JPH0333227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は接地部を圃場の凹凸に追随すべく揺動
可能とした施肥播種機において、繰出装置下端と
接地部のガイドパイプとを接続する導管の構造に
関するものである。

(ロ) 従来技術 従来から施肥播種機を牽引するトラクター等と
施肥播種機全体を固定してしまうと、圃場の凹凸
により繰出装置を駆動するための接地輪や作溝器
が浮き上がつてしまうため、繰出装置を牽引側に
固定し、接地部を枢結して揺動可能としていたの
である。そして、繰出装置の下端と接地部に固定
されたガイドパイプを接続する導管は、伸縮でき
るように第８図の如く蛇腹構造となつていたので
ある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 このように導管が蛇腹構成であると、圃場の凸
部に施肥播種機が至つたときには、導管は第９図
に示すように折れ曲がり、導管の一部がガイド漏
斗下端を塞いでしまつたりしていたのである。よ
つて、播種されない部分や種子が異常に多く播か
れた部分ができていたのである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案はこのような点に鑑み、次の如く構成し
たものである。

圃場の凹凸に追随して揺動可能な作溝デイスク
１０、覆土デイスク１１、ローラーフレーム３６
等よりなる接地部Ｄに、ガイドパイプ１９，２０
を固設し、該ガイドパイプ１９，２０と施肥播種
機の本機側に固定された繰出装置Ａ，Ｂの下端と
を、伸縮可能な弾性体により構成した導管１７に
て接続する構成において、該導管１７の上入口１
７ｄを下出口１７ｅより小さくし、上入口１７ｄ
と下出口１７ｅの間に１段の撓み部を構成し、該
導管１７が標準状態で断面Ｍ字形に構成したもの
である。

(ホ) 考案の実施例と作用 本考案の目的は以上の如くであり、添付の図面
に示した実施例の構成に基づいて、本考案の構成
及び作用を説明すると。

第１図は施肥播種機全体側面図、第２図は繰出
装置正面断面図、第３図は同じく側面断面図、第
４図は本考案の導管斜視図、第５図は同じく側面
断面図、第６図は接地部が下降して導管が伸びた
状態の側面断面図、第７図は同じく接地部が上昇
した場合の側面断面図、第８図は従来の導管を示
す側面図、第９図は接地部が上昇したときの従来
の導管側面断面図である。

第１図にて施肥播種機の全体構成から説明する
と、施肥播種機はトラクター等の後部に装着さ
れ、前端の播種フレーム５８は左右に位置調整可
能とされている。該播種フレーム５８の後部に繰
出装置Ａが固設され、該繰出装置Ａに繰出装置Ｂ
及びホツパー１，２が脱着可能に設けられてい
る。また、播種フレーム５８下部には平行リンク
２３，２４が枢支され、該平行リンク２３，２４
の他端はローラーフレーム３６に枢支されてい
る。

該ローラーフレーム３６の前端には支持杆５４
が固設され、下端に作溝デイスク１０を平面視Ｖ
字状に回転自在に軸支している。

そして、ローラーフレーム３６側部より突設し
たアーム４８を介して作溝デイスク１０の後部に
覆土デイスク１１を付設し、更に、ローラーフレ
ーム３６後端に突設した、フレーム３６ｂ後端に
覆土ローラー１２を装着している。

また、ローラーフレーム３６内にはガイドパイ
プ１９，２０を固設し、ガイドパイプ１９先端は
ローラーフレーム３６側面に穿設した開口部３６
ａより側方に突出し、ガイドパイプ２０先端はロ
ーラーフレーム３６を貫通して作溝デイスク１
０，１０間に挿入している。

これら作溝デイスク１０、覆土デイスク１１、
覆土ローラー１２、ローラーフレーム３６等より
なる接地部Ｄは、平行リンク２３，２４との連結
により圃場の凹凸に追随できるように構成されて
いるのである。

繰出装置の構成を第２図、第３図に示す繰出装
置Ａにより説明すると、接地輪９に連動された多
角形の駆動軸７に回動軸２１が外嵌され、該回動
軸２１に繰出ロール５が固設されている。接地輪
９は接地部Ｄと別に揺動する。

該繰出ロール５は一側を歯部５ｂとし、他側を
一定量を繰り出すための繰出凹部５ａとし、該繰
出凹部５ａに合致するロール４の凸部４ａを、繰
出凹部５ａに嵌合して凹部の容量を変化可能とし
ている。該ロール４はスプリング１６と共に回動
軸２１に嵌挿され、調節ダイヤル３を回動軸２１
に螺装して固定している。即ち、調節ダイヤル３
を回転すれば凹部の容量を変化できるのである。
これら繰出ロール５、ロール４、調節ダイヤル３
等は繰出ケース５６内に嵌挿されホツパー１から
供給された粒を回転と共に一定量を下方へ落下さ
せるのである。３３はブラシであり、繰出ロール
５の周面に接触させて余分な種子等を繰り出さな
いようにしている。

繰出装置Ｂは前記繰出装置Ａと略対称の構成と
なつており、ロールユニツトも同形状であつて同
じ大きさの凹部を有している。そして、繰出ロー
ルの駆動力は両者繰出ロールの歯部が噛み合つて
逆回転して繰出構成となつている。

前記繰出装置Ａ、繰出装置Ｂの繰出ケース５６
の下端には透明な合成樹脂製のガイド漏斗６０，
６１が嵌合され、その下端に本考案の導管１７
ａ，１７ｂが嵌装され、更に、導管１７ａ，１７
ｂ下端に透明な合成樹脂製のガイドパイプ１９，
２０が嵌合されている。

該導管１７は第４図〜第７図に示すように、上
端を上入口１７ｄとして開口し、下端を下出口１
７ｅとして開口し、上入口１７ｄは下出口１７ｅ
より小さく構成している。

そして、標準時は第５図に示す如く断面Ｍ字形
に構成されている。また、導管１７はゴム製で伸
縮可能な弾性体により構成されており、上入口１
７ｄ及び下出口１７ｅをガイド漏斗及びガイドパ
イプに密着して嵌合でき、防塵性、防水性を高め
ているのである。また、上入口１７ｄ端部には脱
着を容易にするための把手１７ｃが設けられてい
る。

このような導管１７において、接地部Ｄが下降
すると第６図の如く伸び、接地部Ｄが上昇すると
第７図の如く上入口１７ｄが下出口１７ｅの中に
入り込んでしまいガイド漏斗の出口を塞ぐことは
ないのである。

(ヘ) 考案の効果 以上のような構成により、本考案は次のような
効果が得られるのである。

第１に、従来の如く何段もの撓み部を有する蛇
腹構造とした導管の場合には、撓み代が大きいの
で、撓んだ部分が内側に突出して、肥料や種子の
通路を塞ぐという不具合いが発生するが、１段だ
けの撓み部分とすることにより、該撓み部により
落下口が閉塞される恐れが無くなつたのである。

第２に、１段のみの撓み部の場合においても、
上入口１７ｄと下出口１７ｅが同じ径であると、
撓む部分が落下口の内側に出てくる可能性がある
が、本考案の如く上入口１７ｄを下出口１７ｅよ
りも小に構成することにより、撓み部が内側に突
出する恐れが無くなつたのである。

第３に、導管１７の断面形状をＭ字形に構成し
たので、接地部の上昇によつてガイド漏斗下端が
塞がれて詰まつたり、折れ曲がり部に種子等が溜
まつたりすることがなく、圃場の凹凸に関係なく
均等に播かれるようになつたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は施肥播種機全体側面図、第２図は繰出
装置正面断面図、第３図は同じく側面断面図、第
４図は本考案の導管斜視図、第５図は同じく側面
断面図、第６図は接地部が下降して導管が伸びた
状態の側面断面図、第７図は同じく接地部が上昇
した場合の側面断面図、第８図は従来の導管を示
す側面図、第９図は接地部が上昇したときの従来
の導管側面断面図である。 Ａ，Ｂ……繰出装置、Ｄ……接地部、１０……
作溝デイスク、１１……覆土デイスク、１７，１
７ａ，１７ｂ……導管、１７ｄ……上入口、１７
ｅ……下出口、３６……ローラーフレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圃場の凹凸に追随して揺動可能な作溝デイスク
   １０、覆土デイスク１１、ローラーフレーム３６
   等よりなる接地部Ｄに、ガイドパイプ１９，２０
   を固設し、該ガイドパイプ１９，２０と施肥播種
   機の本機側に固定された繰出装置Ａ，Ｂの下端と
   を、伸縮可能な弾性体により構成した導管１７に
   て接続する構成において、該導管１７の上入口１
   ７ｄを下出口１７ｅより小さくし、上入口１７ｄ
   と下出口１７ｅの間に１段の撓み部を構成し、該
   導管１７が標準状態で断面Ｍ字形に構成したこと
   を特徴とする施肥播種機の導管。