JPH0337423B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、下半身不随者等の足の不自由な人々
や寝たきり老人に適したベツドに関する。

従来の技術 上記の人々が寝たままで用を足し得るようにし
たベツドとしては、「おまる」の挿入を可能にす
る如くベツドの一部を沈降させる形式のもの、或
いは、下方に配置された「おまる」に類する便器
が使用位置にまで上昇させられる如くベツドの一
部が下方に向かつて折曲げられる形式のもの等が
ある。これらは、一括して「おまる使用形式」と
言うこととすれば、現在使用されているものの多
くは、「おまる使用形式」のものあるいはその変
形であると言うことができる。

また、この種ベツドとしてはベツドと寝室床と
の間の空間に水洗便器を配置する形式のもの（以
下においてはこの形式のものを「水洗便器装備形
式」のものと言う。）も提案されている。

発明が解決しようとする問題点 「おまる使用形式」のベツドは大きな実用上の
効果をもたらすものであるが、「おまる」の使用
および洗浄、防臭、室内換気等に関連して介護人
に可なりの負担が加わる。ベツドの使用者の側よ
り言えば、介護人を煩わす程度を少なくして精神
的負担を軽くしたいのであるが、「おまる使用形
式」のベツドはそれを許容しない。

一方、「水洗便器装備形式」のものは水洗便器
の重量が可成り大きく、水洗便器の使用を所期の
如く行い得るようにするための構成も複雑なもの
とならざるを得ない。

問題点を解決するための手段 本発明は、「おまる使用形式」のものおよび
「水洗便器装備形式」のものにおける上記の欠点
を伴わないベツドの開発を意図するもので、本発
明によるものは、使用者の上半身を受ける前方マ
ツトと使用者の下半身を受ける後方マツトとを前
者の後縁部と後者の前縁部とを近接させて設け、
撓み易いシート材製とされた受器を、該受器の開
口の前部と後部とを、それぞれ、前方マツトの後
部と後方マツトの前部とに取付けて設け、ベツド
の左右方向に延びる軸またはピボツト受座を介し
て前方マツトを傾倒自在に支持させ、上記軸のま
わりに前方マツトを回動させるマツト傾倒装置
と、前方マツトの横断面形状を凹形に変形させる
断面形変更装置と、後方マツトの前端部を上昇さ
せるマツトの部分上昇装置とによりベツド使用者
の体位規正装置を構成させ、撓み易いシート材製
とされた上記受器内に汚れの洗い落し用洗浄水を
噴射する洗浄水噴射装置および噴射された洗浄水
を汚物と共に排出する排水ポンプを設けると共
に、上記受器内空間への温風の供給および該空間
よりの排風を行う空調装置を設けたことを特徴と
する。

上記前方マツトの傾倒装置、前方マツトの横断
面形変更装置、後方マツトの部分上昇装置、洗浄
水噴射装置、空調装置、および排水ポンプは、そ
れぞれ、独立に作動させられるようにすることが
できるが、通常の場合、予め定められたモードに
従い、選定されたものの間のシーケンス作動が行
なわれる。シーケンス作動は、体位規正と、用便
中と、用便後とに分けられる。

上記前方マツトの傾倒装置および横断面形変更
装置、ならびに、後方マツトの部分上昇装置の駆
動源には、電動機または流体シリンダが使用され
る。流体シリンダを使用する場合、流体シリンダ
は水道の水圧を利用するものとすることができ
る。

通常の場合、上記空調装置には、受器への温風
の送り込みを行う送風機と受器よりの排風を行う
送風機とが設けられる。

受器の洗浄を行う洗浄水噴射装置は受器上の複
数箇所に配置される。

作 用 ベツド上に寝ている人に用便を足すのに適した
姿勢（規正された姿勢）をとらすには、ベツドの
使用者または介護人が、マツトの断面形変更装
置、傾倒装置、およびマツトの部分上昇装を、独
立またはシーケンス作動の下に適宜動作させれば
よい。

用便中に臭気が外部に漏れないようにするた
め、空調装置により受器への温風の供給と受器よ
りの排気とが並行して進行させられる。

用便が終わると、洗浄水噴射装置および排水ポ
ンプが適当な時間だけ動作させられる。

洗浄水の噴射は上記受器の内面を含んで比較的
広い範囲に対して行なわれる。

前方マツトおよび後方マツトの操作によるベツ
ド使用者の体位規正は、用便に適するごとく、背
を持ち上げると共に膝を折り曲げさせる。

温風乾燥装置は洗浄水噴射装置および排水ポン
プの停止後においても適当時間だけ動作を継続さ
せられる。

前後のマツトは、空調装置の停止後に常態にも
どされる。

実施例 第１図および第２図は本発明によるベツドの１
例を示す正面図および平面図で、これらの図にお
いて、１はベツド本体、２は使用者の上半身を受
ける前方マツト、３は使用者の下半身を受ける後
方マツトである。前方マツトの後縁部と後方マツ
トの前縁部とは近接させられている。

前方マツト２はベツドの左右方向に延びるベツ
ド本体１上の軸４により傾倒自在に支持されてい
る。

前方マツト２と後方マツト３との間には、第３
図および第４図に示す受器５が介在させられてい
る。受器５は撓み易い材料（たとえば、ビニルシ
ート）製のものでその開口６は、前方マツト２と
後方マツト３との間の相対的動きにより第４図に
示すごとく大きく開かれる。

第４図に示す前方マツト２および後方マツト３
の状態は、ベツドの使用者の膝を曲げさせると共
に上半身を若干量だけ起こして用便に適した姿勢
をとらせたものである。受器５は、前方マツト２
および後方マツト３の第４図に示す状態への移行
に伴い、その開口６を用便に適するように大きく
開く。

前後のマツト２，３を第４図の状態に移行させ
るため、前方マツト２を軸４の回りに回動させて
該マツトの前端を上昇、尾端を下降させる傾倒装
置７と、前方マツト２の横断面の形状を第６図に
示すごとく凹形に変形させる断面形変更装置８
と、後方マツト３を若干量だけ後退させるラツク
ーピニオン形式のマツト後退装置９と、後方マツ
ト３の前端部を適当な量だけ上昇させるマツトの
部分上昇装置１０とが設けられている。ベツドの
使用者が小さい場合、マツト後退装置９は前方マ
ツト２の支持軸４の位置を後マツト３の側に適宜
ずらすことによりその設置を省くことができる。

受器５には水道管よりの洗浄水を噴出する複数
の洗浄水噴射ノズルを含む洗浄装置１１と、温風
を送り込みつつ排風を行う空調装置１２と、受器
５内に噴射された洗浄水を汚物と共に排出する排
水ポンプ１３とが取付けられている。

第１図および第２図に示す制御器１４，１５は
これらの装置を動作させるためのものである。制
器１４，１５には上記の諸装置を独立に動作させ
るのに使用される押しボタンおよび上記の諸装中
の複数のものを所定のシーケンスに従つて動作さ
せるのに使用される一連の押しボタンが設けられ
ている。

空調装置１２は、乾燥作用と、臭気が室内に漏
れるのを阻止する作用とを併せて行うもので、通
常の場合、このものはさきに指摘したごとく２台
の送風機を含んで構成される。

多くの場合、前方マツト２と後方マツト３の対
向部には、第２図に示すごとく、防水性材料より
なる保護シート１６，１７を着脱自在に取付けて
おくことが望ましい。

なお、１８，１９はベツド本体の両側に設けら
れたステツプである。

発明の効果 本発明は、臭気が室内に拡散しないと云う条件
およびベツドに取付けられる要素を軽量なものと
すると云う条件を満足させつつ、ベツド自体を水
洗便器化し、それによつて、下半身不随者、寝た
きり老人等の介護の手間を著しく軽減させると共
に、ベツド使用者がベツドより離れることなく随
時用便を足しうるようにする効果をもたらすもの
である。なお、本発明によるものは、夜間に便所
に通う回数が多い一般の人々も利用することがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明による水洗便器装
備ベツドの１例を示す正面図および平面図、第３
図および第４図は第１図および第２図のベツドを
状態を変えて示す縦断面図、第５図および第６図
は第１図のベツドの前方マツトを状態を変えて示
す横断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 使用者の上半身を受ける前方マツトと使用者
   の下半身を受ける後方マツトとを前者の後縁部と
   後者の前縁部とを近接させて設け、撓み易いシー
   ト材製とされた受器を、該受器の開口の前部と後
   部とを、それぞれ、前方マツトの後部と後方マツ
   トの前部とに取付けて設け、ベツドの左右方向に
   延びる軸またはピボツト受座を介して前方マツト
   を傾倒自在に支持させ、上記軸のまわりに前方マ
   ツトを回動させるマツト傾倒装置と、前方マツト
   の横断面形状を凹形に変形させる断面形変更装置
   と、後方マツトの前端部を上昇させるマツトの部
   分上昇装置とによりベツド使用者の体位規正装置
   を構成させ、撓み易いシート材製とされた上記受
   器内に汚れの洗い落し用洗浄水を噴射する洗浄水
   噴射装置および噴射された洗浄水を汚物と共に排
   出する排水ポンプを設けると共に、上記受器内空
   間への温風の供給および該空間よりの排風を行う
   空調装置を設けたことを特徴とする、水洗便器装
   備ベツド。