JPH0332607B2 - - Google Patents

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JPH0332607B2
JPH0332607B2 JP19902185A JP19902185A JPH0332607B2 JP H0332607 B2 JPH0332607 B2 JP H0332607B2 JP 19902185 A JP19902185 A JP 19902185A JP 19902185 A JP19902185 A JP 19902185A JP H0332607 B2 JPH0332607 B2 JP H0332607B2
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temperature
furnace
time
heating
steel
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JP19902185A
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Masataka Yamada
Mitsugi Toyoshima
Ichiro Maeda
Itaru Hishinuma
Junzo Nitsuta
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】 本発明は、加熱炉の燃焼制御方法に係り、特
に、ウオーキングビーム型あるいはプツシヤー型
の連続式鋼片加熱炉で、一方向性電磁鋼を加熱す
る際に用いるのに好適な、被加熱片の最適昇温パ
ターンを求めて、最適炉温あるいは最適投入燃料
を設定する加熱炉の燃焼制御方法の改良に関す
る。
【従来の技術】
一般に、鋼片の連続式加熱炉は、例えば第7図
に示すような構造を有する。 即ち、加熱炉12は、多帯式とされ、各帯毎に
加熱バーナ14−1〜14〜3が配設されてい
る。鋼片10は、加熱バーナ14−1〜14−3
により加熱されながら、スキツドビーム(ウオー
キングビームとも称する)16により、炉内を挿
入口18より抽出口20迄矢印の方向に搬送され
る。鋼片10の加熱状態の制御は、加熱バーナ1
4−1〜14−3の燃料を調整することにより行
う。 第8図は、加熱炉の燃焼制御系の一例である。
計算機22は、プロセス入出力装置24により、
各帯に配設された温度計26−1〜26−3を用
いて各帯の温度を測定し、その温度により炉内の
鋼片温度を推定する。次いで、推定された鋼片温
度と最適な鋼片温度の差を求め、加熱バーナ14
−1〜14−3の制御装置である温度調節計28
又は直接流量調節計30に設定値を出力し、鋼片
10の加熱状態を最適に調整する。 温度調節計28に計算機22により炉温が設定
された場合は、温度調節計28は設定炉温と温度
計26−1〜26−3より入力した各帯温度との
偏差に基づき、流量調節計30へ流量を設定す
る。すると、流量調節計30は、設定された流量
になるように、加熱バーナ14−1〜14−3の
流量を調節する。 又、計算機22により流量調節計30に直接設
定する場合は、設定された流量に従つて、流量調
節計30が加熱バーナ14−1〜14−3の流量
を調節する。 推定した鋼片温度より最適な炉温設定値や流量
設定値を決定するための方法の1つとして、予め
鋼片の最適昇温パターン(鋼片の挿入より抽出迄
の最適な鋼片温度の変化曲線)を求めておき、該
最適昇温パターンより現時点での最適鋼片温度を
求め、現時点での測定炉温より求めた鋼片の推定
温度との差により、炉温や流量の調節量を決定す
る方法がある。第9図に、この燃焼制御方法の手
順を示す。 又、別の方法としては、現在の鋼片推定温度と
現在炉温より一定時間後の鋼片温度を推定し、最
適昇温パターンから求めた一定時間後の最適鋼片
温度との差により炉温や流量を調節する方法もあ
る。 前記最適昇温パターンを求める従来の方法とし
ては、鋼片の抽出時の温度を所定の温度迄に焼き
上げるという制約条件の下に、燃料の消費量を評
価関数とし、該評価関数を最小とするように最適
昇温パターンを求めて、炉温又は燃料流量を制御
する方法が開発され、実用に供されている。 この方法は、燃料原単位を最小にすることがで
きるが、炉内におけるその加熱履歴は考慮されて
いない。従つて、一般の低炭素鋼の加熱のよう
に、特にその加熱履歴が問題とならない場合に
は、このような従来の燃焼制御方法が適用されて
いる。
【発明が解決しようとする問題点】
しかしながら、一方向性電磁鋼のように、スラ
ブを熱間圧延前に、炉内における加熱でインヒビ
ターと呼ばれるMnS、AlN等の析出分散層を固
溶させることを必要とする材料では、加熱履歴が
問題となり、加熱履歴が一方向性電磁鋼に要求さ
れる磁気特性を左右する重要な役割を有してい
る。 即ち、一方向性電磁鋼の磁気特性は、冷間圧延
後の最終焼鈍において、結晶組織が平均粒径数十
μmから数mmオーダへと急激な変化を起こす二次
再結晶組織の良否により決定される。この二次再
結晶方位の大部分は、最も磁気特性が良好な
(110)[001]方位からなり、再結晶方位がこの
(110)[001]方向に近ければ近い程、優れた電磁
厚板が得られることは周知のことである。 この二次再結晶時に、粒成長を(110)[001]
方位にさせ、他方位への粒成長を抑制するのが、
インヒビターである。このインヒビターの抑制力
は、熱間圧延鋼板における析出物が、いかに鋼中
全域に微細分散したかにより決まる。これらイン
ヒビターMnS、AlN等を微細分散させる役割を
有しているのが加熱炉である。 このため、一方向性電磁鋼の加熱は、インヒビ
ターMnS、AlN等を固溶温度以上で一定時間以
上保持することを必要とし、従来の加熱履歴を考
慮していない燃焼制御方法では不完全であつた。 又、一方向性電磁鋼の加熱は、前記したインヒ
ビターを固溶させるために高温、長時間の加熱を
必要とするので、加熱炉抽出時の鋼片結晶粒が粗
大化する。従つて、きめ細かな加熱制御を行わな
ければ、結晶粒が粗大化し過ぎ、熱間圧延鋼板に
一次再結晶されない延伸粒として残存し、最終仕
上げ焼鈍時に二次再結晶されない線状細粒として
残存することになり、磁気特性劣化の原因とな
る。 更に、一方向性電磁鋼の加熱には、高温、長時
間の加熱を必要とするという理由から、通常の低
炭素鋼に比較して、加熱炉の原単位は、1.8〜2
倍、スケールロスは3〜4倍と極めて大きい。 従つて、一方向性電磁鋼の加熱には、磁気特性
の安定性の上からも、又、加熱炉の省エネルギ、
スケールロスの上からも、鋼片の過加熱防止は肝
要であり、加熱炉内における最適な鋼片加熱履歴
を考慮した燃焼制御方法が望まれていた。 しかしながら従来は、前記のような要請を満足
した燃焼制御方法は提案されていなかつた。
【発明の目的】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくな
されたもので、前記のように炉内における加熱履
歴が問題となる、一方向性電磁鋼等の被加熱片の
加熱に適した加熱炉の燃焼制御方法を提供するこ
とを目的とする。
【問題点を解決するための手段】
本発明は、被加熱片の最適昇温パターンを求め
て、最適炉温あるいは最適投入燃料を設定する加
熱炉の燃焼制御方法において、第1図にその要旨
を示す如く、被加熱片のスキツド上厚み方向最冷
点温度又はスキツド上厚み方向における特定点温
度を推定する手順と、該推定温度が与えられた固
溶温度に達した時刻と抽出時刻の間で、該推定温
度を前記固溶温度以上に保持すると共に、前記到
達時刻から抽出時刻迄の間の時間長を与えられた
上・下限時間以内とする手順と、前記推定温度が
固溶温度以上になつた際の時間積分値を最小とす
る手順と、により被加熱片の昇温パターンを決定
し、この昇温パターンを用いて炉温あるいは投入
燃料を制御することにより、前記目的を達成した
ものである。
【作用】
本発明は、一方向性電磁鋼の加熱に適したもの
であるので、以下、一方向性電磁鋼加熱の場合を
例にとつて説明する。 前記のように、一方向性電磁鋼加熱の主目的
は、鋼片に偏析するインヒビターMnS、AlN等
を固溶(開始下限)温度θs以上で一定時間以上加
熱することで、熱間圧延時にインヒビターを鋼板
全域に析出させることにある。しかしながら、過
加熱すれば、磁気特性が劣化するだけでなく、原
単位やスケールロスに悪影響を及ぼすので、必要
以上の加熱は避けなければならない。 従つて、本発明では、例えば加熱される鋼片
中、最も温度が低いと推定される個所、即ち、ス
キツド上厚み方向最冷点温度θlあるいは加熱され
る鋼片中比較的温度が低く、且つ偏析し易いスキ
ツド厚み方向における特定点の温度θseg(一般に
鋼中心)を前記固溶温度θs以上に一定時間以内保
持し、且つ、最冷点温度θl又はスキツド上特定点
温度θsegが固溶温度θs近傍となり、必要最小限な
加熱となるような鋼片昇温パターンを作成して制
御することにより、前記問題点を解決するように
したものである。 なお、本発明において作成する鋼片昇温パター
ンに取込む条件は、スキツド上厚み方向最冷点温
度θlあるいはスキツド上特定点温度θsegの2通り
の方法を与えているわけであるが、この使い分け
は下記に示すように取扱う鋼片により行われる。 (1) θlを取込む場合 (a) 焼結時により得られた偏析がない鋼片 (b) 偏析がある鋼片で、その偏析位置が比較的
一様でない鋼片 (2) θsegを取込む場合 (a) 連鋳法・分塊法等により得られた偏析があ
る鋼片で、その偏析位置が比較的一様である
鋼片 第2図乃至第4図に示す本発明の概念の制約条
件は、次の(1)、(2)式で、又、評価関数Jは、次の
(3)式で与えられる。なお、第2図及び第3図にお
いて、10は、被加熱片である鋼片、16は、加
熱炉内で前記鋼片10を搬送するためのスキツド
ビーム、16Aは、該スキツドビーム16上に配
設された、鋼片10と直接接触するスキツドボタ
ン、aは定数である。 θl(t)又はθseg(t)≧θs (tr≦t≦tOUT) …(1) tl≦(tOUT−tr)≦tU …(2) J=∫tCUT tr{θl(t)−θs}dt …(3) ここで、tは時刻、θl(t)又はθseg(t)は、
時刻tにおけるスキツド上最冷点温度又はスキツ
ド上特定点温度、trは、最冷点温度θl(t)又は
特定点温度θseg(t)が固溶温度θsに達した時刻、
tlは、固溶を確保するための、最冷点温度θl(t)
又は特定点温度θseg(t)を固溶温度θs以上に保
持すべき下限時間、tUは、粗大粒成長を防止する
ための、最冷点温度θl(t)又は特定点温度θseg
(t)を固溶温度θs以上に保持すべき上限時間、
Jは評価関数である。 従つて、前記(3)式の評価関数Jを最小化すれば
よい。 次に、本発明による鋼片の最適昇温パターンの
求め方について、以下詳細に説明する。 最適な昇温パターンを求めるには、まず炉温を
決めた時に鋼片10の温度がどのように昇温する
のかを求める必要がある。これは、一般に鋼片1
0の熱伝導方程式を解くことにより求めることが
できる。この場合、初期値は装入時の鋼片温度と
し、鋼片の表面の境界条件は、上面は、炉温と鋼
片表面温度の差により決定される入熱量による。
又、下面は、例えばウオーギングビーム式加熱炉
の場合、スキツドボタン16Aが鋼片表面に接
触、非接触を繰返すので、接触時はスキツドボタ
ン16Aからの入熱量による。一方、非接触時
は、上面と同様の入熱量による。但し、プツシヤ
ー式熱炉の場合には、常時接触しているので、ス
キツドボタンからの入熱量のみでよい。 熱伝導方程式は、一般に多次元の偏微分方程式
となるが、計算機による実時間計算のために、例
えば差分方程式による近似を行うことができる。
一例として、鋼片10がスラブの場合で、厚み方
向にのみメツシユ点をとつた場合の差分方程式系
を次に示す。 θi(t+Δt)=A(θi-1(t)+θi+1(t))+(1-2A)・θ
i(t) (i=2~n-1)…(4) 上表面 θ1(t+Δt)=2A・θ2(t)+(1-2A)・θ1(t)+(α・QU
(t))/(C・ρ.DX)…(5) スキツドボタン非接触時下表面 θo(t+Δt)=2A・θo-1(t)+(1-2A)・θo(t)+(α・
Ql(t))/(C・ρ・DX)…(6) スキツドボタン接触時下表面 θo(t+Δt)=θo(t)×(1−(K1+K2)/CA)+(K1/CA)
・θo-1(t)+(K2/CA)θskid…(7) QU(t)=4.88Δt・φcgu×{((TU+273)/100)
4−((θ1(t)+273)/100)4}…(8) Ql(t)=4.88Δt・φcgl×{((Tl+273)/100)
4−((θo(t)+273)/100)4}…(9) θi(t)=θi (i=1〜n) …(10) θskid=α・Tl …(11) A=(K・Δt)/(C・ρ・DX2) …(12) CA=1/Δt・{C・ρ・(DX/2)+Cs・ρs・(H
/2)}…(13) K1=K/DX …(14) K2=K/H …(15) ここで、nはメツシユ点数、θi(t)は、メツ
シユ点iの時刻tの温度、QU(t)は、上部から
の入熱量、Ql(t)は、下部からの入熱量、Cは
鋼片の比熱、ρは、鋼片の比重、Kは、鋼片の熱
伝導率、Csは、スキツドボタンの比熱、ρsは、
スキツドボタンの比重、Δtは時間刻み、DXは、
鋼片厚み方向メツシユ点の間隔、TUは、鋼片上
部の炉温、Tlは、鋼片下部の炉温、θskidは、ス
キツドボタンの推定温度、αは定数、Hは、鋼片
とスキツドボタン接触位置からの距離である
θskid位置定数、φcguは上部総括熱吸収率、φcgl
は下部総括熱吸収率である。 この(4)式〜(15)式において、比熱C、Cs、
比重ρ、ρs、熱伝導率K、Ksは、鋼片10及び
スキツドボタン16Aの材質等により決定できる
物理定数である。又、総括熱吸収率φcgu、φcgl
及び定数αは、炉構造や炉温等の影響を受ける未
知のパラメータで、例えば熱電対を埋め込んだ鋼
片の加熱実験等により推定できる。更に、鋼片上
部炉温TUと下部炉温Tlは、炉内の温度計の入力
より推定することができる。又、スキツドボタン
16Aの接触、非接触は、炉のAPC計算機から
入力される信号で判定できる。 従つて、以上述べた(4)式〜(15)式より、鋼片
上部及び下部の炉温TU、Tlを決めれば、鋼片1
0の挿入から抽出時迄の最適な鋼片昇温パターン
を決定することができる。 なお、スキツドボタン16Aの接触、非接触が
繰返されるウオーキングビーム式加熱炉の場合に
おける、鋼片下面のスキツドボタンへの接触、非
接触による前出(7)式、(8)式の使い分けは、例え
ば、操業に合致した時間比(定数)を適用するこ
とで、次のようにして行うことができる。 即ち、操業における各鋼種に対する鋼片抽出ピ
ツチの代表値をPとし、且つ、スキツドビーム1
6による鋼片送り時間の代表値をtTとする。こ
の場合、スキツド接触、非接触時間の推定値は、
スキツド接触時間が(P−tT)、非接触時間がtT
となり、この時間毎に抽出迄、接触、非接触が繰
返されることになる。従つて、鋼片抽出ピツチの
代表値P及び鋼片送り時間の代表値tTに初期値
を与え、温度差分計算時間Δtを累積判定するこ
とにより、鋼片下表面におけるスキツド接触、非
接触の式を使い分けることができる。 以上の手順を流れ図で示すと、第5図に示す如
くとなる。 又、本発明では、例えばスキツド上厚み方向最
冷点温度θl又はスキツド上特定点温度θsegを推定
する必要がある。これは、前出(4)式〜(15)式に
より求まつた、時刻tにおけるスキツド上厚み方
向鋼片温度(計算値)θi(t)(i=1〜n)を用
いて、次のようにして行うことができる。 即ち、第6図に示すような、鋼片10のスキツ
ド上厚み方向温度分布を(n−1)次式で近似す
ると、次式に示す如くとなる。 θx(t)=ao-1xn-1 +ao-2xn-2…+a1x1+a0 …(16) ここで、係数aj(j=0〜n−1)は、未知数
であるが、メツシユ点各位置における鋼片温度θi
が既知であるので、次に示す一次元連立方程式に
より求めることができる。 θ1(t)=a0 …(17) θ2(t)=ao-1{1*DX}n-1+ao-2{1*DX}n-2
…+a1{1*DX}1+a0…(18) 〓 θo(t)=ao-1{(n-1)*DX}n-1+ao-2{(n-1)*DX}n
-2
…+a1{(n-1)*DX}1+a0…(19) DX=TH/(n−1) …(20) 従つて、スキツド上特定点温度θseg(t)を求
める場合は、(16)式のxに位置を代入すればよ
い。 又スキツド上最冷点温度を求める場合は、次の
手順により行う。まず、鋼片内部の温度分布内に
極値が存在する場合には、次の(21)式におい
て、0≦x≦Th(鋼片の厚み)の範囲内で、(21)
式が零となる厚み方向位置xiを求め、次の(22)
式により、上表面、下表面、極値を比較して、最
冷点温度θl(t)を求めることができる。 ∂θx(t)/∂x=(n−1)・ao-1・xn-2+(n−
2)・ao-2・xn-3…+a1…(21) θl(t)=Min{θ1(t)、θo(t)、θxi(t)
}…(22) ここで、前記の連立方程式や多次元方程式は、
一般的な解法、例えば多項式高次代数方程式を二
次式の積に変形し、二次式の根の方式を使つて全
部の根を求めるBairstow法を用いて解くことが
できる。 なお上記の方法は、計算機の演算時間が長くな
るので、次のようにして簡易化することも可能で
ある。 即ち、スキツド上特定点温度θseg(t)に関し
ては、一般に鋼片中心に最も偏析が集中している
と一般的に考えられるので、中心温度をθseg(t)
として取扱う。 又、スキツド上最冷点温度θl(t)は、次のよ
うな方法で簡易化を行うことができる。まず、差
分計算で求まつた各メツシユ点温度θi(t)のう
ち、最も低い温度を、次式に示す如く最冷点温度
θl(t)とする。 θl(t)=Min{θ1(t)、θ2(t)…θo(t)

…(23) 次いで、スキツド上厚み方向鋼片温度分布を、
上表面、中心、下表面で、次の(24)式に示す如
く二次式近似して、最冷点温度θl(t)を求める。 θx(t)=ax2+bx+c …(24) θx(t)=aTh2+bTh+c …(25) θo+1/2(t)=a(Th/2)2+b(Th/2)+c
…(26) θ1(t)=c …(27) 即ち、この(25)式〜(27)式を連立すること
によつて、係数a、b、cを求める。すると、
θx(t)の偏数分は次の(28)式で表わされ、こ
れから最冷点温度の位置がx0=−b/2aで求ま
る。 ∂θx(t)/∂x=2ax+b=0 …(28) 従つて、0≦x0≦Hの時は、最冷点温度θl(t)
が、次の(29)式で表わされ、上記以外の時は、
最冷点温度θl(t)が次の(30)式で表わされる。 θl(t)=Min{θ1(t)、θx0(t)、θn(t)

…(29) θl(t)=Min{θ1(t)、θn(t)} …(30) 次に、昇温パターンを最適化するための制約条
件と評価関係について述べる。 前出(1)式〜(3)式は、非線型方程式系であり、こ
れに制約条件や評価関数を加えて最適問題を解く
問題は、非線型計画法の手法を使うことになり、
実時間での計算機処理には適さない。このため、
以下に述べる影響係数を算出して線型化を行う。 まず、現在操業中の各帯の設定炉温又は適切な
値を選んで前出(4)式〜(30)式を解き、鋼片温度
(θl(t))を求め、次に、設定炉温を僅かに変化
させた場合について、同様に前出(4)式〜(30)式
を解く。すると、以上の2つの鋼片温度差から影
響係数を求めることができる。 即ち、各帯の設定炉温をTk゜(k=1〜m帯)
とした時、前出(4)式〜(30)式を解いて、最冷点
温度θl(t)又は特定点温度θseg(t)(t0≦t≦
tOUT)を求める。次に、各帯出側における最冷点
温度θl(t)又は特定点温度θseg(t)が固溶温度
θs以上となる保持時間tk(k=1〜m帯)を求め
る。次に、設定炉温を若干Δだけ変動させ、Tk
゜+Δとした時、同様に最冷点温度θl(t)又は
特定点温度θseg(t)、保持時間tkを求める。これ
により、次式に示す如く、影響係数を求めること
ができる。 αi=(J′−J゜)/Δ …(31) βk(i)=(tk′(i)−tk゜(i))/Δ …(32) γi=(θl′又はθ′seg(tOUT)−θl゜
又はθ゜seg(tOUT))/Δ…(33) ここで、J゜は、設定炉温をTk゜とした場合の計
算値、J′は、設定炉温をi帯のみTi゜+Δとし、
他はTk゜(k=1〜m、k≠i)とした場合の
計算値、αiは、i帯の設定炉温変動によるJへの
影響係数、tk゜(i)は、設定炉温をTk゜(k=1〜
m)とした場合の計算値(但しtk゜は、下記条件
を満す。tj=0(J=1〜m−1)、0<tm゜<m
滞在帯時間)、tk′(i)はi帯の設定炉温のみTi+Δ
とし、他はTk゜(k=1〜m、k≠i)とした
場合の計算値(但し、tk′が帯在帯時間tz k以上で
ある時は、tk′=tz kとする)、βk(i)は、i帯の設定
炉温変動によるk帯出側における保持時間tkへの
影響係数、θl゜又はθ゜seg(tOUT)は、設定炉温をTk
゜とした場合の計算値、θl′又はθ′seg(tOUT)は、
i帯の設定炉温のみTi゜+Δとし、他はTk
(k=1〜m、k≠i)とした場合の計算値、γi
は、i帯の設定炉温変動による抽出時最冷点温度
θl又は抽出時特定点温度θsegへの影響係数であ
る。 以上のようにして求められる影響係数により方
程式系を線型で表現した最適化問題は、次のよう
になる。即ち、前出(3)式に対しては、次式が成立
する。 J=J0nk=1 αk(Tk−Tk゜) …(34) 又、前出(2)式、(1)式に対しては、次の(35)式
〜(37)式が成立する。 θl又はθseg(tOUT)=θl゜又はθ゜seg(tOUT
nk=1 γk(Tk−Tk゜)≧θs …(35) tLnk=1 tk≦tU …(36) tk=tk゜+nk=1 βk(i)(Ti−Ti゜)≦tz k …(37) ここで、tkは、抽出時刻tOUTと到達時刻trの差、
tz kは、k帯在時間である。 又、炉温制限を付記すると、次式の如くとな
る。 Tk L≦Tk≦Tk U(k=1〜m) …(38) 従つて、線型計画法により、最適な炉温の組
Tk(k=1〜m)を求めることができる。 よつて、前出(34)式〜(38)式より求めた炉
温を用いて、前出(4)式〜(30)式を解くと、最適
昇温パターンθl(t)又はθses(t)(t0≦t≦
tOUT)が得られる。 このようにして得られた最適昇温パターンによ
り、一方向性電磁鋼の加熱を行えば、従来に比べ
て、磁気特性が安定し、且つ、省エネルギ、スケ
ールロスの面でも良好な操炉が行われる。又、線
型計画法の適用により、実時間での最適昇温パタ
ーン計算ができるので、炉操業状態の大幅な変
動、例えばミルライントラブルによる突然の一時
的抽出停止あるいは連続炉であるがための他鋼種
による外乱があつても、柔軟な対応が可能であ
る。 なお、以上の説明においては、鋼片の昇温パタ
ーンを、スキツド上最冷点温度θl(t)又はスキ
ツド上特定点温度θseg(t)としていたが、昇温
パターンの取扱いを、スキツド上厚み方向平均温
度(t)とすることも考えられる。更に、評価
関数や制約条件として、燃料最小や鋼片表面温度
の範囲指定等を付加えることもできる。
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。 下記第1表に、本発明を実施した場合と従来法
による場合の、板厚0.3mmの一方向性電磁鋼板の
磁化特性及びスケールロスを比較して示す。目標
磁化特性は、何れも、磁束密度B10=1.89テスラ
ー以上、鉄損W17/50=1.05W/Kg以下である。
【表】
【表】 第1表から明らかなように、本発明による制御
により良好な結果が得られていることが判る。 なお前記実施例においては、本発明が、一方向
性電磁鋼の加熱に適用されていたが、本発明の適
用範囲はこれに限定されず、加熱履歴が問題とな
る一般の被加熱片の加熱にも同様に適用すること
ができる。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、炉内に
おける加熱履歴が問題となる、一方向性電磁鋼等
の被加熱片の加熱を適切に行うことができるとい
う優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る加熱炉の燃焼制御方法
の要旨を示す流れ図、第2図及び第3図は、本発
明の原理を説明するための、スキツド上鋼片の厚
み方向温度分布の例を示す断面図、第4図は、同
じく、本発明による昇温パターンの例を示す線
図、第5図は、同じく、スキツド接触、非接触で
式を使い分けるための手順を示す流れ図、第6図
は、同じく、最冷点を求める方法を説明するため
の断面図、第7図は、従来の連続式加熱炉の構成
を示す断面図、第8図は、同じく加熱炉の燃焼制
御系の構成を示すブロツク線図、第9図は、同じ
く、従来の燃焼制御方法の手順を示す流れ図であ
る。 10……鋼片、12……加熱炉、14−1〜1
4−3……加熱バーナ、22……計算機、26−
1〜26−3……温度計、28……温度調節計、
30……流量調節計、θs……固溶(開始下限)温
度、θl……(スキツド上厚み方向)最冷点温度、
θseg……(スキツド上厚み方向)特定点温度、tr
……到達時刻、tOUT……抽出時刻、tl……下限時
間、tU……上限時間。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 被加熱片の最適昇温パターンを求めて、最適
    炉温あるいは最適投入燃料を設定する加熱炉の燃
    焼制御方法において、 被加熱片のスキツド上厚み方向最冷点温度又は
    スキツド上厚み方向における特定点温度を推定す
    る手順と、 該推定温度が与えられた固溶温度に達した時刻
    と抽出時刻の間で、該推定温度を前記固溶温度以
    上に保持すると共に、前記到達時刻から抽出時刻
    迄の時間長を与えられた上・下限時間以内とする
    手順と、 前記推定温度が固溶温度以上になつた際の時間
    積分値を最小とする手順と、 により被加熱片の昇温パターンを決定し、この昇
    温パターンを用いて炉温あるいは投入燃料を制御
    することを特徴とする加熱炉の燃焼制御方法。
JP19902185A 1985-09-09 1985-09-09 加熱炉の燃焼制御方法 Granted JPS6260822A (ja)

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