JPH0332898Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は空気調和機の室内ユニツトの主とし
て外観についての改善を図るものであつて、２個
所以上に吹出口を有する室内ユニツトの吹出口を
開閉するダンパーの構成に関するものである。

［従来の技術］ 分離形空気調和機の室内ユニツトで、室内の空
気の分布、混合を良好にするため、室内ユニツト
の上部と下部に空気吹出口を設けたものがある。
第５図は、例えば実開昭61−46312号に開示され
た分離型空気調和機の室内ユニツトである。図に
おいて、１は室内ユニツトで、正面側（図の左
側）の上部には上部吹出口３、中央部には吸込グ
リル２、下部には下部吹出口４が設けられてい
る。吸込グリル２の背方には熱交換器５が設けら
れている。熱交換器５の背方上部には第１電動機
１５で駆動される第１ラインフローフアン６が設
けられ、熱交換器５の背方下部には第２電動機１
６で駆動される第２ラインフローフアン７が設け
られている。第１ラインフローフアン６の背部に
は上部フアンケーシング８があり、前部にはスタ
ビライザ１０がある。第１ラインフローフアン６
によつて送り出される空気は、上部吹出ノズル１
８で形成される上部空気通路１１を通り、上部吹
出口３から吹出される。第２ラインフローフアン
７の背部には下部フアンケーシング９があり、前
部にはドレンパン１２がある。第２ラインフロー
フアン７によつて送り出される空気はドレンパン
１２の外面と下部フアンケーシング９と下部フア
ンケーシング９に連続するように形成された下部
吹出ノズル１９とによつて形成される下部空気通
路１３を通り、下部吹出口４から吹出される。下
部空気通路１３内の適宜位置には空気通路１３を
開閉するダンパー１４が設けられている。１７は
ダンパー用電動機である。

次に動作について説明する。上下両吹出口３，
４を使用する場合は、ラインフローフアン６，７
が回転すると、室内ユニツト１の付近の空気は吸
込みグリル２から吸い込まれ、熱交換器５を通過
し冷却または加熱され、ラインフローフアン６，
７を経て、空気通路１１，１３を通り、吹出口
３，４から吹出される。

第１ラインフローフアン６のみ回転させて、上
部吹出口３のみから空調された空気を得ようとす
る場合、第２ラインフローフアン７を停止させる
だけでは、下部空気通路１３からも空気が吸い込
まれてしまう。この空気は熱交換器５を通らない
ので空調されず不具合である。そのため、ダンパ
ー１４により下部空気通路１３を閉塞し、吸込み
グリル２からのみ吸い込むようにして、熱交換器
５を通過させて、加熱または冷却させるようにし
ている。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の空気調和機の室内ユニツトは以上のよう
に構成されているので、下部吹出口４は不要な時
も外から見たところでは常時開口しており、外観
上好ましくないという問題があつた。

この考案は、このような問題点を解決するため
になされたもので、下部吹出口が不要な時は、下
部吹出口を目立たないようにして、室内ユニツト
の外観をスツキリさせ、優れた外観をもつ室内ユ
ニツトを得ることを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案に係る空気調和機の室内ユニツトは、
吹出口のダンパーが、閉止状態ではこのダンパー
の外面が室内ユニツトの筐体の外面に連続する面
となるようにしたものである。

［作用］ この考案における空気調和機の室内ユニツト
は、吹出口を使用しないときは、ダンパーを閉と
してその空気通路を閉塞すれば、空気通路を密閉
すると共に、ダンパーの外面は室内ユニツトの前
面パネルと連続する同一面となり、その吹出口を
完全に隠してしまい、室内ユニツトにスツキリと
した外観をもたせることができる。

［考案の実施例］ 以下この考案の一実施例を図について説明す
る。第１図はこの考案の一実施例を示す側面縦断
面図、第２図はその正面断面図、第３図はその下
部吹出口付近の拡大断面図、第４図は他の実施例
の下部吹出口付近の拡大断面図である。

第１図、第２図において、１は分離形空気調和
機の室内ユニツトで、室内の床面等に設置され
る。この室内ユニツト１の正面上部には上部吹出
口３、中央部には吸込グリル２、下部には下部吹
出口４がそれぞれ設けられている。吸込グリル２
の背方には熱交換器５が設けられている。熱交換
器５の背方上部には第１ラインフローフアン６が
設けられ、上部フアンケーシング８と熱交換器５
の上部に設けられたスタビライザ１０と上部フア
ンケーシング８に接続する上部吹出ノズル１８と
によつて上部空気通路１１が形成され、第１ライ
ンフローフアン６によつて送り出される空調され
た空気は上部空気通路１１を通つて上部吹出口３
から室内に吹き出される。熱交換器５の背方下部
には第２ラインフローフアン７が設けられ、第２
ラインフローフアン７によつて送り出される空調
された空気は、下部フアンケーシング９とこれに
接続する下部吹出ノズル１９と熱交換器５で発生
するドレンを受けるドレンパン１２の外面とで形
成される下部空気通路１３を通つて、下部吹出口
４から室内に吹き出される。

なお、第２図において１５，１６はそれぞれ第
１ラインフローフアン６、第２ラインフローフア
ン７を駆動する電動機であり、それぞれ固定具２
０によつて本体ベースに固定されている。また、
室内ユニツト１の図の右側には、電装箱２１が設
けられ、電装部品２３が装備されている。電装箱
２１の上方にはリモコン収納部２２が設けられ、
リモコン２４が置かれる。

下部吹出口４にはダンパー１４が設けられ、ダ
ンパー１４は、運動中心点２９を中心として、開
放位置（第１図の実線、第３図、第４図の鎖線で
示す位置）から閉止状態（第１図の鎖線、第３
図、第４図の実線で示す位置）まで回動可能とな
つている。ダンパー１４の回動は手動でもよい
が、第２図に示すようにダンパー用電動機１７を
設けて、リンク等の機構により連結して駆動させ
てもよい。下部吹出口から吹き出す風の方向を調
整するため、風向調整板３０が、第３図では下部
吹出ノズル１９に、第４図ではダンパー１４に設
けられている。

次に作用について説明する。第１図、第３図及
び第４図において、上部吹出口３及び下部吹出口
４の両方から吹き出させて使用する場合は、ダン
パー１４が前述の開放位置（第１図の実線、第３
図、第４図の鎖線で示す位置）を検出してダンパ
ー用電動機１７を制御してこの開放位置に停止さ
せる。これでダンパー１４は下部空気通路１３の
一部を形成する位置となる。その時にはダンパー
１４の一端は下部吹出ノズル１９の前端裏面に突
き当たつて停止することになる。

上部吹出口３のみから空気を吹き出させようと
する場合は、下部吹出口から空気を吸入しないよ
うに下部吹出口４を閉止しなければならない。そ
のため、第２ラインフローフアン７を停止させる
前にダンパー用電動機１７を回転させて、ダンパ
ー１４を前記開放位置から前述と逆方向に回転さ
せて、ダンパー１４を前記閉止位置（第１図の鎖
線、第３図、第４図の実線で示す位置）に位置さ
せる。閉止位置では、ダンパー１４の両端は、シ
ール材３１，３２を介して下部吹出口４の室内ユ
ニツトの筐体１ｂ，１ｃと当接し、下部吹出口４
を密閉する。

ダンパー１４は、閉止位置で、ダンパー外面１
４ａが室内ユニツトの筐体の外面１ｂ，１ｃと連
続する面となるように形成されている。

第３図において、ダンパー１４の外面１４ａと
なる部分は一般に薄鋼板で製作されるが、冷房時
に結露しないように発泡プラスチツクの断熱材１
４ｂが付着してある。ダンパーの外面１４ａをプ
ラスチツクとすれば断熱材１４ｂは不要である。
また、閉止状態の場合のシール３１，３２は室内
ユニツトの筐体１ｂ，１ｃの方に設けてある。ま
た、風向調整板３０は下部吹出ノズル１９に設け
られている。

第４図に示す実施例では、ダンパー１４は、外
面板１４ａと断熱材１４ｂと内面板１４ｃとから
なり、内面板１４ｃは薄鋼板またはプラスチツク
板であり、外面板１４ａの反りや波打ちのような
変形を防止する補強部材としての役目も有する。
ダンパー１４が室内ユニツトの筐体１ｃに当接す
る個所のシール材３２はダンパー１４に取付けら
れており、上部の筐体１ｂに当接する部分は、ダ
ンパー１４の角隅部が二面にわたつて当接するよ
うになつており、シール材を省略してラビリンス
効果で空気の漏れを少くしている。これによつて
ダンパーの開放状態における外観を向上させるこ
とができる。

また、風向調整板３０はダンパー１４に設けら
れている。ダンパー１４を開放して、下部吹出口
４から空気を吹き出させる場合、風向調整板３０
がダンパー１４に設けてあれば吹出口の手近かに
風向調整板３０が位置することになり、風向の調
整が容易である。

また、ダンパー１４は、表面に硬化被膜を有す
る発泡プラスチツクで一体成形したものとするこ
ともできる。

また、図の風向調整板３０は左右方向の風向を
調整するものを示したが、軸止位置、方向を変え
ることにより、吹出方向を上下方向に変えること
も当然可能である。

以上のように、この考案の実施例によるダンパ
ー１４の表面１４ａは、閉止状態では、室内ユニ
ツトの筐体外面１ｂ，１ｃと連続する面となるよ
うに構成されているので、吹出口４の存在を全く
感じさせない外観となり、スツキリとした外観の
室内ユニツトとすることができる。また、吹出口
開放時には、ダンパー１４は空気通路１３を構成
する壁面の一部となり、この場合も外観を損うこ
とはない。

なお、吹出口が３個所以上、ダンパーが２個所
以上ある室内ユニツトについても以上と全く同様
である。

［考案の効果］ 以上のように、この考案によれば、室内ユニツ
トの空気吹出口のダンパーは、閉止位置では、ダ
ンパー外面と筐体外面とが連続した面となるよう
な形状で密閉することになり、吹出口の存在を完
全に隠蔽することができ、室内ユニツトの外観を
スツキリさせ、体裁の良いものにすることができ
る。場合によつてはこのダンパー外面に模様や着
色を施して全体的に統一された外観とすることも
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図はこの考案の実施例を示し、
第１図は実施例の側面縦断面図、第２図は実施例
の正面縦断面図、第３図は実施例の下部吹出口ダ
ンパー付近の拡大断面図、第４図は他の実施例の
下部吹出口ダンパー付近の拡大断面図である。第
５図は従来例の側面縦断面図である。 図において、１は室内ユニツト、１ｂ，１ｃは
筐体外面、４は下部吹出口、１４はダンパー、１
４ａはダンパー外面、３０は風向調整板である。
なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を
示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ダンパーを備えた吹出口を含み複数箇所に吹
   出口を有する空気調和機の室内ユニツトにおい
   て、前記ダンパーの閉止状態では前記ダンパー
   の外面は前記室内ユニツトの筐体外面に連続す
   る面となるように形成したことを特徴とする空
   気調和機の室内ユニツト。 (2) 前記ダンパーは、断熱発泡体プラスチツクで
   成形したダンパーであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の空気調和機の
   室内ユニツト。 (3) 前記ダンパーは、風向調整板を有するダンパ
   ーであることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の空気調和機の室内ユニツト。