JPH0335316Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、超音波振動による生体組織の温熱
効果より血行促進を行い“凝り”、“痛み”、およ
び、“麻ひ”等の治療を行う超音波治療器に係り、
特に操作性の向上を図つた超音波治療器に関す
る。

〔従来技術〕 従来、上述した超音波治療器に用いられている
超音波導子には超音波発生の有無を示す警告表示
灯が設けられているものがある。この警告表示灯
は超音波照射時に治療器本体から供給される信号
により点灯する。また、この警告表示灯には、専
用の接続ケーブルで治療器本体より接続されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

超音波導子は生体表面のあらゆる箇所に接触さ
せて使用するため、操作性の良さが要求される。
このためには、軽量であることが最も操作性のう
えで都合が良い。

ところで、従来の警告表示灯を有する超音波導
子は、上述したように、警告表示灯へ電力を供給
する別個の心線が設けられているので、この分で
だけ、治療器本体と超音波導子間をつなぐケーブ
ルが心線数の多いものを使用しなければならなく
なり、このため、太く、重たくなつて超音波導子
の操作性が非常に悪くなつた。また、ケーブルの
心線数増加は断線の発生する確立を高くした。

この考案はこのような背景の下になされたもの
で、その目的は、超音波導子と治療器本体とを接
続するケーブルの軽量化を図り、操作性を向上さ
せた超音波治療器を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕 この考案は、超音波導子用交流源を有する超音
波治療器本体と、この超音波治療器本体とは別体
に設けられ、前記超音波導子用交流源の出力が供
給される超音波振動子を備えた超音波導子と、こ
の超音波導子に設けられる警告表示灯とを具備す
る超音波治療器において、前記超音波導子用交流
源の周波数と異なる周波数を有し、該超音波導子
用交流源と同時に出力状態となる警告表示灯用交
流源と、前記超音波導子用交流源の出力と前記警
告表示灯交流源の出力とを重畳する結合手段と、
前記超音波導子に設けられ、前記結合手段の出力
から前記警告表示灯用交流源の周波数成分を抽出
して前記警告表示灯へ供給する周波数抽出手段と
を具備したことを特徴とする。

〔作用〕

上記構成によれば、第１の交流源の出力と、第
２の交流源の出力とが結合手段により重畳され、
この結合手段の出力から周波数抽出手段により第
２の交流源の周波数成分がとりだされ、警告表示
灯へ供給される。また、振動子は固有振動数を有
するため、結合手段の出力から第１の交流源の周
波数成分で振動する。このため、結合手段の出力
のみを超音波導子へ供給するだけで、振動子と警
告表示灯とを同時に駆動することができる。した
がつて、超音波治療器本体と超音波導子とを接続
するケーブルは、信号側と接地側の２芯を有する
もので良いので、ケーブルの軽量化を図ることが
できる。

〔実施例〕

以下図面を参照して、この考案の一実施例につ
いて説明する。

第１図はこの考案の一実施例である超音波治療
器のブロツク図である。図において、１は、交流
電圧発生器２及び３と、変圧器４とを有する超音
波治療器本体である。交流電圧発生器２は、周波
数₁を有する振幅V₁の交流電圧を発生する。ま
た、この交流電圧発生器２の出力周波数₁は、後
述する超音波振動子８の固有振動数に一致させて
ある。交流電圧発生器３は、周波数₂を有する振
幅V₂の交流電圧を発生する。変圧器４は、一次
側に二つのコイルを有し、二次側に一つのコイル
を有している。この変圧器４の一次側のコイル
L₁aには、交流電圧発生器２の出力が供給され、
コイルL₁bには、交流電圧発生器３の出力が供給
されるようになつている。また、変圧器４の二次
側のコイルL₂は、接続ケーブル１１を介して超
音波導子５内の各素子と接続されている。

次に、超音波導子５について説明する。

６，７は各々接続ケーブル１１の両端に直列に
接続された警告表示灯とフイルタであり、８は接
続ケーブル１１の両端間に接続された振動子であ
る。警告表示灯６は、超音波の照射を表示するた
めのものであり通常LEDが使用される。LEDを
使用した場合フイルタ７を有効に動作させるため
に、LEDには逆方向の電流が流れるようにダイ
オード９が介挿されている。フイルタ７は、周波
数₂の交流電圧のみを通過させる周波数特性を有
している。振動子８は固有振動数₁の特性を有す
る。

次に、この超音波治療器の動作を説明する。治
療器本体１内において、交流電圧発生器２から周
波数₁の交流電圧が、交流電圧発生器３から周波
数₂の交流電圧がそれぞれ変圧器４の一次側の入
力端へ供給されると、変圧器４の二次側の出力端
から周波数₁と周波数₂が重畳された交流電圧が
誘起し、接続ケーブル１１を介して超音波導子５
へ供給される。

超音波導子５内において、振動子８は、治療器
本体１から供給された周波数₁，f₂の混合周波数
成分のうち固有振動数に同調した周波数₁の交流
電圧により振動して、超音波を発生する。また、
前記混合周波数成分のうち周波数₂の交流成分が
フイルタ７を通過し、警告表示灯６を点灯させ
る。

次に本案の第二の実施例について第２図を参照
して説明する。図において、前述した第１図の各
部と対応する部分には同一の符号を付してその説
明を省略する。

同図において、治療器本体１内に二個の変圧器
４ａ，４ｂを設け、変圧器４ａの一次側に交流電
圧発生器２の出力を接続し、二次側の一端を接続
ケーブル１１を介して超音波導子５内へ接続し、
他端を変圧器４ｂの二次側の一端と接続する。ま
た、変圧器４ｂの一次側に交流電圧発生器３の出
力を接続し、二次側の両端間にフイルタ１０を介
挿し、変圧器４ｂ二次側の他端を接続ケーブル１
１を介して超音波導子５内の各素子と接続する。

フイルタ１０は、交流電圧発生器２の出力周波
数₁を択一的に通過させるものである。このフイ
ルタ１０は、変圧器４ａの二次側から出力された
周波数₁の電流が、変圧器４ｂの二次側へ流れる
ことによつて変圧器４ｂから出力される周波数₂
の電流が流れにくくなる場合に必要となり、この
場合以外は必要としない。

上記構成によると、変圧器４ａの二次側に誘起
した周波数₁を有する交流電圧と、変圧器４ｂの
二次側に誘起した周波数₂を有する交流電圧とが
重畳され、接続ケーブル１１を介して超音波導子
５内の各素子へ供給される。

なお、本案実施例において警告表示灯の点灯を
超音波の照射時に行なう超音波治療器について説
明したが、超音波導子が生体表面に接触した場合
に点灯する超音波治療器にも適用することができ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案によれば、超音波
導子用交流源を有する超音波治療器本体と、この
超音波治療器本体とは別体に設けられ、前記超音
波導子用交流源の出力が供給される超音波振動子
を備えた超音波導子と、この超音波導子に設けら
れる警告表示灯とを具備する超音波治療器におい
て、前記超音波導子用交流源の周波数と異なる周
波数を有し、該超音波導子用交流源と同時に出力
状態となる警告表示灯用交流源と、前記超音波導
子用交流源の出力と前記警告表示灯用交流源の出
力とを重畳する結合手段と、前記超音波導子に設
けられ、前記結合手段の出力から前記警告表示灯
用交流源の周波数成分を抽出して前記警告表示灯
へ供給する周波数抽出手段とを具備したので、治
療器本体と超音波導子を接続するケーブルが芯線
数の少ないもの（少なくとも２芯）を用いること
ができるので、その分だけケーブルが細くなり、
軽量となる。このため、超音波導子の操作性が非
常に向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の第一の実施例の構成を示
すブロツク図、第２図は、この考案の第二の実施
例の構成を示すブロツク図である。 １……治療器本体、２，３……交流電圧発生器
（２は超音波振動子用交流源、３は警告表示灯用
交流源）、４，４ａ，４ｂ……変圧器（結合手
段）、５……超音波導子、６……警告表示灯、７
……フイルタ（周波数抽出手段）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 超音波導子用交流源を有する超音波治療器本体
   と、この超音波治療器本体とは別体に設けられ、
   前記超音波導子用交流源の出力が供給される超音
   波振動子を備えた超音波導子と、この超音波導子
   に設けられる警告表示灯とを具備する超音波治療
   器において、 前記超音波導子用交流源の周波数と異なる周波
   数を有し、該超音波導子用交流源と同時に出力状
   態となる警告表示灯用交流源と、 前記超音波導子用交流源の出力と前記警告表示
   灯用交流源の出力とを重畳する結合手段と、 前記超音波導子に設けられ、前記結合手段の出
   力から前記警告表示灯用交流源の周波数成分を抽
   出して前記警告表示灯へ供給する周波数抽出手段
   と を具備することを特徴とする超音波治療器。