JPH0332732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はフルフロー式オイルフイルタを取付
けていたエンジンブロツクに、フルフロー、バイ
パス一体式オイルフイルタを装着するための補助
装置に関する。

（従来の技術） 自動車用エンジンなどにおいて、カートリツジ
タイプのフルフロー式オイルフイルタを装着する
構造のエンジンブロツクに、フルフロー、バイパ
ス一体式のカートリツジタイプオイルフイルタを
装着するための補助装置が知られている。

上記のエンジンブロツクはオイルフイルタへの
オイル流入路と、オイルフイルタから潤滑部へオ
イルを送るオイル流出路を備えているのみである
から、補助装置は、オイルフイルタからの流出オ
イルをフルフロー用とバイパス用とに区分して受
け入れ、バイパス用は補助装置に接続する別途配
管によつて直接オイルパンへ戻すようにしてい
る。上記のフルフロー、バイパス一体式のカート
リツジタイプオイルフイルタは、そのケーシング
内に、先端がケーシングの出口開口に臨むパイプ
（第１図パイプＰ）が設けられていて、その内側
はフルフロー用に、外周はバイパス用に当てられ
る。

従来の上記のような補助装置として、例えば実
開昭58−32116号公報第２図に図示されたブラケ
ツト３０（符号は同公報の記載による）がある。
このブラケツトには外管３４（同上）と内管３３
（同上）とでなる二重管が設けられており、外管
３４がオイルフイルタの出口開口に螺合され、オ
イルフイルタ内に設けた内筒４７（同上、前記第
１図パイプＰに相当する。）を内管３３に嵌合さ
せている。

（考案が解決しようとする課題） フルフロー、バイパス一体式のカートリツジタ
イプオイルフイルタが、上記のような補助装置に
取付けられるときは、外管３４がオイルフイルタ
の出口開口に螺合し、その際同時に内管３３にオ
イルフイルタの内筒４７が液密に嵌入しなければ
ならない。従つて外管と内管とはオイルフイルタ
に対面する末端側が同軸上にあり偏心があつては
ならない。

しかし上記のような従来の補助装置では、内管
の基端部が外管の基端部に１ケ所で固着されてい
るのみで、末端は自由端となつている。従つて固
着部分のわずかな傾きや偏心が末端に大きく影響
し、オイルフイルタ取付けにあたり、偏心により
内管と内筒とが接合せず取付け不能となつたり、
内筒（第１図のパイプＰ）と内管との嵌合部の液
密不良により、フルフロー側とパイパス側のオイ
ルが混同したりする不具合が生ずる。

（課題を解決するための手段） 円盤状をなし、両端面間を貫通する流入口と挿
入孔を設けたアダプタ、及び取付管と圧入管とで
二重筒状をなす補助コネクタとでなり、取付管は
両端部に取付ねじを有し、その間に設けた挿入部
が前記挿入孔に挿入され、圧入管は上方、下方圧
入部が設けられて取付管内壁に圧入され、両圧入
部の間は小径となつて取付管内壁との間に〓間が
形成され、この〓間を、下部圧入部に設けた溝を
介して取付管下端面に開通させると共に、取付管
に設けた側孔を介してアダプタ側壁に開口するア
ダプタ内のバイパス流路に連通させたものであ
る。この補助装置は取付管下側の取付ねじがオイ
ルフイルタに螺合され、上側の取付ねじがエンジ
ンブロツクに螺合され、圧入管の末端部がオイル
フイルタ内のパイプに接合されてフルフロー流出
用の流路となる。

尚、このような二重筒状の内側管と外側管の偏
心をなくする手段として二重にする部分の全長に
わたつて嵌入し、その嵌合面に縦溝を設けてバイ
パス用の流出路とすることも考えられるが、この
構造は内外双方の管の嵌合面を高精度に加工しな
ければならないうえ、嵌入は作業性が悪いから、
コスト高を招く等の理由で不適当である。

（作用） アダプタの流入口からオイルフイルタへ流入し
たオイルは濾過されて、オイルフイルタ内のパイ
プから圧入管内を通りエンジンブロツクへフルフ
ロー用オイルが流出する。バイパス用オイルはオ
イルフイルタのパイプの外周から、取付管の下端
面に開通している溝を通つて圧入管外周の環状の
〓間に入り、さらに取付管の側孔、アダプタのバ
イパス流路を経てアダプタ側壁の開口から流出す
る。このオイルはアダプタ側壁の開口に接続され
た配管によりオイルパンへ戻る。

この取付用補助装置にオイルフイルタを螺着す
る際に、取付管に対し圧入管は上下２個所で圧入
固定されているから、取付管の取付ねじ部分と圧
入管末端は同軸上に位置して偏心がない。従つて
圧入管末端にオイルフイルタ内のパイプ先端を嵌
合させることが円滑かつ確実に行なわれる。また
圧入管は上方、下方圧入部の間が小径となり取付
管内壁との間に〓間があるから、加工も容易であ
り、取付管内に組入れて圧入固着する作業も容易
である。

（実施例） この考案の補助装置３０は、アダプタ本体１と
接続パイプ部２からなるアダプタ１０および取付
管１２と圧入管２２からなる補助コネクタ２０に
より構成される。第１図にエンジンブロツク端面
Ｅに補助装置３０を取付け、さらにフルフロー、
バイパス一体式オイルフイルタＦを装着した状態
を示す。

アダプタ本体１は第２図に示すように円形をな
し、その−断面である第３図に示す如く、エ
ンジンブロツク端面Ｅとの接触面３と、フルフロ
ー、バイパス一体式オイルフイルタＦ（以後オイ
ルフイルタＦと略称）を取付ける取付面４とが上
下端面をなし、さらに締付面５を有し、中央には
挿入孔６とその外側には複数の流入口７（第２
図）が穿設されている。そして挿入孔６には図示
しないオイルパンへ連通するバイパス流路８が穿
孔されその先端は側壁に開口して接続パイプ２が
螺着されており、さらに挿入孔６にはバイパス流
路８の始端開口よりも接触面３に近い位置にパツ
キン挿入部９が設けられ、接触面３にはパツキン
挿入部１１が円環状に設けられている。

補助コネクタ２０は第４図に示すように取付管
１２と圧入管２２で構成されている。取付管１２
の中心軸部分には流出孔１４が穿孔され、外側面
上端にはエンジンブロツクＡの流出路Ｃの螺着部
Ｄと螺合する取付ねじ１５が螺設されている。そ
して取付管１２の下方端にはオイルフイルタＦを
取付ける取付ねじ１６が螺設され、取付ねじ１
５，１６間には挿入部１７とつば状で６角形の締
付部１８が形成されており、さらに挿入部１７と
締付部１８間には後述のバイパスオイルの流通路
を形成するための環状溝１９に側孔２１が穿孔さ
れている。また流出口１４の下方にこれと連通し
て圧入管２２を圧入する孔が穿孔されている。

圧入管２２の中心軸部分には、取付管１２の流
出管１４とほぼ同径の流出孔２５が穿孔され、そ
の下方には段付きのパイプ挿入部２６とさらに大
径のパツキン挿入部２７が穿孔されている。そし
て圧入管２２の外側に設けた上方、下方圧入部２
３，２４により取付管に圧入される。両圧入部２
３，２４の間をこれらより小径とし環状の〓間を
形成させて流通路２８が設けてある。その下端２
９には溝３１が設けられ、溝３１の下端は取付管
１２の下端面に開放されている。流通路２８は取
付管１２に設けた側孔２１及び環状溝１９を介し
てアダプタ１０のバイパス流路８に連通する。

上記補助装置３０を用いてオイルフイルタＦを
取付けるときは、第１図に示したように、アダプ
タ１０の接触面３および挿入孔６に設けたパツキ
ン挿入部１１，９にそれぞれパツキン３２，３３
を挿入し、エンジンブロツク端面Ｅと接触面３を
接触させ挿入孔６へ補助コネクタ２０を貫通し、
取付管１２の６角形の締付部１８を締付工具でエ
ンジンブロツクＡの流出路Ｃの螺着部Ｄに締着す
る。そのさいアダプタ１０の締付面５と補助コネ
クタ２０の締付部１８は密着し、エンジンブロツ
ク端面Ｅとアダプタ１０とはパツキン３２により
液密となる。

そしてアダプタ１０の挿入孔６と補助コネクタ
２０の上方圧入部２３はアダプタ１０のパツキン
挿入部９に挿入したパツキン３３により液密が保
たれる。次に取付ねじ１６に第１図に示すような
フルフロー用エレメントＧとバイパス用エレメン
トＨを収納してなるフルフロー、バイパス一体式
オイルフイルタＦを螺着する。この際圧入管２２
は上方、下方圧入部２３，２４で固定されていて
取付ねじ１６に対し偏心していないから、パイプ
Ｐの先端を嵌合させるのに突当たりやずれ等がな
く、円滑に挿入され、パツキン３４を介して液密
が確実に保たれる。

（考案の効果） この考案は前記の構成により、フルフロー用の
みのカートリツジタイプオイルフイルタを装着す
る形式のエンジンに対し、改造を加えることな
く、フルフロー、バイパス一体式のカートリツジ
タイプであつて螺着部内側に設けたパイプにより
フルフロー、バイパスの流出路を区分する構造の
オイルフイルタを装着可能とするものである。

このオイルフイルタ取付用の補助装置は、二重
筒状の補助コネクタの圧入管を、上下２部分で取
付管に圧入固定するようにし、その中間に〓間を
設けたから、圧入管末端は取付ねじに対して偏心
がない。従つてオイルフイルタ内のパイプ先端と
圧入管末端との嵌合が円滑で食い違いが生ずるこ
とがなく、液密保持も確実となるから、オイルフ
イルタの装着不能とか、フルフロー用とバイパス
用の間のオイル混入という不具合が生じない。

また圧入管は、上下２個所の圧入部を形成さ
せ、その中間を小径にして〓間を形成させればよ
く、更に上方圧力入部と下方圧入部とは必ずしも
同径でなくてもよいから、製作及び取付管への組
付け作業がきわめて容易であり、製作容易な補助
装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例をその使用態様ととも
に示す図、第２図はアダプタの図、第３図は第２
図−断面図、第４図は補助コネクタの図であ
る。 １……アダプタ本体、６……挿入孔、７……流
入路、８……バイパス流路、１０……アダプタ、
１２……取付管、１４，２５……流出孔、１５，
１６……取付ねじ、２０……補助コネクタ、２２
……圧入管、２３，２４……圧入部、２８……流
通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円盤状をなしその両端面間に貫通した流入口と
   挿入孔とが設けられたアダプタ、および両端部外
   周に取付ねじを設けた取付管とその内側に圧入さ
   れた圧入管とでなる二重筒状の補助コネクタでな
   り、該補助コネクタは前記両端部の取付ねじの間
   に設けた挿入部が前記挿入孔に挿入され、前記圧
   入管は上方圧入部と下方圧入部とが設けられて、
   両圧入部が取付管内壁に圧入されるとともに両圧
   入部の間は小径となつて取付管壁との間に環状の
   〓間が形成され、該〓間は下方圧入部に設けた溝
   を介して取付管下端面に開通すると共に、取付管
   に設けた側孔を介して、アダプタ内に設けられア
   ダプタ側壁に開口するバイパス流路と連通し、圧
   入管下端がオイルフイルタ内のパイプに接続され
   て、エンジンブロツクに通ずるフルフロー流路を
   形成してなる、オイルフイルタ取付用の補助装
   置。