JPH0330144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動麻雀卓の牌整列装置において、
それの洗牌ホツパーの底部に軸支される回転テー
ブルの上面中央部位付近に残り勝となる牌を、回
転テーブルの外周に向けて送り出すための牌残り
防止装置についての改良に関する。

自動麻雀卓は、二組の麻雀牌を使用し、一組の
麻雀牌でゲームを行なつている間に、他の一組の
麻雀牌を麻雀卓の下方に設けてある牌整列装置で
築牌状態に整列させて待機させておき、一局のゲ
ームを終えたときに、その麻雀牌を麻雀卓の中央
部位に設けてある落し口を開いて、麻雀卓下方の
前記牌整列装置の洗牌ホツパー内に落し、リフト
により麻雀卓の上面にせり上げられてくる前記築
牌状態に整列して待機してあるもう一組の麻雀牌
で、ゲームを行なうようにしてある。そして、麻
雀卓の中央部位に設けられる落し口は、二組の麻
雀牌が混ざるのを避けるため、牌整列装置による
牌の整列が完了していないときには開放しないよ
うにしてある。

このため、一局のゲームを終えたとき、牌整列
装置による牌の整列が完了していない場合、それ
の完了を待たなければならないことになので、牌
整列装置にはそれの整列完了までに要する時間が
短いことが要求される。

ところで、牌整列装置が牌を整列させるために
要する時間を短くする上における大きなネツク
は、落し口から、該牌整列装置の洗牌ホツパー内
に落された麻雀牌が、その洗牌ホツパーの底部に
軸支してある回転テーブルの上面に支承されて、
その回転テーブルの回転により周縁側に送り出さ
れ、整列部に供給されていくときに、該回転テー
ブルの中央部位付近にある麻雀牌の動きが悪く、
この麻雀牌の幾つかが、いつまでも該回転テーブ
ルの上面に残るようになることである。

この残留牌を回転テーブルの外周側に送り出し
て、残り牌を解消せしめるための手段としては、
実開昭58−54892号公報にあるように、回転テー
ブルの上面に、その回転テーブルの中心付近に一
端が固着されて他端が自由端となつて回転テーブ
ルの周縁部に臨む棒状弾性体を配設する手段があ
るが、棒状弾性体の弾性のヘタリにより牌の供給
能力が安定せず、特に、牌を一定の姿勢に揃えて
整列部に送り出すのに磁力を利用するための牌の
内部に埋設した磁性体に作用する磁石を回転テー
ブルの下面側に装設する場合には、牌の回転テー
ブル上面に対する付着が強くなることで、弾性の
ヘタリが早く、短時間で機能しない状態となる問
題がある。

また、もう一つの手段として、実開昭58−
54891号公報にあるように、回転テーブルの上面
の中央部位に中空リングを装着しその中空リング
の外周に突起を設ける手段があるが、洗牌ホツパ
ーの周壁内面とセンターリングとの間に麻雀牌が
ブリツジ状に詰る現象に対しては効果があるが、
回転テーブルの中央部位に残り勝ちとなる牌を回
転テーブルの外周縁に向けて送り出す効果を奏し
えない問題がある。

本考案は、これらの問題を解消せしめるために
なされたものであつて、その目的とするところ
は、上述した回転テーブルの上面の中央部位に残
り勝ちになる牌を外周縁に向け確実・迅速に送り
出して残り牌が生ずるのを防止することと、セン
ターリングと洗牌ホツパーの周壁内部との間に牌
がブリツジ状に詰るようになるのを防止すること
の両方の機能を奏する牌残り防止装置を提起する
ことにある。

そして、このために本考案においては、麻雀卓
の下方に設ける牌整列装置の洗牌ホツパーの底部
に斜めの回転軸線をもつて回転するよう軸支され
る回転テーブルの軸心部位に、機枠に固定したセ
ンターリングを配設し、回転テーブルの上面側に
は、平面視において前記センターリングから該回
転テーブルの半径の略半分の長さで該回転テーブ
ルの外周縁に向けて放射方向に突出する鋼体の棒
状固形体を、該回転テーブルの最も下降傾斜した
点を通る中心線よりも該回転テーブルの回転方向
の少し手前に位置するよう配位して、その棒状固
形体の基端側を前記センターリングに固着し、そ
の棒状固形体の自由端となる先端部を、前記回転
テーブルの上面で該回転テーブルの半径方向にお
ける略中間位置に臨ませる手段を提起するもので
ある。

次に実施例を図面に従い詳述する。

第１図は本考案を実施せる自動麻雀卓Ａを上面
から見た図で、同図において１は四角な板状に形
成した麻雀卓を示す。該麻雀卓１は、四角な箱状
に形成された機枠２（第２図）上面に、その機枠
２の上面側の開放口を閉鎖する蓋板状に支架せし
めてあり、四周の各辺縁から幾分中央部位に寄せ
た位置に、前記機枠２内に装設せる牌整列装置Ｂ
で築牌状態に整列せしめた麻雀牌を該麻雀卓１の
上面にせり上げるリフト１０を出没さす窓孔１１
……が設けられ、また、中央部位には、一局のゲ
ームを終えた麻雀牌を該麻雀卓１の下方の前記牌
整列装置Ｂの洗牌ホツパー３０に向けて落下さす
ための落し口１２が設けられ、その落し口１２は
開閉自在の蓋板１３で閉塞してある。

前記牌整列装置Ｂは、第２図にて概要をに示し
ている如く、前述の落し口１２から落されてくる
麻雀牌を洗牌ホツパー３０内に受け入れて、洗牌
しながら姿勢を一定に整えて整列部ｂに向けて供
給していく牌供給装置ａと、その牌供給装置ａか
ら送出される麻雀牌を二段重ねに積み重ねて整列
部ｂに順次押出す二段整送装置ｃと、整列部ｂに
築牌状態に整列せしめた麻雀牌を下降位置にある
前記リフト１０の上面に移し換えるよう押出す押
出装置ｄとからなる。

前記牌供給装置ａは、円筒状に形成して機枠２
に固定支架した前記洗牌ホツパー３０の底部に、
傾斜した支軸２０により傾斜した回転軸線Ｚをも
つて回転する回転テーブル３１を配設し（第３
図）、洗牌ホツパー３０の上部の開口には、平面
視において前記回転テーブル３１の周縁の搬送部
３１ａの上面に重合する環状に形成した吸着リン
グ３２を水平な状態に配設して、その吸着リング
３２の下面側に磁石Ｋを環状に配列して取付けて
おき、また、麻雀牌Ｐには、それの内部の上面側
に寄せた部位に鉄片または磁石またはそれらを組
合せた吸着片を埋設しておいて、この麻雀牌Ｐの
内部の吸着片が吸着リング３２に吸引されること
で、裏面側が上になる一定の姿勢となつて、その
吸着リング３２に吸着され、その吸着リング３２
の回転により運び出されてコンベア３３の始端部
３３ａに移され、そのコンベア３３の終端部３３
ｂから整列部ｂに供給される形態に構成してあ
る。

次に第３図及び第４図において、４は前記回転
テーブルの軸心位置に配設したセンターリング
で、機枠２の底板に固定して設けられる前述の支
軸２０の上面に止着することで機枠２に固定して
設けてあり、前記回転テーブル３１に対しては、
それの軸心部位にあけられた透孔３１ｂに嵌合し
ていて、回転テーブル３１が該センターリング４
の回りを回転するようにしてある。

５は前記回転テーブル３１の上面側にそれの中
央部位から該回転テーブル３１の周縁に向けて突
出するように設けた鋼体の棒状固形体で、図示す
る例においては、合成樹脂材よりなる板部材を、
第４図にあるように先端側に向い次第に細い巾と
なる角片状に形成してあり、それの基端部５０を
前記センターリング４の上面に当接して止着ネジ
５１により止着することで、第３図にあるよう回
転テーブル３１の上面に沿う姿勢で、第４図にあ
るよう前記センターリング４から放射方向に沿
い、回転テーブル３１の傾斜下降側の周縁に向け
長く突出するように配設してある。そして、該鋼
体の棒状固形体５は、それの前記放射方向におけ
る突出長さｌが、前述した如く基端部５０をセン
ターリング４に止着した状態において、先端側部
５２が回転テーブル３１の回転半径ｒの２分の１
の位置より幾分中心側に寄る位置を占める状態と
なる長さに設定してある。該鋼体よりなる棒状固
形体５は、それを形成する素材及び形状は任意で
あるが、麻雀牌Ｐに当つたときに、麻雀牌Ｐに損
傷を与えないように麻雀牌Ｐと同等もしくはそれ
より軟らかい素材で成形することが望ましい。

また、第３図及び第４図において、６は、前述
の棒状固形体５により回転テーブル３１の周辺部
に送り出された麻雀牌Ｐ……を、該回転テーブル
３１の周縁の搬送部３１ａに向け誘導する誘導体
で、回転テーブル３１の傾斜下降側の上面上方に
おける回転テーブル３１の半径方向における略中
間位置に、棒状の弾性体６０をそれの長手方向が
上下方向となる竪の姿勢として配位し、その棒状
の弾性体６０の上端側を洗牌ホツパー３０の周壁
内面に基端側を止着したブラケツト６１の先端部
に支持せしめて、その棒状の弾性体６０の下端側
を自由端として回転テーブル３１の上面近くに臨
ませ、その棒状の弾性体６０の下端部に、該誘導
体６の基端６ａを取付け支持せしめ、これによ
り、前記棒状の弾性体６０の下端部から、回転テ
ーブル３１の上面に沿い、かつ、回転テーブル３
１の回転方向（第４図で矢印ｗ方向）に対し前傾
した姿勢で該回転テーブル３１の周縁の搬送部３
１ａの上面に向けて延出する状態に装設してあ
る。

前記棒状の弾性体６０は、コイルスプリング、
ゴムまたはプラスチツク製の弾性体が使用され
る。また、前記ブラケツト６１は、洗牌ホツパー
３０の周壁に限らず機枠２の適宜部位に固定する
ことが出来る。

第３図において２ａは機枠２の床板、７０は吸
着リング３２を回転させる伝導輪、７１はその伝
導輪７０を回転させるモーター、７２は蓋板１３
を昇降させる支軸を示す。また、第４図において
Ｍは回転テーブル３１を回転さすモーターを示
す。

上述の如く構成してある本考案による自動麻雀
卓の牌整列装置における牌残り防止装置は、次の
ように作用する。

麻雀卓１の落し口１２から落された麻雀牌が、
洗牌ホツパー３０の底部に位置する回転テーブル
３１の上面に集積し、その回転テーブル３１の回
転により周縁の搬送部３１ａに向け振り出されて
いくとき、回転テーブル３１の中央部位付近にあ
つて該回転テーブル３１と一緒に回動するように
なつて残り勝ちになる麻雀牌が、機枠２に対し固
定して設けられる鋼体の棒状固形体５に当ること
で、遠心力により周縁に移動していくようになる
回転テーブル３１の周辺部に向け確実に送り出さ
れ、牌残りを効果的に解消する。そして、この送
り出し作用は、棒状固形体５が鋼体であることか
ら、ヘタリがなく長く安定して作用する。

また、該棒状固形体５が、第４図にあるよう
に、回転テーブル３１の最も傾斜下降した点Ｑを
通る中心線ｙよりも、該回転テーブル３１の回転
方向における後方（手前側）に位置せしめてある
ことから、センターリング４の周縁と洗牌ホツパ
ー３０の周壁との間に、整列状態に並んでブリツ
ジ状に詰るようになる麻雀牌に対し、その整列状
態を崩していくようになるので、このブリツジ現
象を防止するようになる。

また、該棒状固形体５に当つて第４図において
鎖線の矢印の如く流れる麻雀牌が、誘導体６の前
面に入り、その誘導体６で回転テーブル３１の外
周に向け浚いされるようになるので麻雀牌を周縁
の搬送部３１ａに向けて送り出す作用が著しく効
率的になる。

以上説明したように本考案による自動麻雀卓の
牌整列装置における牌残り防止装置は、回転テー
ブルの上面の中心部位に残り勝ちになる牌を周縁
に向け送り出すのに、機枠２に固定したセンター
リング４に基端を固着して先端側が回転テーブル
３１の周縁に向う回転テーブル３１の半径の略半
分の長さに形成した鋼体の棒状固形体５により、
麻雀牌を、大きな遠心力が与えられる回転テーブ
ル３１の周辺部に向け送り出すことで行なうので
あるから、長く安定して作用し、また、その棒状
固形体５が、回転テーブル３１の最も傾斜下降し
た点を通る中心線に沿う位置に流れて、その位置
において前記中心線に沿い整列するようになる麻
雀牌に対し、棒状固形体５の長さに対応する範囲
だけ流れ込む麻雀牌を排除するようになるので、
センターリング４と洗牌ホツパー３０の周壁との
間に麻雀牌が整列して詰るブリツジ現象を効果的
に防止するようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施せる自動麻雀卓の平面
図、第２図は同上の牌整列装置の概要平面図、第
３図は同上装置の要部の縦断正面図、第４図は同
上要部の平面図である。 図面符号の説明、Ａ……自動麻雀卓、Ｂ……牌
整列装置、ａ……牌供給装置、ｂ……整列部、ｃ
……二段整送装置、ｄ……押出装置、１……麻雀
卓、１０……リフト、１１……窓孔、１２……落
し口、１３……蓋板、２……機枠、２ａ……床
板、２０……支軸、３０……洗牌ホツパー、３１
……回転テーブル、３１ａ……搬送部、３１ｂ…
…透孔、３２……吸着リング、４……センターリ
ング、５……鋼体の棒状固形体、５０……基端
部、５１……止着ネジ、５２……先端部、６……
誘導体、６ａ……基端、６０……棒状の弾性体、
６１……ブラケツト、７０……伝導輪、７１，Ｍ
……モーター、Ｚ……回転軸線、Ｐ……麻雀牌、
Ｋ……滋石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 麻雀卓の下方に設ける牌整列装置の洗牌ホツパ
   ーの底部に斜めの回転軸線をもつて回転するよう
   軸支される回転テーブルの軸心部位に、機枠に固
   定したセンターリングを配設し、回転テーブルの
   上面側には、平面視において前記センターリング
   から該回転テーブルの半径の略半分の長さで該回
   転テーブルの外周縁に向けて放射方向に突出する
   鋼体の棒状固形体を、該回転テーブルの最も下降
   傾斜した点を通る中心線よりも該回転テーブルの
   回転方向の少し手前に位置するよう配位して、そ
   の棒状固形体の基端側を前記センターリングに固
   着し、その棒状固形体の自由端となる先端部を、
   前記回転テーブルの上面で該回転テーブルの半径
   方向における略中間位置に臨ませたことえを特徴
   とする自動麻雀卓の牌整列装置における牌残り防
   止装置。