JPH0333712Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、プリンタ・タイプライタ等の印字
装置に設けられる給紙装置、更に詳しくは、ホツ
パに載置された堆積用紙の最上位用紙又は最下位
用紙に当接する給紙ローラを備え、該給紙ローラ
は回転可能に支承されその回転によつて印字装置
のプラテンに向けて個別に用紙を給送するように
した便箋・封筒・伝票・請求書等の単票自動給紙
装置の駆動系のメカニズムに関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の給紙装置には、回動可能に支持
される複数の給紙ローラを有する給紙ローラ軸を
独立に制御できるモータを使用して給紙ローラ軸
を連結・非連結としたり、または、プラテンの回
転を伝達する駆動メカニズムの最終段の従動歯車
を電磁プランジヤ等で制御させ、この従動歯車の
側面と対向する給紙ローラ軸に設けた摩擦板を連
結・非連結するようにしたものがある。この従来
例は、いづれも給紙ローラの回転によりホツパに
載置された堆積用紙は、ホツパの給紙方向に付設
されたコーナ爪により、例えば、最上位用紙と他
の用紙とが分離され、最上位用紙のみがホツパか
ら送り出されプラテンのペーパーパンにガイドさ
れながらプラテンとフイードローラとの接点に送
られる。次いで用紙は、プラテンとフイードロー
ラとに把持され湾曲したペーパーパンのまわりに
方向転換され印字位置方向に送られるものであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の給紙装置は、以上のように構成され、給
紙ローラ軸の連結・非連結に独立したモータや電
磁プランジヤ等を用い、その制御回路が必要にな
り、装置全体が複雑化して原価高となる経済的問
題点が未解決となつていた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記の問題点を解消するためにな
されたものである。即ち、駆動源に連動する駆動
系の最終段歯車に連結する給紙ローラ軸に遊嵌し
た回転可能な歯車をもつ入力軸と給紙ローラ軸に
固着した出力軸との間にクラツチスプリングを張
架して、クラツチスプリングの制御爪を入力軸の
歯車に連動する連動手段の揺動部材により非拘
束・拘束して、クラツチスプリングを緊張・弛緩
させ、給紙ローラ軸を連結・非連結となるように
駆動系のメカニズムを構成した単票自動給紙装置
を提供することを目的とするものである。同一構
成は同一符号で示し、以下この考案を説明する。
第１図および第２図は、この考案の単票自動給紙
装置の給紙ローラ軸の駆動系のメカニズムを示す
概略図および第１図の分解斜視図である。第１図
および第２図において、１は、駆動歯車１ａを有
する駆動源（以下ステツピングモータという）、
２は図示しない側板に回動可能に軸支されたプラ
テン軸を有するプラテンであり、その軸には駆動
歯車１ａと連結する歯車２ａとプラテン２の回転
を伝達する歯車３とを固着する。歯車４，５，６
は、図示しない側板に回動可能に軸支された歯車
３の従動歯車である。７は、複数個の給紙ローラ
７ａを有する給紙ローラ軸であり、給紙ローラ軸
７は図示しない側板に回動可能に軸支されると共
にその右側の段差をもつ軸に軸部８ａと歯車８ｂ
とを一体に形成した入力軸８を遊嵌する。次に、
一端に制御爪９ａと他端に係合片９ｂとを有する
クラツチスプリング９の内側に出力軸１０の軸部
１０ａを遊嵌すると共にその係合片９ｂを出力軸
１０の係合溝１０ｂに係合したる後、クラツチス
プリング９と出力軸１０との組体を前述の給紙ロ
ーラ軸７に遊嵌して入力軸８の側面に当接させ
る。しかる後に出力軸１０をピン１１による給紙
ローラ軸７に固着する。このように、給紙ローラ
軸７の軸において、入力軸８と出力軸１０との間
にクラツチスプリング９を張架すると、入力軸８
は給紙ローラ軸７に対して非連結、出力軸１０は
給紙ローラ軸７に対して連結となる。

１２は、図示しない側板に固着されたスタツド
である。このスタツド１２には、入力軸８の歯車
８ｂと連結する大径歯車１３ａと小径歯車１３ｂ
とを有する歯車１３を遊嵌し、次に、基部１４ａ
の中央部に軸部１４ｂおよび一端に軸方向に平行
に円弧状に延出する外縁１４ｃと他端に半径方向
に突出する突片１４ｄとを具備する揺動部材１４
を遊嵌する。

尚、歯車１５、ワツシヤ１６、バネ座金１７
は、揺動部材１４の基部１４ａに固着されたスタ
ツド１８に取付けられ、歯車１５は前述の歯車１
３の小歯車１３ｂと協働して揺動部材１４の回動
を円滑にするように働く。また、揺動部材１４の
軸部１４ｂの外周にワツシヤ１９、コイルスプリ
ング２０、更に、コイルスプリング２０の内周に
段差部２１ａを有する押えフランジ２１を順次挿
入してリング２２により係止する。

このようにして、歯車１３、揺動部材１４、歯
車１５、ワツシヤ１６、バネ座金１７、ワツシヤ
１９、スプリング２０、押えフランジ２１等で入
力軸８に連動する連動手段を構成する。

尚、２３，２４は、図示しない側板に固着され
た揺動部材１４の突片１４ｄのストツパである。

〔作用〕

ステツピングモータ１が回転すると、駆動歯車
１ａと歯車２ａとが駆動されプラテン２が回転す
る。プラテン２の回転により歯車３，４，５，６
が順次回転して入力軸８を回転させる。

いま、ステツピングモータ１が第１図の矢印方
向に回転（正回転）すると、入力軸の歯車８ｂは
時計方向に回転して歯車１３の大径歯車１３ａと
小径歯車１３ｂとは反時計方向に回転する。従つ
て、揺動部材１４は、コイルスプリング２０の弾
性力によつて押圧され歯車１３に押し付けられて
いるのでその摩擦力により反時計方向に回動しよ
うとすると共に歯車１５が歯車１３ｂに回転され
ながら反時計方向に移動して、揺動部材１４は反
時計方向に回動しその突片１４ｄがストツパ２４
に当接し第３図ａに示す状態になる。この状態で
は、クラツチスプリング９の制御爪９ａは、揺動
部材１４の外縁１４ｃに当接して拘束されるから
クラツチスプリング９は弛緩となり出力軸１０は
回転しない。従つて、給紙ローラ軸７は、停止と
なる。

この第３図ａの状態からステツピングモータ１
を第３図ａに図示するθ角度以上に相当する角度
（θ×歯車１３ａと歯車８ｂとのギヤ比）だけ入
力軸８を反時計方向に回転（逆転）すると第３図
ｂに示す状態となる。この状態では、揺動部材１
４の突片１４ｄは、ストツパ２４から離脱すると
共にクラツチスプリング９の制御爪９ａは揺動部
材１４の外縁１４ｃから非拘束となる。

第３図ｂの状態からステツピングモータ１を入
力軸８が時計（矢印）方向に回転するように回転
させると、クラツチスプリング９の制御爪９ａは
非拘束状態で回転すると共に歯車１３の大径・小
径歯車１３ａ，１３ｂは反時計（矢印）方向に回
転する。従つて、揺動部材１４は、コイルスプリ
ング２０による摩擦力と歯車１５の回転移動の助
けにより反時計方向に回動して、遂に、その突片
１４ｄが、ストツパ２４に当接して第３図ｃに示
す状態となる。この状態から、更に、入力軸８が
回転を続けると、クラツチスプリング９の制御爪
９ａは回転を続けて、遂には、第３図ａに示す状
態に復帰して揺動部材１４はスリツプしながらそ
の外縁に拘束される。

上記に説明したように、第３図ｂの状態から第
３図ｃの状態を経て第３図ａの状態になる期間前
においては、クラツチスプリング９の制御爪９ａ
は非拘束である。従つて、クラツチスプリング９
は、緊張状態となるから入力軸８と出力軸１０と
は連結状態にある。従つて、給紙ローラ７は、ス
テツピングモータ１、プラテン２、駆動系、入力
軸８、クラツチスプリング９、出力軸１０を介し
て時計方向に回転される。依つて、複数個の給紙
ローラ７ａは、時計方向に回転して図示しないホ
ツパに載置された堆積用紙２５の最上位用紙２５
ａ（又は最下位用紙）を送り出しプラテン２の図
示しないペーパーパンにガイドされながらプラテ
ン２と図示しないフイードローラとの接点部に用
紙の先端が到着する。この時点では、クラツチス
プリング９の制御爪９ａは、第３図ａに示すよう
に揺動部材１４の外縁１４ｃで拘束されるように
なり、クラツチスプリング９は弛緩状態となるか
ら入力軸８と出力軸１０とは非連結となる。従つ
て、ステツピングモータ１が回転を継続しても給
紙ローラ軸７は自由状態にある。

依つて、プラテン２と図示しないフイードロー
ラとの接点部に到着した用紙２５ａは、プラテン
２とフイードローラとに把持され湾曲したペーパ
ーパンのまわりに方向転換されて送り出されると
共に複数個の給紙ローラ７ａが引出された最上位
（又は最下位）の用紙と自由に共転しながら印字
方向に送り出され印字位置にセツトされる。

印字終了後ステツピングモータ１をθ角度以上
だけ逆回転させて第３図ｂの状態としてから、ス
テツピングモータ１を正回転して給紙ローラ軸７
を回転させてホツパに載置された堆積用紙２５の
最上位用紙２５ａを送り出すようになる。以上の
ことを繰返して給紙する。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案は駆動源１に連
動する駆動系の歯車６に連結する給紙ローラ軸７
に遊嵌した回転可能な歯車８ｂをもつ入力軸８と
給紙ローラ軸７に固着した出力軸１０との間にク
ラツチスプリング９を張架して、スプリングクラ
ツチ９の制御爪９ａを入力軸８に連動する連動手
段の揺動部材１４により非拘束・拘束して、クラ
ツチスプリング９を緊張・弛緩させ給紙ローラ軸
７を連結・非連結となるように駆動系のメカニズ
ムを構成した。

従つて、給紙ローラ軸７の連結時は、複数個の
給紙ローラ７ａの回転によりホツパに載置された
最上位の用紙２５ａをプラテン２とフイードロー
ラとの接点部に送り出す。また、給紙ローラ７ａ
の非回転時には、プラテン２とフイードローラと
に引出される用紙上を自由に共転するようにな
る。依つて、従来例のような給紙ローラ軸７の連
結・非連結に独立した高価なモータや電磁プラン
ジヤ等のアクチユエータおよびその制御回路は不
用になり、機械的な簡単な方法で構成したので装
置全体が単純化して原価低減に役立つ経済的に大
きな効果を有すると共に騒音の点に関しても一段
と改善された運転上の環境改善にも役立つ効果を
も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の単票自動給紙装置の駆動系
のメカニズムに関する斜視図、第２図は、本考案
の第１図における分解斜視図、第３図ａ，ｂおよ
びｃは、本考案の要部であるクラツチスプリング
と揺動部材との動作説明図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動源に連動する駆動系と、堆積用紙を収納す
   るホツパとを備え、駆動系の給紙ローラ軸に設け
   た給紙ローラの回転によりホツパの堆積用紙を個
   別に印字方向に給送する給紙装置において、 駆動源１に駆動されるプラテン２を介して連動
   する駆動系の歯車６と、歯車６に連結し給紙ロー
   ラ軸７の一端に回動可能に遊嵌した歯車８ｂをも
   つ入力軸８と、 給紙ローラ軸７の一端の先端部に固着した出力
   軸１０と、前記入力軸８と出力軸１０との間の給
   紙ローラ軸７に張架された一端に制御爪９ａと他
   端を出力軸１０の係合溝１０ｂに係合する係合片
   ９ｂとを有するクラツチスプリング９と、入力軸
   ８の歯車８ｂと連動する回動可能に形成された揺
   動部材１４をもつ連動手段とを備え、駆動源１の
   回転によりクラツチスプリング９の制御爪９ａが
   揺動部材１４の外縁に非拘束・拘束されることに
   よりクラツチスプリング９を緊張・弛緩させ、 入力軸８と出力軸１０とを連結・非連結とし複
   数個の給紙ローラ７ａをもつ給紙ローラ軸７を回
   転・非回転するように構成したことを特徴とする
   単票自動給紙装置。