JPH0335615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、サンシエードに関し、特にたとえ
ば、サンルーフの遮光板として車室内側に装脱着
可能に装備されるサンシエードに関する。

「従来技術」 従来から、第３図および第４図に示すように、
この種のサンシエード１は、たとえば、車室天井
部２に形成された平板状のサンルーフ部４に対向
して、ルーフヘツドライニング５など車室内側に
形成された開口部６に装着されるものが知られて
いる。このサンシエード１は、通常、一体的に成
型された合成樹脂材の一枚板１ａと、この一枚板
１ａの表裏に貼着される合成樹脂製の表装材１ｂ
とからなつており、平板状のサンルーフ部４に対
応して、同じく平板状に形成されている。

第４図において、このように構成されるサンシ
エードの取付構造の概略を説明する。たとえば、
開口部６に装着されたサンシエード１は、その一
端側９ａにおいて、対向する開口部６の一端側６
ａに適当な間隔を隔てて設けられた一対のキヤツ
チヤ７，７（第３図参照）によつて係脱可能に係
止され、他端側９ｂにおいて、この他端側９ｂに
設けられた回転爪８を介して、対向する開口部６
の他端側６ｂに係脱可能に係止されている。

なお、回動爪８は、たとえば、角度において約
90゜回わされることによつて、開口部６の他端側
６ａとの係合あるいは係合解除が選択されるとい
うものであり、ここにおいて、サンシエード１
は、開口部６に、一端側９ａにおいて２点で支持
され他端側９ｂにおいて１点で支持されて装脱着
可能に取り付けられた状態となる。

そして、従来、このように取り付けられるサン
シエード１の場合、漏光防止に関しては、開口部
６との間に隙間を作らないよう、サンシエード１
の外周の寸法精度をある程度に保つておく必要が
あつた。

「考案が解決しようとする問題点」 ところが、このようなサンシエード１では、形
状的には平担な一枚板状のものであり、かつ材質
的には合成樹脂材の一体成型品であることから、
たとえば、長時間高温の直射日光にさらされて放
置された場合など、熱的変形に起因する反りやね
じれが生じる。これでは、サンルーフ部４の遮光
板として取り付けられるにもかかわらず、光の漏
れを生じさせ、かつ表装材にまでしわを形成する
こととなり、遮光および見映えの点で問題が生じ
た。

また、或る種の車両においては、第５図に示す
ように、車室天井部２′から車室側壁部３′まで延
長されたサンルーフ部４′を装備したものがある。
このようなサンルーフ部４′は、車室天井部２′と
同側壁部３′とによつて形成される車両角部に対
応して、緩やかに屈曲されたものとなつている。

したがつて、このようなサンルーフ部４′に対
向して設けられる開口部６′及びサンシエード
１′は、そのような形状に合わせて形成される必
要があり、サンシエード１′の一部に屈曲部１０
が形成されることになる。

これでは、単に、平板状のサンシエードを一体
的に成形するという従来のものに比べて、サンシ
エード周縁の寸法設定や射出成形において、新た
に屈曲部１０を考慮せねばならず、そこに寸法誤
差や成形誤差が生じることになる。このことは、
サンシエード１′において、上述の場合と異なつ
た要因による漏光および見映えの悪さを招いた。

なお、このような欠点を除去するため、サンシ
エード内に鋼材を埋設したり、あるいはリベツト
止めなどにより補強板を装着したりする方法も提
案されているが、いずれも工程増あるいはコスト
高となることにより実用性に乏しい。

「考案の目的」 それゆえに、この考案の主たる目的は、剛性を
高めることにより、反りやねじれを防止し、これ
らに起因して生じる漏光を防止し見映えをよくす
る安価なサンシエードを提供することである。

また、この考案の他の目的は、寸法誤差や加工
成形上の誤差によつて生じる隙間を閉ざし、さら
に、この隙間からの漏光を遮断する見映えのよい
安価なサンシエードを提供することである。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するために、この考案が採用す
る主たる手段は、サンルーフに対向して、このサ
ンルーフからの光を遮断するべく、車室内側に形
成された開口部に係脱可能に装備されるサンシエ
ードであつて、前記サンシエードの周縁部全周に
わたつて、前記車室内側に当接触する部分を残し
て内面側から外面側に突出し、前記開口部の全周
縁に接する段差部が形成されてなる点である。

「作用」 サンシエードの周縁部全周にわたつて形成され
た段差部が、補強部分としてサンシエードの反り
やねじれを押える。また、この段差部が、サンシ
エードの周縁部と開口部の周縁部との間に、直接
光を通さない屈曲した隙間を形成する。

「考案の効果」 この考案によれば、平板状のサンシエードおよ
び屈曲形成されたサンシエード等を問わず、ここ
からの漏光の防止および遮断を行うことができ
る。

また、簡単な構造と低コスト化を達成すること
ができ、車室内における見映えの点においても、
これを損じさせないようにすることができる。

この考案の上述の目的、その他の目的、特徴お
よび利点は図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。

「実施例」 第１図はこの考案の一実施例にかかるサンシエ
ードの全体斜視図、第２図は第１図におけるサン
シエードを開口部に装着させた状態を示す概略縦
断面図である。なお、以下の実施例はこの考案の
一具体例にすぎず、この考案の技術的範囲がこの
実施例によつて限定されるものではない。また、
第５図に示した従来のサンシエードおよびルーフ
ヘツドライニング等と共通する要素には同一の符
号を使用して説明する。

第１図において、サンシエード１″は、平面視
（矢視Ａ）においてほぼ矩形であつて、側面視
（矢視Ｂ）において穏やかな角度に屈曲された一
枚板状に形成されている。サンシエード１″は、
第２図から分かるように、前記第５図に示したよ
うな従来のサンシエードと同様、車室天井部２′
から車室側壁部３′にかけて設けられたサンルー
フ部４′に対向して装着される曲面状のタイプの
物である。尚、この実施例でのサンシエード１″
は、材質的には、合成樹脂材の一体成形品が選ば
れている。

この様な形状に形成されたサンシエード１″に
は、その周縁部全周にわたつて段差部１１が形成
されている。すなわち、屈曲部１０を挟んだ一端
側縁９a′及び他端側縁９b′と、この屈曲部１０の
為に屈曲している側端縁１２ａ，１２ｂの部分で
ある。尚、このサンシエード１″にも、その他端
側縁９b′の近傍に、従来のサンシエードの場合と
同様に、回転爪８（第２図参照）が所期の目的を
果たすために設けられている。

段差部１１は、第２図から分かるように、サン
シエード１″の内面側を外面方向に突き出す（膨
出する）ことによつて形成した立ち上がり部分１
１ａと、開口部６′の内側に当接触するように形
成されたフランジ部１１ｂとから成つている。立
ち上がり部分１１ａは、サンシエード１″が開口
部６′に装着された状態で、開口部６′の全周縁に
隙間なく当接するように寸法設定が成され、開口
部６′の内側に接触しているフランジ１１ｂと協
働して略Ｌ字状の接触部を形成している。

従つて、段差部１１における略Ｌ字状の接触部
が、サンシエード１″の全周縁の剛性を向上させ
ていわゆる漏光の原因となる波打ちを抑え、一
方、もし不用意に隙間が生じたとしても、この隙
間が略Ｌ字状に屈曲した隙間として形成されるの
で、車室内に向かう直接光の浸入が防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかるサンシエ
ードの全体斜視図、第２図は第１図におけるサン
シエードを開口部に装着させた状態を示す概略縦
断面図、第３図はこの考案の背景となる従来のサ
ンシエードがルーフヘツドライニング等車室内側
の開口部に装着された状態を示す要部概略斜視
図、第４図は第３図に於ける−矢視断面図、
第５図はこの考案の背景となるその他の従来のサ
ンシエードが車室内側の開口部に装着された状態
を示す概略縦断面図である。 符号の説明、１″……サンシエード、４′……サ
ンルーフ部、６′……開口部、１１……段差部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 サンルーフに対向して、このサンルーフからの
   光を遮断するべく、車室内側に形成された開口部
   に係脱可能に装備されるサンシエードであつて、 前記サンシエードの周縁部全周にわたつて、前
   記車室内側に当接触する部分を残して内面側から
   外面側に突出し、前記開口部の全周縁に接する段
   差部が形成されてなるサンシエード。