JPH0330449B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、プレス機に併設された金型格納用棚
と金型入出庫用走行クレーンとを備え、プレス機
に対する金型の交換、即ち棚から出庫した新しい
金型とプレス機から取外された金型とを交換し、
そして使用済み金型を前記棚に入庫し得るように
したプレス機の金型格納及び交換設備に関するも
のである。

（従来の技術及びその問題点） 従来のこの種の金型格納及び交換設備に於いて
は、金型入出庫用走行クレーンの走行通路脇に入
庫用金型受け台と出庫用金型受け台とが並設さ
れ、プレス機から金型交換作業位置に取り外され
た使用済み金型を前記入庫用金型受け台上へ搬送
する入庫用金型搬送手段と、前記出庫用金型受け
台上に搬出された金型をプレス機に対する金型交
換作業位置へ搬送する出庫用金型搬送手段とが並
設されている。従つて出庫金型と入庫金型とが
各々独立した専用の搬送経路を通ることになり、
入庫用金型搬送手段と出庫用金型搬送手段とを設
置するために広い床面が必要となり、設備の床面
占有面積が大きくなる。又、設備コストも相当か
かる欠点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような従来の問題点を解決し得る
プレス機の金型格納及び交換設備を提案するもの
であつて、その特徴は、プレス機の側方に金型格
納用棚を立設し、この棚と前記プレス機との間に
金型入出庫用走行クレーンの走行通路を前記棚に
そつて設け、前記プレス機に対する金型交換作業
位置と前記クレーン走行通路脇のクレーンとの間
の金型移載位置との間を往復移動する荷受け台車
と、前記金型交換作業位置に対し前記クレーン走
行通路のある側とは反対側の金型待機位置と前記
金型交換作業位置との間を往復移動するローラー
コンベヤ付き台車とを設け、以て、金型はローラ
ーコンベヤ付きパレツトに支持して搬送及び格納
するようにし、前記荷受け台車と前記ローラーコ
ンベヤ付き台車とが互いに隣接する状態に於い
て、前記荷受け台車上に支持されている空のロー
ラーコンベヤ付きパレツト上へ前記ローラーコン
ベヤ付き台車上から金型を移載し得るようにした
点にある。

（作用） このような本発明のプレス機の金型格納及び交
換設備に於いては、新しくプレス機にセツトすべ
き金型は、前記クレーンを使用して棚からローラ
ーコンベヤ付きパレツト上に支持された状態で出
庫すると共に、クレーンとの間の金型移載位置で
待機させている荷受け台車上に前記パレツトごと
移載出庫させる。この出庫作業の間に、プレス機
から取り外した使用済み金型を金型交換作業位置
に位置させたローラーコンベヤ付き台車上に載置
させると共に、当該台車を金型待機位置へ移動さ
せて待機させる。

新しい金型を前記パレツトと共に載置する荷受
け台車は前記金型交換作業位置へ移動させ、パレ
ツト上の金型をプレス機にセツトする。この後、
前記使用済み金型を載置し且つ待機位置で待機し
ているローラーコンベヤ付き台車と、空になつた
ローラーコンベヤ付きパレツトを載置している荷
受け台車とを、互いに隣接させるべく少なくとも
一方を移動させ（金型交換作業位置と金型待機位
置とが、これら位置にある台車が互いに隣接する
程度に接近しているときはそのままで）、ローラ
ーコンベヤ付き台車上の使用済み金型を荷受け台
車の空のパレツトへ、例えば手押し作業やコンベ
ヤの駆動により移載させる。そして使用済み金型
を前記パレツトを介して搭載した荷受け台車をク
レーンとの間の移載位置へ移動させ、この移載位
置の脇に停止する前記クレーンに前記荷受け台車
上の使用済み金型をパレツトごと引き取らせる。
この後は当該クレーンにより使用済み金型をパレ
ツトごと棚の所定位置に入庫格納せしめることが
出来る。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図に於いて、１は金型格納用
棚、２はこの棚１にそつて設けられた金型入出庫
用走行クレーン３の走行通路、４は前記クレーン
走行通路２にそつて適当間隔置きに設置されたプ
レス機、５は前記クレーン走行通路２の一端に設
定されたクレーンホームポジシヨン６に並設され
た固定荷受け台である。前記各プレス機４には、
このプレス機４に対する金型交換作業位置Ａと前
記クレーン３との間の金型移載位置Ｂとの間を往
復移動する荷受け台車７と、前記金型交換作業位
置Ａに対してクレーン走行通路２のある側とは反
対側に位置する金型待機位置Ｃと前記金型交換作
業位置Ａとの間を往復移動するローラーコンベヤ
付き台車８とが併設されている。

前記入出庫用走行クレーン３は、従来の自動倉
庫に使用されているものと同一のものであつて、
昇降キヤレツジ３ａ上には、棚１の任意の金型収
納区画１ａとの間、及び各プレス機４に所属する
金型移載位置Ｂに停止している荷受け台車７との
間で、第５図及び第９図に示すように金型支持パ
レツト９を移載する移載手段、例えば出退自在な
フオーク３ｂが設けられている。

前記両台車７，８は共通のガイドレール１０上
に支持され、各々各別に手押し移動させることが
出来るものであつて、第５図乃至第９図に示すよ
うに前記各位置Ａ〜Ｃに位置決めする昇降可能な
位置決め用ピン１１，１２を備えている。又、ロ
ーラーコンベヤ付き台車８のローラーコンベヤ部
１３ａは、当該台車８の移動方向と同一方向に金
型支持パレツト９を滑動させ得るものであつて、
その金型移載端部には出退自在なストツパー１３
ｂが設けられ、他端部には固定ストツパー１３ｃ
が設けられている。

前記金型支持パレツト９は、第３図及び第４図
に示すようにローラーコンベヤ部１４ａと、この
ローラーコンベヤ部１４ａの搬送方向の一端に設
けられた開閉自在なストツパー１４ｂ、及び他端
と左右両側に設けられた固定ストツパー１４ｃを
備えている。

金型Ｗは、前記金型支持パレツト９に支持され
たまま棚１の金型収納区画１ａに格納される。こ
のとき金型Ｗは当該パレツト９のローラーコンベ
ヤ部１４ａ上に滑動可能に載せられているが、周
囲のストツパー１４ｂ，１４ｃによつて滑り落ち
ないように位置決めされている。

次に金型交換作業について説明する。まずプレ
ス機４にセツトすべき金型Ｗを棚１の所定位置に
ある金型収納区画１ａ内からパレツト９に支持さ
れた状態のままで入出庫用走行クレーン３により
取り出す。この棚１の金型収納区画１ａからの金
型取り出し方法は、クレーン３の走行、昇降キヤ
レツジ３ａの昇降、及びフオーク３ｂの出退移動
を組み合わせて行う従来周知の方法である。第５
図に示すようにクレーン３の昇降キヤレツジ３ａ
上にパレツト９と共に取り出した金型Ｗは、所定
のプレス機４に所属する金型移載位置Ｂに停止し
ている荷受け台車７上にパレツト９と共に移載す
る。この移載方法も、クレーン３の走行、昇降キ
ヤレツジ３ａの昇降、及びフオーク３ｂの出退移
動を組み合わせて行う従来周知の方法である。

尚、第６図に示すように金型移載位置Ｂに停止
している荷受け台車７上にパレツト９と共に金型
Ｗを移載したとき、当該パレツト９の開閉自在な
ストツパー１４ｂが金型交換作業位置Ａの側に位
置するように、棚１に対する金型収納時のパレツ
ト９の向きが設定されている。

上記のように新しい金型Ｗを棚１から荷受け台
車７上に出庫する作業を行つている間に、プレス
機４から取り外した使用済み金型Wuをローラー
コンベヤ付き台車８上に積み込んでおく。この作
業は、第９図に示すように金型交換作業位置Ａに
停止させたローラーコンベヤ付き台車８のローラ
ーコンベヤ部１３ａ上に使用済み金型Wuを例え
ばホイスト等の適当な搬送を利用して積み込むこ
とにより行われる。ローラーコンベヤ部１３ａに
積み込まれた金型Wuは両端のストツパー１３
ｂ，１３ｃによつて位置決めされている。このよ
うに使用済み金型Wuを搭載したローラーコンベ
ヤ付き台車８は、第５図に示すように金型待機位
置Ｃに戻し、位置決めしておく。

一方、第６図に示すように新しい金型Ｗをパレ
ツト９と共に移載された荷受け台車７は、第７図
に示すように金型交換作業位置Ａまで移動させて
位置決めし、パレツト９上の金型Ｗのみをホイス
ト等の適当な手段を利用してプレス機４に移載し
セツトする。この後、第７図仮想線で示すように
金型待機位置Ｃで待機しているローラーコンベヤ
付き台車８と空になつたパレツト９を支持してい
る荷受け台車７とを互いに隣接させるように、少
なくとも何れか一方の台車、例えばローラーコン
ベヤ付き台車８を移動させる。そして荷受け台車
７上の空パレツト９に於ける開閉自在なストツパ
ー１４ｂを開くと共に、ローラーコンベヤ付き台
車８の出退自在なストツパー１３ｂを退入させた
状態で、ローラーコンベヤ付き台車８上の使用済
み金型Wuを手押し作業で荷受け台車７上の空パ
レツト９上で滑動移載させる。このとき夫々のロ
ーラーコンベヤ部１３ａ，１４ａの働きで、大重
量の金型Wuであつても比較的軽く手押し移動さ
せ得る。勿論、金型交換作業位置Ａと金型待機位
置Ｃとが、これら両位置に位置する台車７，８間
で金型を滑動移載し得る程度に十分接近させてあ
るときは、両台車７，８は何れも移動させる必要
はない。

使用済み金型Wuをパレツト９と共に搭載した
荷受け台車７は第８図に示すように金型移載位置
Ｂまで移動させて位置決めし、クレーン３の昇降
キヤレツジ３ａ上に引き取らせる。そして当該ク
レーン３により棚１に於ける所定の金型収納区画
１ａに入庫する。この荷受け台車７上からクレー
ン３の昇降キヤレツジ３ａ上への金型移載及び金
型収納区画１ａへの金型入庫作業は、クレーン３
の走行、昇降キヤレツジ３ａの昇降、及びフオー
ク３ｂの出退移動の組み合わせから成る従来周知
の方法により行うことが出来る。

このように使用済み金型Wuを棚１に入庫する
作業を行つている間に、第８図及び第９図に示す
ようにプレス機４から次の使用済み金型Wuをロ
ーラーコンベヤ付き台車８上に取り出す作業を行
うことが出来る。

尚、上記実施例では各台車７，８として何れも
手押しタイプのものを使用したが、走行用駆動手
段を備えた台車を利用することも出来る。又、ロ
ーラーコンベヤ付き台車８に於けるローラーコン
ベヤ部１３ａも駆動タイプのものを設けて、台車
７上の空パレツト９への金型移載を自動的に行え
るようにすることも可能である。

（発明の効果） 以上のように本発明のプレス機の金型格納及び
交換設備によれば、入出庫用走行クレーンに対す
る入庫金型移載位置と出庫金型移載位置とが共通
であり入庫金型と出庫金型とは共通の搬送経路を
共通の荷受け台車によつて搬送し得るので、プレ
ス機と前記クレーンとの間の金型搬送手段の設置
床面積が小さくなり、且つ設備コストも大幅に低
減し得る。又、金型の交換作業を能率良く行うこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図は正面図、第３図は使
用するローラーコンベヤ付きパレツトの縦断側面
図、第４図は同平面図、第５図乃至第９図は作業
手順を説明する図である。 １……金型収納棚、１ａ……金型収納区画、２
……クレーン走行通路、３……金型入出庫用走行
クレーン、３ａ……昇降キヤレツジ、３ｂ……フ
オーク、４……プレス機、７……荷受け台車、８
……ローラーコンベヤ付き台車、９……ローラー
コンベヤ付きパレツト、１１，１２……台車位置
決め用ピン、１３ａ，１４ａ……ローラーコンベ
ヤ部、１３ｂ，１４ｂ……出退又は開閉自在なス
トツパー、１３ｃ，１４ｃ……固定ストツパー、
Ｗ，Wu……金型。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プレス機の側方に金型格納用棚を立設し、こ
   の棚と前記プレス機との間に金型入出庫用走行ク
   レーンの走行通路を前記棚にそつて設け、前記プ
   レス機に対する金型交換作業位置と前記クレーン
   走行通路脇のクレーンとの間の金型移載位置との
   間を往復移動する荷受け台車と、前記金型交換作
   業位置に対し前記クレーン走行通路のある側とは
   反対側の金型待機位置と前記金型交換作業位置と
   の間を往復移動するローラーコンベヤ付き台車と
   を設けて成るプレス機の金型格納及び交換設備。