JPH0335935Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ボイラや各種工業炉等に適用され
る、微粉燃料と空気又はその他の気体との混合気
を炉内へ噴射させる微粉燃料バーナに関する。

従来の技術 第４図及び第５図は従来の微粉燃料バーナを示
したもので、第４図は正面図、第５図は第４図の
−線に沿う断面図である。これらの図におい
て、１は例えば図示しない石炭粉砕機から微粉炭
と空気とを混合した混合気を輸送する混合気輸送
管で、その先端は混合気ノズル２に直結されてい
る。３は輸送管１の先端部の周りを囲むように形
成した２次空気通路、４は２次空気通路に連絡
し、混合気ノズル２の周りに形成した２次空気ノ
ズル、５は２次空気通路３の外側に隣接した補助
２次空気通路、６は補助２次空気通路５の先端に
設けた補助２次空気ノズルである。なお、７は混
合気、８は焼却炉を示している。

混合気輸送管１を送られて来た混合気７は混合
気ノズル２から燃焼炉内８に噴射され、最初の着
火は混合気ノズル２近傍に設けられた図示されて
ない着火源によつて行なわれ、燃焼を開始する
が、以後は燃焼炉内８からのふく射熱により燃焼
を行なう。

着火後の初期の燃焼は微粉燃料に含有された揮
発分の燃焼であり、その燃焼に供される酸素は主
として微粉燃料と共に混合気ノズル２から噴射さ
れる気体中の酸素と、２次空気通路３を通って２
次空気ノズル４から噴射される２次空気中の酸素
である、燃焼の進行と共に微粉燃料の燃焼は脱揮
発成分の燃焼に移行し、その燃焼に供される酸素
は主として補助２次空気ノズル６から噴射される
補助２次空気中の酸素である。

従来技術の問題点 一般に微粉燃料の着火の難易度は、混合気を構
成する気体流量Ａ（Kg／ｈ）と微粉燃料の量Ｃ
（Kg／ｈ）との比（以下、Ａ／Ｃ比と略称する）
と、噴出速度に大きく影響を受け、共に小さい
程、着火は良好となる傾向にある。

このうち混合気７の噴出速度は、混合気７の流
量に対する混合気ノズル２の噴出部面積の選定を
適正に行ないさえすれば解決出来る。

それに対して混合気７中の気体流量は、図示し
ない燃料粉砕設備による燃料の粉砕に必要な値、
あるいは図示しない燃料粉砕設備から燃料を着火
性には無関係にＡ／Ｃが設定されることになる。

ところが従来の微粉燃料バーナでは、混合気ノ
ズル２から噴射される際の混合気７は、微粉燃料
と気体がほゞ均質混合されており、しかも前記
Ａ／Ｃ比の調整も不可能なため、燃焼が揮発分主
体となる着火時の燃焼では、燃料比（固定炭素／
揮発分）の高い燃料の場合、着火不良となる欠点
があった。

考案の目的 本考案は、燃料比が高く、着火しにくい微粉燃
料でも容易に着火させ、安定した火災を形成し得
る微粉燃料バーナを提供することを目的としてな
されたものである。

問題点を解決するための手段 本考案では、混合気の噴射口に曲管部を介して
直結した断面が円形の混合気輸送管の該曲管部上
流側部分に偏流板を設け、この偏流板により混合
気を偏流させて、混合気輸送管の曲管部下流側部
分で混合気に旋回流を生じさせ、これにより混合
気が噴出口から噴射される際には外周部程、微粉
燃料濃度が濃く（Ａ／Ｃ比＝小）、中心部程微粉
燃料濃度が薄い（Ａ／Ｃ比＝大）混合気を形成し
て燃料比が高い微粉燃料でも着火しやすくなるよ
うにしている。

実施例 以下本考案に係る微粉燃料バーナの一実施例を
第１図〜第３図を参照して詳細に説明する。な
お、これらの図において、第４図、第５図と同一
部分には同一符号を附して示してあるので、その
部分の説明は省略する。

さて、第１図は本実施例に係る微粉燃料バーナ
の正面図であり、偏流板１３の付近を部分的に破
断して示している。第２図は第１図の−線に
沿う断面図、第３図は、作用を説明するための図
である。

本実施例の微粉燃料バーナは、従来のものに対
して、混合気ノズル２に曲管部１７を介して直結
されている混合気輸送管１の該曲管部上流側部分
（垂直管部）に、濃淡分離器１１を追設したもの
である。この濃淡分離器１１は、分離器本体１２
とその中に組み込んだ偏流板１３とから成つてい
て、分離器本体１２の両縁は、混合気輸送管１と
同一形状に作られており、適宜フランジ１４等に
よつて混合気輸送管１に連結されている。

なお混合気輸送管１の断面は円形であり、分離
器本体１２の両端も円形である。分離器本体１２
は一方の側にふくらみ部１５が形成されており、
この中に軸１６を中心に回動自在に例えば扇形の
偏流板が収納されている、この偏流板１３は、分
離器本体１２の外部から手動又は遠隔操作によつ
て回動させるようになつており、また適宜の位置
に回動状態を固定させることのできる構造となつ
ている。

この偏流板１３は、分離器本体１２を通る均質
に微粉燃料が混合されて送られて来た混合気７
を、第３図に符号７′で示すように、混合気輸送
管１の曲管部１７下流側部分、すなわち曲管部１
７から混合気ノズル２にまで水平に延びる部分の
管の円形断面に対して接線方向へ流れるように偏
流させ、その結果該水平の管部分内では符号７″
で示すように混合気の旋回流が生じる。従って、
偏流板１３が分離器本体１２のふくらみ部１５か
ら混合気の主流路側へ突出すればする程偏流が強
くなって、混合気に強い旋回を起こさせるように
なる。

混合気輸送管１内に送られて来た混合気に旋回
力を与えると微粉燃料は外周部へ集まるので、混
合気ノズル２から燃焼炉８内へ噴射される混合気
の外周部は、微粉燃料の濃度が濃く（すなわち
Ａ／Ｃ比が小さい）、中心部のそれは薄い（Ａ／
Ｃ比が大きい）ものとなる。そのため微粉燃料の
着火が容易になる。そして、旋回が強くなれば微
粉燃料の分離効果が顕著となって着火性がより向
上する。

考案の効果 以上詳述したように、本考案によれば、混合気
の噴射口に曲管部を介して直結した断面が円形の
混合気輸送管の該曲管部上流側部分に偏流板を設
け、この偏流板により混合気を偏流させて、混合
気輸送管の曲管部下流側部分で混合気に旋回流を
生じさせるようにしているので、噴出口から炉内
へ噴射される混合気の外囲部では微粉燃料濃度が
濃く従ってＡ／Ｃ比が小さいので、Ａ／Ｃ比の小
さい外周部が着火源に接しやすく、着火を容易に
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る微粉燃料ノズルの一実施
例を示す正面図、第２図は第１図の−線に沿
う断面図、第３図は作用を説明するための図、第
４図は従来の微粉燃料ノズルの正面図、第５図は
第４図の−線に沿う断面図である。 １……混合気輸送管、２……混合気ノズル、３
……２次空気通路、４……２次空気ノズル、１１
……濃淡分離器、１２……分離器本体、１３……
偏流板、１７……曲管部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 微粉燃料と空気又はその他の気体との混合気を
   炉内へ噴射させる微粉燃料バーナにおいて、混合
   気の噴射口に曲管部を介して直結した断面が円形
   の混合気輸送管と、この混合気輸送管の曲管部上
   流側部分に設けた偏流板とを具備する微粉燃料バ
   ーナ。