JPH0334631B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、第１方向への再生機能及び該第１方
向の反対方向である第２方向への再生機能を有す
る往復型テープレコーダーに関し、特にそのリー
ル軸駆動装置に係る。

(ロ) 従来技術 最近ヘツドフオンによつて磁気テープの再生音
を聴取するヘツドフオンステレオと呼ばれる音響
装置が普及している。斯かる音響装置に組込まれ
ているテープレコーダーは長時間再生動作が行な
われるように第１方向への再生機能だけでなく該
第１方向の反対方向である第２方向への再生機能
を有する往復型のテープレコーダーが一般的であ
る。一般のテープレコーダーにおける再生動作時
のリール軸の駆動は、スリツプ機構を介して電動
機の回転をリール軸に伝達するように構成されて
いるため往復型テープレコーダーでは２つのスリ
ツプ機構を備える必要があり、構成が複雑になる
という問題がある。

(ハ) 発明の目的 本発明は、構成が簡単で往復型テープレコーダ
ーに適したリール軸駆動装置を提供しようとする
ものである。

(ニ) 発明の構成 本発明は、第１方向への再生機能及び該第１方
向の反対方向である第２方向への再生機能を有す
る往復型テープレコーダーにおいて、磁気テープ
を第１方向に巻取る第１リール軸と、磁気テープ
を第２方向に巻取る第２リール軸と、再生動作時
電動機の回転がスリツプ機構を介して低速にて伝
達されると共に早送り動作時電動機の回転がスリ
ツプ機構を介することなく高速にて伝達される主
駆動歯車と、早送り用操作摘子の操作により第１
動作位置及び第２動作位置に変位せしめられる回
動板と、該回動板上に回動可能に取付けられてい
ると共に該回動板が第１動作位置にあるとき前記
主駆動歯車に噛合い該主駆動歯車の回転を前記第
１リール軸に伝達する第１伝達歯車と、前記回動
板上に回転可能に取付けられていると共に該回動
板が第２動作位置にあるとき前記主駆動歯車に噛
合い該主駆動歯車の回転を前記第２リール軸に伝
達する第２伝達歯車とより構成されている。

(ホ) 実施例 図面は、何れも本発明に関し、第１図は本発明
に係るテープレコーダーの外観斜視図、第２図及
び第３図は駆動機構の異なる状態を示す平面図、
第４図は駆動機構を示す要部の側面図、第５図、
第６図及び第７図は、伝達機構の異なる状態を示
す平面図である。第１図において、１はテープレ
コーダー本体であり、カセツトテープが装着され
るカセツト装着部２が下面に設けられている。３
は前記テープレコーダー本体１の前面に設けられ
ている再生用操作摘子、４は早送り用操作摘子で
あり第１方向への早送りを行なう第１位置、停止
位置そして第２方向への早送りを行なう第２位置
に変位せしめられるように構成されている。５は
テープレコーダーが動作状態にあるとき操作さ
れ、テープレコーダーを停止状態にする停止用操
作摘子である。

本発明に係る操作系は、以上の如く構成されて
いるが次に第２図、第３図及び第４図を参照して
駆動系について説明する。図において、６は軸７
によつて固定基板（図示せず）に回動可能に取付
けられていると共に通常は第２図に示す高速駆動
位置にある回動アームであり、前記再生用操作摘
子３を操作すると第３図に示す再生駆動位置に変
位せしめられるように構成されている。８は前記
回動アーム６が取付けられている軸７に回動可能
に取付けられていると共に電動機（図示せず）の
回転が伝達される駆動歯車、９は前記回動アーム
６上に軸１０によつて回動可能に取付けられてい
ると共に前記駆動歯車８と常時噛合つた状態にあ
る高速駆動用歯車であり、再生駆動用歯車１１が
一体的に形成されている。１２は固定基板にネジ
１３，１４，１５によつて固定されている取付基
板、１６は該取付基板１２に軸１７によつて回動
可能に取付けられていると共に前記回動アーム６
が再生駆動位置にあるとき前記再生駆動用歯車１
１と噛合う第１駆動歯車、１８は前記軸１７に回
動可能に取付けられていると共に前記第１駆動歯
車１６の回転がスリツプ機構を構成するフエルト
１９を介して伝達される第２駆動歯車、２０は前
記軸１７に該第２駆動歯車１８と一体的に回転す
るべく取付けられている主駆動歯車である。２１
は前記取付基板１２に軸２２によつて回動可能に
取付けられていると共に前記回動アーム６が高速
駆動位置にあるとき前記高速駆動用歯車９と噛合
う第３駆動歯車、２３は前記取付基板１２に軸２
４によつて回動可能に取付けられていると共に常
時前記第２駆動歯車１８及び第３駆動歯車２１に
噛合つた状態にある第４駆動歯車であり、前記第
３駆動歯車２１の回転を第２駆動歯車１８に伝達
する作用を有している。このように駆動系は構成
されており、再生動作状態では、電動機の回転が
駆動歯車８−高速駆動用歯車９−再生駆動用歯車
１１−第１駆動歯車１６−フエルト１９−第２駆
動歯車１８を介して主駆動歯車２０に伝達され
る。また早送り動作状態では、電動機の回転が駆
動歯車８−高速駆動用歯車９−第３駆動歯車２１
−第４駆動歯車２３−第２駆動歯車１８を介して
主駆動歯車２０に伝達される。

本発明に係る駆動系は、以上の如く構成されて
いるが次に第５図、第６図及び第２図を参照して
伝達系について説明する。２５は第１方向へ再生
動作時及び早送り動作時回転駆動される第１リー
ル軸であり、固定基板に軸２６によつて回転可能
に取付けられていると共に歯車２７が形成されて
いる。２８は第１方向の反対方向である第２方向
への再生動作時及び早送り動作時回転駆動される
第２リール軸であり、固定基板に軸２９によつて
回動可能に取付けられていると共に歯車３０が形
成されている。３１は固定基板に軸３２によつて
回動可能に取付けられている切換レバーであり、
前記早送り用操作摘子４により第１方向への早送
りを行なう第１位置、停止位置そして第２方向へ
の早送りを行なう第２位置に変位せしめられる。
３３は前記第１リール軸２５が取付けられている
軸２６を中心として回動可能に取付けられている
回動板であり前記レバー３１に形成されている係
合部３４と係合する係合片３５が形成されてい
る。斯かる構成において、切換レバー３１を第５
図に示す停止位置より第６図に示す第１位置に変
位せしめると回動板３３は軸２６を中心として反
時計方向である第１動作位置に変位せしめられ、
第７図に示す第２位置に変位せしめると回動板３
３は軸２６を中心として時計方向である第２動作
位置に変位せしめられるように関係付けられてい
る。３６は固定基板に軸３７によつて回動可能に
取付けられている。中間歯車であり、前記第２リ
ール軸２８に形成されている歯車３０に噛合わさ
れている。３８は前記回動板３３上に軸３９によ
つて回動可能に取付けられていると共に前記第１
リール軸２５に形成されている歯車２７と噛合つ
た状態にある第１伝達歯車であり、該回動板３３
が第１動作位置にあるとき前記主駆動歯車２０に
噛合うように構成されている。４０は前記回動板
３３上に軸４１によつて回転可能に取付けられて
いる第２伝達歯車であり、該回動板３３が第２動
作位置にあるとき前記主駆動歯車２０及び中間歯
車３６に噛合うように構成されている。

以上の如く本発明に係る操作系、駆動系及び伝
達系は構成されているが停止状態より再生用操作
摘子３を操作すると切換レバー３１が停止位置よ
り第１位置に回動変位せしめられるように構成さ
れている。また前記切換レバー３１は第１位置、
停止位置及び第２位置にクリツク機構等によつて
ロツク保持されるように構成されており、前記早
送り用操作摘子４を操作することによつて各位置
に変位せしめられるように構成されている。前記
再生用操作摘子３が動作位置にあるとき早送り用
操作摘子を操作しても該再生用操作摘子３は非動
作位置に復帰せしめられることはない。また各動
作状態にあるときに停止操作を行なうと再生用操
作摘子３は非動作位置に復帰せしめられ、早送り
用操作摘子４は停止位置に復帰せしめられる。

以上の如く本発明は構成されており次に動作に
ついて説明する。テープレコーダーが停止状態に
あるとき回動アーム６は第２図に示した高速駆動
位置にあり、早送り用操作摘子４によつて操作さ
れる切換レバー３１は第５図に示した停止位置に
ある。斯かる状態にあるとき使用者が再生用操作
摘子３を操作すると回動アーム６が第３図に示し
た再生駆動位置に変位せしめられると共に切換レ
バー３１が第６図に示した第１位置に回動変位せ
しめられる。また斯かる再生装置に伴なつて磁気
ヘツドが磁気テープ接触すると共にキヤプスタン
にピンチローラーが圧着され、また電動機に電源
が供給される。このようにして再生動作は構成さ
れるが電動機からの回転は駆動歯車８−高速駆動
用歯車９−再生駆動用歯車１１−第１駆動歯車１
６−フエルト１９−第２駆動歯車１８を介して主
駆動歯車２０に伝達され該主駆動歯車２０は矢印
方向へ低速にて回転せしめられる。前記切換レバ
ー３１が第１位置に回動変位せしめられた状態で
は、前記主駆動歯車２０に第１伝達歯車３８が噛
合つた状態にあるため該主駆動歯車２０の回転は
該第１伝達歯車３８を介して歯車２７即ち第１リ
ール軸２５に伝達される。このようにして電動機
の回転が第１リール軸２５に伝達される結果第１
方向への再生動作が行なわれることになる。斯か
る第１方向への再生動作状態にあるとき切換レバ
ー３１は第１位置にあるため該切換レバー３１に
取付けられている早送り用操作摘子４はテープレ
コーダー本体１の前面に設けられている記号Ａ側
に位置せしめられている。従つて、使用者は、前
記記号Ａ側に早送り用操作摘子４が位置している
ことによつて第１方向への再生動作が行なわれて
いることを認知することが出来る。このように第
１方向への再生動作は行なわれるが次に第１方向
の反対側である第２方向への再生動作について説
明する。斯かる第２方向への再生動作は、テープ
レコーダーが第１方向への再生動作状態にあると
きに早送り用操作摘子４を記号Ｂで示される第２
位置に変位せしめることによつて行なわれる。早
送り用操作摘子４を記号Ｂ側に変位せしめると切
換レバー３１が軸３２を中心として反時計方向に
回動変位せしめられ第７図に示した状態になる。
前記切換レバー３１が第７図に示した第２位置に
あるとき回動板３３上に取付けられている第２伝
達歯車４０は主駆動歯車２０及び中間歯車３６に
噛合つた状態にある。従つて、主駆動歯車２０の
回転は第２伝達歯車４０及び中間歯車３６を介し
て歯車３０即ち第２リール軸２８に伝達される。
このようにして電動機の回転が第２リール軸２８
に伝達される結果第２方向への再生動作は行なわ
れるが同時に磁気ヘツドやピンチローラーも反対
側に切換えられることは説明するまでもない。斯
かる第２方向への再生動作状態にあるとき切換レ
バー３１に取付けられている早送り用操作摘子４
は記号Ｂ側に位置せしめられているため、使用者
は第２方向への再生動作が行なわれていることを
認知することが出来る。このように第１方向への
再生動作が行なわれているときの第２方向への再
生方向の切換動作は行なわれるが第２方向から第
１方向への再生方向の切換動作も同様に行なわれ
るのでその説明は省略する。またテープレコーダ
ーが第１方向又は第２方向への再生動作状態にあ
るときに停止用操作摘子５を操作すると再生用操
作摘子３が非動作位置に復帰せしめられると共に
早送り用操作摘子４が第５図に示した停止状態に
復帰せしめられる。

以上の如く再生用操作摘子３が動作位置にある
とき早送り用操作摘子４を第１位置及び第２位置
に変位せしめるとテープレコーダーは第１方向及
び第２方向への再生動作状態になるが早送り用操
作摘子４を停止位置に位置せしめると第５図に示
したように第１伝達歯車３８及び第２伝達歯車４
０は共に主駆動歯車２０より離間した状態にな
る。従つて、主駆動歯車２０の回転が第１リール
軸２５及び第２リール軸２８に伝達されることは
なく、斯かる状態にあるときピンチローラーをキ
ヤプスタンより離間せしめればテープレコーダー
を一時停止状態にすることが出来る。斯かる一時
停止状態あるとき早送り用操作摘子４を第１位置
又は第２位置に変位せしめれば再び第１方向又は
第２方向への再生動作を開始させることが出来
る。

以上の如く再生動作は行なわれるが次に早送り
動作について説明する。斯かる早送り動作はテー
プレコーダーが停止状態にあるときに早送り用操
作摘子４を操作することによつて行なわれるが、
まず第１方向への早送り動作について説明する。
テープレコーダーが停止状態にあるときに早送り
用操作摘子４を第１位置即ち記号Ａ側に位置せし
めると第６図に示した位置に切換レバー３１が回
動変位する。その結果回動板３３が回動変位し、
該回動板３３上に取付けられている第１伝達歯車
３８が主駆動歯車２０で噛合つた状態になる。ま
た斯かる早送り状態では回動アーム６は第２図に
示した高速駆動位置にあり、電動機からの回転は
駆動８−高速駆動用歯車９−第３駆動歯車２１−
第４駆動歯車２３−第２駆動歯車１８を介して主
駆動歯車２０に伝達され、該主駆動歯車２０は矢
印方向へ高速にて回転せしめられる。前記切換レ
バー３１が第１位置に回動変位せしめられた状態
では、前記主駆動歯車２０に第１伝達歯車３８が
噛合つた状態にあるため該主駆動歯車２０の回転
は該第１伝達歯車３８を介して歯車２７即ち第１
リール軸２５に伝達される。このようにして電動
機の回転が第１リール軸２５に伝達される結果、
第１方向への早送り動作が行なわれることにな
る。斯かる第１方向への早送り動作状態が行なわ
れているときに早送り用操作摘子４を停止位置に
操作変位せしめるか、停止用操作摘子５を操作す
れば早送り動作が解除されてテープレコーダーは
停止状態になる。

以上の如く、第１方向への早送り動作は行なわ
れるが次に第２方向への早送り動作について説明
する。斯かる第２方向への早送り動作は、テープ
レコーダーが停止状態にあるときに早送り用操作
摘子４を第２位置即ち記号Ｂ側に位置せしめるこ
とによつて行なわれる。前記早送り用操作摘子４
を記号Ｂ側に変位せしめると切換レバー３１が第
７図に示した位置に回動変位し、回動板３３の変
位に伴なつて第２伝達歯車４０が主駆動歯車２０
及び中間歯車３６に噛合つた状態になる。早送り
動作状態では、前述したように電動機の回転が主
駆動歯車２０に高速にて伝達され、該主駆動歯車
２０の回転は第２伝達歯車４０及び中間歯車３６
を介して歯車３０即ち第２リール軸２８に伝達さ
れる。このようにして電動機の回転が第２リール
軸に伝達される結果、第２方向への早送り動作が
行なわれることになる。斯かる第２方向への早送
り動作が行なわれているときに早送り用操作摘子
４を停止位置に変位せしめるか、停止用操作摘子
５を操作すれば早送り動作が解除されてテープレ
コーダーは停止状態になる。

(ヘ) 発明の効果 本発明のリール軸駆動装置は、磁気テープを第
１方向に巻取る第１リール軸及び該第１方向の反
対方向である第２方向に巻取る第２リール軸の駆
動動作を１つの主駆動歯車からの回転を伝達歯車
によつて伝達することによつて行なうように構成
しただけでなく、電動機の回転を再生動作時には
スリツプ機構を介して前記主駆動歯車に低速にて
伝達し、早送り動作時にはスリツプ機構を介する
ことなく該主駆動歯車に高速にて伝達するように
構成したことを特徴とするものであり、このよう
にしたのでスリツプ機構を２つ設ける必要がな
く、構成が簡単になるという利点を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は、何れも本発明のリール軸駆動装置に関
し、第１図は本発明に係るテープレコーダーの外
観斜視図、第２図及び第３図は駆動機構の異なる
状態を示す平面図、第４図は駆動機構を示す要部
の側面図、第５図、第６図及び第７図は伝達機構
の異なる状態を示す平面図である。 主な図番の説明、３……再生用操作摘子、４…
…早送り用操作摘子、５……停止用操作摘子、６
……回動アーム、８……駆動歯車、９……高速駆
動用歯車、１１……再生駆動用歯車、１２……取
付基板、１６……第１駆動歯車、１８……第２駆
動歯車、２０……主駆動歯車、２１……第３駆動
歯車、２３……第４駆動歯車、２５……第１リー
ル軸、２８……第２リール軸、３１……切換レバ
ー、３３……回動板、３６……中間歯車、３８…
…第１伝達歯車、４０……第２伝達歯車。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第１方向への再生機能及び該第１方向の反対
   方向である第２方向への再生機能を有する往復型
   テープレコーダーにおいて、磁気テープを第１方
   向に巻取る第１リール軸と、磁気テープを第２方
   向に巻取る第２リール軸と、再生動作時電動機の
   回転がスリツプ機構を介して低速にて伝達される
   と共に早送り動作時電動機の回転がスリツプ機構
   を介することなく高速にて伝達される主駆動歯車
   と、早送り用操作摘子の操作により第１動作位置
   及び第２動作位置に変位せしめられる回動板と、
   該回動板上に回動可能に取付けられていると共に
   該回動板が第１動作位置にあるとき前記主駆動歯
   車に噛合い該主駆動歯車の回転を前記第１リール
   軸に伝達する第１伝達歯車と、前記回動板上に回
   転可能に取付けられていると共に該回動板が第２
   動作位置にあるとき前記主駆動歯車に噛合い該主
   駆動歯車の回転を前記第２リール軸に伝達する第
   ２伝達歯車とより成る往復型テープレコーダーの
   リール軸駆動装置。