JPH0330374B2 - - Google Patents

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JPH0330374B2
JPH0330374B2 JP58204739A JP20473983A JPH0330374B2 JP H0330374 B2 JPH0330374 B2 JP H0330374B2 JP 58204739 A JP58204739 A JP 58204739A JP 20473983 A JP20473983 A JP 20473983A JP H0330374 B2 JPH0330374 B2 JP H0330374B2
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artificial blood
blood vessel
yarn
fiber
fibers
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JP58204739A
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、柔軟性を有し、生体血管との吻合性
に優れた人工血管に関する。
(従来技術) 従来の人工血管は主としてポリエステル繊維を
織り又は編むことにより作成されているが、たと
えば大動脈に移植された場合、中枢側の収縮期血
圧の上昇と拡張期血圧の下降を招き、特に左心室
に対して著しく圧負荷の原因となり、左心室の求
心性肥大を誘発するという欠点を有していた。ま
た、同時に冠状動脈血流量の減少による心肥大や
狭心症の原因となるという欠点も有していた。更
に、末梢血管に大きな慣性血流を送ることにな
り、衝突による血流抵抗の増大や剪断的エネルギ
ーの増大に結びつくとともに動脈硬化や蛇行の原
因になるという欠点を有していた。また吻合部で
は応力集中が生じ吻合部の劣化を招き、吻合部動
脈瘤の原因ともなつていた。
(本発明の目的) 本発明者らは、従来の人工血管の上記欠点が、
その柔軟性のなさに基づくものであることを見出
し、人工血管として最適な柔軟性の範囲を鋭意検
討した結果、本発明に到達したのである。
すなわち、本発明は、柔軟性を有し、生体血管
との吻合性に優れた人工血管を提供することを目
的とする。
(本発明の構成) 本発明の上記目的は、以下の構成により達成さ
れる。
(1) ゴム状弾性繊維を芯糸とし、高分子物質から
なる繊維をカバー糸としたコアーヤーンが織糸
もしくは編み糸に用いられて、織りもしくは編
み手段によりチユーブ化されてなることを特徴
とする人工血管。
(2) 動脈圧に従つて、径方向に2〜20%伸縮する
ことを特徴とする上記第(1)項記載の人工血管。
(3) 芯糸がポリウレタン繊維からなり、カバー糸
が1.5デニール以下のポリエステル繊維からな
ることを特徴とする上記第(1)項記載の人工血
管。
(4) 伸張弾性回復率が90%以下となるための伸長
率が20%以上であるゴム状弾性繊維を用いてな
ることを特徴とする上記第(1)項記載の人工血
管。
人工血管は、動脈圧の上昇、降下に従う圧力変
化を受けることになるが、本発明の人工血管は、
かかる変化に従つてその特異な構造により、径方
向に2〜20%伸縮することができるものである。
2%より小さいと従来の人工血管の如く、種々な
不都合が生ずる。一方20%より大きいと、人工血
管への細胞付着形成が妨げられる。
上記要件を満足する人工血管の製法は種々考え
得る。
たとえば、伸張弾性回復率を90%以下とするた
めの伸張率が20%以上、好ましくは50%以上、よ
り好ましくは90%以上である繊維を少なくとも一
部用い、織り、編み手段によりチユーブ化する方
法である。ここで言う伸張弾性回復率とは、対象
となる繊維を引張試験機により所定%(伸張率)
引伸ばした後もとに戻したときの、回復率をい
う。かかる具体的繊維としては、ポリウレタン系
繊維、ポリアミドもしくはポリエステル系弾性繊
維等に代表されるいわゆるゴム状弾性を有する繊
維が挙げられる。また、別の形態としては、ポリ
エステル仮撚り捲縮糸に見られるようにバネ状の
形態復元力を利用するタイプもある。これらの繊
維は単独又は他の繊維と組合せて用いることがで
きる。特に組合せて用いる最も好ましい形態は、
たとえばゴム状弾性繊維を芯として、高分子物質
からなる他の一般繊維をそれに巻きつけたいわゆ
るコアーヤーンである。かかる場合、コアーヤー
ン作製条件として、芯糸のストレツチ率、カバー
糸のフイード率、コアーヤーンの撚数等の組み合
せにより、コアーヤーン自体の強度、伸張率、硬
さ、及び選ぶカバー糸の種類によつては血液との
親和性(抗血栓性)等かなりの任意性をもつて変
更可能である。しかし、一般的にはコアーヤーン
自体はかなり太い繊維となるため、かかる繊維を
用いてチユーブを形成した場合、風合的には硬
く、チユーブ壁面も粗くなりがちである。この欠
点を避けるにあたり、カバー糸として極細糸を用
いると極めて効果的である。極細繊維の一つの目
安としては、1.5デニール以下となるが、更に0.7
デニール以下、より好ましくは0.1デニール以下
である。
また、極細繊維としては当初から極細形態のも
のでもよいが、複合繊維で一成分を除去又は二成
分間を剥離し極細化しうる繊維を用いてコアーヤ
ーンを形成した後又はチユーブを形成した後、極
細繊維化させてもよい。
本発明は上記伸張弾性回復率を有する繊維を用
いてチユーブを形成するのであるが、チユーブ形
成は公知の織り、編み手段で容易に行ない得る。
織り手段による場合は、少なくとも緯糸として上
記伸張弾性回復率を有する繊維を用いる。最終血
管としての半径方向への動脈圧による変位量は、
用いる緯糸のデニール、伸張弾性回復性、打込密
度、経糸の密度、伸縮度等によつてコントロール
可能である。たとえば、半径方向の変位量を大き
くしたい場合は、細デニールで、伸張回復性が高
く、かつ経糸密度が低く、かつ伸縮性の高いもの
とすればよい。変位量を少なくしたい場合は、そ
の逆となる。経糸としては伸縮性を有する繊維又
は一般的繊維が使用可能であり、目的に応じて適
宜選択すればよい。編み手段の場合も織り手段の
知見を参考に適宜目的とするものが容易に得られ
る。
(本発明の効果) 本発明の人工血管を用いた場合、以下の如き効
果を発揮する。
左心室に対する収縮期圧力負荷が小さく、求
心性肥大が防げる。
心肥大や狭心症が防げる。
血流の乱れによる動脈硬化や蛇行を防止でき
る。
生体血管との吻合が容易である。
吻合部での応力集中を緩和し、吻合部動脈瘤
の発生を防止できる。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明がか
かる実施例に限定されるものでないことはいうま
でもない。
実施例 1 成犬の大動脈基部と腹部大動脈間にバイパス状
に、径が7.6mmのポリエステル糸を経糸とし、緯
糸として伸縮弾性回復率20%のポリウレタン糸を
用いて作成した本発明の平織人工血管を挿入し、
実験を行なつた。また、比較のため市販の径が12
mmのダクロン製平織人工血管を挿入し、同様に実
験を行なつた。人工血管の径方向の変位は、人工
血管の中間に6MHzの超音波デイメンシヨンゲー
ジを貼り付け測定した。心拍出量は人工血管に電
磁血流計を挿入し測定した。同時に大動脈圧及び
心電図をモニターした。従来の人工血管の結果を
第1図、本発明による人工血管の結果を第2図に
それぞれ示す。第1図から分るように従来の人工
血管の場合、径方向の変位は大動脈圧及び心拍出
量の値の如何にかかわらず、一定値(12mm)を示
した。一方、第2図に示すように本発明による人
工血管の場合には大動脈圧のピーク、即ち、心拍
出量のピークに対応して人工血管の径方向が約9
mmに伸展することが分つた。この結果はウインド
ケツセル(Windkessel)効果として左心室の明
らかな圧力負荷減少を示している。
実施例 2 成犬の大動脈基部と腹部大動脈間にバイパス状
に、径が8mmの市販の平織ダグロン製人工血管を
挿入し、その中間に径が7.6mmのポリエステル糸
を経糸とし、緯糸として0.1デニールの極細繊維
をカバー糸とし、芯糸としてポリウレタンを用い
て作成したコアーヤーンで伸張弾性回復率が115
%のものを用いて作製した本発明の人工血管をバ
イパス状に装着した。両人工血管の中央部に6M
Hzの超音波デイメンシヨンゲージを装着し、径方
向の変位を測定した。人工血管中の血流量は人工
血管に挿入した電磁血流計により測定した。ま
た、心電図(ECG)及び中枢側血圧、末梢側血
圧をも同時にモニターした。その結果、従来の人
工血管の場合には径が一定であり、本発明の場合
には中枢側血圧、末梢側血圧及び血流量のピーク
時に径方向に4%の伸展が認められた。この実験
事実より本発明による人工血管は従来の人工血管
にバイパス縫着してもウインドケツセル効果とし
ての左心室圧力負荷減少が有効に発現することが
分つた。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の人工血管による実験結果をまと
めた図、第2図は本発明に係る人工血管による実
験結果をまとめた図である。それぞれaは心電
図、bは大動脈圧、c心拍出量、dは人工血管の
径方向の変位を示したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ゴム状弾性繊維を芯糸とし、高分子物質から
    なる繊維をカバー糸としたコアーヤーンが織糸も
    しくは編み糸に用いられて、織りもしくは編み手
    段によりチユーブ化されてなることを特徴とする
    人工血管。 2 動脈圧に従つて、径方向に2〜20%伸縮する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の人
    工血管。 3 芯糸がポリウレタン繊維からなり、カバー糸
    が1.5デニール以下のポリエステル繊維からなる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の人
    工血管。 4 伸張弾性回復率が90%以下となるための伸長
    率が20%以上であるゴム状弾性繊維を用いてなる
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の人
    工血管。
JP58204739A 1983-11-02 1983-11-02 人工血管 Granted JPS6099258A (ja)

Priority Applications (1)

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JP58204739A JPS6099258A (ja) 1983-11-02 1983-11-02 人工血管

Applications Claiming Priority (1)

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JP58204739A JPS6099258A (ja) 1983-11-02 1983-11-02 人工血管

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Publication Number Publication Date
JPS6099258A JPS6099258A (ja) 1985-06-03
JPH0330374B2 true JPH0330374B2 (ja) 1991-04-30

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JP58204739A Granted JPS6099258A (ja) 1983-11-02 1983-11-02 人工血管

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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AU2000233281A1 (en) * 2000-03-24 2001-10-03 Yuichi Mori Artificial hollow organ
JPWO2016190202A1 (ja) * 2015-05-27 2018-03-08 東レ株式会社 筒状織物構造体

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JPS57150954A (en) * 1981-02-13 1982-09-17 Thoratec Lab Corp Artery implant prosthesis
JPS5911864A (ja) * 1982-06-02 1984-01-21 エチコン・インコ−ポレ−テツド 改良された合成血管移植片及びこのような移植片を製造する方法

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