JPH03297030A

JPH03297030A - 含浸型陰極構体

Info

Publication number: JPH03297030A
Application number: JP2097504A
Authority: JP
Inventors: Daisuke Miyazaki; 大輔宮崎
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1990-04-16
Filing date: 1990-04-16
Publication date: 1991-12-27

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［発明の目的］（産業上の利用分野）この発明はカラー受像管等に使用される高性能の含浸型
陰極構体に係り、特にその陰極スリーブの改良に関する
。

（従来の技術）近年、走査線を増加させ、解像度を改善したカラー受像
管や超高周波対応受像管等の開発が要請されている。又
、投写管等においても、輝度の向上が望まれている。こ
れらの要請に応えるには、陰極からの放出電子密度を大
幅に増大させる必要がある。

ところが、含浸型陰極は酸化物陰極に比べ大きな電流密
度が得られ、これまで撮像管、進行波管、クライストロ
ン等の電子管に用いられてきたが、カラー受像管の分野
では特殊用途のみ限られていた。

このような含浸型陰極構体は、従来、次のように構成さ
れている。

即ち、ヒータがタンタル製陰極スリーブの内側に配設さ
れ、この陰極スリーブの一端には、エミッタが含浸され
た陰極円板を有するカップが嵌着されている。この陰極
スリーブの内表面は、ヒ−夕の熱効率向上のために黒化
層がタングステンとアルミナ等により形成されている。

更に、陰極スリーブは、その外側に同軸的に配設された
ホルダに、３本のストラップにより固定されている。

しかし、陰極スリーブ内表面に黒化層を形成した含浸型
陰極構体の欠点として、スリーブ開口端付近の内表面か
らの熱放射損失が大きくなり、スリーブ内表面の黒化層
によりヒータ電力が多く必要となっていることが挙げら
れる。さらに、ヒタ温度が酸化物陰極に比べて高いため
、ヒータ・カソード間の耐圧特性の信頼性を低下させて
いた。

（発明が解決しようとする課題）従来例では、陰極スリーブ開口端付近の内表面からの熱
放射損失が大きいため、陰極スリーブ内表面の黒化層を
設けないものよりもヒータ電力が多くなるという問題が
生じていた。

さらに、従来例で用いらている内表面黒化スリーブを用
いてもヒータ温度は酸化物陰極に比べ、まだ、１２０℃
も高くヒータとカソード間の耐圧特性にも信頼性を低下
させるという問題点が生じていた。

本発明は、スリーブ開口端付近の内面からの熱放射損失
を低減させ、低電力かつヒータ温度を低下させることに
より、ヒータ・カソード間の耐圧特性に信頼性を有する
含浸型陰極構体を提供することを目的とする。

［発明の構成］（課題を解決するための手段）本発明は、ヒータレグを有するコイリングヒータが内蔵
され一端にエミッタ含浸型の陰極円板が固着され、内表
面が少なくも高融点金属とアルミナにより黒化された黒
化層を有する陰極スリーブと、この陰極スリーブの下端
部に一端が取付けられた複数のストラップと、この各ス
トラップの他端が上端部取付けられ上記スリーブの外側
に所定間隔をおいて同軸的に配設された筒状ホルダーと
を具備する含浸型陰極において、上記陰極スリーブ内に
隠れた上記ヒータレグ周辺の上記陰極スリーブ内表面に
は黒化層が形成されていないことを特徴とする含浸型陰
極構体である。

（作　用）陰極スリーブの内表面のうち、スリーブ開口端部付近、
即ちヒータレグ周辺以外に黒化層を形成することにより
、スリーブ開口端部付近の内表面の熱放射率が小さくな
り、その結果としてその部分からの熱放射損失が小さく
なり、低電力の含浸型陰極構体を実現することができる
。さらに、ヒータの熱効率が向上するため、ヒータ温度
を低下できる。従ってヒータ・カソード間の耐圧特性の
向上を図ることができる。

（実施例）以下、本発明の含浸型陰極構体の一実施例を詳細に説明
する。

まず、陰極スリーブの黒化方法について述べる。

外径が１６−１肉厚が２５μｍ１長さ１ｍのタンタル製
の陰極スリーブ（５）を用意し、この陰極スリーブ内径
にタングステン粒子（平均粒径０．５μｍ）とアルミナ
粒子（平均粒径［５〜１，０μｍ）を重量比で７：３に
混合し、さらに酢酸ブチルとニトロセルロースを混合さ
せたスラリーを肉厚２〜４μｍで塗布し乾燥する。この
様に形成した内表面黒化陰極スリーブをレーザにより長
さ４．５■に切断した後、陰極スリーブの陰極円板が装
着される開口端から０．５ｍｍ、もう一方の開口端から
１゜２ｒｍｎの部分の陰極スリーブの内表面の黒化層を
陰極スリーブを回転させ切削バイトの形状を有するプラ
スチック製の棒を押し当てることにより除去し、真空雰
囲気で１５００〜１７００℃、１０分間の熱処理をして
、黒化層を陰極スリーブに焼き付けた。なお、スリーブ
がモリブデン製の場合は、水素雰囲気で熱処理してもよ
い。

この内表面黒化スリーブを用いた含浸型陰極構体の一実
施例を第１図を参照しながら説明する。

即ち、粒径が３〜１０μ田のタングステン粉末を焼結し
て得られた多孔質タングステンにＢａｄ。

Ｃａｂ、Ａｌ　２０３から成る電子放射物質を含浸した
陰極円板（１）をタンタル製カップ（２）にＲｕ−Ｍｏ
等のろう材（３）を介して溶接した後、黒化層（４）を
有するタンタル製スリーブ（５）の頂部に挿入後、溶接
点（６）により溶接固定されている。

この時、スリーブ内表面の黒化層除去部分の短かい０．
５ｍｍの方に挿入し、溶接を行う。

この陰極スリーブ（５）の底部外周には溶接点（７）に
より溶接された３本の肉厚０．０５ｍｍ、幅０．７肛の
タンタル製リボンからなるストラップ（８）が設けられ
ており、このストラップ（８）の他端部は、肉厚０．１
２５ｍｍのＦｅ−Ｎｉ−Ｃｏ合金板をプレス成形して製
作された筒状ホルダー（９）の肩部に溶接点（ｌＯ）に
より溶接されている。また、タンタル製スリーブの内側
にはヒータレグ（１２）を有するコイリングヒータ（１
１）が内蔵されている。この時の陰極スリーブ（５）内
の黒化層（４）とコイリングヒータ（目）の位置の関係
は陰極スリーブ〔５）にコイリングヒータ（１１）を挿
入した時第１図に示す様にスリーブ開口端から黒化層（
４）が見えない様になっている。即ち、ヒータレグ（１
２）の周辺における陰極スリーブ（５）の内表面には黒
化層（４）は形成されていない。

本発明による含浸型陰極構体と従来例の含浸型陰極構体
のヒータ電力と陰極温度との関係を第２図に示す。同図
から明らかなように、本発明によれば、同一の陰極温度
（動作温度）でのヒータ電力は０．３Ｗ低減されること
がわかった。従って、低電力動作の可能な含浸型陰極構
体を実現することが可能となった。

さらに、本発明による含浸型陰極構体と従来例のヒータ
温度と陰極温度との関係を第３図に示す。

即ち、本発明によれば、同一の陰極温度でのヒータ温度
は４０℃程度低減することが明らかである。

さらに、陰極温度を強制した（定格９６０℃ｂに対し、
１０６０°Ｃｂ）寿命試験でのヒータ・スリーブ間の耐
圧不良の発生件数は、第４図に示す様に従来例において
寿命１０００時間で５件である（ｎ＝各６０ｐ）。これ
に対し、本発明において不良の発生は認められなかった
。このように本発明の含浸型陰極構体は、ヒータ温度を
約４０℃低減でき、その結果ヒータ・カソード間の耐圧
不良、ヒータの熱変形不良の発生を防止することが可能
となった。

尚、黒化層を形成する材質は、粒径０．５μｍのモリブ
デン粒子と粒径０．５〜１．０μｍのアルミナ粒子の混
合物でも同様の効果が得られる。

［発明の効果コ本発明によれば、ヒータ温度を低下させることができ、
ヒータの耐圧特性の信頼性放射が向上する。また、不要
な熱放射損失を減少させることで、低電力の含浸型陰極
構体を実現することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の含浸型陰極構体の一実施例を示す斜
視図、第２図は陰極温度とヒータ電力の関係を示す特性
図、第３図は陰極温度とヒータ温度の関係を示す特性図
、第４図は寿命試験中の不良発生件数を示す特性図であ
る。１・・・陰極円板４・・・黒化層５・・・陰極スリーブ１１・・・コイリングヒータ１２・・・ヒータレグ１陰待鳩第１図

Claims

【特許請求の範囲】

ヒータレグを有するコイリングヒータが内蔵され一端に
エミッタ含浸型の陰極円板が固着され、内表面が少なく
も高融点金属とアルミナにより黒化された黒化層を有す
る陰極スリーブと、この陰極スリーブの下端部に一端が
取付けられた複数のストラップと、この各ストラップの
他端が上端部取付けられ上記スリーブの外側に所定間隔
をおいて同軸的に配設された筒状ホルダーとを具備する
含浸型陰極において、上記陰極スリーブ内に隠れた上記
ヒータレグ周辺の上記陰極スリーブ内表面には黒化層が
形成されていないことを特徴とする含浸型陰極構体。