプールバルブ２４，２４′にケーブル
２７，２７′で接続されて該三方バルブ１７，１
７′を相互独立的に時間差を有して切換動作する
ようにされている。

上述構成において、前述第１，２，３図の地盤
４内への複合グラウト注入を行うに際しては、第
１図に示す様に、合流管１５の一方の送給通路２
から図示しない他の切換バルブ（手動等適宜のも
ので良い）により削孔水を送給して削孔を助勢
し、注入管１を地盤４に対し所定深度まで削孔貫
入させる。

この間、三方バルブ１７，１７′は閉の状態に
され、圧送ポンプ１２，１２′も勿論停止状態に
ある。

而して、削孔が所定深度に達した状態で切換バ
ルブを削孔水側からＡ液グラウト通路１４に切換
え接続し、制御装置２５を起動させる。

そこで、設定プログラムに従い、両三方バルブ
１７，１７′がB₂液グラウト通路１６′，１９側
に同時に接続されて開放され、グラウト用圧送ポ
ンプ１２，１２′を起動させる。

そのため、Ａ液グラウトは通路１４を通り合流
管１５の送給路２に送給され、B₂液グラウトは
通路１６′２０を通り、注入管１の内管送給路５
にそれぞれ別送され、第２図の模式図に示す様
に、管先端で混合され２シヨツトグラウトとして
地盤４内に注入され、瞬結パツカ６を形成し、地
盤４の間隙に浸入して凝結する。

そこで、２シヨツトの瞬結性一次グラウトの注
入が終わりに近づくと、第６図のタイムチヤート
に示す様に、制御装置２５のプログラムに従つて
吸引側三方バルブ１７を閉じ、吐出側の三方バル
ブ１７′をB₂液グラウト通路１９側にシーケンス
を介しタイマーにより連通接続させ続けておく。

したがつて、共通通路２０内のB₂液グラウト
は圧送ポンプ１２′により確実に吸引されて内管
送給路５に送給され、第６図に示す様に、T₂時
間経過して完全に送給が終わると、タイマーを介
して両三方バルブ１７，１７′がB₁液グラウト通
路１６，１８側に制御装置２５により開いて接続
される。

そこで、B₁液グラウトミキサー１０からB₁液
グラウトが通路１６，２０，１８を通り、何ら通
路２０内でB₂液グラウト残留分と混合されるこ
となく、又、Ａ液グラウトは通路１４を通り、そ
れぞれ合流管１５の送給路７，２に送給され、第
３図に示す様に、注入管１の外管内で混合されな
がら1.5シヨツトグラウトとして送給され、管先
端から瞬結パツカ６を通り周囲地盤４に浸透して
二次グラウト８を形成し、終期では三方バルブ１
７が閉じられ、共通通路２０内のB₁液グラウト
が完全に吐出される。

このようにして複合注入が１ステツプ分終了す
ると、制御装置２５を介し三方バルブ１７，１
７′が閉じられ、圧送ポンプ１２，１２′が停止
し、注入管１を１ステツプ分上昇させ、以下上述
工程を反復して複合注入を行つていく。

尚、この発明の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、注入管につ
いては複数打設でも良く、両切換バルブに対する
グラウト選択は２種に限らず、３種以上で該切換
バルブをロータリバルブにしても良く、他の開閉
バルブと組み合わせるようにしても良い等種々の
態様が採用可能である。

〈発明の効果〉 以上、この発明によれば、１つの注入管に対し
複数種のグラウトを選択的に時間を変えて組み合
せ送給するグラウト送給切換装置において、複数
のグラウドソース接続切換バルブと注入管の複数
送給路接続通路に設けた切換バルブとの間に圧送
ポンプを有する共通通路を設け、該両切換バルブ
をタイムラグ動作制御装置に電気的に接続させた
ことにより、基本的に１つの選択的に送給するグ
ラウトを共通通路を通過させるに際し吸引側切換
バルブと吐出側切換バルブとを設定時間差で開閉
動作させるため、グラウトを別々に選択して送給
する場合、吸入側切換バルブを閉じ、吐出側切換
バルブを開いたままにして完全に共通通路内で前
グラウトを吐出送給した後、次の選択グラウトに
対して吸入側切換バルブを開くようにし、したが
つて、グラウトの選択的送給に際して共通通路内
で前後の選択されたグラウトが他種の残留グラウ
トと混合されないため、混合量が設定量に対して
変化したり、ゲルタイムが変化したりすることが
なく、それため、設計通りの複合注入が行われる
優れた効果が奏される。

又、両切換バルブが電気的に制御されることか
ら、正確に切換バルブの操作が出来、それも自動
的に出来るため、人為作業がほとんどなく、精度
も良く、能率も良く、グラウト量も設計量で良
く、コストダウンも図れるという優れた効果が奏
される。

したがつて、正確に高精度で施工することが困
難である注入においても極めて正確な注入がシス
テム的に可能にすることが出来るという優れた効
果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１，２，３図は複合グラウト注入工程概略断
面図、第４図以下はこの発明の１実施例の説明図
であり、第４図は全体概略ブロツク図、第５図は
第４図拡大ブロツク図、第６図は切換バルブのフ
ローチヤート図である。 １…注入管、２，５，７…送給路、９，１０，
１１…グラウトソース、１２，１２′…ポンプ、
１６，１６′，２０…通路、１７，１７′，２５…
切換装置１７…吸入側の切換バルブ１７′…吐出
側の切換バルブ、２０…１つの共通通路、２５…
タイムラグ動作制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 注入管内の複合送給路に接続されると共に対
   応する複数のグラウトソースに圧送ポンプを有し
   て接続する通路に介装されるグラウト送給切換装
   置において、上記複数の送給路に接続される通路
   に接続された１つの吐出側の切換バルブと上記対
   応する複数のグラウトソースからの通路に接続さ
   れた他の吸入側の切換バルブとの間に圧送ポンプ
   を有する１つの共通通路が接続され、而して、両
   切換バルブが該両切換バルブに対するタイムラグ
   動作制御装置に電気的に接続されていることを特
   徴とするグラウト送給切換装置。