JPH0332145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はカラービデオカメラの白バランス制御
回路に関する。

(ロ) 従来技術 カラービデオカメラは、光源に左右されること
なく色再現性を最良に保つため、白色被写体が理
想的な白色となる様に白バランス調整を為してい
る。

この白バランス調整方法としては大別して２種
類がある。

まず第１の方法は、実公昭41−16011号に代表
される様に、撮像手段とは別に設けた受光素子に
よつて入射される２原色光（赤及び青）のレベル
を検出し、両検出出力レベルを比較することによ
り、カラー信号レベル制御回路のゲインを常時コ
ントロールするものである。また第２の方法は、
特公48−14369号に代表される様に、撮像の結果
得られる色差信号の各レベルを平均化し、そのレ
ベルが所定レベルになる様にカラー信号レベル制
御回路の制御ゲインをコントロールするものであ
る。通常この第２の方法は、撮影準備段階で白色
被写体を撮像した状態で、撮影時の制御ゲインを
特定するために利用されるが、撮影期間中もこの
方法によつて白バランス制御を持続するビデオカ
メラもあるが、この場合にはカラー信号のレベル
が全体的に低くなり画面の色が薄くなる傾向にあ
る。

第１の方法は常時白バランスを調整でき、また
第２の方法は特別な受光手段を付加することなく
白バランスを調整することができる。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし、第１の方法の場合、例えばズーム操作
によつて狭い範囲の被写体像を撮像すると、その
被写体を照射する光源の色温度と、受光素子が検
出する色温度が僅かではあるが相違することがあ
る。また、受光素子より得られる検出出力に基づ
いて白バランス制御を為すサーボループはオープ
ンループであり、制御の安定性を失する。

(ニ) 問題点を解決するための手段 そこで、本考案では、第２の方法に基づく制御
出力をレベルを落して常時供給する様構成するこ
とを特徴とする。

(ホ) 作用 よつて、本考案によれば、第１の方法に基づく
制御誤差を第２の方法に基づく制御信号によつて
軽減することにより、より安定な白バランス補正
が可能になる。

(ヘ) 実施例 以下、本考案を図示せる実施例に従い説明す
る。

本実施例のカラービデオカメラは、第１図に図
示する様な通常の信号処理回路を擁している。ま
ず、カラー固体撮像素子１の撮像出力はプロセス
回路２に入力されて赤信号Ｒと青信号Ｂと輝度信
号Ｙがそれぞれ分離される。次に、赤信号Ｒと青
信号Ｂとはそれぞれ第１・第２カラー信号レベル
制御回路３，４を経て輝度信号と共にマトリクス
回路５に入力される。このマトリクス回路５より
導出される色差信号Ｒ−ＹとＢ−Ｙは、輝度信号
Ｙと共にエンコーダ６に入力されて、NTSCカラ
ー信号に変換される。上述する構成は、通常のカ
ラービデオカメラと同一構成である。本実施例
は、上述する構成に加えて白バランス制御回路を
２経路設けている。

まず、第１の経路は、ビデオカメラ本体外側に
配した受光素子７によつて光源の色温度を直接検
出して白バランス制御をしている。この受光素子
７は、ケース８内を２分割してケース８内面に赤
と青の色分離フイルタ９，１０を配することによ
り、ケース８内の２個の光電変換素子１１，１２
にて、光源中の赤成分のレベルと青成分のレベル
をそれぞれ検出するものである。この各検出レベ
ルは第１制御信号発生回路１３に於て比較され
る。更にこの第１制御信号発生回路１３は赤成分
と青成分のレベル比に応じて光源の色温度を識別
した上で、この色温度に応じた第１制御信号r₁，
b₁を、第１・第２カラー信号レベル制御回路３，
４の制御入力として供給している。尚、第２図は
色温度と制御信号レベルの関係を示す図である。
上述する構成によつて一応の白バランス制御が可
能になる。尚上述する構成は、特開昭58−90886
号等に示されている公知の構成である。

また、第２の経路は、色差信号Ｒ−ＹとＢ−Ｙ
をそれぞれ第１・第２平均化回路１，１５に入力
して、信号レベルを平均化しており、この平均化
出力を第２制御信号r′とb′として第１・第２カラ
ー信号レベル制御回路１４，１５の制御入力とし
ている。この第２の経路自体に付いては、1984年
８月１日発行の雑誌〓電波科学″８月号の第91〜
96頁に示されているビデオカメラに採用されてい
る。

しかし、第２の経路によつて白バランス制御を
為す場合、この白バランス制御回路が色差信号の
平均レベルを〓０″にする様に作動するため、被
写体像に特定の色傾向があると、この色傾向を無
視してカラー画面を白色に近付け様と作用する。
その結果、第２の経路のみによつて白バランス制
御を為すと、白バランス制御は可能になるが画面
全体の色が薄くなることが確認されている。

そこで、本実施例では、第１制御信号と第２制
御信号とを加算してカラー信号レベル制御回路
３，４に入力する場合に、第２制御信号r′とb′の
ゲインを本来より低く設定して加算しており、そ
のため、第１制御信号を入力するバツフア回路側
の出力線路に配した第１抵抗Rr，Rbの抵抗値よ
り第２制御信号を入力するバツフア回路の出力側
に配した第２抵抗Rr′，Rb′抵抗値を大きく設定
し、第２制御信号のゲイン（変動範囲）を第１制
御信号のゲイン（変動範囲）を1/4〜1/5程度に制
限している。

従つて、第２制御信号は、カラー信号レベルを
大巾に仰圧することなく第１制御信号の誤差を軽
減する様に働くことになる。

(ト) 考案の効果 よつて、本考案によれば、第１制御信号の誤差
を第２制御信号によつて有効に軽減するため、そ
の効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す回路ブロツク
図、第２図は白バランス制御信号レベルの色温度
特性説明図を、それぞれ顕わす。 ７……受光素子、１……固体撮像素子、３，４
……第１・第２カラー信号レベル制御回路、１
４，１５……第１・第２平均化回路、１３……第
１制御信号発生回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 赤青の２原色光をそれぞれ受光する受光素子を
   撮像手段とは別個に設け、前記受光素子の導出す
   る光電変換出力のレベルに基づいて形成した第１
   の白バランス補正信号をカラー信号レベル制御回
   路の制御入力とし、常時白バランス補正を為すカ
   ラービデオカメラに於て、 前記カラービデオカメラより導出される２種類
   の色差信号をそれぞれ平均化する平均化回路と、
   該平均化出力レベルに基づいて形成される第２の
   白バランス制御信号と前記第１の白バランス制御
   信号とを加算して前記カラー信号レベル制御回路
   の制御入力とする加算回路とをそれぞれ設けると
   共に、前記第２の白バランス制御信号のゲインを
   前記第１の白バランス制御信号のゲインより低く
   設定することを特徴とする白バランス制御回路。