JPH0336778Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「技術分野」 本考案は、パイロツトエアを異なる経路に切換
供給するパイロツトエアの切換装置に関する。

「従来技術およびその問題点」 この種のパイロツトエア切換装置は、従来各種
のタイプが知られているが、その中で、ソレノイ
ドの励磁消磁に応じ直進進退動するプランジヤに
より作動アームを揺動変位させ、この作動アーム
の揺動変位の方向により、作動アームの両先端に
係合させた切換弁を作動させてパイロツトエアの
供給経路を変換するようにしたタイプの装置が知
られている。ところが従来のこのタイプの装置
は、作動アームとソレノイドの直進プランジヤの
移動方向が直交しており、このため装置全体の小
型化が困難という問題があつた。つまり作動アー
ムと切換弁を小型に形成したとしても、ソレノイ
ドが作動アームに対して直交する方向に突出する
形となり、全体として偏平な、あるいは直方体状
の切換装置を得ることが困難であつた。

「考案の目的」 本考案は、小型化が可能なこの種のパイロツト
エア切換装置を提案することを目的とする。

「考案の概要」 本考案は、従来作動アームと直交させて配設し
ていたソレノイドを作動アームと略平行に配設
し、作動アームには、ソレノイドの直進プランジ
ヤと係合する連係アームを一体に突出させて設け
たことを特徴としている。この連係アームは、作
動アームの回転中心支軸から直交する方向に突出
させることが望ましい。

「考案の実施例」 以下図示実施例について本考案を説明する。第
１図ないし第３図は本考案の実施例を示すもの
で、偏平直方体状のバルブボデイ１１は、その中
央部にソレノイド挿入用の凹部１２を有し、この
ソレノイド挿入凹部１２の左右に一対の切換弁１
３を有している。バルブボデイ１１は、アツパボ
デイ１１ａとロワボデイ１１ｂとからなつてい
て、上記切換弁１３は、このアツパボデイ１１ａ
とロワボデイ１１ｂの間に形成した変換室１４を
有している。変換室１４の気密は、アツパボデイ
１１ａとロワボデイ１１ｂの間に挿入したＯリン
グ１５によつて保持される。

各変換室１４には、そのロワボデイ１１ｂ側の
中央に、パイロツト圧源１６に連なるパイロツト
圧導入路１７がそれぞれ形成され、周縁にパイロ
ツトエア供給路１８が形成されている。他方アツ
パボデイ１１ａ側には、パイロツト圧導入路１７
を開閉する弁体２０が摺動自在に支持されてい
る。またアツパボデイ１１ａには、弁体２０の弁
軸２１との間に、第２図に示すように大気通路２
２が形成されており、弁体２０はこの大気通路２
２とパイロツト圧導入路１７を択一して開閉す
る。２３は弁体２０をロワボデイ１１ｂ側に移動
付勢して、常時は大気通路２２を閉じる圧縮ばね
である。パイロツトエア供給路１８は如何なる場
合にも閉じることはなく、弁体２０の移動位置に
応じ、パイロツト圧導入路１７または大気通路２
２に連通してパイロツトエアまたは大気圧が供給
される。左右のパイロツトエア供給路１８はそれ
ぞれ、パイロツト圧と大気圧を選択して作用させ
る機器の圧力室に接続される。

弁体２０の弁軸２１は、ロワボデイ１１ｂの上
部から突出しており、この突出部に、作動アーム
２４の両端裏面が係合している。この作動アーム
２４はその中間部分に揺動中心となる支軸２５を
有する。

他方バルブボデイ１１のソレノイド挿入凹部１
２内には、この作動アーム２４と略平行に直進移
動するプランジヤ２６を有するソレノイド２７が
配設されている。このソレノイド２７は、コイル
２８を励磁したとき圧縮ばね２９の力に抗してプ
ランジヤ２６を後退させ、消磁したとき圧縮ばね
２９の力によりこれを突出させるものである。そ
して作動アーム２４には、その支軸２５部分から
下方に向けて、該作動アーム２４と直交してＴ字
状をなす連係アーム３０が突出しており、この連
係アーム３０がプランジヤ２６の先端と係合す
る。３１はこの連係アーム３０をプランジヤ２６
の動きに追従させる、圧縮ばね２３より強い圧縮
ばねで、バルブボデイ１１の蓋体１１ｃと作動ア
ーム２４との間に挿入されている。

なお作動アーム２４は、直線状の板体から構成
する他、第３図に示すように、支軸２５部分をそ
の軸方向に延長し、この支軸２５の中間部から連
係アーム３０を突出させ、両端部からそれぞれ反
対方向に作動アーム２４ａ，２４ａを突出させて
形成してもよい。この場合には、各切換弁１３は
作動アーム２４ａの先端直下に設設けることとな
り、一対の切換弁１３およびソレノイド２７の設
置間隔が大きくなるので、切換弁１３の構成が容
易になる。

上記構成の本パイロツトエアの切換装置は、ソ
レノイド２７への非通電状態では第１図の状態に
保持される。このとき、図の左方の切換弁１３は
圧縮ばね２３の力によりその弁体２０が大気通路
２２を閉じ、パイロツト圧導入路１７を解放した
状態にある。また同右方の切換弁１３は、ソレノ
イド２７の圧縮ばね２９の力により、弁体２０が
圧縮ばね２３の力に抗して押し込まれ、大気通路
２２を開いてパイロツト圧導入路１７を閉じた状
態にある。したがつて左方のパイロツトエア供給
路１８にはパイロツト圧源１６からのパイロツト
エアが導かれ、右方のパイロツトエア供給路１８
には大気圧が導かれることとなる。

これに対し、ソレノイド２７に通電してコイル
２８を励磁すると、圧縮ばね２９の力に抗してプ
ランジヤ２６が後退する。すると圧縮ばね３１の
力によつて第１図において反時計方向に付勢され
ている作動アーム２４が同方向に揺動し、この作
動アーム２４の左端が左方の切換弁１３の弁体２
０を下方に押圧変位させ、同右端が右方の切換弁
１３の弁体２０を解放する。よつて第１図の状態
と反転した状態、つまり左方の切換弁１３のパイ
ロツトエア供給路１８に大気圧が導かれ、右方の
切換弁１３のパイロツトエア供給路１８にパイロ
ツト圧源１６からのパイロツトエアが導かれる状
態が生じる。

この状態から再びソレノイド２７への通電を断
つと、圧縮ばね２９の力によりプランジヤ２６が
突出し、連係アーム３０を介して作動アーム２４
が時計方向に揺動する。よつて第１図の状態に復
し、左方のパイロツトエア供給路１８にパイロツ
トエアが、右方のパイロツトエア供給路１８に大
気圧が導かれることとなる。

そして本考案によれば、以上の切換作用を得る
ためのソレノイド２７が作動アーム２４と平行で
あることから、バルブボデイ１１内に収まり、バ
ルブボデイ１１からの突出物となることがない。
よつてソレノイドを用いた切換装置でありなが
ら、小型の装置とすることができる。

「考案の効果」 以上のように本考案のパイロツトエアの切換装
置は、切換動作の操作力を得るためのソレノイド
を作動アームと略平行に設け、作動アーム側にソ
レノイドの直進プランジヤと係合する連係アーム
を一体に突出させたから、ソレノイド部分がバル
ブケースから突出することのない小型の切換装置
を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のパイロツトエアの切換装置の
実施例を示す縦断面図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図は作動アームの形状例を
示す平面図である。 １１……バルブボデイ、１１ａ……アツパボデ
イ、１１ｂ……ロワボデイ、１２……ソレノイド
挿入凹部、１３……切換弁、１４……変換室、１
６……パイロツト圧源、１７……パイロツト圧導
入路、１８……パイロツトエア供給路、２０……
弁体、２１……弁軸、２２……大気通路、２３…
…圧縮ばね、２４……作動アーム、２５……支
軸、２６……プランジヤ、２７……ソレノイド、
２８……コイル、２９……圧縮ばね、３０……連
係アーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 支軸を中心に揺動可能な作動アームと；この
   作動アームを揺動させる直進プランジヤを有す
   るソレノイドと；上記作動アームの両自由端部
   にそれぞれ係合し、該作動アームの揺動方向に
   応じ、パイロツトエアの供給経路を変換する左
   右一対の切換弁とを備えてなるパイロツトエア
   切換装置において、上記ソレノイドを作動アー
   ムと略平行に配設し、作動アームに、このソレ
   ノイドの直進プランジヤと係合する連係アーム
   を一体に突出させたことを特徴とするパイロツ
   トエアの切換装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、作
   動アームと連係アームは支軸を中心に直交して
   いるパイロツトエアの切換装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   において、左右の切換弁はバルブボデイの左右
   に設けられ、このバルブボデイの中央部に、ソ
   レノイドを挿入配置するソレノイド挿入凹部が
   形成されているパイロツトエアの切換装置。