JPH0337374Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、果樹園での剪定、枝打ち、摘果袋
掛け、除袋収穫等の作業に適した作業椅子に関
し、長時間の作業にも疲労が少なく、しかも作業
性に富んだ果樹栽培作業用椅子を提供せんとする
ものである。

〔従来の技術〕

従来、ぶどうの枝の剪定や、ジベレリン処理あ
るいは摘果等の果樹作業は、作業者が頭上のぶど
う棚に両手を挙げた状態で行つていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

したがつて、特殊な姿勢のため非常に重労働
で、長時間の作業には耐えがたい苦痛を伴い、極
端な場合には肩痛や腰痛等の症状をひき起こすこ
とがあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案の果樹栽培作業用椅子は、従来例の以
上のような欠点を解消せんとするもので、自走車
と、自走車上を自走車の進行に対して直角の左右
横方向に移動可能に搭載された背もたれ付椅子
と、この椅子の側面に昇降自在に保持された肘掛
け支持台と、肘掛け支持台上で水平方向に回動可
能に取着した肘掛けとを有することを特徴とする
ものである。

〔実施例〕

以下、図面に基いてこの考案の果樹栽培作業用
椅子の実施例を説明する。先ず、第１図において
１は、３輪あるいは４輪等の前進後退および進路
変更可能に構成された自走車で、前輪を蓄電池等
で作動する駆動モータ１１で駆動するようになつ
ている。またこの自走車１は、ステアリング１２
によつて進路変更自在で、ペダル１３によつてそ
れぞれ右急旋回、左急旋回することができるよう
構成してある。１４は始動スイツチや前進ボタン
等を有する制御盤である。

この自走車１上には、自走車１の進行に対して
直角の左右横方向に移動可能に背もたれ付椅子２
が搭載されている。背もたれ付椅子２の水平移動
機構を第２図に示す。自走車１上に固設された、
所定間隔の側壁２２を有するフレーム２１には、
自走車１の進行方向と直角に前後２本のフロント
シヤフト２３およびリアシヤフト２４が保持さ
れ、左右一対の取付台２５，２６のそれぞれを各
シヤフトに差し渡して、自走車１の進行に対して
直角の左右横方向に移動可能に嵌挿している。こ
の取付台２５，２６の中央には、上記シヤフト２
３，２４と平行にスクリユーネジを持つた駆動シ
ヤフト２７がねじ込まれ、その一端を側壁２２か
ら突出させて、側壁２２外面に設置したモータ２
８にベベルギア２９等により連結してある。

したがつて、モータ２８を正逆回転させること
により、駆動シヤフト２７がいずれかの方向に回
転し、取付台２５，２６を左右横方向に移動させ
ることができる。

なお、背もたれ付椅子２はフレーム２１そのも
のを昇降自在とすることができる。すなわち、自
走車１上に所定の間隔で一対のスライド柱４１を
立設し、その中間においてフレーム２１に垂設し
た雌ネジ付パイプ４２に、スクリユーネジを持つ
た昇降シヤフト４３をねじ込むようにすれば良
い。４４は、ベベルギア４５を介して連結した昇
降用モータである。

上記椅子２の側面には、第１図に示すようにガ
イド孔を有する横枠１５が固設され、肘掛け支持
台３が昇降自在に保持されている。すなわち、肘
掛け支持台３を構成する支柱１６をこのガイド孔
に嵌挿し、止ねネジ１７を支柱１６側面の縦溝１
８内にねじ込んで所定の高さに保持する。

肘掛け支持台３上には、肘掛け４を水平方向に
回動可能に枢着してある。第３図に示すように肘
掛け４は、クツシヨン性のある、例えば円盤状の
台部３１と、台部３１から垂設した縦軸３２とか
らなり、肘掛け支持台３に設けた軸孔３３内に縦
軸３２を嵌挿し、水平方向に回動可能に軸着して
ある。この図では縦軸３２に横溝３４を設け、肘
掛け支持台３の側面から軸孔３３に止めネジ３５
先端をねじ込んで所定の高さに保持する。この場
合にも肘掛け４は自由に水平方向に回動させるこ
とができる。

６は、椅子２の上端に取付けた高さ調節可能な
枕体である。

〔作用〕 次に、この考案の果樹栽培作業用椅子の作用に
ついて説明する。果樹園において、この考案の果
樹栽培作業用椅子を圃場内の所定位置まで走ら
せ、肘掛け支持台３の所定の高さにセツトして、
背もたれ付椅子２にゆつたり座り、必要な作業を
行う。作業中の移動は、制御盤１４に設けた左右
移動スイツチによりモータ２８を駆動し、駆動シ
ヤフト２７を回転して背もたれ付椅子２を左右横
方向に動かして所定位置で作業する。作業中肘掛
け４は自由に回動するので、作業性が非常に良好
な上、作業者の腕の疲労を大幅に減らすことがで
きた。その場所での作業終了後は、果樹栽培作業
用椅子を自走車１を走行させて移動し、次の場所
での作業にとりかかれば良い。

〔考案の効果〕

この考案の果樹栽培作業用椅子は以上のよう
に、自走車上に背もたれ付椅子を、自走車の進行
に対して直角の左右横方向に搭載したので、同じ
場所での作業の可能なエリアを大幅に広げること
ができた。

また、肘掛け４を肘掛け支持台３上で水平方向
に回動可能となるよう取着したので、肘を肘掛け
４上に載せた状態で肘掛け４を回動させることが
でき、疲労が少なくしてしかも作業性が良好であ
り、繁忙を極めるこれらの作業に際して大変便利
な優れた果樹栽培作業用椅子が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の果樹栽培作業用椅子一実施
例を示す概略側面図、第２図は背もたれ付椅子２
の水平移動機構を示すの要部斜視図、第３図は肘
掛け４部分を示す要部斜視図である。 １…自走車、２…背もたれ付椅子、３…肘掛け
支持台、４…肘掛け。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自走車１と、自走車１上を自走車１の進行に対
   して直角の左右横方向に移動可能に搭載された背
   もたれ付椅子２と、この椅子２の側面に昇降自在
   に保持された肘掛け支持台３と、肘掛け支持台３
   上で水平方向に回動可能に取着した肘掛け４とを
   有することを特徴とする果樹栽培作業用椅子。