JPH0335921Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は廃熱回収ボイラの伝熱管構造に係り、
特に同ボイラの節炭器の構造の改良に関する。

＜従来の技術及びその問題点＞ 例えばガスタービン発電プラントにおいては、
ガスタービンから排出される高温かつ大量の排ガ
スの中の熱を回収するため、排ガス流路中に廃熱
回収ボイラを配置して熱回収を行い、発生した蒸
気により蒸気タービンを駆動してさらに発電を行
うことにより熱エネルギーの有効利用が図られて
いる。

第３図は従来の廃熱回収ボイラでかつ堅形伝熱
面配置の節炭器の構造を示す。節炭器はケーシン
グ１及び保温材２から成る本体枠の内部に設置さ
れ、節炭器管３は上、下管寄せ間に多数接続され
管群を構成している。

この節炭器管３は廃ガス流れ方向において、各
管群が排ガス流れに直交するように多数群配置さ
れ、また、上下管寄せもガス流れ方向に多数設置
されている。

節炭器の水の流れは廃ガスの後流側の、下部管
寄せ４ａにまず給水され、節炭器管３ａを上昇
し、上部管寄せ５ａへ流れる。上部管寄せ５ａに
集められた流体は連絡管６によつて一列前側（廃
ガス上流側）の下部管寄せ４ｂへ導かれ、節炭器
管３ｂを上昇する。

この流れを繰返して（シリーズフロー方式）、
正規の流体温度まで内部流体を昇温する。なお第
３図に示す従来例は、連絡管６を上部管寄せ５ａ
の両端部から取出し、下部管寄せ４ｂの端部へ接
続する構造となつている。

また、この連絡管６をボイラの外側、つまりケ
ーシングの外側に配置しケーシング１と連絡管６
のボイラ運転時の伸び差を吸収させるため、連絡
管挿通部にはエキスパンシヨンベロー７を取付け
ている。なお、符号８は管寄せに設けた点検ニツ
プルである。

以上の構成においては次の如く問題点が指摘さ
れており、その改善が強く望まれている。

(1) 各管群の管寄せの両端部を連絡管で接続する
構造となつているため、内部流体はこの管寄せ
の両端から流入することにより、管群中央側の
管体に対する給水の流れが悪くなり、管群全体
として、アンバランスな流れとなる。

(2) 連絡管をボイラ外に配置するため、エキスパ
ンシヨンベロー及び連絡管の保温材を必要と
し、装置が大型、複雑化する。

第２図は、このうち(2)の問題点を解決すべく、
連絡管６をケーシング１の内側に配置するよう構
成したものであるが、内部流体の流れのアンバラ
ンスについては全く考慮されていない。

＜本考案の目的＞ 本考案は上述した問題点を解決するよう構成し
た伝熱管構造を有する廃熱回収ボイラを提供する
ことにある。

＜本考案の概要＞ 要するに本考案は各伝熱管群を構成する上下の
管寄せの中央部近傍から内部流体を抜き出し、ま
たは管寄せ中央部に内部流体を注入するよう連絡
管を接続構成した伝熱管構造を有する廃熱回収ボ
イラである。

＜実施例＞ 通常廃熱回収ボイラにおける節炭器は排ガス流
の最も後流側に配置される。

節炭器は第１図に示す様に、ケーシング１及び
保温材２の本体枠の内部に設置され、多数の節炭
器３と上、下管寄せ４，５により一体的にパネル
状に形成し、この複数枚を接続して構成されてい
る。

１６はこれらパネル状に形成された管群を各々
接続して全体として一体的な節炭器を構成する連
絡管である。この２本の連絡管６は上流側が排ガ
ス流下流側のパネルの上部管寄せ５ａの中央部に
接続し、かつ下流側は、隣接する排ガス流上流側
のパネルの下部管寄せ４ｂの両端近傍に夫々接続
する。なお、この構成を逆にして、管寄せ５ａの
両端近傍から展出させた連絡管１６を管寄せ４ｂ
の中央部側で各々接続するよう構成してもよい。
但し、両管寄せ５ａと４ｂの各々中央部を相互に
連絡管を接続するとパネル中央側の管体の流体流
量が多くなり過ぎ、結局流量アンバランスが生じ
るので好ましくない。なお符号１７は管寄せに設
けた点検ニツプルである。

以上の構成において、節炭器管３は廃ガス流れ
の直角方向に多数群設置するため、各節炭器管内
を流れた上昇流体は上部管寄せ５ａの中央部に向
つて流れ、連絡管１６によつて集められた流体は
下降し次のサーキツトである下部管寄せ４ｂの端
部に入る。この様に管寄せ中央から次の管寄せ端
部に、また逆の構造においては管寄せ端部から中
央に流体を流すことにより各パネルにおける流体
の均一な流れを実現することができる。この様
に、パネルを連絡管により多数連設して一体的な
節炭器を生成し、内部流体を所定温度まで上昇さ
せる。

＜効果＞ 本考案を実施することにより次の効果を期待で
きる。

(1) 廃ガス流れの直角方向に多数群設置される節
炭器管パネル内の流体を均等に流す事ができ、
流動特性の優れた廃熱回収ボイラとすることが
できる。

(2) 連絡管がケーシング及び保温材を貫通しない
ためエキスパンシヨンベロー等の部材が不要と
なり、装置の簡素化が図れる。

(3) 連絡管を本体枠内へ配置するため、ボイラは
小型化され、また美観上優れた構造となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示し、Ａは廃熱回収
ボイラ節炭器の側面図、Ｂは同正面図、第２図は
従来装置の改良例を示し、Ａは節炭器側面図、Ｂ
は同正面図、第３図は従来の節炭器構造を示す側
面図、同Ｂは正面図である。 ３…節炭器管、４，４ａ，４ｂ…下部管寄せ、
５，５ａ…上部管寄せ、１０…連絡管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排ガス流中に配置した複数枚の伝熱管パネルの
   管寄せを連絡管で接続して一体化し、節炭器等の
   熱回収部を構成するものにおいて、相互に隣接す
   るパネルの上部管寄せと下部管寄せとを複数の連
   絡管で順次接続するに際しこれらのパネルのうち
   いずれか一方の管寄せの中央部近傍に夫々の連絡
   管の一端を接続し、他端は他の管寄せの端部近傍
   に接続した廃熱回収ボイラ。