JPH0331841B2 - - Google Patents
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- JPH0331841B2 JPH0331841B2 JP58088118A JP8811883A JPH0331841B2 JP H0331841 B2 JPH0331841 B2 JP H0331841B2 JP 58088118 A JP58088118 A JP 58088118A JP 8811883 A JP8811883 A JP 8811883A JP H0331841 B2 JPH0331841 B2 JP H0331841B2
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- Japan
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- pile
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- Expired - Lifetime
Links
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Classifications
-
- E—FIXED CONSTRUCTIONS
- E02—HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
- E02D—FOUNDATIONS; EXCAVATIONS; EMBANKMENTS; UNDERGROUND OR UNDERWATER STRUCTURES
- E02D5/00—Bulkheads, piles, or other structural elements specially adapted to foundation engineering
- E02D5/22—Piles
- E02D5/58—Prestressed concrete piles
Description
〔産業上の利用分野〕
この発明はPC鋼棒を使用する高強度PCパイル
(高強度プレストレスコンクリートくい)の製造
方法に関するものである。 〔従来技術〕 近年高強度PCパイルが普及し、その製造方法
も種々実用化されているが、一般的にはPC鋼棒
を軸筋として使用し、その軸筋に螺旋鉄筋をスポ
ット溶接し、かつ前記軸筋を緊張状態でコンクリ
ート中に埋設し、高温高圧蒸気養生して製造され
るケースが多い。そして有効プレストレス量が80
Kg/cm2以上とするには、鋼棒の使用本数を少なく
して所定の有効プレストレス量が得られるように
JIS G3109に規定された異形鋼棒の中でも引張強
度の高いものが使用されていた。 ところが、使用されるPC鋼棒はその機械的性
質等がJIS G3109で規定されている。しかし、そ
の化学成分については表1に示すように不純物と
してのP、S、Cuの量を規定しているにすぎず
その他の成分は機械的性質等を満足させるために
自由に設定している。
(高強度プレストレスコンクリートくい)の製造
方法に関するものである。 〔従来技術〕 近年高強度PCパイルが普及し、その製造方法
も種々実用化されているが、一般的にはPC鋼棒
を軸筋として使用し、その軸筋に螺旋鉄筋をスポ
ット溶接し、かつ前記軸筋を緊張状態でコンクリ
ート中に埋設し、高温高圧蒸気養生して製造され
るケースが多い。そして有効プレストレス量が80
Kg/cm2以上とするには、鋼棒の使用本数を少なく
して所定の有効プレストレス量が得られるように
JIS G3109に規定された異形鋼棒の中でも引張強
度の高いものが使用されていた。 ところが、使用されるPC鋼棒はその機械的性
質等がJIS G3109で規定されている。しかし、そ
の化学成分については表1に示すように不純物と
してのP、S、Cuの量を規定しているにすぎず
その他の成分は機械的性質等を満足させるために
自由に設定している。
【表】
そこで一般的に使用されるPC鋼棒は螺旋鉄筋
をスポット溶接する関係で、C量は0.4%以下、
具体的には0.25〜0.4%であり、これに機械的性
質を満足させるためにSi、Mn等の量を調整させ
ている。そしてこの合金元素は添加量を抑えるこ
とが低コスト線材になることから、単にJIS規定
を満足させるためにはSi量を0.5%以下、Mn量を
1.0%以下にしているのが一般的である。 このようなPC鋼棒を使用し、通常のPCパイル
の製造方法に従ってパイルを製造するとき、製品
使用を決定するために、全応力損失を実測すると
表2に示すような数値となる。
をスポット溶接する関係で、C量は0.4%以下、
具体的には0.25〜0.4%であり、これに機械的性
質を満足させるためにSi、Mn等の量を調整させ
ている。そしてこの合金元素は添加量を抑えるこ
とが低コスト線材になることから、単にJIS規定
を満足させるためにはSi量を0.5%以下、Mn量を
1.0%以下にしているのが一般的である。 このようなPC鋼棒を使用し、通常のPCパイル
の製造方法に従ってパイルを製造するとき、製品
使用を決定するために、全応力損失を実測すると
表2に示すような数値となる。
【表】
この表2からも判るようにパイルの製造工程中
に発生するPC鋼棒のレラクセーシヨンロス、脱
型時にPC鋼棒の緊張力をコンクリートに導入す
る際にコンクリートが弾性変形することにより起
こるロス、高温高圧蒸気養生中に発生するクリー
プや乾燥収縮によるロスなど、当初、PC鋼棒を
緊張した状態から最終製品に至る間にこの緊張力
を減少するロスがある。中でもPC鋼棒のレラク
セーシヨンによるロスが多い。 このようにPCパイルの製造方法においては、
レラクセーシヨンロスが大きいとそれだけ多くの
本数のPC鋼棒の使用を余儀なくされるのである。 それ故に経済的に高強度PCパイルを製造する
には、レラクセーシヨンによるロスがより少ない
PC鋼棒を使用する必要がある。そのためにPC鋼
棒の合金元素としてのSi量を多くしてレラクセー
シヨンの改善を行う試みがある。この試みを具体
的に実験すると次の表3のような結果になる。
に発生するPC鋼棒のレラクセーシヨンロス、脱
型時にPC鋼棒の緊張力をコンクリートに導入す
る際にコンクリートが弾性変形することにより起
こるロス、高温高圧蒸気養生中に発生するクリー
プや乾燥収縮によるロスなど、当初、PC鋼棒を
緊張した状態から最終製品に至る間にこの緊張力
を減少するロスがある。中でもPC鋼棒のレラク
セーシヨンによるロスが多い。 このようにPCパイルの製造方法においては、
レラクセーシヨンロスが大きいとそれだけ多くの
本数のPC鋼棒の使用を余儀なくされるのである。 それ故に経済的に高強度PCパイルを製造する
には、レラクセーシヨンによるロスがより少ない
PC鋼棒を使用する必要がある。そのためにPC鋼
棒の合金元素としてのSi量を多くしてレラクセー
シヨンの改善を行う試みがある。この試みを具体
的に実験すると次の表3のような結果になる。
このように、レラクセーシヨン値の低下に限度
がある従来のPC鋼棒を使用したのでは、B種や
C種等と段階的に等級分けがなされた高強度PC
パイルを製造する際には、低レラクセーシヨン値
のPC鋼棒を使用することによる利点に限度があ
った。それ故、従来の高強度PCパイルの製造方
法においては、使用するPC鋼棒の使用本数を多
くせざるを得ない等の欠点があり、PCパイルの
製造コストが高くなっていた。 この発明はレラクセーシヨンによるロスが特に
少ないPC鋼棒を見出し、それを高強度PCパイル
の軸筋として使用することにより、同一規格の引
張強度のPC鋼棒を使用した場合でも鋼棒の使用
本数が少ない高強度PCパイルの製造方法を提供
しようとするものである。 また、この発明は、従来のPC鋼棒の使用本数
と同じ本数のPC鋼棒を使用して、かつ従来の製
造装置をそのまま使用して、1クラス上のPCパ
イルを製造することもできる高強度PCパイルの
製造方法を提供するものである。 〔問題点を解決する手段〕 この発明は、炭素量が0.4%以下でSiを1.6〜2.0
%含有する線材を焼戻し中に温間矯正を施してパ
イル製造時の高温高圧蒸気養生条件下でのレラク
セーシヨン値が6%以下としたPC鋼棒を軸筋と
して使用し、その軸筋に螺旋鉄筋をスポツト溶接
し、かつ前記軸筋を緊張状態でコンクリート中に
埋設し、高温高圧蒸気養生して80Kg/cm2以上の有
効プレストレス量の高強度PCパイルを製造する
ことを特徴とする有効プレストレス量80Kg/cm2以
上の高強度PCパイルの製造方法である。 ここで使用するPC鋼棒は螺旋鉄筋にスポツト
溶接する関係では炭素量は従来のPC鋼棒と同様
に0.4%以下である。またSiの添加量は、レラク
セーシヨンによるロスを少なくするために、1.6
〜2.0%の含有量ではなくてはならない。しかし、
このSiの含有量のPC鋼棒でも、前述した如く、
なおレラクセーシヨンによるロスが多いので、こ
の線材を製造する際の最終工程である焼戻し工程
中(即ち、線材を熱間圧延後に所定のPC鋼棒の
製造工程を経て最終の工程である焼戻し工程中)
に、温間矯正を施すことによりレラクセーシヨン
によるロスが更に少ないPC鋼棒が得られる。こ
れは単なる線材の焼戻し工程でもマルテンサイト
の焼戻しによりマルテンサイト結晶中に微妙なセ
メンタイト粒子が析出して極めて強固に転位が固
着されて可動転位密度が大幅に減少してレラクセ
ーシヨンが少なくなるが、この焼戻し工程で温間
矯正(動的歪時効)を施すと、Siを1.6〜2.0%含
有する線材の場合は特に大幅なレラクセーシヨン
の改善になる。具体的には塑性加工を適切な歪
量、歪速度および温度領域で付与するという通常
の線材に行なわれている温間矯正をSiの添加量が
多い線材の焼戻し工程中で実施することにより大
幅なレラクセーシヨンの改善が実現できる。即
ち、炭素量が0.4%以下でSiを1.6〜2.0%含有する
線材を焼戻し中に温間矯正の付加歪量を1.0%前
後付与することによりレラクセーシヨン値が大幅
に改善される。 このようにSiを所定量添加して線材の焼戻し工
程中に温間矯正を施して得たPC鋼棒に初期緊張
荷重で緊張し、この状態を持続して高温高圧蒸気
養生の条件下でレラクセーシヨン値を測定すると
いう手段で、初期緊張荷重を色々変えて測定した
結果をレラクセーシヨン値を縦軸として示し、加
えた初期緊張荷重をJISの規定荷重で割つた値を
横軸として示したのが第1図である。そしてこの
ような炭素量が0.4%以下でSiを1.6〜2.0%含有す
る線材を焼戻し中に温間矯正を施して得たPC鋼
棒が高強度PCパイルを製造する際の高温高圧蒸
気養生の条件下に置かれるのは、パイルが型枠か
ら脱型され、応力(プレストレス)を導入した後
であり、この時にコンクリートが弾性収縮して応
力損失(コンクリートの弾性変形によるロス=6
〜8%)がこの段階で発生している。従って、
JISの規定荷重の0.7倍の初期緊張荷重で最初に
PC鋼棒を緊張していても、パイル製造時の高温
高圧蒸気養生条件下で実際にPC鋼棒に加わる荷
重状態としては第1図中に示す0.6倍程度のとこ
ろである。それ故、高強度PCパイルの製造時の
高温高圧蒸気養生条件下ではレラクセーシヨン値
は6%以下、即ち、第1図では約5%となってい
る。なお、バラツキによる安全性をみても充分に
レラクセーシヨン値は6%以下になつている。 しかし、このような大幅なレラクセーシヨンの
改良はSiの添加単独でも温間矯正の単独でも得ら
れないのである。上述のように所定量のSiの添加
と温間矯正とを組合わせることにより始めてPC
鋼棒のレラクセーシヨン値が大幅に低下するので
ある。例えば、Siの添加量が0.2%のときのレラ
クセーシヨン値が19%のPC鋼棒も、Siを1.6%添
加することによりレラクセーシヨン値が12%程度
になるが、更にこの線材の焼戻し工程中に温間矯
正を施すと高強度PCパイルの製造時の高温高圧
蒸気養生条件下でのレラクセーシヨン値(高温レ
ラクセーシヨンロス)が6%以下に抑えられた鋼
棒となるのである。 また、この発明では有効プレストレス量が80
Kg/cm2以上のパイル、たとえばB種およびC種の
パイルを対象とする。このような高強度のパイル
においては、前述の表−2に見られるようにPC
鋼棒のレラクセーシヨンによるロスが一般的に大
きくなるが、この発明に従えばロスを少なくする
ことができ、所期の目的が達成された高強度PC
パイルの製造方法が提供できるのである。即ち、
この発明に従えば有効プレストレス量が80Kg/cm2
以上の高強度PCパイルが経済的に提供できるの
である。なお有効プレストレス量はJIS A5337の
規定に従うので、例えば80Kg/cm2の場合は80×
(1±0.005)=80±4Kg/cm2の範囲内が80Kg/cm2
である。 〔実施例〕 下記の実施例および比較例では特記しない限り
下記の条件を使用する。 炭素量が0.4%でSi含有量が1.6%の線材を焼戻
し中に温間矯正を施してパイル製造時の高温高圧
蒸気養生条件下でのレラクセーシヨン値が6%と
したPC鋼棒を軸筋として使用し、その軸筋に螺
旋鉄筋をスポット溶接し、かつ前記軸筋を緊張状
態でコンクリート中に埋設し、高温高圧蒸気養生
して80Kg/cm2以上の有効プレストレス量の高強度
PCパイルを製造する。この場合がこの発明に従
う製造方法である。 比較のため、焼戻し中の温間矯正を施さない
PC鋼棒を使用して同様に高強度PCパイルを製造
する。このときのPC鋼棒のレラクセーシヨン値
は12%である。これを従来方法1の製法という。 またSi含有量が0.2%で焼戻し中の温間矯正を
施さないPC鋼棒を使用して同様に高強度PCパイ
ルを製造する。このときのPC鋼棒のレラクセー
シヨン値は18%である。これを従来方法2の製法
という。 なお、実施例や比較例で対象とするパイルは正
確に比較するため、パイル外径を500mmで、一定
とし、コンクリートの断面積を1055cm2で一定と
し、用いるPC鋼棒の経も11mmで一定とし、一本
当たりの鋼棒の初期緊張荷重も9.135ton/本と一
定にした。 実施例 1 上記の実施例の項の最初に示したこの発明方法
の使用条件でC種でかつ有効プレストレス量が実
際に100Kg/cm2以上となる高強度PCパイルを製造
する。使用するPC鋼棒は15本で済む。 比較例 1および2 上記の従来方法の1および2の使用条件で有効
プレストレス量100Kg/cm2のC種の高強度PCパイ
ルを製造する。使用するPC鋼棒は従来方法の1
(比較例1)では17本であり、従来方法の2(比較
例2)では18本である。 これを実施例1と比較するといずれも使用する
PC鋼棒の本数が多い。即ち、この発明ではPC鋼
棒の使用本数を少なくすることができる。 実施例 2 上記の実施例の項の最初に示したこの発明方法
の使用条件でJISで認められた±5%の範囲(C
種では100±5Kg/cm2の範囲)の最低限である、
95Kg/cm2以上の高強度PCパイルを製造する。こ
のときに使用するPC鋼棒は14本で済む。 比較例 3および4 従来方法の1および2の使用条件でPC鋼棒を
14本にしてPCパイルを製造する。得られるPCパ
イルの有効プレストレス量は従来方法の1(比較
例3)では87Kg/cm2程度であり、従来方法の2
(比較例4)では80Kg/cm2程度であり、いずれも
C種ではなく、B種である。 このように使用するPC鋼棒の使用本数を同一
に比較すると、この発明に従う実施例2ではC種
のパイルが得られるが、比較例3と4では低い等
級のB種の製品しか得られない。 また従来例である比較例2とこの発明例である
実施例2では使用するPC鋼棒は同一であり、か
つPC鋼棒の本数は14本で共通である。従って、
比較例2の高強度PCパイルを製造するための治
具や装置の設備をそのまま使用して、実施例2示
したように等級の高いC種の高強度PCパイルを
製造することが可能となる。 実施例 3および4 上記の実施例の項の最初に示したこの発明方法
の使用条件でB種でかつ有効プレストレス量が実
際に80Kg/cm2以上となる高強度PCパイルを製造
する。使用するPC鋼棒は12本で済む。 上記の条件でJISで認められた±5%の範囲
(B種では80±5Kg/cm2の範囲)の最低限である、
75Kg/cm2以上の高強度PCパイルのときは、使用
するPC鋼棒は11本である。このようにB種の高
強度PCパイルを製造する場合でも、比較例4の
14本と実施例3の12本の場合を比較すると明瞭な
ように、この発明に従うとPC鋼棒の使用本数は
少なくなる。 以上の例ではB種とC種について説明したが有
効プレストレス量が大きなD種(120Kg/cm2)、E
種(140Kg/cm2)、F種(160Kg/cm2)等の市販さ
れている各種の高強度PCパイルに適用すればこ
の発明の効果は更に大きなものとなる。 〔発明の効果〕 実施例等で効果をより明確に示したように有効
プレストレス量80Kg/cm2以上の高強度PCパイル
を製造するときに、パイル製造時の高温高圧蒸気
養生条件下でのレラクセーシヨン値が6%以下と
したPC鋼棒を軸筋として使用することにより、
始めて下記のこの発明の効果を発揮する。 1 同一等級の高強度PCパイルを製造するとき
は、同一規格の引張強度のPC鋼棒を使用して
の比較で明確なように、この発明に従えば、鋼
棒の使用本数を少なくできるのである。即ち、
この発明に従えば、同一等級の高強度PCパイ
ルを鋼棒の使用本数を少なくできるので、高強
度PCパイルが安価に提供できるのである。 2 また、従来と同本数のPC鋼棒を使用した場
合は、特定のPC鋼棒を軸筋として使用する以
外は、従来の普通PC鋼棒を使用して製造する
ときの治具や装置等の設備をそっくり使用し
て、より等級の高い高強度PCパイルが安価に
得られるのである。
がある従来のPC鋼棒を使用したのでは、B種や
C種等と段階的に等級分けがなされた高強度PC
パイルを製造する際には、低レラクセーシヨン値
のPC鋼棒を使用することによる利点に限度があ
った。それ故、従来の高強度PCパイルの製造方
法においては、使用するPC鋼棒の使用本数を多
くせざるを得ない等の欠点があり、PCパイルの
製造コストが高くなっていた。 この発明はレラクセーシヨンによるロスが特に
少ないPC鋼棒を見出し、それを高強度PCパイル
の軸筋として使用することにより、同一規格の引
張強度のPC鋼棒を使用した場合でも鋼棒の使用
本数が少ない高強度PCパイルの製造方法を提供
しようとするものである。 また、この発明は、従来のPC鋼棒の使用本数
と同じ本数のPC鋼棒を使用して、かつ従来の製
造装置をそのまま使用して、1クラス上のPCパ
イルを製造することもできる高強度PCパイルの
製造方法を提供するものである。 〔問題点を解決する手段〕 この発明は、炭素量が0.4%以下でSiを1.6〜2.0
%含有する線材を焼戻し中に温間矯正を施してパ
イル製造時の高温高圧蒸気養生条件下でのレラク
セーシヨン値が6%以下としたPC鋼棒を軸筋と
して使用し、その軸筋に螺旋鉄筋をスポツト溶接
し、かつ前記軸筋を緊張状態でコンクリート中に
埋設し、高温高圧蒸気養生して80Kg/cm2以上の有
効プレストレス量の高強度PCパイルを製造する
ことを特徴とする有効プレストレス量80Kg/cm2以
上の高強度PCパイルの製造方法である。 ここで使用するPC鋼棒は螺旋鉄筋にスポツト
溶接する関係では炭素量は従来のPC鋼棒と同様
に0.4%以下である。またSiの添加量は、レラク
セーシヨンによるロスを少なくするために、1.6
〜2.0%の含有量ではなくてはならない。しかし、
このSiの含有量のPC鋼棒でも、前述した如く、
なおレラクセーシヨンによるロスが多いので、こ
の線材を製造する際の最終工程である焼戻し工程
中(即ち、線材を熱間圧延後に所定のPC鋼棒の
製造工程を経て最終の工程である焼戻し工程中)
に、温間矯正を施すことによりレラクセーシヨン
によるロスが更に少ないPC鋼棒が得られる。こ
れは単なる線材の焼戻し工程でもマルテンサイト
の焼戻しによりマルテンサイト結晶中に微妙なセ
メンタイト粒子が析出して極めて強固に転位が固
着されて可動転位密度が大幅に減少してレラクセ
ーシヨンが少なくなるが、この焼戻し工程で温間
矯正(動的歪時効)を施すと、Siを1.6〜2.0%含
有する線材の場合は特に大幅なレラクセーシヨン
の改善になる。具体的には塑性加工を適切な歪
量、歪速度および温度領域で付与するという通常
の線材に行なわれている温間矯正をSiの添加量が
多い線材の焼戻し工程中で実施することにより大
幅なレラクセーシヨンの改善が実現できる。即
ち、炭素量が0.4%以下でSiを1.6〜2.0%含有する
線材を焼戻し中に温間矯正の付加歪量を1.0%前
後付与することによりレラクセーシヨン値が大幅
に改善される。 このようにSiを所定量添加して線材の焼戻し工
程中に温間矯正を施して得たPC鋼棒に初期緊張
荷重で緊張し、この状態を持続して高温高圧蒸気
養生の条件下でレラクセーシヨン値を測定すると
いう手段で、初期緊張荷重を色々変えて測定した
結果をレラクセーシヨン値を縦軸として示し、加
えた初期緊張荷重をJISの規定荷重で割つた値を
横軸として示したのが第1図である。そしてこの
ような炭素量が0.4%以下でSiを1.6〜2.0%含有す
る線材を焼戻し中に温間矯正を施して得たPC鋼
棒が高強度PCパイルを製造する際の高温高圧蒸
気養生の条件下に置かれるのは、パイルが型枠か
ら脱型され、応力(プレストレス)を導入した後
であり、この時にコンクリートが弾性収縮して応
力損失(コンクリートの弾性変形によるロス=6
〜8%)がこの段階で発生している。従って、
JISの規定荷重の0.7倍の初期緊張荷重で最初に
PC鋼棒を緊張していても、パイル製造時の高温
高圧蒸気養生条件下で実際にPC鋼棒に加わる荷
重状態としては第1図中に示す0.6倍程度のとこ
ろである。それ故、高強度PCパイルの製造時の
高温高圧蒸気養生条件下ではレラクセーシヨン値
は6%以下、即ち、第1図では約5%となってい
る。なお、バラツキによる安全性をみても充分に
レラクセーシヨン値は6%以下になつている。 しかし、このような大幅なレラクセーシヨンの
改良はSiの添加単独でも温間矯正の単独でも得ら
れないのである。上述のように所定量のSiの添加
と温間矯正とを組合わせることにより始めてPC
鋼棒のレラクセーシヨン値が大幅に低下するので
ある。例えば、Siの添加量が0.2%のときのレラ
クセーシヨン値が19%のPC鋼棒も、Siを1.6%添
加することによりレラクセーシヨン値が12%程度
になるが、更にこの線材の焼戻し工程中に温間矯
正を施すと高強度PCパイルの製造時の高温高圧
蒸気養生条件下でのレラクセーシヨン値(高温レ
ラクセーシヨンロス)が6%以下に抑えられた鋼
棒となるのである。 また、この発明では有効プレストレス量が80
Kg/cm2以上のパイル、たとえばB種およびC種の
パイルを対象とする。このような高強度のパイル
においては、前述の表−2に見られるようにPC
鋼棒のレラクセーシヨンによるロスが一般的に大
きくなるが、この発明に従えばロスを少なくする
ことができ、所期の目的が達成された高強度PC
パイルの製造方法が提供できるのである。即ち、
この発明に従えば有効プレストレス量が80Kg/cm2
以上の高強度PCパイルが経済的に提供できるの
である。なお有効プレストレス量はJIS A5337の
規定に従うので、例えば80Kg/cm2の場合は80×
(1±0.005)=80±4Kg/cm2の範囲内が80Kg/cm2
である。 〔実施例〕 下記の実施例および比較例では特記しない限り
下記の条件を使用する。 炭素量が0.4%でSi含有量が1.6%の線材を焼戻
し中に温間矯正を施してパイル製造時の高温高圧
蒸気養生条件下でのレラクセーシヨン値が6%と
したPC鋼棒を軸筋として使用し、その軸筋に螺
旋鉄筋をスポット溶接し、かつ前記軸筋を緊張状
態でコンクリート中に埋設し、高温高圧蒸気養生
して80Kg/cm2以上の有効プレストレス量の高強度
PCパイルを製造する。この場合がこの発明に従
う製造方法である。 比較のため、焼戻し中の温間矯正を施さない
PC鋼棒を使用して同様に高強度PCパイルを製造
する。このときのPC鋼棒のレラクセーシヨン値
は12%である。これを従来方法1の製法という。 またSi含有量が0.2%で焼戻し中の温間矯正を
施さないPC鋼棒を使用して同様に高強度PCパイ
ルを製造する。このときのPC鋼棒のレラクセー
シヨン値は18%である。これを従来方法2の製法
という。 なお、実施例や比較例で対象とするパイルは正
確に比較するため、パイル外径を500mmで、一定
とし、コンクリートの断面積を1055cm2で一定と
し、用いるPC鋼棒の経も11mmで一定とし、一本
当たりの鋼棒の初期緊張荷重も9.135ton/本と一
定にした。 実施例 1 上記の実施例の項の最初に示したこの発明方法
の使用条件でC種でかつ有効プレストレス量が実
際に100Kg/cm2以上となる高強度PCパイルを製造
する。使用するPC鋼棒は15本で済む。 比較例 1および2 上記の従来方法の1および2の使用条件で有効
プレストレス量100Kg/cm2のC種の高強度PCパイ
ルを製造する。使用するPC鋼棒は従来方法の1
(比較例1)では17本であり、従来方法の2(比較
例2)では18本である。 これを実施例1と比較するといずれも使用する
PC鋼棒の本数が多い。即ち、この発明ではPC鋼
棒の使用本数を少なくすることができる。 実施例 2 上記の実施例の項の最初に示したこの発明方法
の使用条件でJISで認められた±5%の範囲(C
種では100±5Kg/cm2の範囲)の最低限である、
95Kg/cm2以上の高強度PCパイルを製造する。こ
のときに使用するPC鋼棒は14本で済む。 比較例 3および4 従来方法の1および2の使用条件でPC鋼棒を
14本にしてPCパイルを製造する。得られるPCパ
イルの有効プレストレス量は従来方法の1(比較
例3)では87Kg/cm2程度であり、従来方法の2
(比較例4)では80Kg/cm2程度であり、いずれも
C種ではなく、B種である。 このように使用するPC鋼棒の使用本数を同一
に比較すると、この発明に従う実施例2ではC種
のパイルが得られるが、比較例3と4では低い等
級のB種の製品しか得られない。 また従来例である比較例2とこの発明例である
実施例2では使用するPC鋼棒は同一であり、か
つPC鋼棒の本数は14本で共通である。従って、
比較例2の高強度PCパイルを製造するための治
具や装置の設備をそのまま使用して、実施例2示
したように等級の高いC種の高強度PCパイルを
製造することが可能となる。 実施例 3および4 上記の実施例の項の最初に示したこの発明方法
の使用条件でB種でかつ有効プレストレス量が実
際に80Kg/cm2以上となる高強度PCパイルを製造
する。使用するPC鋼棒は12本で済む。 上記の条件でJISで認められた±5%の範囲
(B種では80±5Kg/cm2の範囲)の最低限である、
75Kg/cm2以上の高強度PCパイルのときは、使用
するPC鋼棒は11本である。このようにB種の高
強度PCパイルを製造する場合でも、比較例4の
14本と実施例3の12本の場合を比較すると明瞭な
ように、この発明に従うとPC鋼棒の使用本数は
少なくなる。 以上の例ではB種とC種について説明したが有
効プレストレス量が大きなD種(120Kg/cm2)、E
種(140Kg/cm2)、F種(160Kg/cm2)等の市販さ
れている各種の高強度PCパイルに適用すればこ
の発明の効果は更に大きなものとなる。 〔発明の効果〕 実施例等で効果をより明確に示したように有効
プレストレス量80Kg/cm2以上の高強度PCパイル
を製造するときに、パイル製造時の高温高圧蒸気
養生条件下でのレラクセーシヨン値が6%以下と
したPC鋼棒を軸筋として使用することにより、
始めて下記のこの発明の効果を発揮する。 1 同一等級の高強度PCパイルを製造するとき
は、同一規格の引張強度のPC鋼棒を使用して
の比較で明確なように、この発明に従えば、鋼
棒の使用本数を少なくできるのである。即ち、
この発明に従えば、同一等級の高強度PCパイ
ルを鋼棒の使用本数を少なくできるので、高強
度PCパイルが安価に提供できるのである。 2 また、従来と同本数のPC鋼棒を使用した場
合は、特定のPC鋼棒を軸筋として使用する以
外は、従来の普通PC鋼棒を使用して製造する
ときの治具や装置等の設備をそっくり使用し
て、より等級の高い高強度PCパイルが安価に
得られるのである。
第1図は、この発明に用いるPC鋼棒のレラク
セーシヨン特性を示す説明図である。
セーシヨン特性を示す説明図である。
Claims (1)
- 1 炭素量が0.4%以下でSiを1.6〜2.0%含有する
線材を焼戻し中に温間矯正を施してパイル製造時
の高温高圧蒸気養生条件下でのレラクセーシヨン
値が6%以下としたPC鋼棒を軸筋として使用し、
その軸筋に螺旋鉄筋をスポット溶接し、かつ前記
軸筋を緊張状態でコンクリート中に埋設し、高温
高圧蒸気養生して80Kg/cm2以上の有効プレストレ
ス量の高強度PCパイルを製造することを特徴と
する有効プレストレス量80Kg/cm2以上の高強度
PCパイルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8811883A JPS59213816A (ja) | 1983-05-19 | 1983-05-19 | 高強度pcパイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8811883A JPS59213816A (ja) | 1983-05-19 | 1983-05-19 | 高強度pcパイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59213816A JPS59213816A (ja) | 1984-12-03 |
JPH0331841B2 true JPH0331841B2 (ja) | 1991-05-08 |
Family
ID=13933977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8811883A Granted JPS59213816A (ja) | 1983-05-19 | 1983-05-19 | 高強度pcパイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59213816A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63151720A (ja) * | 1986-12-11 | 1988-06-24 | 川鉄テクノワイヤ株式会社 | 高強度pc鋼棒の製造方法 |
JPS63284318A (ja) * | 1987-05-18 | 1988-11-21 | Mitani Sekisan Kk | 高強度pcパイル |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4851816A (ja) * | 1971-11-02 | 1973-07-20 | ||
JPS5858316A (ja) * | 1981-10-01 | 1983-04-06 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Pcコンクリート製品の製造方法 |
-
1983
- 1983-05-19 JP JP8811883A patent/JPS59213816A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4851816A (ja) * | 1971-11-02 | 1973-07-20 | ||
JPS5858316A (ja) * | 1981-10-01 | 1983-04-06 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Pcコンクリート製品の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59213816A (ja) | 1984-12-03 |
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