JPH0330192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、たとえばキヤブオーバ型の自動車で
ある車両に係り、特に車室の床面であるキヤブフ
ロアの一部を明るくして乗員の足もとを照明する
照明装置に関する。

〔従来の技術〕

たとえば自動車のごとき車両のうち、特にトラ
ツクなどにおいては、エンジンの上部に車室であ
るキヤビンを載設したいわゆるキヤブオーバ型の
ものが多用される。この種自動車のキヤビンを照
明する装置は従来、ルーフ部に設けられるルーム
ランプのみであり、キヤビン内を全体的に照明し
てなる。しかしながら、走行中の他の自動車の乗
員に対してまぶしさ感を与えないよう、キヤビン
の面積と比較してルームランプの照度は小さいも
のであり、特に乗員の足もとまで明瞭に照明する
には至らない。このため、何か小物を落とした場
合など、捜すのに手間がかかる。あるいは、この
種自動車はその構造上、床面であるキヤブフロア
面の地上高が高いところから、特に夜間に乗員が
載る場合などフロア面が見難く、いわゆる足もと
の危ない乗車になつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

したがつて、夜間に乗員の足もとを照明する装
置があれば非常に都合がよいが、邪魔にならない
位置を選択して新たに照明装置を設けるには、ス
ペースの点から無理があるとともに、コストに悪
影響が生じる。

ところで、車体の前端面に取着されるヘツドラ
ンプ装置は、車体の前端面に設けられる凹部に埋
設され、前方を照射するようになつているが、全
ての光が前方に投光されるのではなく、一部の光
はヘツドランプ装置周囲に漏れるものである。ま
た、上記凹部の上面はキヤブフロア面となるが、
このフロア面には開口部が開口する。そして開口
部に連通しキヤビン内には内外気切替ボツクスが
設けられる。この内外気切替ボツクスは、下面に
上記開口部と連通する導入口、上面にフロントウ
インドガラス内面下端部やインストルメントパネ
ルの送風口などと連通するダクトが接続される接
続口、一側面にキヤビン内の乗員の足もとに対向
する案内用孔を備えるとともに内部にダンパを回
動自在に収容する。上記ダンパの回動操作によ
り、外気をキヤビン内に取入れたり、あるいは遮
断しキヤビン内を循環する。このようにして構成
される内外気切替ボツクスは、乗員の足もとに配
置されているので、これを照明に利用できれば都
合がよい。

本考案は、このような問題点に着目してなされ
たものであり、ヘツドランプ装置からその周囲に
漏れる光と、内外気切替ボツクスおよびダンパと
を利用して乗員の足もとの照明を可能とし、新た
な照明源およびスペースを要することなく照明効
率の向上を図つた車両の足もと照明装置を提供す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち本考案は、車体の前端面に凹部を設
け、この凹部に車体前方を照射するとともにその
周囲に光を漏らすヘツドランプ装置を埋設し、上
記凹部に車室の床面を構成するキヤブフロアを連
設し、このキヤブフロアの一部で、かつ上記ヘツ
ドランプ装置近傍に開口部を開口し、この開口部
に連通する内外気切替ボツクスを車室内に取着
し、この内外気切替ボツクスは内部に収容するダ
ンパの回動にともなつて外部空気を車室に取入れ
もしくは遮断してなり、内外気切替ボツクスおよ
びダンパを透明材もしくは半透明材など光過材料
から構成したことを特徴とする車両の足もと照射
装置である。

〔作用〕

このような装置によれば、上記ヘツドランプ装
置からその周囲に漏れた光は光透過材料から構成
した内外気切替ボツクスおよびダンパを透過して
車室に至り、乗員の足もとを照明することにな
る。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を自動車に適用し、図
面にもとづいて説明する。第１図にいわゆるキヤ
ブオーバ型のトラツクを示す。車体１は、車室で
あるキヤビン２と、このキヤビン２に連結される
荷物台３とからなる。上記車体１の前端面には後
述するヘツドランプ装置４が埋設され、前方を照
射するようになつている。また、キヤビン２の天
井であるルーフ部にはルームランプ５が設けら
れ、キヤビン２内を照明する。ただし、この照度
は比較的弱いものである。キヤビン２の床面であ
るキヤブフロア６は、上記ヘツドランプ装置４が
設けられる部分のみ上方に突出していて、この上
面に内外気切替ボツクス７が載設される。

すなわち第２図および第３図に示すように、上
記車体１の前端面はフロントパネル８が構成し、
このフロントパネル８の下端一部には凹部９が設
けられる。凹部９の下部は同図では図示しないバ
ンパとなつているとともに、この上面に上記キヤ
ブフロア６一部が設けられる。また、凹部６の前
面はヘツドランプベゼル１０で覆われ、内部に支
持パネル１１に支持されるヘツドランプ１２が収
容され、これらで上記ヘツドランプ装置４を構成
する。なお、上記ヘツドランプ１２は、ランプ１
３を収容するヘツドランプ本体１４と、ヘツドラ
ンプ本体１４前面の開口部を覆うヘツドランプレ
ンズ１５とからなる。そして、ランプ１３の点灯
によりヘツドランプレンズ１５を介して光が車体
１の前方に投光されるとともに、一部の光はその
周囲に漏れてヘツドランプ装置４内を照明するよ
うになつている。

一方、凹部９の上面のキヤブフロア６部位に
は、開口部１６が開口する。なお説明すれば、こ
の開口部１６の位置は上記ヘツドランプ装置４の
直上方部位に対向する。キヤブフロア６上には、
上記開口部１６に連通する上記内外気切替ボツク
ス７が立設される。内外気切替ボツクス７は、そ
の下面に上記開口部１６と連通する導入口１７が
開口するとともに、上面にフロントウインドガラ
ス内面下端部やインストルメントパネルに設けら
れる送風口などと連通するダクト（いずれも図示
しない）が接続される接続口１８が開口する。さ
らにその一側面には案内用孔１９が設けられてい
て、これはキヤビン２内の乗員の足もとに対向す
る。内外気切替ボツクス７の内部には、ダンパ２
０が回動自在に収容される。すなわち、ダンパ２
０はその下端部がピン２１を介してボツクス７に
枢着され、自由端である上端部にはたとえば図示
しないワイヤが張設される。このワイヤは上記イ
ンストルメントパネルの切替操作レバーに連結さ
れる。そして、切替操作レバーを操作することに
より、上記ダンパ２０が回動して上記開口部１６
および導入口１７と、上記案内用孔１９の開閉切
替をなす。このことにより、外気をキヤビン２内
に取入れたり、あるいは外気を遮断してキヤビン
２内に内気を循環できるようになつている。

このようにして構成される内外気切替ボツクス
７およびダンパ２０は透明材、半透明材もしくは
乳白色の合成樹脂材料からなり、光を透過するこ
とができる。

しかして、夜間等ヘツドランプ装置４のスイツ
チをオンして車体１の前方を照射すると、一部の
光はヘツドランプレンズ１５からその周囲に漏れ
て照射する。漏れた光の一部は開口部１６を介し
て内外気切替ボツクス７およびダンパ２０に到達
する。これらは光を透過する材料で構成されてい
るところから、光はキヤビン２内に到達する。し
たがつて、内外気の切替に拘りなくキヤブフロア
６およびキヤビン２内にいる乗員の足もとを照明
する。この光量は比較的少ないところから、いわ
ゆる柔かい照明となつて乗員にまぶしさを与えず
にすむ。同様に、走行中の他の自動車の乗員から
はこの足もと照明が全く見えないので、問題はな
い。また、乗員がキヤビン２内に乗車する場合な
ど、キヤブフロア６面を容易に確認できるので、
乗車し易いことは言う迄もない。

なお上記実施例においては、車両としてキヤブ
オーバ型のトラツクについて説明したが、これに
限定されるものではなく、たとえばバス、特殊車
両およびその他の車両にも適用可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、新たな照
明源およびスペースを要することなく、キヤビン
内の特に床面であるキヤブフロアを明るくして乗
員の足もとの照明を確保でき、照明効率の向上を
図れるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は車両
であるキヤブオーバ型トラツクの側面図、第２図
はその要部の縦断面図、第３図はその一部切欠し
た斜視図である。 １…車体、９…凹部、４…ヘツドランプ装置、
２…車室（キヤビン）、６…キヤブフロア、１６
…開口部、２０…ダンパ、７…内外気切替ボツク
ス。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体の前端面に設けられる凹部と、この凹部に
   埋設され車体前方を照射するとともにその周囲に
   光を漏らすヘツドランプ装置と、上記凹部に連設
   され車室の床面を構成するキヤブフロアと、この
   キヤブフロアの一部で、かつ上記ヘツドランプ装
   置近傍に開口する開口部と、この開口部に連通
   し、かつ車室内に取着され内部に収容するダンパ
   の回動にともなつて外部空気を車室に取入れもし
   くは遮断する内外気切替ボツクスとからなり、上
   記内外気切替ボツクスおよびダンパは透明材もし
   くは半透明材など光透過材料から構成し上記ヘツ
   ドランプ装置から漏れた光を開口部を介して車室
   内に透過案内することを特徴とする車両の足もと
   照明装置。