JPH0333097B2 - - Google Patents

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JPH0333097B2
JPH0333097B2 JP60075764A JP7576485A JPH0333097B2 JP H0333097 B2 JPH0333097 B2 JP H0333097B2 JP 60075764 A JP60075764 A JP 60075764A JP 7576485 A JP7576485 A JP 7576485A JP H0333097 B2 JPH0333097 B2 JP H0333097B2
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resin composition
cotton
phenolic resin
composite
sheet
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Kimimichi Masui
Shigetoshi Tanaka
Yoshikazu Kobayashi
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 発明の目的 〔産業上の利用分野〕 この発明は、複合フエノール樹脂発泡成形体の
製造法に関する。さらに詳しくは、繊維物質とフ
エノール樹脂発泡層とが混在した複合発泡層を有
し、各種緩衝材、断熱材、外装パネル、パーテイ
シヨンボードとして有用な複合フエノール樹脂発
泡成形体の製造法に関する。
〔従来技術〕
従来、フエノール樹脂発泡成形体の機械的強度
を向上させるために、該フエノール樹脂発泡体中
に各種補強用繊維材を混在させることが考えられ
ており、寸断されたガラス繊維と、フエノール樹
脂初期縮合物を含む発泡性樹脂組成物粉末(フエ
ノール樹脂発泡体の原料)とを混和して型内で発
泡・硬化させる方法や、粉末状の発泡性樹脂組成
物を多数積層される綿状シート材間に散布して挾
持させた後、これらを熱ロールや熱プレス等で該
樹脂組成物ことにフエノール樹脂初期縮合物が溶
融しうる温度で予備成形して各綿状シート内部に
樹脂組成物を含浸保持させ、この多層体を加熱し
て発泡・硬化させる方法(特公昭47−8945号公報
参照)が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前者の方法では繊維と樹脂組成
物を均一に混和することが困難でフエノール樹脂
発泡層と繊維とが均一に混在した発泡成形体を得
ることが困難であつた。また、後者の方法では発
泡・硬化が生じないできるだけ低い温度で樹脂を
溶融させて綿状シート材に含浸させているもの
の、溶融樹脂の粘度が高いため、綿状シート間に
単に挾持させても該シート内にこれら樹脂を均一
に含浸させることが困難で高圧(10〜20Kg/cm2
のプレス処理を必要とし、さらに溶融温度と発
泡・硬化温度との幅が狭いため予備成形時に部分
的に発泡・硬化する場合があつて熱制御にも厳密
さを要し、簡便に意図する複合成形体を得ること
が困難であつた。
この発明は、かかる従来の問題点に鑑みなされ
たもので、繊維とフエノール樹脂発泡層とが均一
に混在した複合発泡成形体を簡便に製造できる方
法を提供しようとするものである。
本発明者らは、鋭意研究を行なつた結果、上記
綿状シート材間に発泡性のフエノール樹脂組成物
粉末を挾持させるに際し、該シート材に、フエノ
ール樹脂初期縮合物と相溶性の液状物質を含浸さ
せておくことにより、従来法のごとき高圧のプレ
ス処理を行なうことなくせいぜい1Kg/cm2前後の
積層圧力で、しかも樹脂組成物の溶融温度未満の
低温加熱処理で、樹脂組成物を綿状シート材内部
に均一に含浸でき、しかも液状物質として揮発性
のものを用いることにより上記加熱処理時にこれ
らが実質的に除去され、該液状物質の悪影響も発
泡成形時に生じないという事実を見出しこの発明
に到達した。
(ロ) 発明の構成 かくしてこの発明によれば、フエノール樹脂初
期縮合物、分解型発泡剤及び必要に応じて加えら
れる硬化剤からなる粉末状の樹脂組成物を、予め
上記フエノール樹脂初期縮合物と相溶性で揮発性
の液状物質を含浸させた複数の綿状シート材の間
及び/又は該液状物質を含浸させた綿状シート材
と所定の面材との間に挾持させ、上記樹脂組成物
自体の溶融温度未満の温度下で熱処理することに
より、綿状シート材内部に上記樹脂組成物が均一
に含浸されかつ各綿状シート材同士及び/又は綿
状シート材と面材とが一体化された板状の発泡性
複合体を得、この発泡性複合体を型内で上記樹脂
組成物の発泡・硬化温度以上に加熱することによ
り、繊維とフエノール樹脂発泡層とが混在した複
合発泡層を有する成形体を得ることを特徴とする
複合フエノール樹脂発泡成形体の製造法が提供さ
れる。
この発明の最も特徴とする点は、綿状シート材
に樹脂と相溶性で揮発性の液状物質を予め含浸さ
せておく点にある。これにより、樹脂組成物がそ
の溶融温度未満の温度下においても軟化して液状
物質が含浸された綿状シート材全体に浸透し、綿
状シート材内部に樹脂組成物が均一に含浸された
複合体が得られ、これを用いることにより意図す
る複合フエノール樹脂発泡成形体を簡便に得るこ
とができる。
この発明に用いるフエノール樹脂初期縮合物と
しては、ノボラツク型とレゾール型のフエノール
樹脂初期縮合物があげられる。ここで、ノボラツ
ク型フエノール樹脂初期縮合物とは、フエノール
類とアルデヒド類とを酸性触媒の存在下反応させ
て得られる当該分野で知られたいわゆるノボラツ
ク型フエノール樹脂と称せられ、硬化剤の存在下
で更に重合が進行しうるものを意味する。この樹
脂は一般に常温で粉末状である。一方、レゾール
型フエノール樹脂初期縮合物とは、フエノール類
と過剰のアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下反
応させて得られる当該分野で知られたいわゆるレ
ゾール型フエノール樹脂と称せられ、酸性硬化促
進剤及び加熱で重合が進行しうるものを意味す
る。かようなレゾール型フエノール樹脂は、それ
自体反応水を約20%含んだ液状のものであるが、
これを更に脱水(水分を蒸発)し固型状物(水分
を1%前後含む)とし、次いでこの固型状物を粉
砕して、本発明で使用する粉末状のレゾール型フ
エノール樹脂とする。もちろん市販の粉末状レゾ
ール型フエノール樹脂を用いてもよい。
上記フエノール類とは、フエノールの他に、
3,5−キシレノール、m−クレゾール、2,5
−キシレノール、3,4−キシレノール、2,4
−キシレノール、o−クレゾール、p−クレゾー
ルなどが含まれる。又アルデヒド類とは、ホルム
アルデヒド、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチ
レンテトラミン、フルフラール、アセトアルデヒ
ド、アセタール類などが含まれる。この発明に使
用するのに好ましい初期縮合物は、フエノールと
ホルムアルデヒドの縮合物である。
この発明における分解型発泡剤とは、フエノー
ル樹脂初期縮合物とを混合した組成物中で加熱硬
化時に分解してガスを発生しうる無機及び有機の
発泡剤を意味する。これらの代表例としてはN,
N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベ
ンゼンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾジカルボンアミド、パラトルエ
ンスルホニルヒドラジドなどの有機分解型発泡
剤、並びに重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウ
ム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、
アジド化合物(例えばCaN6)などの無機分解型
発泡剤が挙げられる。これらは全て粉末状であ
る。
発泡剤の添加量は、所望する最終の発泡体の密
度を主に考慮してその所要量とされるが、フエノ
ール樹脂初期縮合物100重量部に対し1〜50重量
部が適当であり、5〜15重量部が好ましい。
硬化剤は、ことにノボラツク型フエノール樹脂
初期縮合物を用いた時に使用される。この硬化剤
は、加熱で分解し、ノボラツク型フエノール樹脂
初期縮合物と架橋反応しうる化合物を意味する。
このような化合物としては、ホルムアルデヒドと
同様にフエノール類との反応でフエノール樹脂形
成に用いられる化合物で通常粉末状のものであ
る。その具体例としては、ヘキサメチレンテトラ
ミン、パラホルムアルデヒド、メチラール、ジオ
キソラン、トリオキサン、テトラオキサン、トリ
メチロールホスフイン、S−トリアジンなどが挙
げられる。
硬化剤の添加量は、一般にノボラツク型フエノ
ール樹脂100重量部に対し、1〜30重量部が適当
であり、4〜15重量部が好ましい。
この発明における粉末状の樹脂組成物は、通
常、上記したフエノール樹脂初期縮合物、分解型
発泡剤及び必要に応じて硬化剤とを加熱ロール等
により混練して均一に混合し、粉砕して外径1mm
以下の粉末形態で使用される。もちろん、顆粒化
したものを用いてもよい。
又、この発明の発泡性樹脂組成物には、他の
種々の添加剤例えばクレー、タルク等の充填剤が
少量加えられていてもよい。これらの添加剤は、
ノボラツク型又はレゾール型フエノール樹脂100
重量部に対して、100重量部以下であるのが好ま
しい。
この発明に用いる綿状シート材としては、木
綿、再生繊維、合成繊維等の有機質不織布及びガ
ラス繊維、金属繊維、炭素繊維等の無機質不織布
が挙げられ、その厚みは20μ〜10mmのものが適し
ており、坪量は20〜1000g/m2のものが適してい
る。この発明において綿状シート材は通常、2枚
用いられ、その間に前記樹脂組成物が挾持されれ
ばよいが、場合によつては多層積層して各層間に
樹脂組成物を挾持させて構成してもよく、また綿
状シート材と面材とを積層して構成してもよい。
この際に用いる面材としては、合板、ハードボー
ド等の有機質板状物、ステンレス、アルミニウ
ム、鉄、トタン等の金属板、アスベスト布、石こ
うボード等の無機質板状物等が挙げられる。
上記綿状シート材に予め含浸させておく液状物
質としては、前記フエノール樹脂初期縮合物と相
溶性でかつ樹脂組成物の溶融点未満の温度下で容
易に逸散しうる揮発性の液状物質が用いられる。
この具体例としては、メタノール、エタノール等
の低級アルコール、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族系溶剤、アセトン、水などが好適で
あり、常圧沸点が約20〜180℃の揮発性でかつフ
エノール樹脂初期縮合物を溶解しうる液状物質が
使用可能である。
上記液状物質の含浸量は綿状シート材の厚み、
坪量や樹脂組成物の適応量によつても異なるが、
通常、介在させる樹脂組成物100重量部に対して
シート材当り5〜200重量部の液状物質を含浸さ
せておけばよく、15〜50重量部とするのが好まし
い。含浸は、液状物質の量が多いときには塗布や
浸漬により行なつてもよいが、通常、スプレー法
により行なうのが含浸の均一性の点で好ましい。
液状物質が含浸された綿状シート材間又はこの
綿状シート材と所定の面材との間に、前記樹脂組
成物粉末を所定量散布や載置し、これらを綿状シ
ート材や面材との間に挾持させた状態で熱処理す
ることにより、この発明における発泡素材となる
板状の発泡性複合体が得られる。この際の挾持
は、各綿状シート材や面材が見かけ上密着されて
いる程度迄行なえばよく、手押えで行なつてもよ
いが、実用上1Kg/cm2前後の圧力を加えて行なう
のが適している。いずれにしても高圧のプレス処
理はとくに必要としない。なお、この状態で挾持
された樹脂組成物の一部は液状物質の種類や量に
も左右されるが綿状シート材内に分散されるが全
体に含浸させない。続く熱処理は、樹脂組成物の
溶融温度未満の温度に加熱することにより行なわ
れる。この際、さらに、綿状シート材中に存在す
る液状物質が容易に逸散し易い温度及び雰囲気下
で行なうことが好ましく、通常、乾燥機中で約40
〜70℃の温度下で行なうのが適している。かかる
熱処理により溶融点未満にもかかわらず樹脂組成
物が液状物質の存在により軟化して綿状シート内
部に均一に浸透すると共に液状物質が徐々に揮散
されて除去され、樹脂組成物が綿状シート内部に
均一に含浸されかつ各綿状シート材や面材が一体
に積層された板状の発泡性複合体が得られる。な
お介在させ挾持させる樹脂組成物の量は通常、10
〜3000g/m2シートとするのが適している。
上記板状発泡性複合体を所定の型内に装着し、
樹脂組成物の発泡・硬化が生じる温度に加熱する
ことにより、発泡・硬化及びシート材の繊維層が
これに対応して膨脹し、最終的に繊維とフエノー
ル樹脂発泡層とが均一に混在した複合発泡層を有
する単層もしくは多層のフエノール樹脂発泡成形
体を得ることができる。なお、この際の金型とし
ては上記板状発泡性複合体の厚み方向に膨張し得
るものを用いるのが適しており、複合体自体は成
形体の所望厚みに応じて複数枚積層して成形させ
てもよい。また、加熱温度は通常、120〜200℃が
好ましく150〜180℃が好ましい。
この発明の製造法の工程の一例を第1図に示し
た。図においてAは、液状物質を含浸させた綿状
シート材2上に、樹脂組成物粉末1を散布させる
工程、Bは散布された粉末1上に、同様な含浸綿
状シート材2を積層して挾持させる工程、Cは樹
脂組成物の発泡・硬化温度未満の温度下で熱処理
して樹脂組成物1′を綿状シート材内に充填させ
かつ液状物質を揮散させる工程、Dは工程Cで得
られた板状発泡性複合体を型内で発泡成形に付し
発泡層3の形成及び綿状シート材の厚み方向への
膨張を行なう工程をそれぞれ示す説明図である。
実施例 1 ノボラツク型フエノール樹脂初期縮合物粉末
100重量部に対して、10重量部の発泡剤ジニトロ
ソペンタメチレンテトラミン、10重量部の硬化剤
ヘキサメチレンテトラミンを加え、加熱ロールに
より混練した。その後粉砕して粉末の樹脂組成物
を得た。この発泡性樹脂組成物は150メツシユ残
2.4%で融点80℃であつた。
次いで、結合剤として、メチルアルコール(試
薬特級)とトリクロロトリフルオロエタンを容量
比で1対5に混合したものを使用し、ノズルより
霧状に25cm×25cmで厚さ400μのポリエステル製
不織布に5g噴霧した。この結合剤を吸収した不
織布の上に上記発泡性樹脂組成物30gを散布し、
さらにその上に同様に結合剤を吸収させた不織布
を置き、約1Kg/cm2の圧力で予備成形し、次いで
60℃の熱風循環式恒温槽内で100分間乾燥加熱し
た。
この得られたシート状の発泡性複合体は、厚さ
約800μで黄色味を帯び、発泡性樹脂組成物が不
織布間に均一に溶融被膜化して分散し、さらに不
織布の空隙をも完全に満した構造であつた。
次にこのシート状の発泡性複合体を22cm×22cm
に切り、金属製型(22×22×0.5cm)に置き、蓋
を閉じて、160℃の熱風循環式恒温槽内に1時間
保持した。その後、型を恒温槽から出し、発泡成
形体を型から取り出した。
この得られた発泡成形体は、型一杯にシートが
発泡したものであり、空隙をすべて黄色味を帯び
た緻密な気泡構造のノボラツク型フエノール樹脂
発泡層が均一に埋めつくし、表面材として用いた
不織布が成形体の上面と下面に位置し、発泡成形
体と一体化した構造であつた。
因に、この成形体の密度は110Kg/m3であつた。
実施例 2 実施例1で用いたと同様のノボラツク型フエノ
ール樹脂組成物を調整した。
次いで、結合剤として、水を用い、ノズルより
霧状に25cm×25cmで厚さ200μのガラス繊維マツ
トに5g噴霧した。この結合剤を吸収したガラス
繊維マツトの上に上記発泡性樹脂組成物10gを散
布し、さらにその上に同様に結合剤を吸収させた
ガラス繊維マツトを置き、約70℃に加熱しなが
ら、約1Kg/cm2の圧力で予備成形し、次いで70℃
の熱風循環式恒温槽内で3時間乾燥加熱した。
この得られたシート状の発泡性複合体は厚さ約
300μで黄色を帯び、発泡性樹脂組成物がガラス
繊維マツト間に均一に浸透し、溶融被膜化して分
散し、さらに2枚のガラス繊維マツトを一体化し
ていた。
さらにこの操作を繰り返し、3枚のシートを調
整した。次にこのシートを22×22cmに切り、金属
製型(22×22×0.5cm)に3枚重ねて置き、蓋を
閉じて、160℃の熱風循環式恒温槽内に1時間保
持した。その後、型を恒温槽から出し、発泡成形
体を型から取り出した。
この得られた発泡性成形体は、型一杯にシート
が発泡したもので、空隙をすべて黄色味を帯びた
緻密な気泡構造のノボラツク型フエノール樹脂発
泡層が埋めつくし、ガラス繊維マツトは、層状で
はあるが、発泡層中に分散した複合発泡成形体で
あつた。
因にこの成形体の密度は、約180Kg/m3であつ
た。
実施例 3 レゾール型フエノール樹脂初期縮合物粉末100
重量部に対して、10重量部の発泡剤ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミンを加え、加熱ロールによ
り混練した。その後、粉砕して粉末の樹脂組成物
を得た。この発泡性樹脂組成物は100メツシユパ
スで融点75℃であつた。
次いで、結合剤としてメチルアルコール(試薬
特級)とトリクロロトリフルオロエタンを容量比
で1対5に混合したものを使用し、ノズルより霧
状に25cm×25cmで厚さ400μのポリエステル製不
織布に5g噴霧した。
この結合剤を吸収した不織布の上に上記発泡性
樹脂組成物40gを散布し、さらにその上に0.27mm
のアルミ板を置き、約1Kg/cm2の圧力で予備成形
し、次いで60℃の熱風循環式恒温槽内で2時間乾
燥加熱した。
この得られたシート状の発泡性複合体は、厚さ
約1mmで上面のアルミ板と不織布の間に赤褐色の
発泡性樹脂組成物が均一に溶融被膜化して分散し
結合したものでさらに不織布の空隙をも完全に満
たした構造であつた。
次にこのシートを22cm×22cmに切断し、金属製
型(22×22×0.5cm)に置き、蓋を閉じて、160℃
の熱風循環式恒温槽内に1時間保持した。その後
型を恒温槽から出し、発泡成形体を型から取り出
した。
この得られた発泡成形体は型一杯にシートが発
泡したものであり、空隙をすべて濃黄色を帯びた
緻密な気泡構造のレゾール型フエノール樹脂発泡
層が均一に埋めつくし、表面材として用いたアル
ミ板と不織布が成形体の上面と下面に位置し、発
泡成形体と一体化した構造であつた。
因にこの複合成形体の密度は約300Kg/m3であ
つた。
比較例 1 実施例1で用いたと同様のノボラツク型フエノ
ール樹脂組成物を調整した。
この粉末状樹脂組成物30gを、実施例1と同様
の22×22cmで厚さ400μのポリエステル製不織布
上に結合剤を全く使用せずに散布した。さらにそ
の上に同様の不織布を置きサンドイツチ状にし
た。このシートは、取り扱い時に粉末樹脂が移動
しやすく、極めて取り扱い難いものであつた。こ
のシートを金属製型(22×22×0.5cm)に置き、
蓋を閉じて、160℃熱風循環式恒温槽内に1時間
保持した。その後、型を恒温槽から取り出し、発
泡成形体を型から取り出した。
この発泡成形体はいたるところにフエノール発
泡層の充填していない空孔が存在し、明らかに不
均一な成形体であつた。因にこの発泡成形体の密
度は、120Kg/m3であつた。
比較例 2 実施例1で用いたと同様のノボラツク型フエノ
ール樹脂組成物を調整した。
この粉末状樹脂組成物30gを実施例1と同様の
25×25cmで厚さ400μのポリエステル製不織布上
に結合剤を全く使用せずに散布した。さらにその
上に同様の不織布を置き、サンドイツチ状にし
た。
このシート中の粉末樹脂が、なるべく移動しな
い様に慎重に熱板プレス上に置き100℃に加熱し
ながら10分間1Kg/cm2の圧力で成形した。
得られたシートは、厚さ約1mmで濃黄色を帯
び、発泡性樹脂組成物は、溶融・被膜化している
がまだらな不均一な状態で分散したもので、中央
付近はやや発泡した状態のシートであつた。
次にこのシートを22×22cmに切り、金属製型
(22×22×0.5cm)に置き、蓋を閉じて、160℃の
熱風循環式恒温槽内に1時間保持した。その後、
型を恒温槽から出し、発泡成形体を型から取り出
した。
この発泡成形体は、型一杯にシートが、発泡し
たものであり、空隙をすべて黄色味を帯びたノボ
ラツク型フエノール樹脂発泡層が埋めつくしては
いるが、部分的に大気泡の箇所が存在したり、極
めて低倍率の箇所が存在する不均一な成形体であ
つた。
因にこの発泡成形体の密度は110Kg/m3であつ
た。
(ハ) 発明の効果 この発明の製造法によれば、繊維とフエノール
樹脂発泡層とが均一に混在した複合発泡体層を有
する複合フエノール樹脂発泡成形体を効率良く得
ることができる。そしてこの方法によれば予備成
形時に従来のごとき樹脂組成物の融点以上の加熱
処理を行なわず、かつ高圧のプレス処理を必要と
しないため、作業が極めて簡便に行なえ、しかも
とくに厳密な制御を行なうことなく均一な複合フ
エノール樹脂発泡成形体を得ることができ、工業
上極めて有用な方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図A〜Dは、この発明の製造方法における
各工程を例示説明する構成説明図である。 1……樹脂組成物粉末、1′……樹脂組成物、
2……綿状シート材、3……発泡層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 フエノール樹脂初期縮合物、分解型発泡剤及
    び必要に応じて加えられる硬化剤からなる粉末状
    の樹脂組成物を、予め上記フエノール樹脂初期縮
    合物と相溶性で揮発性の液状物質を含浸させた複
    数の綿状シート材の間及び/又は該液状物質を含
    浸させた綿状シート材と所定の面材との間に挾持
    させ、上記樹脂組成物自体の溶融温度未満の温度
    下で熱処理することにより、綿状シート材内部に
    上記樹脂組成物が均一に含浸されかつ各綿状シー
    ト材同士及び/又は綿状シート材と面材とが一体
    化された板状の発泡性複合体を得、この発泡性複
    合体を型内で上記樹脂組成物の発泡・硬化温度以
    上に加熱することにより、繊維とフエノール樹脂
    発泡層とが混在した複合発泡層を有する成形体を
    得ることを特徴とする複合フエノール樹脂発泡成
    形体の製造法。
JP60075764A 1985-04-09 1985-04-09 複合フエノ−ル樹脂発泡成形体の製造法 Granted JPS61233526A (ja)

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JPS61233526A JPS61233526A (ja) 1986-10-17
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