JPH0332871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「技術分野」 本考案は、流路面積を変化させる流量制御弁に
関する。

「従来技術およびその問題点」 流量制御弁は、基本的には流路面積を可変とし
たもので各種の用途ある。例えばシリンダ装置の
スピードコントロール弁（スピコン）として使用
する場合には、シリンダ装置の圧力室から排出さ
れる流体の流路面積を絞るために用いる。

ところで従来の流量制御弁は、弁ハウジングに
支持した弁体をその軸方向に移動可能として、弁
座に対する距離を可変とする、ニードル弁タイプ
が一般であつた。ところが従来のニードル弁は、
弁ハウジングのメイン流路に直交させて設けられ
ており、このため小型化が困難という問題があつ
た。また従来品は一般に、小型化という視点が欠
けており、管路に接続すると、その接続部分が特
に大きくなつてしまうのが普通であつた。

「考案の目的」 本考案は、ニードル弁を用いた流量制御弁の小
型化を目的とする。

「考案の概要」 本考案は、従来メイン流路に直交させていたニ
ードル弁を斜向させることにより小型化を図ると
ともに、さらに全体として、小型化に適し、かつ
操作性に優れた部品点数の少ない流量制御弁を得
たもので、制御弁ブロツクに形成されたメイン流
路に流路遮断または制限手段を設ける一方、この
メイン流路に対して斜交し、制御弁ブロツクの外
面と、流路遮断または制限手段との前後のいずれ
か一方においてメイン通路に貫通するニードル弁
通路を設け、このニードル弁通路に、軸方向位置
に応じ流路面積を変化させるニードル弁を移動調
節可能に挿入し、さらに制御弁ブロツクには、メ
イン流路を有する部分の幅広部と、ニードル弁通
路の外端部が臨む付近の幅狭部とを設け、この幅
狭部にニードル弁通路と直交するスリツトを形成
し、このスリツト内に、ニードル弁の外周に形成
した雄ねじ部と螺合する雌ねじ部を有し外形が幅
狭部より大きい流量調整ナツトを軸方向の隙間な
く挿入したことを特徴としている。

「考案の実施例」 以下図示実施例について本考案を説明する。こ
の実施例は、本考案をスピードコントロール弁に
適用した実施例である。スピードコントロール弁
１０は、上述のように、ポンプＰからの圧力流体
を制御する方向制御弁１１と、シリンダ装置１２
の圧力室１３との間に挿入されるもので、方向制
御弁１１から圧力室１３方向への自由流れＶは実
質的に流路を絞ることなく流し、圧力室１３から
排出される流体の制御流れＣは、その流路を絞る
ものである。

本考案のスピードコントロール弁１０は、制御
弁ブロツク２０内にユニツト化して形成されてい
る。この制御弁ブロツク２０は断面略直方体状の
幅広部２１と、この幅広部２１の上に位置する幅
狭部２２とを有しており、幅広部２１の中央にメ
イン流路２３が穿けられている。２４，２５は、
メイン流路２３の両端に形成した配管の接続テー
パねじである。

メイン流路２３の略中央には、一方向弁２６が
設けられている。この一方向弁２６は、弁座２７
と、この弁座２７に対して接離可能な可動弁体２
８と、この可動弁体２８を常時弁座２７に着座さ
せる圧縮ばね２９を有している。圧縮ばね２９は
可動弁体２８のばね受け３０とメイ流路２３の段
部間に挿入したものである。この一方向弁２６に
よると、自由流れＶは圧縮ばね２９を撓ませて可
動弁体２８を弁座２７から離座させるが、制御流
れＣは可動弁体２８を弁座２７に弾接させるよう
に作用するから、制御流れＣについては、流路遮
断手段として働く。

制御弁ブロツク２０の幅狭部２２には、メイン
流路２３に連通するニードル弁通路３３が、該メ
イン流路２３に対して斜交する関係で穿けられて
いる。このニードル弁通路３３は、幅狭部２２の
外面からメイン流路２３に貫通するもので、メイ
ン流路２３の軸線に対し、角度θをなしている。
このθは、制御弁ブロツク２０の縦横の寸法ｓお
よびｌを小さくできるように定める。θを小さく
すれば、ｓを小さくでき、逆にθを大きくすれ
ば、ｌを小さくすることができる。

ニードル弁通路３３は、一方向弁２６の前後い
ずれか一方においてメイン流路２３に開口してい
るが、一方向弁２６の前後の他方には、このニー
ドル弁通路３３と直交してメイン流路２３および
幅狭部２２外面に貫通する迂回通路３４が形成さ
れている。この迂回通路３４のニードル弁通路３
３より外側は、盲ボール３５によつて後に閉塞さ
れる。

ニードル弁通路３３には、ニードル弁３６が挿
入されている。このニードル弁３６は、その上部
から順に、雄ねじ部３７、シール部３８およびニ
ードル部３９を有し、シール部３８には、ニード
ル弁３３内壁と弾接するＯリング４０が嵌められ
ている。このニードル弁通路３６は、回動を規制
されてニードル弁通路３３に挿入されていて、そ
の軸方向位置を変化させることにより、そのニー
ドル部３９とニードル弁通路３３の絞部３３ａと
の間の流路面積を変化させる。

制御弁ブロツク２０の幅狭部２２には、ニード
ル弁通路３３と直交するスリツト４２が切られて
いる。このスリツト４２には、ニードル弁３６の
雌ねじ部３７と螺合する雌ねじを有する流量調整
ナツト４３が実質的に軸方向に移動することのな
いように嵌められている。この流量調整ナツト４
３とニードル弁３６を螺合させるには、最初に流
量調整ナツト４３をスリツト４２に入れておき、
その状態でニードル弁３６を該ナツト４３に挿入
して螺合させる。この流量調整ナツト４３の外径
は、幅狭部２２の幅より大きく形成されていて、
幅狭部２２の両側面から流量調整ナツト４３を容
易に回動操作できるようになつている。またこの
流量調整ナツト４３の外径と制御弁ブロツク２０
の幅広部２１の幅とは略同一になつていて、流量
調整ナツト４３が制御弁ブロツク２０全体の幅か
らは突出することがないように配慮されている。

上記構成の本スピードコントロール弁１０はし
たがつて、自由流れＶは、一方向弁２６が開いて
実質的に絞られることなく流れ、制御流れＣの流
路断面はニードル弁３６の軸方向位置によつて制
御することができる。すなわち流量調整ナツト４
３を回動させると、該ナツト４３の軸方向位置は
スリツト４２によつて規制されていることから、
雌ねじ部３７によりニードル弁３６が軸方向に移
動する。よつてニードル弁３６をメイン流路２３
に近づける方向に流量調整ナツト４３を回動操作
すれば、ニードル弁通路３３の絞部３３ａから迂
回通路３４に至る流路面積が狭くなりシリンダ装
置１２のピストン１４の戻りが遅くなり、逆にニ
ードル弁３６をメイン流路２３から遠ざける方向
に流量調整ナツト４３を回動操作すれば、ピスト
ン１４の戻りが速くなる。

なお流量調整ナツト４３の外周には流量目盛
を、制御弁ブロツク制御弁ブロツク２０の幅狭部
２２にはこの流量目盛に対応する指標を設け、現
在流量（戻りスピード）を表示することが望まし
い。

本考案をスピードコントロール弁１０以外の単
なる流量制御弁として用いる場合には、一方向弁
２６に代えて、単なる流路遮断壁、または最小流
量を確保するオリフイスを有する流量制限壁とす
ることができる。

「考案の効果」 以上のように本考案の流量制御弁は、メイン流
路に対して迂回するニードル弁通路をメイン流路
に対して斜交させたから、ニードル弁をメイン流
路に対して直交させる従来装置に比し、小型化を
図ることができる。またニードル弁を、制御弁ブ
ロツクの幅狭部より外径の大きい流量調整リング
によつて位置調節可能とすることにより、操作性
にも優れた小型の流量制御弁が得られる。すなわ
ちこの流量調整ナツトは、制御弁ブロツクの幅狭
部に形成したスリツト内に、軸方向の隙間なく挿
入されていて、ニードル弁の外周に形成した雄ね
じ部に螺合しているため、これを回動操作するこ
とにより、ニードル弁を軸方向に移動させ、流量
調整を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の流量制御弁の実施例を示す第
２図の−線に沿う縦断面図、第２図は同側面
図、第３図は同正面図である。 １０……スピードコントロール弁、１１……方
向制御弁、２０……制御弁ブロツク、２１……幅
広部、２２……幅狭部、２６……一方向弁、３３
……ニードル弁通路、３４……迂回通路、３６…
…ニードル弁、３７……雄ねじ部、３８……シー
ル部、３９……ニードル部、４０……Ｏリング、
４２……スリツト、４３……流量調整ナツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 メイン流路を有する制御弁ブロツク； 上記メイン流路に設けた流路遮断または制限手
   段； 上記メイン流路に対して斜交し、上記制御弁ブ
   ロツクの外面と、上記流路遮断または制限手段と
   の前後いずれか一方においてメイン通路に貫通す
   るニードル弁通路； 上記流路遮断または制限手段の前後の他方とニ
   ードル弁通路を連通させる迂回通路； およびニードル弁通路に回動を規制して移動調
   節可能に挿入され軸方向位置に応じ流路面積を変
   化させる、外周に雄ねじ部を有するニードル弁を
   備え、 上記制御弁ブロツクは、メイン流路を有する部
   分の幅広部と、ニードル弁通路の外端部が臨む付
   近の幅狭部を有し、 この幅狭部にニードル弁通路と直交するスリツ
   トが形成され、 このスリツト内に、ニードル弁の上記雄ねじ部
   と螺合する雌ねじを有し外形が上記幅狭部より大
   きい流量調整ナツトが軸方向の隙間なく挿入され
   ていることを特徴とする流量制御弁。