JPH0333440B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、メカニカル複動プレス機械において
プレス荷重を制御する装置に関する。

（従来の技術） メカニカル複動プレス機械には、通常プレス荷
重を制御するためのハイドロブランクホルダが付
設される。このハイドロブランクホルダは、第２
図に符号５０で示すように、ピストン５１により
画成された油室５２と空気室５３とを有してお
り、油室５２には油タンク５４と油圧ポンプモー
タ５５とを具備する油圧源５６から油圧が供給さ
れ、一方空気室５３には空気源５７と、レギユレ
ータ５８と、エアタンク５９とを具備する空気圧
源６０から空気圧が供給されるようになつてい
る。さらに前記ハイドロブランクホルダ５０の油
室５２は、コネクシヨンスクリユ６１とスライド
６２との連結部であるプロテクタシリンダ６３内
の油室６４と結んでいる。

かゝるハイドロブランクホルダ５０を含む油気
圧系により、該ハイドロブランクホルダ５０の空
気室５３に供給する空気圧すなわちレギユレータ
５８の設定圧を適宜定めると、プレス機械の加圧
による荷重増分がプロテクタシリンダ６３内油圧
を介してプレス型に伝達されるようになり、した
がつて、プレス荷重はスライド６２の追込量（ダ
イハイト）の他、レギユレータ圧によつて決定さ
れることとなる。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、従来、上記レギユレータ圧の調整
は、人間がメータを見ながら手操作によつて行つ
ており、このため微調整が困難で再現性にも乏し
いという問題があつた。またかゝる問題は、特に
型製作段階で使用するプレス機械と生産ラインで
使用するプレス機械との機械差の解消に大きな障
害となり、結果的にプレス型にすり合せ調整が不
可避となつて、金型製作費用が大巾に増大せざる
を得ない現状にあつた。

（問題を解決するための手段） 本発明は、上記問題点を解決するためになされ
たもので、ハイドロブランクホルダ内の油室をプ
レス機械のコネクシヨンスクリユとスライドとの
連結部であるプロテクタシリンダに接続し、ハイ
ドロブランクホルダ内の空気室を空気圧源および
エアタンクを含む空気圧回路に接続してなるハイ
ドロブランクホルダ油気圧系の、前記空気圧回路
に、前記空気圧への供給空気圧を設定する比例電
磁弁とエアタンク内の空気圧を減圧する減圧手段
とを介装し、かつ前記比例電磁弁と減圧手段との
作動を制御する制御回路を付設することにより構
成される。

この場合、ハイドロブランクホルダの空気室内
圧力を検出して補正量を決定し比例電磁弁の設定
圧力を変更するフイードバツク制御手段を制御回
路中に設けることができる。

（作用） そして、上記構成のプレス荷重の制御装置にお
いて、制御回路に空気圧設定値を入力すると、該
制御回路は前記設定値に対応する制御電流を比例
電磁弁へ出力し、これによつて該比例電磁弁には
前記電流値に対応する空気圧が設定される。この
時、空気圧設定値が低値側への変更である場合、
制御回路は予め減圧手段に制御信号を出力し、こ
れによつて減圧手段が作動してエアタンク内を減
圧する。また制御回路は必要に応じてハイドロブ
ランクホルダの空気室内圧力にもとづいて補正量
を比例電磁弁に出力し、該比例電磁弁の設定圧力
を変更する。

このように、ハイドロブランクホルダへの供給
空気圧を自動的にかつ精度良く調整することが可
能になり、プレス荷重の簡易な制御が可能にな
る。

（実施例） 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて
説明する。

第１図は本発明にかゝるプレス荷重の制御装置
の装置系統を示したものである。なお同図におい
て、第２図に示した部分と同一構成要素には同一
部号を付し、その説明は省略する。第１図中、１
はハイドロブランクホルダ５０の空気室５３と空
気源５７とを結ぶ空気圧回路中に介装された比例
電磁弁で、従来のレギユレータ（第２図中、符号
５８で示す）に代り、空気室５３へ供給する空気
圧を直接的に調整する役割をなす。この比例電磁
弁１は、電流によつてその作動が制御されるもの
で、これには電流値に対応する空気圧が設定され
る。

上記比例電磁弁１とエアタンク５９との間の空
気圧回路中には、逆止弁２と方向制御弁３とが介
装され、さらに前記方向制御弁３にはリリーフ弁
４が接続されている。これらはエアタンク５９内
の空気圧を減圧する減圧手段を構成するもので、
方向制御弁３の作動によりエアタンク５９内の空
気がリリーフ弁４を介して外部へと放出される。

しかして、本空気圧回路には、上記比例電磁弁
１および方向制御弁３の作動を制御するための制
御回路５が付設されている。制御回路５は、空気
圧設定値を入力する入力ボード６と、この設定値
を記憶するメモリ部７と、前記入力した設定値を
演算処理するCPU８と、前記演算処理したデー
タをデジタル−アナログ変換するＤ／Ａコンバー
タ９と、制御信号を前記比例電磁弁１および方向
制御弁３に出力するコントローラ１０とを主要構
成要素としており、さらに別途設けた圧力センサ
１１からハイドロブランクホルダ５０の空気室５
３内圧力信号を受けて、これをアナログ−デジタ
ル変換しCPU８に出力するＡ／Ｄコンバータ１
２と前記入力した空気圧設定値を表示するCRT
１３とを具備している。

かゝる構成により、いま入力ボード６より空気
圧設定値を入力する。するとこの設定値はCPU
８により演算処理され、Ｄ／Ａコンバータ９、コ
ントローラ１０を経て比例制御弁１へ制御電流と
して出力される。比例制御弁１は前記制御電流を
受けて該電流値に対応する空気圧を設定すべく作
動し、これによりエアタンク５９したがつて空気
圧５３には前記入力した空気圧が導入される。こ
の時、前記空気圧設定値が低値側への変更である
場合、コントローラ１０から方向制御弁３に制御
信号が出力され、該方向制御弁３の作動によりエ
アタンク５９内が予め減圧され、続いての比例制
御弁１の作動によりエアタンク５９には所定の空
気圧が導入されるようになる。

こゝで、圧力センサ１１によりハイドロブラン
クホルダ５０の空気室５３内圧力を検出し、その
圧力信号を取入れて空気圧をフイードバツク制御
することも可能で、この場合、前記圧力信号は制
御回路５中のＡ／Ｄコンバータ１２に入力され信
号変換されてCPU８に送られる。CPU８は前記
信号を受けて、初期の空気圧設定値と比較し、一
定値以上の差があれば、その補正量をＤ／Ａコン
バータ９、コントローラ１０を経て比例電磁弁１
に出力し、これによつて比例電磁弁１は適正な空
気圧を得るべくその設定圧を変更する。

このようにして、ハイドロブランクホルダ５０
の空気室５３に供給する空気圧を自動的かつ精度
良く設定することが可能になり、プレス荷重は簡
易に制御し得るものとなる。

なお、プレス機械にはコネクシヨンスクリユ６
１が４個所設けられており、いま上記したプレス
荷重の制御装置を各コネクシヨンスクリユに対応
して個々に設ければ、４ポイントのプレス荷重を
独立に制御することが可能になり、これによつて
プレス成形品の精度をより一層向上せしめること
ができるようになる。

また、プレス荷重にはプロテクタシリンダ６３
の油室６４の油圧も影響するので、圧力センサに
よりこの油圧を検出し、これを制御回路５に送つ
て補正量を決定するようにすることもできる。

（発明の効果） 以上、詳細に説明したように、本発明はハイド
ロブランクホルダへの空気圧回路中に比例制御弁
と減圧手段とを介装すると共に、これらの作動を
制御する制御回路を付設したので、空気圧設定値
を入力するだけで該設定値に対応する電流値によ
る比例制御弁の作動制御が可能となり、空気圧設
定を迅速にかつ高精度に行える効果を奏した。ま
た前記効果によりプレス機械の機械差が解消でき
て、従来必要不可欠であつたプレス型のすり合せ
調整が不要になり、金型製作費用を大巾に低減し
得るようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかゝるプレス荷重の制御装置
の系統図、第２図は従来のプレス荷重の制御装置
の系統図である。 １……比例電磁弁、２……逆止弁、３……方向
制御弁、４……リリーフ弁、５……制御回路、１
１……圧力センサ、５０……ハイドロブランクホ
ルダ、５３……空気室、５９……エアタンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハイドロブランクホルダ内の油室をプレス機
   械のコネクシヨンスクリユとスライドとの連結部
   であるプロテクタシリンダに接続し、ハイドロブ
   ランクホルダ内の空気室を空気圧源およびエアタ
   ンクを含む空気圧回路に接続してなるハイドロブ
   ランクホルダ油気圧系の、前記空気圧回路に、前
   記空気室への供給空気圧を設定する比例電磁弁と
   前記エアタンク内の空気圧を減圧する減圧手段と
   を介装し、かつ空気圧設定値に対応する制御電流
   を前記比例制御弁に出力してその作動を制御する
   と共に制御信号を前記減圧手段に出力してその作
   動を制御する制御回路を付設したことを特徴とす
   るプレス荷重の制御装置。 ２ 制御回路がハイドロブランクホルダの空気室
   内圧力にもとづいて補正量を決定し比例電磁弁の
   設定圧力を変更するフイードバツク制御手段を具
   備することを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載のプレス荷重の制御装置。