JPH0330410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はアスフアルト合材製造プラントにおけ
る骨材貯蔵出荷装置に係り、特に骨材出荷時に発
生して舞い立つ粉塵を集塵機で回収すると共に、
回収した粉塵を合材装置に投入してアスフアルト
混合物における骨材の粒度調節をするようにした
骨材貯蔵出荷装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の技術を本考案の実施例に係る第１図を例
として説明すると、アスフアルト合材製造プラン
トＡにおいて、骨材を粒度別に貯蔵しておく骨材
ビン１，１，１…を直列状に配設してあり、該各
骨材ビン１，１…の下部に形成した排出口１Ａ，
１Ａの下には近接状にベルトフイーダ２，２…が
配設してあり、その下方にベルトコンベヤ３を配
設してある。

アスフアルト混合物を合材装置４で製造する場
合には、そのアスフアルト混合物の設定内容に従
つて骨材の粒度並びに配合割合を決定し、その決
定に従つて前記各骨材ビン１，１…を選定してベ
ルトフイーダ２を回動させることによつて特定の
粒度の骨材を順次ベルトコンベヤ３上に所定量投
下し、該ベルトコンベヤ３上の骨材はドライヤ５
まで搬送されて投入され、ドライヤ５で加熱され
た骨材はホツトエレベータ６によつて合材装置４
に投入される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記したように、骨材ビン１…から骨材をベル
トコンベヤ３上に投下した時に舞い立つ粉塵を集
塵機８に吸引することによつて粉塵公害に関する
問題は解決することができるが、別に次のような
問題が生じた。

(1) 集塵機に回収された粉塵のほとんど細粒骨材
中に含まれている0.074mm〜0.3mmの範囲の微細
粒骨材である。集塵機に回収されたこれら微細
粒骨材を除去する時に更に粉塵が舞い立ち、処
分上で問題がある。

(2) アスフアルトコンクリート用の各粒度別骨材
の重量決定では、目標粒度の骨材の重量を念頭
において、各材料の配分重量を決定する。

すなわち、粗骨材Ａトン、細骨材Ｂトンという
配合比の決定をするが、例えば2.5mm以下の細骨
材の中には粒径が0.074，0.15，0.3，0.6，1.2mmの
骨材も含まれている状態で１トンとして扱われ
る。この１トンの中に例えば0.3mm以下の微細骨
材が２割含まれていたとする。これが、ベルトコ
ンベアに投下される際に粉塵となつて周囲に飛散
して、その一部が除去されてしまうと、前記
0.074，0.15mm部分に不足をきたし、逆に1.2mm級
が増加して計量され、アスフアルトは当初の所定
量が投下されるため製造されるアスフアルト混合
物がベトベトした混合物となり、すなわち設計ど
おりの品質を有する合材が製造できないという問
題が生じる。また集塵機を備えつけただけであれ
ば、細粒部分の不足は一層顕著となる。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記問題点を解決し、粉塵問題を処理
しながら、回収した微細粒骨材を合材装置に供給
して均質なアスフアルト混合物を作ることができ
るようにした骨材貯蔵出荷装置を提供することを
目的として開発したもので、目的達成のための具
体的な手段として、骨材ビンの排出口下方部にベ
ルトコンベヤを配し、該ベルトコンベヤの送出端
部下方からドライヤとの間に骨材搬送機構を配設
し、前記骨材ビンに近接して集塵機を配設し、該
集塵機から骨材ビン方向へ延出した集塵ダクトを
前記ベルトコンベヤ上方で骨材ビンの排出口に近
接して配設し、吸塵口を排出口に近接して開口す
ると共に、前記集塵機下部に設けた集塵ホツパの
排出口下部から前記骨材搬送機構との間に粉塵コ
ンベヤを配設して、集塵機で回収した粉塵を自動
的に合材装置へ供給するように構成したことを特
徴とする骨材貯蔵装置を構成するものである。

〔作用〕

上記構成の本考案は次のように作用する。アス
フアルト混合物を製造するために、所定の骨材ビ
ンからベルトコンベヤ上に骨材を所定量排出し、
搬送機構を介してドライヤに投入して加熱する。
ベルトコンベヤ上に骨材を排出する時点で粉塵が
舞い立つても、集塵機によつて吸塵することによ
つて粉塵公害等の問題を未然に防止することがで
きる。

また、集塵機の集塵ホツパ部分に回収した粉塵
は主として細骨材に含まれている微細骨材である
ため、これを集塵機から粉塵コンベヤを介して骨
材搬送機構に投入し、アスフアルト混合物が製造
されるが、このアスフアルト混合物には集塵機に
よつて吸収された微細骨材を供給してあるので、
ベトベトしない設計配合に則したアスフアルト混
合物を製造することができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第
１図はアスフアルト合材製造プラントの要部を示
す正面図であり、第２図はその平面図である。

アスフアルト合材製造プラントＡにおいて、グ
ラウンドＧに細長いピツト９を形成して、その底
部にベルトコンベヤ３を長手方向に長く、かつ水
平に配設してあり、該ベルトコンベヤ３の送出端
部３Ａの下方からグラウンドＧ上へと傾斜状に別
のベルトコンベヤから成る搬送機構３Ｂを配設し
てある。該搬送機構３Ｂは後記するドライヤ５に
近接する骨材搬送機構５Ｂと連結してある。

前記ピツト９の上方部には、グラウンドＧに立
設した支持枠１０…によつて複数の骨材ビン１，
１，１…を前記ベルトコンベヤ３の長手方向に沿
つて直列に配設し、その各排出口１Ａ，１Ａが前
記ベルトコンベヤ３上に臨むように構成してあ
る。

各骨材ビン１，１…は第１図に示すように下部
を二叉状に構成して、各々の下端部に排出口１
Ａ，１Ａが設けてあり、該各排出口１Ａ，１Ａ，
１Ａ…の下部にはベルトコンベヤ状のフイーダ
２，２が配設してある。該フイーダ２，２…上に
降下した骨材は、フイーダ２，２…の回転に伴つ
て下方のベルトコンベヤ３上に落下するが、各骨
材ビン１，１…においては２基あるフイーダ２，
２の中、常時使用するものは１基だけで、他のフ
イーダは片方が故障等の場合に使用する。

ベルトコンベヤ３上に落下した骨材は他の搬送
機構３Ｂに移送されて後記するドライヤ５へと配
送される。

前記ピツト９において、前記ベルトコンベヤ３
の上側部に集塵ダクト７をピツト９の長手方向に
長く配設し、該集塵ダクト７の基端部はピツト９
外へ延出して、後記する集塵機８に連結してい
る。前記集塵ダクト７はピツト９内において、各
骨材ビン１，１…の各排出口１Ａ，１Ａの下方に
設けたフイーダ２，２…の排出部、並びにベルト
コンベヤ３の送出部３Ａに近接して吸塵口７Ａ，
７Ａ…を配設している。

記集塵ダクト７は基端部を太く、先端部に行く
に従つて細く形成して吸引力を平均化している。
第２図中符号１１はダンプカー等の荷降室であ
り、１２は集塵ダクト７から分岐した分岐ダクト
であり、荷降室１１にダンプカーから骨材等の荷
降しをした時に発生する集塵を吸塵する。

前記ピツト９の上方部には第３図に示すように
被蓋１３を被設して粉塵が外部へ流出することを
防止している。

前記集塵機８は支持枠８Ａ上に高く架設したバ
グフイルタ式のもので、下方に集塵ホツパ８Ｂを
配設してあつて、各骨材ビン１，１…の排出口１
Ａ，１Ａ…から降下して舞い立ち、集塵機８によ
つて吸引された微細骨材はこの集塵ホツパ８Ｂに
集積される。該集塵ホツパ８Ｂの排出口８Ｃには
シヤツタ８Ｄを設けてあり、該排出口８Ｃの下方
から骨材搬送機構５Ｂにかけて、スクリユーコン
ベヤから成る粉塵コンベヤ１４を配設してある。
該粉塵コンベヤ１４の投入口１４Ａは上向きとし
て、投入口１４Ａに前記集塵ホツパ８Ｃを挿入す
るように構成している。

前記骨材搬送機構５Ｂの先端部はドライヤ５の
投入シユート５Ａ上に達しており、前記搬送機構
３Ｂから回送されて来る骨材をドライヤ５に投入
することができる。該ドライヤ５の排出口５Ｃに
近接してホツトエレベータ６が配設してあり、ド
ライヤ５で加熱された骨材は投入口６Ａに投入さ
れて、合材装置４へと搬送される。

前記ホツトエレベータ６に隣接して合材装置４
を配設してあり、該合材装置４は骨材、石粉、ア
スフアルト等を混練してアスフアルト混合物（合
材）を製造する装置であり、最上部に振動篩装置
４Ａを配し、その下に骨材を粒度別に分別した骨
材槽４Ｂを配し、その直下に骨材を計量する計量
槽４Ｃを配している。その下方にはミキサ４Ｄが
配設してあり、ミキサ４Ｄと骨材槽４Ｂ間には囲
壁４Ｅを設けて粉塵等の流出を防いでいる。

該合材装置４においてはミキサ４Ｄの上部に図
示省略した石粉計量槽、アスフアルト吐出口等が
配設されている。

以上に述べた各装置の動力は図示しない操作盤
において自動コントロールされている。

以上のように構成された本実施例は、次のよう
に作用する。

合材装置４で生産するアスフアルト混合物の質
に合わせて各粒度別の骨材配分量が決定され、そ
の配分量が各骨材ビン１，１…からベルトコンベ
ヤ３上に順次排出されて、順次ドライヤ５に投入
される。ドライヤ５で180度℃前後に加熱された
骨材は、ドライヤ５から排出されてホツトエレベ
ータ６に投入され、エツトエレベータ６によつて
合材装置４の振動篩装置４Ａに投下される。振動
篩装置４Ａによつて分級された骨材は、下方の骨
材槽４Ｂに分別状に一時貯蔵される。

以上の各骨材ビン１，１…からベルトコンベヤ
３上に骨材を排出する時点で、粉塵が舞い立つて
も、集塵機８の吸引作用によつて粉塵は吸塵口７
Ａ，７Ａ…から集塵ダクト７を介して集塵機８に
吸引される。集塵機８に吸入された粉塵は図示し
ないバグフイルタによつて濾され、集塵ホツパ８
Ｂに降下して回収される。ここで回収される粉塵
の主成分は0.074mm〜0.3mmの範囲の微細な骨材で
あるから、集塵ホツパ８Ｂのシヤツタ８Ｄを開け
て、排出口８Ｃから下のスクリユーコンベヤから
成る粉塵コンベヤ１４内に投入して、粉塵コンベ
ヤ１４を駆動させることによつて、粉塵は骨材搬
送機構５Ｂを介してドライヤ５に投入される。粉
塵はドライヤ５内で他の骨材と共に加温されて排
出され、ホツトエレベータ６で上昇し、振動篩装
置４Ａに投下され、分級されて下の骨材槽４Ｂに
入る。

次に骨材槽４Ｂの各粒度別槽の図示しない排出
口が開口されて、計量槽４Ｃにおいて各粒度別に
骨材が計量されてミキサ４Ｄに投入される。また
別途石粉、アスフアルトも計量されてミキサＤに
投入されて、混練することによつて舗装用のアス
フアルト混合物が製造される。

本考案はこのようにしてアスフアルト混合物を
製造する工程において、粉塵として舞い立つて集
塵機によつて回収された微細骨材を、廃棄せずに
その都度ミキサへ自動的に供給するものであり、
アスフアルト混合物中には、設定した粒度割合の
微細骨材が混合されているために、設定どおりの
混合物を供給することができる。

すなわち集塵機で粉塵を回収して、これを廃棄
した場合には、細粒骨材中の微細粒骨材が不足す
るために粗つぽい細粒骨材となつて、ベトベトし
た混合物になる欠点が生じるが、本考案において
はその欠点が解消され、良質のアスフアルト混合
物を供給することができるものである。

本考案は前記構成に限定されるものではない。
例えば前記粉塵コンベヤ１４はスクリユーコンベ
ヤに限定されず、例えば筒状のシユートを骨材搬
送機構５Ｂの方を低く傾斜状に配し、その底部に
振動機を設けて、振動によつて粉塵を送るように
してもよいし、バケツトコンベヤであつてもよ
い。

また前記骨材ビン１，１…は一列状態を示して
いるが、これが複数列であつてもよい。

〔効果〕

本考案は骨材搬出時に発生する粉塵を集塵機で
回収し、回収した粉塵（微細骨材）を合材装置に
供給するようにしたので、次のようなすぐれた効
果を有している。

Ａ 骨材排出時に粉塵が発生しても集塵機によつ
て吸塵するので、粉塵公害を発生させるおそれ
がなく、作業従事者に対する健康管理上でも安
全である。

Ｂ 集塵機に回収される粉塵は合材に必要な細骨
材中の微細骨材であるため、これを集塵機で除
去していては合材の質の変化をもたらすが、本
考案においては自動的に回収した粉塵を合材装
置へ供給するため、アスフアルト混合物の質を
設計どおりの良好な品質にすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例に係り、第１図はアスフ
アルト合材製造プラントの正面図、第２図は第１
図の平面図、第３図は第１図におけるＡ−Ａ線断
面図である。 Ａ……アスフアルト合材製造プラント、１……
骨材ビン、１Ａ……排出口、２……フイーダ、３
……ベルトコンベヤ、３Ａ……送出端部、３Ｂ…
…搬出機構、４……合材装置、４Ａ……振動篩装
置、４Ｂ……骨材槽、４Ｃ……計量槽、４Ｄ……
ミキサ、４Ｅ……囲壁、５……ドライヤ、５Ａ…
…投入シユート、５Ｂ……骨材搬送機構、６……
ホツトエレベータ、６Ａ……投入口、７……集塵
ダクト、７Ａ……吸塵口、８……集塵機、８Ａ…
…支持枠、８Ｂ……集塵ホツパ、８Ｃ……シヤツ
タ、８Ｄ……排出口、９……ピツト、１０……支
持枠、１１……荷降室、１２……分岐ダクト、１
３……被蓋、１４……粉塵コンベヤ、１４Ａ……
投入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 骨材ビンの排出口下方部にベルトコンベヤを配
   し、該ベルトコンベヤの送出端部下方からドライ
   ヤとの間に骨材搬送機構を配設し、前記骨材ビン
   に近接して集塵機を配設し、該集塵機から骨材ビ
   ン方向へ延出した集塵ダクトを前記ベルトコンベ
   ヤ上方で骨材ビンの排出口に近接して配設し、吸
   塵口を排出口に近接して開口すると共に、前記集
   塵機の下部に設けた集塵ホツパの排出口下部から
   前記骨材搬送機構との間に粉塵コンベヤを配設し
   て、集塵機で回収した粉塵を自動的に合材装置へ
   供給するように構成したことを特徴とする骨材貯
   蔵出荷装置。