JPH0334276Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は精米機に関し、特に糠案内カバーに
関するものである。

〔従来の技術〕

一般家庭において使用される精米機において、
精米機構は、玄米の送り出し用ネジ軸の先端に精
米用のピツチの粗い逆送り方向のら旋を設けた精
白軸を一体に設け、その精米軸のまわりに多孔性
の精白筒を被せ、精白軸と精白筒との間における
米相互の強い摩擦によつて玄米を精白するように
なつている。精白された米は、精白筒前端の吐出
口から押出され、また精白筒の孔から糠が排出さ
れるようになつている。

一方、駆動部の固定部分に筒状の固定部材が設
けられ、その固定部材は前記の精白筒のまわりを
囲み、精白筒を支持するようになつており、その
下部に糠排出用の開放部が形成されている。また
糠の飛び散りを防止するため、固定部材のまわり
に糠案内カバーを取付け、カバー下端の開放部を
糠容器上に臨ませている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のごとき精米機においては、精白筒の目詰
りを防止するため、しばしばこれを抜き出して清
掃する必要があるが、その場合に精白筒からこぼ
れ出た米が糠案内カバーを通つて糠容器内に落下
することがある。このようなことは、米が無駄に
なるだけてけなく、質の良い糠を得ようとする者
にとつては、その品質を低下させることになり、
いずれにしても好ましいことではない。

そこで、この考案は上記の問題点を解決し、精
白筒抜き出しの際に落下する米を精米容器に回収
できるようにすることを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案は糠
案内カバーを固定部材のまわりに回転自在に取付
けた構成としたものである。

〔作用〕

精米筒を抜き出す前に予め糠案内カバーを操作
してその開放部を精米容器側へ回転させておく。
そうすると、落下した米は精米容器へ導かれる。

〔実施例〕

添付の図面に示すように、実施例の精米機は、
前面開放のケース１の内部に精米機構２（第４図
参照）を備えるとともに、その下部に精米容器３
と糠容器４を出入れ自在に並べて設置し、精米機
構２の前面部分を着脱自在の前カバー５によつて
閉塞したものであり、ケース１の上面に被せた蓋
６を開放し、ケース１内に設けたホツパー７から
玄米を供給するとともに精米機構２を駆動し、精
白された米を精米機構２の前面の吐出口８から順
次吐出するようにしたものである。吐出された米
は精米容器３に案内され、また精米機構２の精白
筒９の外周から排出された糠は、糠容器４に落下
する。

精米機構２は、逆送り方向の長いピツチのら旋
を施した精白軸１０と、そのまわりに嵌められた
六角筒形の多孔性精白筒９とからなる。精米機構
２は、駆動装置の一部１１に一体化された筒状の
固定部材１２に囲まれており、上記の精白筒９は
この固定部材１２の前面に設けた穴１３から抜き
差しされるようになつている。

上記の固定部材１２の下部には幅の広い開放部
１４が全長にわたり形成されており、またその後
端部の外周面２個所に取付部１５が突設されてい
る。

固定部材１２のまわりには糠案内カバー１６が
嵌合されている。糠案内カバー１６は全体として
筒形であり、その下部に斜め下方に延び出した対
向案内壁１７，１７′が形成され（第６図参照）、
その案内壁１７，１７′の先端間に開放部１８が
全長にわたり形成されている。また、糠案内カバ
ー１６の前端内周にはリブ１９が形成され、固定
部材１２の前面部外周に形成した案内溝２０に緩
く嵌合されている。

また、糠案内カバー１６の後端部には固定部材
１２の取付部１５の高さ分だけ大きい大径部２１
が形成され、その大径部２１の内周面にストツパ
ー２２を突設し、このストツパー２２を取付部１
５に係合させることにより、糠案内カバー１６の
回転角度を一定に制限している。

上記の回転角度は、その一方の回転限において
開放部１８が糠容器４上に臨み、他方の回転限に
おいて精米容器３上に臨むように（第６図鎖線参
照）定められる。

また、糠案内カバー１６の前面部の一側にはヒ
ンジ固定部２３が突設され、精白筒９の押え板２
４と案内カバー２５とをヒンジピン２６によつて
開閉自在に取付けるようになつており、またその
案内カバー２５と押え板２４との間に形成される
案内空間２７にブラケツト２８に取付けられた調
整板２９を挿入し、そのブラケツト２８を案内カ
バー２５の切欠き３０内面にピン３１により揺動
自在に取付け、その調節板２９を前記の吐出口８
の前面に臨ませている。なお、案内カバー２５は
ロツクネジ３２によつて固定部材１２にロツクさ
れる。

また、ブラケツト２８の上端には調整バネ３３
が押し当てられ、ボルト３４の調整ネジ３５を操
作することにより、調整板２９の吐出口８に対す
る間隙を調整できるようになつている。

この考案の実施例は、以上のごとき構成であ
り、精米時は精白された米を吐出口８から押出
し、案内通路３６を通じて精米容器３に案内する
とともに、糠案内カバー１６によつて糠を糠容器
４に案内する。

精白筒９を抜き出す際は、予め糠案内カバー１
６を回転せしめ、開放部１８を精米容器３側に回
わしておく。そうすると、精白筒９の抜き出しの
際に米が落下したとしても、その米は糠案内カバ
ー１６によつて精米容器３に案内される。

〔効果〕

以上のように、この考案は糠案内カバーを回転
自在に取付けたものであるから、必要に応じてそ
の開放端を精米容器側に切換えておくことができ
る。そのため、精白筒抜き出しの際に米が落下し
てもこれを糠容器内の糠に混入させることがな
い。したがつて、米が無駄になることがないとと
もに、品質の良い糠を得ることができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の分解斜視図、第２図は同上の
一部省略縦断正面図、第３図は同上の一部省略横
断平面図、第４図は第２図−線における断面
図、第５図は同上の主要部分の分解斜視図、第６
図は第４図の−線における断面図である。 １……ケース、２……精米機構、３……精米容
器、４……糠容器、８……吐出口、９……精白
筒、１０……精白軸、１２……固定部材、１４…
…開放部、１５……取付部、１６……糠案内カバ
ー、１７，１７′……案内壁、１８……開放部、
１９……リブ、２０……案内溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 精米機構のまわりに取付けられる筒形固定部
   材の下部に糠排出用の開放部を設け、上記固定
   部材のまわりに糠案内カバーを取付けてなる精
   米機において、上記糠案内カバーを固定部材の
   まわりに回転自在に取付けたことを特徴とする
   精米機。 (2) 上記固定部材と糠案内カバーとの嵌合部に回
   転角度の範囲を規制するストツパーとその係合
   部を設けたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載の精米機。