JPH0330116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は注射器の注射針を自動的に抜取る自動
注射針抜取機構に関する。

〔従来の技術〕

従来、注射器から注射針を取外す作業は、手操
作によつて行なわれていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

注射針の取外し作業を手操作によつて行なうに
は、かなりの力を必要とし、能率よく取外し作業
を行なうことが困難である。また作業者が血液に
触れて病気に感染してしまつたり、針先が手に刺
さつてしまい、傷害を蒙るといつた問題があつ
た。

そこで本考案は、注射器から注射針を能率よく
適確に抜取ることができ、しかも作業者に傷害を
与えることのない安全性の高い自動注射針抜取機
構を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記問題点を解決し目的を達成するた
めに、次のような手段を講じた。すなわち、先端
にいくに従つて厚みが薄くなるように形成した一
対のテーパ爪を、注射器の注射針装着部に嵌合可
能な隙間をはさんで並設してなる治具を、駆動機
構により進退動作させるようにした。

〔作用〕

このような手段を講じたことにより、治具のテ
ーパ爪のベクトル分力の作用によつて注射針が離
脱するので、治具の進退動作が行なわれるだけで
注射針を自動的に抜取ることが可能となる。ま
た、人間の手が注射針に触れることがないので、
血液に触れることによる病気感染や注射針が手指
等に突刺さるといつた傷害は起きない。

〔実施例〕

第１図は本考案の基本的構成を示す斜視図であ
る。図中１は治具であり、その先端部には先端に
いくに従つて厚みが薄くなるように形成した一対
のテーパ爪１ａ，１ｂが設けてある。上記一対の
テーパ爪１ａ，１ｂの間には、隙間１ｃが有る。
この隙間１ｃの幅は注射器２の注射針３を装着す
るための装着部４に対して無理なく嵌合し得る大
きさに設定されている。なお治具１は図示しない
駆動機構によつて図中矢印Ａ，Ｂの方向に進退動
作可能となつている。したがつて注射器２を固定
した状態で治具１を矢印Ａの方向に移動させる
と、注射針３は治具１のテーパ爪１ａ，１ｂによ
るベクトル分力の作用によつて注射器２から簡単
に外れる。

第２図は本考案の一実施例を示す図である。な
お、第１図と同一部分には同一符号を付してあ
る。図示の如く注射器２を固定具５にセツトし、
固定化する。この状態で例えばモータやソレノイ
ド等からなる駆動源６をONさせて駆動機構７を
作動させると、治具１は矢印Ａの方向に移動す
る。そしてこの治具１が固定具５と注射針ジヨイ
ント部３ａとの隙間に差込まれていくと、治具１
のテーパ爪１ａ，１ｂのテーパ面が注射針ジヨイ
ント部３ａに接触する。さらに治具１が進むと注
射針ジヨイント部３ａには治具１のテーパ面によ
るベクトル分力の作用によつて図中下方への力が
加わる。そして治具１が一点鎖線で示す位置程度
まで進むと、注射針ジヨイント部３ａは注射器２
との保持力を失い、下方に落下する。

このように本実施例によれば、治具１のテーパ
爪１ａ，１ｂのベクトル分力の作用によつて注射
針３が装着部４から離脱するので、注射針３を簡
単に抜取ることが可能となる。また、人間の手が
注射針３に触れることがないので、血液に触れる
ことによる病気感染や注射針３が操作者の手指等
に突刺さるといつた傷害は起きない。

なお、本考案は前記実施例に限定されるもので
はない。たとえば実施例では注射器２を固定具５
によつて固定する例を示したが、例えば注射器２
の管部を人間が手で保持することにより、第２図
示の状態を保つようにしてもよい。このほか本考
案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能で
あるのは勿論である。

〔考案の効果〕

本考案は、先端にいくに従つて厚みが薄くなる
ように形成した一対のテーパ爪が、注射器の注射
針装着部に嵌合可能な隙間を挟んで並設された治
具と、この治具を、予め固定化された注射器の注
射針装着部に嵌合させた状態で進退動作させる駆
動機構と、を具備したことを特徴とする自動注射
針抜取機構である。

したがつて本考案によれば、注射器から注射針
を能率よく適確に抜取ることができ、しかも作業
者に傷害を与えることのない自動注射針抜取機構
を提供できる。また本考案は注射器側を固定し、
テーパ爪を有する治具側を進退動作させて注射針
を抜取る構成であるので、注射針抜取り操作時に
注射器に対して無理な外力が加わるのを極力回避
することができる。その結果、注射針抜取り時点
において注射器が損壊するのを防止できる。した
がつて安全性が高い。また抜取られた注射針の落
下位置は常に１個所に特定されるので、取り外さ
れた注射針の集中廃棄処分作業が容易化する利点
がある。この様に本考案によれば従来にない格別
の効果を奏する自動注射針抜取機構を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の基本的構成を示す
斜視図、第２図は同実施例の具体的構成を示す図
である。 １…治具、１ａ，１ｂ…テーパ爪、１ｃ…隙
間、２注射器、３…注射針、３ａ…注射針ジヨイ
ント部、４…装着部、５…固定具、６…駆動源、
７…駆動機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 先端にいくに従つて厚みが薄くなるように形成
   した一対のテーパ爪が、注射器の注射針装着部に
   嵌合可能な隙間を挟んで並設された治具と、 この治具を、予め固定化された注射器の注射針
   装着部に嵌合させた状態で進退動作させる駆動機
   構と、 を具備したことを特徴とする自動注射針抜取機
   構。