JPH0332178Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、一般家庭の洋間および学校や幼稚
園などの教室の一部に複数枚の畳を敷いて一時的
に多様な広さの畳敷きフロアを随時形成すること
のできる敷き畳セツトに関するものである。

（従来の技術） コンクリート床や板敷きの床からなる広い部屋
の一部に複数枚の畳を敷いた場合、この畳が人間
の歩行などによつて位置ずれし、隣接する畳の間
に隙間が生じることを防止するため、畳床のかま
ちおよび側面のそれぞれに磁石片を付け、側面に
配列された複数枚の畳を上記磁石片の吸引力によ
つて互いに接合することが知られている（実公昭
57−57150号公報参照）。

（考案が解決しようとする問題点） 磁石片の吸引力のみでは畳の接合力が不十分で
あり、例えば床面が滑り易く、畳が軽い場合には
畳が互いに分離して位置ずれを生じ易く、かつ一
たん分離した畳は上記の吸引力では戻らず、これ
を防止するためには多数個の磁石片を必要とし
た。また、畳を敷く場合に畳と畳が接触すると、
若干のずれがあつても吸引力が作用するので、そ
の修正が困難であり、多数枚の畳を敷いた際、外
周に出入りが生じて見苦しかつた。

このような欠点を解消するものとして、複数枚
の畳を相互に連結したり、それらの周囲を枠体で
囲むことも考えられているが、これらの場合に
は、その敷設がめんどうであつたり、自在な広さ
の畳敷きフロアの形成が難しくなるという問題が
ある。

この考案は、コンクリート床や板敷きの床の一
部に多様な広さの畳敷きフロアを随時容易に作る
ことができ、かつその場合に畳のずれることがな
く、外周に出入りが生じないようにしたものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記の問題点を解決するためにこの考案は、複
数枚の畳と、この複数枚の畳が敷かれた場合にそ
の外周を囲むための囲い枠とからなり、畳が半畳
であつて、囲い枠が、互いに着脱自在または折畳
自在に接続された複数本の棒であつて、しかも、
各々の棒が畳のかまちと等しい長さを有している
ことを特徴とする敷き畳セツトを提供する。

（作用） 多数本の、畳のかまちと等しい長さの棒を接続
して囲い枠を組立て、その内側に半畳の畳を配列
すると、複数枚の畳が囲い枠によつて一体化さ
れ、任意の１枚の畳を移動させることがほとんど
できなくなる。そして、畳を収納する場合は、囲
い枠を多数本の棒に分解しまたは折畳み、束状に
かさを小さくして収納する。

（実施例） 第１図に示すように、４畳半用の敷き畳セツト
を製作した。すなわち、JIS Ａ−5905T級インシ
ユレーシヨンボードを畳床に用いた厚み25mmの半
畳Ａの９枚が正方形に配列され、そのコーナ部に
は直角に接続された２本の棒１，２が、また上下
左右の辺の各中央部には直線状の１本の棒３がそ
れぞれ置かれている。これらの棒１，２および３
は、いずれも長方形の同一断面形状を有し（第２
図参照）、その厚みは上記の半畳Ａと同様に約25
mmであり、その長さ（内法寸法）は、半畳Ａのか
まちの長さと同じ半間に設定されている。コーナ
部の棒１，２の相互の接続端は、第２図に示すよ
うに45度の傾斜状に形成されてその突き合せによ
り一方が他方に直角に交差するようになつてお
り、内側端がヒンジ４によつて折畳自在に接続さ
れている。なお、ヒンジ４が取付けられる棒１，
２の内側面にはヒンジ４の厚みと等しい深さの凹
部を設け、この凹部内にヒンジ４を固定すること
が望ましい。しかして、棒１の他端下面にはほぞ
穴１ａが凹設され、棒２の他端には上記のほぞ穴
１ａに対応するありほぞ２ａが突設される。更
に、辺に位置する棒３の一端に上記同様のほぞ穴
３ａが、また他端にありほぞ３ｂがそれぞれ設け
られ、これらの嵌合によに２本の棒２，３および
３，１がそれぞれ直線状に接続される。

コーナに位置する棒１，２をヒンジ４で折畳自
在に接続する代りに、第３図および第４図に示す
ように着脱自在に接続してもよい。すなわち、一
方の棒１１の上面に段部１１ａを、また他方の棒
１２の下面に段部１２ａをそれぞれ形成し、棒１
１，１２の上面側を45度の傾斜端１１ｂ，１２ｂ
で接触させ、下面側を一方の棒１１の内法の延長
上で接触させ、この下面側の接触面１１ｃ，１２
ｃの一方にほぞ穴１１ｄを、他方にありほぞ１２
ｄをそれぞれ形成してこれらの嵌合により両者を
直角に接続する。

上記の第３図および第４図の変形例において、
棒１１，１２の段部を省略して接触面１１ｃ，１
２ｃのみで接触させてもよく、この場合は45度の
傾斜端１１ｂ，１２ｂが消失して外観が若干低下
するが、構造が簡単になる。また、コーナ部の棒
１１，１２は半間またはその半分の長さのものを
Ｌ字形に固く接続したものでもよい。そして、コ
ーナ部には、上記の棒１１，１２の幅を一辺の長
さとする正方形のコーナブロツクを介してコーナ
用の棒を接続してもよく、この場合はコーナ用の
棒１，２，１１，１２を辺の棒３と同一に形成す
ることができる。また、上記の実施例は、４畳半
の広さの畳敷きフロアの形成を例示したものであ
るが、これに限られることなく、たとえば３畳、
６畳、８畳等の多様な広さの畳敷きフロアを随時
容易に形成することができる。しかも前記実施例
のように畳として半畳のみを用いた場合は、重ね
たときの占有面積が半畳の大きさであるため、収
納、運搬が容易となる。また、上記の実施例にお
いて、ほぞを平行に形成し、上下の重なり面の一
方に係合突起を、他方に係合孔を設けてもよく、
更にこれらの棒とは別体の接合具を用いる等他の
接続機構を用いることができる。なお、上記の棒
１，２，３，１１，１２は、木材、合成樹脂等に
よつて製作することができる。

（考案の効果） この考案は、複数枚の畳と、この畳を敷いたと
きにその外周を囲むための囲い枠とをセツトにし
たものであるから、コンクリート床等の一部に畳
敷きフロアを容易に作ることができ、その際、上
記の囲い枠を置くことによつて敷居もしくは畳寄
せが形成され、その内側に畳を配列することによ
り複数枚の畳が結合され、畳の分離や位置ずれが
確実に防止され、かつ配列された畳の外周が畳の
出入りのない直線状に揃えられ、畳を敷いた際の
体裁が良好である。しかも、上記の囲い枠が着脱
自在の、畳のかまちと等しい長さを各々有する多
数本の棒で形成され、かつ、畳として半畳を用い
ることから、直線部の棒とこの畳の枚数の増減に
よつて随時その広さを容易に変えることができ、
また収納や運搬が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の斜視図、第２図は
第１図の一部の拡大斜視図、第３図は変形例のコ
ーナ部の平面図、第４図は第３図の−線断面
図である。 Ａ：畳、１，２，１１，１２：コーナ用の棒、
３：辺用の棒、１ａ，３ａ，１１ｄ：ほぞ穴、２
ａ，３ｂ，１２ｄ：ありほぞ、４：ヒンジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 複数枚の畳と、この複数枚の畳が敷かれた場
   合にその外周を囲むための囲い枠とからなり、
   畳が半畳であつて、囲い枠が、互いに着脱自在
   または折畳自在に接続された複数本の棒であつ
   て、しかも、各々の棒が畳のかまちと等しい長
   さを有していることを特徴とする敷き畳セツ
   ト。 (2) コーナーに位置する２本の棒を直角に接続固
   定してなる実用新案登録請求の範囲第(1)項記載
   の敷き畳セツト。