JPH0334966Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、煉瓦積みするとき、煉瓦間に介着さ
せる目地体に関するものである。

「従来の技術」および「考案が解決しようとする
問題点」 一般に、煉瓦積みをするときは、煉瓦間にセメ
ントモルタルによつて目地を施し、その目地に煉
瓦を接着して積み上げる工法が必要になる。しか
し、その目地を施して煉瓦を積み上げるには、相
当の熟練と技術が必要となり、所謂素人が日曜大
工等で煉瓦積みをすることは困難なこととされて
いる。従つて、簡単な煉瓦積み工事でも、そのつ
ど専門家に頼らざるを得ない難点がある。

本考案は以上の実情から成されたもので、熟練
や技術がない者でも簡便に煉瓦積みができる新規
の目地体を提供し、前記の従来難点を解消するの
が目的である。

「目的を達成するための手段」 以上の目的を達成する本考案は、「煉瓦の底面
を載せると共に、該底面の正面長さと等長にして
該底面と概ね同一面積を有する底板と、煉瓦の側
面に密着すると共に、該煉瓦の側面と等高にして
該側面と概ね同一面積を有する側板からなるＬ字
形板状体からなり、前記側板の上端に突設した係
止突起と、前記底板の中央に設けられて該係止突
起を嵌着する係止孔からなる連結係止機構と、さ
らに、前記底板の一側縁に突設した先太状の係止
片と、該底板の他の側縁に設けられて該係止片を
逆止状に嵌着する係止溝からなる連結係止機構を
有し、前記底板の上に煉瓦を載せると共に、その
煉瓦の側面に前記側板を当接させ、上下左右に隣
接する前記Ｌ字形状体の連結係止機構を連結係止
して連鎖状に組合せ結合し、煉瓦を載せた該Ｌ字
形板状体を目地として、一段とびに煉瓦をずらし
て積み上げる構造の目地体」になつている。

「実施例」および「作用」 以下実施例に基づいて詳しく説明する。その一
実施例を示す第１、２図を参照して、本考案の目
地体１は、煉瓦８を積み上げるときに、煉瓦８の
底面に接する底板２と、煉瓦８の側面に接する側
板３から成るＬ字形板状体に成つており、底面２
は対となる煉瓦８の底面全面に、また側板３は対
となる煉瓦８の側面全体に密着する様に成つてお
り、一様な厚さＴ（本実施例のＴは10粍）を有す
る発泡スチロール製である。そして、その幅Ｂは
煉瓦８の幅より僅かに狭くなつて、煉瓦８と組合
せたとき、煉瓦８の前面より目地体１が僅かに凹
む様にしてある。

そして、目地体１の側板３の上端には係止突起
４が形成されると共に、底板２の左右方向の中央
には、前記の係止突起４を受け入れ嵌着する係止
孔５が穿設してあり、煉瓦８を積み上げるとき、
上下に隣接した目地体１の係止突起４と係止孔５
が嵌着し、上下方向の目地体１相互の連結係止機
構を構成している。

一方、目地体１の底板２の一側縁（第１図Ａの
右方側縁）には、先太状の係止片６が突設される
と共に、底板２の他の側縁には、前記の係止片６
を受け入れて逆止状に嵌着する係止溝７が設けて
あり、煉瓦８を積み上げるとき、左右に配列され
た目地体１の係止片６と係止溝７が逆止状に嵌着
し、左右方向の目地体１相互の連結係止機構を構
成している。

以上の構成の目地体１は煉瓦８と対となつて集
合し第２図の様に積み上げるとき、それぞれの煉
瓦８と目地体１を接着させて一体化し、下段から
上段へ順次連続させて積み上げる。そして、その
とき左右方向に隣接する目地体１は係止片６と係
止溝７を嵌着させて相互に連結係止すると共に、
上下方向に隣接する目地体１は係止突起４と係止
孔５を嵌着させて相互に連結係止する。そして、
煉瓦８は一段とびに自己の長さの半分宛位置をず
らし、かつ煉瓦８間には目地体１を介装して、全
体を連結係止した煉瓦積み体が成形される。

つぎに、目地体１の各種の態様について説明す
る。即ち、前記第１図示の目地体１は標準タイプ
の並形の目地体１を示したが、目地体１を用いる
煉瓦積み体には、コーナー用、最上段用、最下段
用、或は曲面煉瓦積み用等多種多様な目地体１が
必要になるので、以下の例示の様に多様な態様が
ある。

詳しくは、第３図Ａの最上段コーナー用とし
て、係止片６を底板２の後縁部位に設け、隣接す
る目地体１と交差状に連結できる様にすると共
に、不用となる側板３上端の係止突起４を省略し
たもの、第３図Ｂに示す最上段中間用として、側
板３上端の係止突起４を省略したもの、第３図Ｃ
に示す中段コーナー用として係止片６の位置を底
板２の後縁に変更したもの、第３図Ｄに示す角丸
コーナー最上段用のもの、第３図Ｅに示す角丸コ
ーナー中段用のもの、第３図Ｆに示す底面２が湾
曲した異形煉瓦用のもの、或は第３図Ｇに示す最
下段用として底板２を省略したもの等の多様な変
化があり、要は、目地体１は対となる煉瓦８の配
列位置、形状に対応して変化し、それぞれの煉瓦
８の側面に密着介装されるものである。

以上の本考案の目地体１によると、煉瓦８に必
要な目地体１を選択して接着一体化し、その一体
化物の係止突起４、係止片６等を隣接する目地体
１に連結係止するのみで、煉瓦体８を任意の所要
形状に簡易に積み上げることができる。従つて、
従来工法の様にモルタルセメントの必要はなく、
その上熟練、技術の必要も無く、誰しもが日曜大
工等によつて自在に煉瓦積み工事を行うことがで
きる。

そして、目地体１を用いた煉瓦積み体は、前記
の連結係止機構によつて連鎖状に連結係止され、
当該煉瓦積み体の上下、左右の二軸方向に充分に
係止作用するので、その煉瓦積みの姿勢は安定す
る。そして、目地体１間の連結にも接着剤を用い
ると全体が一体化し、その物理的安定性は極めて
向上する。

さらに本考案の目地体によると、従来のモルタ
ル養生期間の必要がなくな、その煉瓦積み体が直
ちに使用できる利点がある。

なお、本考案の目地体１は、前記の発浮スチロ
ール製以外に、公知の樹脂によつて成形したり、
任意の色彩に着色しても良い。

「考案の効果」 以上の様に、本考案の目地体は煉瓦積み工事を
極めて簡便にし、誰しもが簡易にして物理的強度
が安定した良質の煉瓦積み工事が施工できる優れ
た実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案一実施例の目地体の正投象図を
示し、Ａはその正面図（背面図は正面図と対称に
あらわれる）、Ｂはその右側面図、Ｃはその左側
面図、Ｄはその平面図、Ｅはその底面図、ＦはＣ
のAA断面図、第２図：第１図実施例の使用状態
を示す正面図Ａと、ＡのBB断面図Ｂ、第３図Ａ
〜Ｇ：目地体の各種態様を示す斜視図。 主な符号、１：目地体、２：底板、３：側板、
４：係止突起、５：係止孔、６：係止片、７：係
止溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 煉瓦の底面を載せると共に、該底面の正面長
   さと等長にして該底面と概ね同一面積を有する
   底板と、煉瓦の側面に密着すると共に、該煉瓦
   の側面と等高にして該側面と概ね同一面積を有
   する側板からなるＬ字形板状体からなり、前記
   側板の上端に突設した係止突起と、前記底板の
   中央に設けられて該係止突起を嵌着する係止孔
   からなる連結係止機構と、さらに、前記底板の
   一側縁に突設した先太状の係止片と、該底板の
   他の側縁に設けられて該係止片を逆止状に嵌着
   する係止溝からなる連結係止機構を有し、隣接
   相互間の前記Ｌ字形板状体の前記連結係止機構
   を連結係止して連鎖状に組合せ、一段とびに煉
   瓦をずらして積み上げる構造を特徴とする目地
   体。 (2) 発砲スチロールから成る実用新案登録請求の
   範囲第(1)項記載の目地体。