JPH0525073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、一方向への再生又は録音動作が行わ
れてテープが終端まで走行したとき、自動的に走
行方向を反転させて反対方向への再生又は録音動
作を行うオートリバース式テープレコーダの駆動
装置に関する。

(ロ) 従来の技術 最近ヘツドフオンによつてテープの再生音を聴
取するようにしたヘツドフオンステレオと呼ばれ
るテープレコーダが普及しているが、斯かるヘツ
ドフオンステレオに使用されるテープレコーダ
は、第１方向への再生機能に加えて第１方向の反
対方向である第２方向への再生機能を一般に備え
ている。そして、斯かる両方向再生機能を有する
テープレコーダは、再生動作によりテープが終端
まで走行すると自動的に反対方向への再生動作を
行う自動反転装置を備えている。斯かる自動反転
装置としては、例えば実公昭55−29883号公報に
記載されたものがある。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 前述した技術においては、再生方向の切換動作
をプランジヤーの吸引力を利用して行うように構
成されているが、斯かる技術は超小型のテープレ
コーダでは電源として小型の電池が使用される点
及び小型化のために取付けスペースに規制を受け
る等の理由により適していない。

そこで、特願昭60−45162号（特開昭61−
204850号）の明細書及び図面に記載されているよ
うに再生方向の切換動作を電動機の回転力を利用
して行うようにした技術が開発されている。斯か
る技術は、切換歯車の回転力によつて切換動作を
行うように構成されているが、斯かる切換歯車の
回転動作は再生動作によりテープが終端まで走行
した場合に行う必要があるものの早送りによりテ
ープが終端まで走行した場合には行う必要が無い
ものである。

本考案は、斯かる選択動作をリール軸の回転駆
動動作を行う駆動機構を利用して行うことが出来
る装置を提供しようとするものである。

(ニ) 課題を解決するための手段 本考案の駆動装置は、キヤプスタン軸に固着さ
れているキヤプスタン歯車と、前記キヤプスタン
軸を中心として再生駆動位置と高速駆動位置との
間を回動自在に設けられている切換レバーと、該
切換レバー上に回転可能に取付けられているとと
もに前記キヤプスタン歯車に常時噛み合つた状態
にある大径伝動歯車と、該大径伝動歯車と同軸に
回転可能に取付けられているとともに該大径伝動
歯車と一体的に回転する小径伝動歯車と、前記切
換レバー上に回転可能に取付けられているととも
に前記大径伝動歯車に常時噛み合つた状態にある
高速駆動歯車と、該高速駆動歯車と同軸に回転可
能に取付けられているとともに該高速駆動歯車と
一体的に回転する補助歯車と、周囲に欠歯部が設
けられているとともに前記補助歯車との噛み合い
による回転駆動動作によりテープの走行方向を切
換える切換歯車と、前記切換レバーが再生駆動位
置にあるとき前記小径伝動歯車と噛み合う大径伝
達歯車と、該大径伝達歯車と同軸に設けられてい
るとともに該大径伝達歯車の回転が伝達され、且
つ高速駆動動作時前記切換レバーの高速駆動位置
への回動変位により前記高速駆動歯車の回転が伝
達される小径伝達歯車と、ホワード側のリール軸
を駆動するホワード動作位置とリバース側のリー
ル軸を駆動するリバース動作位置との間を回動可
能に設けられている回動レバー上に回転可能に取
付けられているとともに前記小径伝達歯車の回転
を選択的にホワード側又はリバース側のリール歯
車に伝達するアイドラ歯車とより構成されてい
る。

(ホ) 作用 本考案は、キヤプスタン軸を中心として再生駆
動位置と高速駆動位置との間を回動自在に設けら
れている切換レバー上に回転駆動動作によりテー
プの走行方向を切換える切換歯車と噛み合う補助
歯車を設け、該切換レバーが再生駆動位置にある
ときのみ前記補助歯車と前記切換歯車との噛み合
い動作を可能にすることによつて切換歯車の回転
駆動動作を選択的に行うようにしたものである。

(ヘ) 実施例 図面はいずれも本考案に関し、第１図は高速駆
動状態を示す平面図、第２図は再生駆動状態を示
す平面図である。

図において、１はリバース方向への再生駆動を
行うフライホイール２ａの軸であるキヤプスタン
軸３ａに固着されているキヤプスタン歯車、４は
前記キヤプスタン軸３ａを中心として第２図に示
す再生駆動位置と第１図に示す高速駆動位置との
間を回動自在に設けられている切換レバーであ
り、再生操作が行われると再生駆動位置に変位せ
しめられるとともに高速送り操作が行われると高
速駆動位置に変位せしめられるように構成されて
いる。５は前記切換レバー４上に回転可能に取付
けられているとともに前記キヤプスタン歯車１に
常時噛み合つた状態にある大径伝動歯車、６は該
大径伝動歯車５と同軸に回転可能に取付けられて
いるとともに該大径伝動歯車５と一体的に回転す
る小径伝動歯車である。８は前記切換レバー４上
に回転可能に取付けられているとともに前記大径
伝動歯車５に常時噛み合つた状態にある高速駆動
歯車であり、補助歯車９が一体的に回転するべく
設けられている。

１０は周囲に欠歯部１１，１１が設けられてい
るとともに前記切換レバー４が再生駆動位置にあ
るとき走行方向切換えのためのトリガー動作が行
われると前記補助歯車９と噛み合い所定の位置ま
で回転せしめられる切換歯車であり、走行方向を
切換えるべく設けられている走行方向切換プレー
ト１３の窓１４の縁を当接押圧することにより該
走行方向切換プレート１３を矢印Ａ方向及び矢印
Ｂ方向に変位せしめるピン１２が固装されてい
る。

１５は固定基板等に回転可能に取付けられてい
るとともに前記切換レバー４が再生駆動位置にあ
るとき前記小径伝動歯車６と噛み合う大径伝達歯
車、１６は前記大径伝達歯車１５と同軸に回転可
能に設けられているとともに該大径伝達歯車１５
の回転が伝達される小径伝達歯車、１７は常時前
記小径伝達歯車１６と噛み合つた状態にある中間
歯車であり、前記切換レバー４が高速駆動位置に
あるとき高速駆動歯車８と噛み合うように構成さ
れている。

１９はホワード側のリール軸を駆動するホワー
ド動作位置とリバース側のリール軸を駆動するリ
バース動作位置との間を回動可能に設けられてい
る回動レバーであり、再生動作時には前記走行方
向切換プレート１３によつて各動作位置に変位せ
しめられるとともに高速駆動時には高速送り用の
操作レバーによつて各動作位置に変位せしめられ
るように構成されている。１８は前記回動レバー
１９上に回転可能に取付けられているともに前記
小径伝達歯車１６と噛み合うアイドラ歯車、２０
はホワード側のリール軸に形成されているリール
歯車、２１は前記リール歯車２０に常時噛み合つ
た状態にある仲介歯車であり、前記回動レバー１
９がホワード動作位置にあるとき前記アイドラ歯
車、１８と噛み合うように構成されている。２２
はリバース側のリール軸に形成されているリール
歯車であり、前記回動レバー１９がリバース動作
位置にあるとき前記アイドラ歯車１８と噛み合う
ように構成されている。

また、斯かる構成において、前記走行方向切換
プレート１３は前記切換歯車１０によつて矢印Ａ
方向及び矢印Ｂ方向の位置が規制されるが、該走
行方向切換プレート１３が第２図に示す位置、即
ち矢印Ａ方向に位置せしめられた状態にあるとき
ホワード方向への再生駆動動作が行われるように
構成されている。そして、斯かる走行方向切換プ
レート１３の前記切換歯車１０による変位動作は
再生方向の切換操作時又はテープの終端検出機構
による反転動作時に行われるように構成されてい
る。

以上の如く本考案の駆動装置は構成されてお
り、次に動作について説明する。使用者がホワー
ド方向への再生動作を行う操作釦を操作すると、
切換レバー４が第２図に示す再生駆動位置に変位
せしめられる。該切換レバー４が再生駆動位置に
変位すると、小径伝動歯車６が大径伝達歯車１５
と噛み合つた状態になるとともに補助歯車９が切
換歯車１０と噛み合い可能な位置に変位せしめら
れる。第２図は斯かる操作が行われた状態を示す
ものであり、斯かる状態において電動機に電源が
供給されると、キヤプスタン軸３ａが反時計方向
に回転せしめられるとともにホワード方向への駆
動動作を行うべく設けられているピンチローラー
（図示せず）が圧着されているキヤプスタン軸３
ｂが時計方向に回転せしめられる。また、前記走
行方向切換プレート１３がホワード方向への駆動
動作を行う位置にあるため、回動レバー１９はホ
ワード動作位置にあり、該回動レバー１９上に設
けれているアイドラ歯車１８は小径伝達歯車１６
及び仲介歯車２１に噛み合つた状態になる。

前記キヤプスタン軸３ａが電動機により反時計
方向に回転されるとキヤプスタン歯車１も反時計
方向に回転せしめられる。その結果、該キヤプス
タン歯車１の回転が、大径伝動歯車５、小径伝動
歯車６、大径伝達歯車１５、小径伝達歯車１６、
アイドラ歯車１８及び仲介歯車２１を介してリー
ル歯車２０に伝達されるため、ホワード側のリー
ル軸の再生動作のための駆動動作が行われる。

ホワード方向への再生操作が行われると前述し
た状態になるため、キヤプスタン軸３ｂとピンチ
ローラーによる定速駆動動作及びホワード側のリ
ール軸による再生動作のための巻き取り動作が行
われ、ホワード方向への再生動作が行われること
になる。

斯かるホワード方向への再生動作が行われてテ
ープが終端まで走行すると終端検出機構が作動
し、前記切換歯車１０をトリガーする。その結
果、前記切換歯車１０が時計方向に少しく回転せ
しめられ、該切換歯車１０が反時計方向に回転駆
動されている補助歯車９に噛み合わせられる。従
つて、前記切換歯車１０は前記補助歯車９の回転
駆動力によつて時計方向に回転せしめられる。前
記切換歯車１０が所定の位置、即ち欠歯部１１が
補助歯車９と対向する位置まで回転するとその噛
み合い状態が解除されるとともに該切換歯車１０
はその位置にロツク保持されることになる。

前記切換歯車１０が所定の位置まで回転する
と、該切換歯車１０に固装されているピン１２が
走行方向切換プレート１３に形成されている窓１
４の右辺を当接押圧するため、該走行方向切換プ
レート１３は矢印Ｂ方向へ摺動変位せしめられ
る。前記走行方向切換プレート１３が矢印Ｂ方向
に摺動変位すると、キヤプスタン軸３ｂへ圧着さ
れていたピンチローラーが該キヤプスタン軸３ｂ
より離間せしめられるとともにキヤプスタン軸３
ａにリバース方向への駆動動作を行うべく設けら
れているピンチローラー（図示せず）が圧着され
る。また、前記走行方向切換プレート１３の矢印
Ｂ方向への摺動変位により回動レバー１９がリバ
ース動作位置に変位すると該回動レバー１９上に
設けられているアイドラ歯車１８が破線で示すよ
うに小径伝達歯車１６及びリール歯車２２に噛み
合つた状態になる。

その結果、前記キヤプスタン歯車１の回転が、
大径伝動歯車５、小径伝動歯車６、大径伝達歯車
１５、小径伝達歯車１６及びアイドラ歯車１８を
介してリール歯車２２に伝達されるため、リバー
ス側のリール軸の再生動作のための駆動動作が行
われる。

再生方向の切換動作が行われると前述した状態
になるため、キヤプスタン軸３ａとピンチローラ
ーによる定速駆動動作及びリバース側のリール軸
による再生動作のための巻き取り動作が行われ、
リバース方向への再生動作が行われることにな
る。

以上の如く再生動作のための駆動動作及び再生
方向の反転のための動作は行われるが、次に高速
駆動動作について説明する。

前述したホワード側への高速駆動動作、即ちホ
ワード側への再生状態において早送り動作、リバ
ース側への再生状態においては巻戻し動作となる
駆動動作について説明する。斯かる動作を行うた
めの操作をすると、切換レバー４が第１図に示す
高速駆動位置に変位せしめられるとともに回動レ
バー１９がホワード動作位置に変位せしめられ
る。

前記切換レバー４が高速駆動位置に変位せしめ
られると高速駆動歯車８が中間歯車１７に噛み合
つた状態になるとともに補助歯車９が切換歯車１
０と噛み合うことが出来ない位置に変位せしめら
れる。また、前記回動レバー１９がホワード動作
位置に変位せしめられるとアイドラ歯車１８が小
径伝達歯車１６及び仲介歯車２１に噛み合つた状
態になる。

ホワード方向への高速駆動を行う操作をすると
前述した駆動状態が形成される。それ故、反時計
方向に回転駆動されているキヤプスタン歯車１の
回転が、大径伝動歯車５、高速駆動歯車８、中間
歯車１７、小径伝達歯車１６、アイドラ歯車１８
及び仲介歯車２１を介してリール歯車２０に伝達
されるため、ホワード側のリール軸が高速にて回
転駆動されることになる。

このようにホワード側へのテープの高速駆動動
作は行われるが、リバース側への高速駆動動作、
即ちホワード側への再生状態においては巻戻し動
作、リバース側への再生状態においては早送り動
作となる駆動動作について説明する。斯かる動作
を行うための操作をすると、切換レバー４が第１
図に示す高速駆動位置に変位せしめられるととも
に回動レバー１９がリバース動作位置に変位せし
められる。

前記切換レバー４が高速駆動位置に変位せしめ
られると前述したように高速駆動歯車８が中間歯
車１７に噛み合つた状態になるとともに補助歯車
９が切換歯車１０と噛み合うことが出来ない位置
に変位せしめられる。また、前記回動レバー１９
がリバース動作位置に変位せしめられるとアイド
ラ歯車１８が小径伝達歯車１６及びリール歯車２
２に噛み合つた状態になる。

リバース方向への高速駆動を行う操作をすると
前述した駆動状態が形成される。それ故、反時計
方向に回転駆動されているキヤプスタン歯車１の
回転が、大径伝動歯車５、高速駆動歯車８、中間
歯車１７、小径伝達歯車１６及びアイドラ歯車１
８を介してリール歯車２２に伝達されるため、リ
バース側のリール軸が高速にて回転駆動されるこ
とになる。

以上の如く、ホワード方向及びリバース方向へ
の高速駆動動作は行われるが、斯かる動作が行わ
れているとき、補助歯車９が切換歯車１０と噛み
合わない位置に変位せしめられている。そのた
め、高速駆動動作によりテープが終端まで走行
し、終端検出機構の働きによつて切換歯車１０に
トリガーが加えられても該切換歯車１０が補助歯
車９に噛み合うことがなく、走行方向の切換動作
が行われることはない。

(ト) 考案の効果 本考案は、キヤプスタン軸を中心として再生駆
動位置と高速駆動位置との間を回動自在に設けら
れている切換レバー上に回転駆動動作によりテー
プの走行方向を切換える切換歯車と噛み合う補助
歯車を設け、該切換レバーが再生駆動位置にある
ときのみ前記補助歯車と前記切換歯車との噛み合
い動作を可能にしたので、高速駆動動作時に反転
機構が動作しないようにするための特別な機構を
設ける必要がなく、本考案はオートリバース式テ
ープレコーダの小型化に対して非常に大きな効果
を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案に関し、第１図は高速駆
動状態を示す平面図、第２図は再生駆動状態を示
す平面図である。 主な図番の説明、１……キヤプスタン歯車、３
ａ，３ｂ……キヤプスタン軸、４……切換レバ
ー、５……大径伝動歯車、６……小径伝動歯車、
８……高速駆動歯車、９……補助歯車、１０……
切換歯車、１５……大径伝達歯車、１６……小径
伝達歯車、１８……アイドラ歯車、１９……回動
レバー、２０，２２……リール歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フライホイールの回転軸であるキヤプスタン軸
   に固着されているキヤプスタン歯車と、前記キヤ
   プスタン軸を中心として再生駆動位置と高速駆動
   位置との間を回動自在に設けられている切換レバ
   ーと、該切換レバー上に回転可能に取付けられて
   いるとともに前記キヤプスタン歯車に常時噛み合
   つた状態にある大径伝動歯車と、該大径伝動歯車
   と同軸に回転可能に取付けられているとともに該
   大径伝動歯車と一体的に回転する小径伝動歯車
   と、前記切換レバー上に回転可能に取付けられて
   いるとともに前記大径伝動歯車に常時噛み合つた
   状態にある高速駆動歯車と、該高速駆動歯車と同
   軸に回転可能に取付けられているとともに該高速
   駆動歯車と一体的に回転する補助歯車と、周囲に
   欠歯部が設けられているとともに前記補助歯車と
   の噛み合いによる回転駆動動作によりテープの走
   行方向を切換える切換歯車と、前記切換レバーが
   再生駆動位置にあるとき前記小径伝動歯車と噛み
   合う大径伝達歯車と、該大径伝達歯車と同軸に設
   けられているとともに該大径伝達歯車の回転が伝
   達され、且つ高速駆動動作時前記切換レバーの高
   速駆動位置への回動変位により前記高速駆動歯車
   の回転が伝達される小径伝達歯車と、ホワード側
   のリール軸を駆動するホワード動作位置とリバー
   ス側のリール軸を駆動するリバース動作位置との
   間を回動可能に設けられている回動レバーと、該
   回動レバー上に回転可能に取付けられているとと
   もに前記小径伝達歯車の回転を選択的にホワード
   側又はリバース側のリール歯車に伝達するアイド
   ラ歯車とよりなり、前記切換レバーが再生駆動位
   置にあるときのみ前記補助歯車と前記切換歯車と
   の噛み合い動作を可能にしたことを特徴とするオ
   ートリバース式テープレコーダの駆動装置。