JPH0335445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、たとえば圧延機駆動用に使用され
るドライブシヤフトの首垂れ防止式ジヨイント装
置に関する。

＜従来の技術＞ 従来、ドライブシヤフトのジヨイント装置とし
ては、ジヨイント本体とこのジヨイント本体に連
結したスパイダーと、このスパイダーを半径方向
に微動可能に軸受で支持されると共にロールの一
端が装着されるハウジングとを同一軸線上に設
け、スパイダーとハウジング間の若干の偏心、偏
角を軸受の箇所で吸収して回転駆動力をジヨイン
ト本体からハウジングを介してロールに伝動する
ものが知られている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ ところが、上記従来のドライブシヤフトのジヨ
イント装置では、ハウジングとスパイダーとの間
が軸受により相対的に半径方向に微動可能になつ
ているため、ロール交換時にハウジングが軸受の
箇所を支点として自重により下方に傾きつまり首
垂れを起こし、水平方向からロールを取り換えな
ければならずロールの交換作業が著しく困難にな
るという問題がある。

そこで、この考案の目的は、ロール交換時の首
垂れを防止できるドライブシヤフトの首垂れ防止
式ジヨイント装置を提供することにある。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記目的を達成するため、この考案のドライブ
シヤフトの首垂れ防止式ジヨイント装置は、端面
の外周側より軸方向に突出した複数の軸方向の突
出部を有するハウジングと、上記ハウジングの軸
方向の突出部の間に半径方向に突出した半径方向
の突出部が軸受を介して移動可能に支持されるス
パイダーと、上記ハウジングの突出部の端面側に
固定され、上記スパイダーに設けられた軸受が当
接可能なストツパー板と、上記スパイダーに嵌合
され、バネに押圧されて上記ハウジングを上記ス
パイダーから離間されるように押圧して上記スト
ツパー板に上記スパイダーの軸受を当接させるプ
ツシユロツドとを備えたことを特徴している。

＜作 用＞ ハウジングからロールを取外すと、ハウジング
が自重により軸受の箇所を支点として首垂れしよ
うとする。しかし、プツシユロツドがバネの反撥
力によりハウジングを押圧する。ハウジングが移
動してストツパー板が軸受に当接する。このスト
ツパー板の軸受に対する当接により、ハウジング
５の首垂れは防止される。

＜実施例＞ 第１図はこの考案の一実施例の要部を示す断面
図、第２図は第１図の−線に沿つて切断した
断面図である。

第１，２図において、１はジヨイント本体、２
はジヨイント本体１に連結され、３個の半径方向
に放射状に突出した円柱形の突出部２２，２２，
２２を有するスパイダー、５はスパイダー２を内
輪１８１ところ１８３，１８３，…と外輪１８２
からなる軸受１８により支持するハウジング、６
はロール、６０はプツシユロツドである。これら
すべてを同一軸線上に配置している。

上記ハウジング５は、スパイダー２を保持する
部分とロール６の一端部を装着する部分に分かれ
ている。上記ハウジング５の端部にはスパイダー
２を収納する円柱状の凹部３０を軸方向に沿つて
形成し、この凹部３０の周りに円周上等間隔の３
箇所から軸方向に突出した突出部３１，３１，３
１を形成している。この突出部３１の形状は、外
輪１８２の湾曲した外表面に沿いうるような湾曲
面に形成し、スパイダー２の突出部２２，２２，
２２の外輪１８２，１８２，１８２をハウジング
５の突出部３１の湾曲面に滑べられてスパイダー
２をハウジング５内に挿入できるようになつてい
る。一方、上記ハウジング５の軸方向の突出部３
１，…の間に３箇所スパイダー２の円柱状の突出
部２２，２２，２２を配置している。スパイダー
２の各突出部２２，２２，２２には、内輪１８１
を嵌入し、ころ１８３，…を介して内輪１８１の
外周の回りに外輪１８２を配置している。そし
て、スパイダー２の軸受１８の位置がハウジング
５の突出部３１，…の軸方向におりる略中央部に
位置するようにスパイダー２をハウジング５内に
装着している。こうすることにより、ハウジング
５が許容作動角内で自由に回転できるようにする
ためである。上記軸受１８はスパイダー２の突出
部２２の外方寄りに位置付けられており、スパイ
ダー２の強度と寿命の向上を図ると共に、スパイ
ダー２の中央の軸部２３の径を大きくすることが
できるようにしている。また、上記ハウジング５
のスパイダー２を保持する部分の外周には、カバ
ーチユーブ４１を周方向に移動可能に嵌合してい
る。上記カバーチユーブ４１の一端にストツパー
板４２をボルト４３で固定している。上記ストツ
パー板４２は、第２，３図に示すように、フラン
ジタイプで、スパイダー２の各突出部２２，…が
貫通し得る略Ｙ字形の貫通孔４２１を設け、スパ
イダー２のハウジング５への組み込み性をよくし
ているるスパイダー２がハウジング５内に装着さ
れた後は、カバーチユーブ４１を周方向に移動さ
せてハウジング５の突出部の端面にボルト５２，
５２，…で固定できるようになつている。すなわ
ち、このストツパー板４２は、スパイダー２を貫
通孔４２１を通して組み込んだ後は、一定角度回
転させて、ストツパー板４２の部分がハウジング
５の突出部３１，３１，…間からスパイダー２の
突出部２２，２２，２２の部分が離脱したのち防
止するようにしている。ストツパー板４２の内面
の外周部にインロー用の周突起４２２を形成して
いる。この周突起４２２をハウジング５の外周溝
３２に嵌め込んでストツパー板４２の位置決めを
している。こうすることによつて、スパイダー２
が軸受１８を介してストツパー板４２に当たつて
ハウジング５が傾くこと、即ち首垂れが防止され
る。このフランジ状のストツパー板４２はハウジ
ング５の端面に固定しているのでハウジング５の
端部の補強の役目もする。こうして、上記カバー
チユーブ４１とストツパー板４２とで、ハウジン
グ５の内部に水が、侵入するのを防止する役目を
果たしている。

上記ハウジング５のロール６の一端部を装着す
る部分には、ロール６の一端が嵌り込む凹部５１
を形成している。この凹部５１の底面５１ａの略
中央部にはスパイダー２側の大径部と小径部から
なる段付穴１６を設けている。上記段付穴１６の
大径部と小径部に先部の円板部１７１と基部の円
柱部１７２とからなる受け部材１７の円板部材１
７１と円柱部１７２をそれぞれはめ込んで受け部
材１７を段付穴１６に固定している。

上記ジヨイント本体１は、円柱状でその他端部
のフランジ部１１をスパイダー２の他端部のフラ
ンジ部２１にボルト７，７，…で連結している。
上記ジヨイント本体１のフランジ部１１の略中央
部とスパイダー部材２のフランジ部２１の略中央
部との間には、ボルト７，７，…を外したときの
抜け止めとして円柱状のインロー部材８をジヨイ
ント本体１にボルト１０，１０，…で固定して介
在させている。またジヨイント本体１にはバネ室
１２を形成している。そして、上記プツシユロツ
ド６０の先端の球部６２をインロー部材８、スパ
イダー部材２を貫通して受け部材１７の円板部１
７１に当接する一方、その基端のピストン部６１
をジヨイント本体１のバネ室１２に嵌め込んでい
る。上記プツシユロツド６０の先端を球部６２に
しているのは、ハウジング５のスパイダー２に対
する偏角を容易に吸収できるようにするためであ
る。上記プツシユロツド６０のビストン部６１と
バネ室１２の底面１２１の底板１４との間にはバ
ネ１５を縮装し、このバネ１５のバネ力でプツシ
ユロツド６０の先端の球部６２を受け部材１７に
常に押圧させている。なお、５０はベローであ
る。

上記構成において、第２図に示すように、ロー
ル６をハウジング５の凹部５１から取り外すと、
ロール６の一端６１が凹部５１の底面５１ａから
離れるので、プツシユロツド６０がバネ１５のバ
ネ力によりハウジング５を押圧し、ハウジング５
は図中右方へ移動する。ハウジング５は自重のた
めにスパイダー２に対して下方へ垂れようとす
る。しかし、ハウジング５の突出部３１の端面側
のストツパー板４２が各軸受１８，１８，１８の
外輪１８２，１８２，１８２の３箇所に当接する
ため、ハウジング５がストツパー板４２を介して
スパイダー２に軸受１８を介して水平に支えられ
る。したがつて、ハウジング５の自重による首垂
れは防止される。

次に、ロール６をハウジング５の凹部５１に装
着すると、ロール６がハウジング５を図中左方に
押すので、ロール６の先端が受け部材１７を介し
て凹部５１の底面５１ａを強く押圧して、ハウジ
ング５は同方向へ移動し、ストツパー板４２は外
輪１８２から離れる。したがつて、ストツパー板
４２と軸受１８の外輪１８２との接触が解除さ
れ、駆音等を発することはない。また、プツシユ
ロツド６０の先端が球状になつており、かつ、軸
受１８の部分で半径方向の微動が許容されている
ので、ロール６の回転時におけるハウジング５の
スパイダー２に対する偏角は吸収される。

第４図ａ，ｂは上記実施例のスパイダーとジヨ
イント本体との連結構造の変形例を示す。第４図
ａはスパイダー６１をジヨイント本体６２に嵌合
する構造のものであり、また、第４図ｂはスパイ
ダー部材６３の一端部にスプライン６４を刻設
し、スパイダーをジヨイント本体にスプライン結
合する構造のものである。

＜考案の効果＞ 以上の説明で明らかな如く、この考案のドライ
ブシヤフトの首垂れ防止式ジヨイント装置は、ハ
ウジングの突出部の端面側に固定され、スパイダ
ーに設けられた軸受が当接可能なストツパー板
と、上記スパイダーに嵌合され、バネに押圧され
て上記ハウジングを上記スパイダーから離間され
るように押圧して上記ストツパー板に上記スパイ
ダーの軸受を当接させるプツシユロツドとを備え
ているので、ロールをハウジングから取外すと、
ストツパー板がスパイダーの軸受に当接して、ハ
ウジングをストツパー板、軸受を介してスパイダ
ーに支えることができ、ハウジングの首垂れを防
止できる。

また、この考案によれば、ストツパー板をハウ
ジングの端面に固定しているので、ハウジングの
剛性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の要部を示す断面
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
上記実施例のストツパー板を示す図、第４図ａ，
ｂは上記実施例のスパイダー部材の連結構造の変
形例を示す図である。 ２……スパイダー部材、５……ハウジング、１
５……スプリング、１８……軸受、４２……スト
ツパー板、６０……プツシユロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 端面の外周側より軸方向に突出した複数の軸方
   向の突出部を有するハウジングと、 上記ハウジングの軸方向の突出部の間に半径方
   向に突出した半径方向の突出部が軸受を介して移
   動可能に支持されるスパイダーと、 上記ハウジングの突出部の端面側に固定され、
   上記スパイダーに設けられた軸受が当接可能なス
   トツパー板と、 上記スパイダーに嵌合され、バネに押圧されて
   上記ハウジングを上記スパイダーから離間される
   ように押圧して上記ストツパー板に上記スパイダ
   ーの軸受を当接させるプツシユロツドとを備えた
   ことを特徴とするドライブシヤフトの首垂れ防止
   式ジヨイント装置。