JPH0331992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍食品等を解凍する為の高周波加熱
装置を具備した冷凍冷蔵庫に関するものである。

近年、食品市場には冷凍食品の進出が著しく、
それに伴い家庭で使用される冷蔵庫にも冷凍保存
機能を有する冷凍冷蔵庫の開発が各種成されてい
る。ここで、冷凍室に於いて冷凍保存されている
冷凍食品を調理する際の解凍方法としては、冷蔵
室或いは冷蔵庫外に移して自然解凍させる方法
と、電子レンジ等の高周波加熱装置により即時解
凍させる方法がある。

しかし乍ら、前者の方法によると非常に時間が
必要な事、又後者の方法によると調理機能をも有
する電子レンジは高価格であり、又解凍専用の電
子レンジは市場で発売されていないのが現状であ
る。

そこで本発明では冷凍冷蔵庫に解凍専用の高周
波加熱室を組み込み、冷蔵庫内に於いて冷凍食品
を即時解凍する冷蔵庫を提供するものである。

以下に本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。１は冷蔵庫本体で庫内は仕切壁２によつて
上下に冷凍室３と冷蔵室４とに区画されている。
又５は冷蔵庫本体１下部に於いて圧縮機６等を収
納する機械室である。７は冷凍室３前面開口を閉
塞する冷凍室扉で８は内側にポケツト８ａを有し
冷蔵室４を閉塞する冷蔵室扉である。９は冷蔵室
４内下部に設けられ野菜等を収納する容器であ
る。１０は仕切壁２と冷凍室３の底壁３ａの間に
形成した冷却室１１内に設けられた冷却器で、こ
の冷却器１０で冷却された空気が電動送風機１２
によつてダクト１３を通つて冷凍室３へ送られ、
又冷蔵室４へは図示しないダンパ装置を有する冷
気吐出口１４から送風され、庫内を冷却してい
る。１５はダクト１３の冷気吐出口付近に設けら
れた製氷装置である。

さて、１６は後に詳述する様に高周波により冷
凍食品を解凍する高周波加熱室としての解凍室で
あり冷蔵室４の上部に於いて冷気吐出口１４の前
に配置されており、下部に電波撹拌室１７が設け
られている。１８はマグネトロン発振部１９及び
マグネトロン電源装置２０とから成る高周波発生
装置で圧縮機６の冷却フアン２１と共に本実施例
では機械室５内に於いて圧縮機台２２に冷凍シス
テムの圧縮機６と並べて固定しており、この高周
波発生装置１８から前述の解凍室１６の電波撹拌
室１７へ電波を送る導波回路２３が設けられてい
る。この導波回路２３は例えば同軸ケーブル或い
は図の如き導波管でも良く、高周波発生装置１８
から凝縮器２４を収納する冷蔵庫１背面の排気ダ
クト２５内を通つて撹拌室１７の後方に於いて冷
蔵庫１を貫通して撹拌室１７に結合されている。

さて第２図には解凍室１６の分解斜視図が示さ
れている。ａの２６は金属等の高周波電波反射材
より形成されたキヤビテイで前面を開口２７して
おり、その開口２７から低比誘電率の樹脂等にて
上面を開口して成形された第２図ｂの肉皿２８が
挿入される。肉皿２８の前部には把手２９を含む
解凍室ドア３０が取付けられている。

第３図、第４図は解凍室１６の断面図であり、
ここではキヤビテイ２６内に冷凍食品を載置した
肉皿２８を収納した状態を示している。３１は解
凍室ドア前面板、３２は電波漏洩防止の為のチヨ
ーク誘電体であり、解凍室ドア３０の全周に設け
られている。３３はキヤビテイ２６の前面に於い
て電波を反射するドアパンチング板である。キヤ
ビテイ２６の後壁の冷気吐出口１４に対応する位
置と、天壁前部分には多数の冷気流通孔２６ａが
穿設されておりこれに伴い、肉皿２８の後壁にも
冷気流通孔２６ａに対応する位置に透孔２８ａが
穿設されている。これによつて冷蔵室４に吐出さ
れた冷気は第２図の矢印のように後方から解凍室
１６内に入り前部上方へ流出する循環を行なう。
ここで冷気流通孔２６ａは解凍に用いられる高周
波電波の波長λの1/10よりも十分に小さい直径の
穴である。従つてこれらの穴はその周波数の電波
に対して非常に大きいインピーダンスを示すの
で、冷気流通孔２６ａからの高周波電波の漏れは
非常に少ない。

電波撹拌室１７の底面及び側面には上述した冷
気流通孔２６ａと同様の作用を有する孔１７ａが
複数穿設され、又内部にはモータ３４に駆動さ
れ、電波を反射する金属で成形されたスターラフ
アン３５はその回転により下方より空気を吸入し
側方に吐出するもので、これにより冷蔵室４の冷
気撹拌を第３図実線矢印の様に行なう。一方、機
械室５内の高周波発生装置１８より導波回路２３
を通つて撹拌室１７に発射された高周波電波はス
ターラフアン３５で反射してキヤビテイ２６内に
第３図点線矢印の如く撹拌されキヤビテイ２６内
の冷凍食品の解凍を行なう。ここで３７は肉皿２
８がキヤビテイ２６内に収納されていることを検
知するスイツチボツクスで肉皿２８がキヤビテイ
２６から引き出されると同時に高周波発生装置１
８の動作を停止し、それによつて肉皿２８をキヤ
ビテイ２６から引き出す瞬間にキヤビテイ２６の
開口２７から電波が漏洩するのを防止するもので
ある。

第５図は冷蔵庫１下部の機械室５を後方より見
た概略図を示している。圧縮機６は冷蔵庫本体１
の後脚を兼ねる圧縮機台２２に防振ゴム３８を介
して固定されている。又、本発明では高周波発生
装置１８のマグネトロン発振部１９とマグネトロ
ン電源装置２０及び圧縮機６の冷却フアン２１を
共に圧縮機台２２に圧縮機６との重量バランスを
取つて固定されている。これにより通常、比較的
重量の大なる高周波発生装置１８を冷蔵庫本体１
に固定するのに別物のフレーム等を必要とせず、
修理もし易くなり作業性が向上する。又、動作時
に高熱を発生する高周波発生装置１８を冷却する
為に圧縮機６の冷却フアン２１を兼用しているの
で別物の冷却装置を必要とせずこの点に於いても
経済的で作業性の向上が期待できる。

本発明では電波撹拌室１７の底面及び側面には
孔１７ａが複数穿設され、また、スターラフアン
３５は金属等の電波反射素材で成形され、その回
転により電波は上方のキヤビテイ２６へ反射し、
空気は下方より孔１７ａを通して吸い込み側面の
孔１７ａより吐出する様にその羽根を成形したの
で、スターラフアン３５は電波を撹拌して解凍室
１６内の食品の解凍を促進すると同時に冷蔵室４
内の冷気の循環を行なつて冷却を促進する。それ
により解凍時の解凍室１６からの冷蔵室４への熱
影響は最小限に抑えると同時に冷蔵室４内の温度
分布も均一にされる。

本発明は以上の如く構成し、電波撹拌室の壁に
は孔を複数穿設すると共に、電波撹拌羽根は電波
反射素材で成形し、その回転により電波は上方の
高周波加熱室へ反射し、空気は下方より孔を通し
て吸い込み側面の孔より吐出する様にその羽根を
成形したので、高周波発生装置からの電波を撹拌
して高周波加熱室内の食品の解凍を促進すると同
時に冷蔵室内の冷気の循環を行つて冷却を促進こ
とが出来る。それにより解凍時の高周波加熱室ら
の冷蔵室への熱影響は最小限に抑えると同時に冷
蔵室内の温度分布も均一にされるものである。
又、解凍後の食品はそのまま冷蔵して貯蔵出来る
ので食品の劣化を防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであり、第
１図は本発明の装置を具備する冷凍冷蔵庫の断面
図、第２図は解凍室の分解斜視図、第３図は同断
面図、第４図は同要部拡大図、第５図は機械室部
分の概略図である。 １６……高周波加熱室（解凍室）、１７……撹
拌室、１８……高周波発生装置、２３……導波回
路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷凍室と冷蔵室とを有し、前記冷蔵室内に高
   周波電波により加熱される高周波加熱室を設けた
   ものにおいて、前記高周波加熱室の外側に設けら
   れ、高周波発生装置より導かれる高周波電波をそ
   の回転により前記高周波加熱室内に向け反射して
   撹拌する電波反射材料よりなる電波撹拌羽根を内
   部に有する電波撹拌室と、該電波撹拌室の壁に穿
   設され、高周波電波の遮蔽効果を有し且つ前記冷
   蔵室内と連通する多数の通気孔を備え、前記電波
   撹拌羽根の回転により高周波電波の撹拌と、前記
   冷蔵室内の空気撹拌を行うようにした事を特徴と
   する冷凍冷蔵庫。