JPH07114103B2 - 含浸型陰極構体 - Google Patents

含浸型陰極構体

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JPH07114103B2
JPH07114103B2 JP22173189A JP22173189A JPH07114103B2 JP H07114103 B2 JPH07114103 B2 JP H07114103B2 JP 22173189 A JP22173189 A JP 22173189A JP 22173189 A JP22173189 A JP 22173189A JP H07114103 B2 JPH07114103 B2 JP H07114103B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明はカラー受像管等に使用される高性能の含浸型
陰極構体に係り、特にそのストラップの材質の改良に関
する。
(従来の技術) 近年、走査線を増加させ、解像度を改善したカラー受像
管や超高周波対応受像管等の開発が要請されている。
又、投写管等においても、輝度の向上が望まれている。
これらの要請に応えるには、陰極からの放出電子密度を
大幅に増大させる必要がある。
ところで、含浸型陰極は酸化物陰極に比べ大きな電流密
度が得られ、これまで撮像管、進行波管、クライストロ
ン等の電子管に用いられてきたが、カラー受像管の分野
では特殊用途にのみ限られていた。
このような含浸型陰極構体は、従来、次のように構成さ
れている。
即ち、ヒータが陰極スリーブの内側に配設され、この陰
極スリーブの一端には、エミッタが含浸された陰極円板
を有するカップが嵌着されている。更に、陰極スリーブ
は、その外側に同軸的に配設されたホルダーに、3本の
ストラップにより固定支持されている。尚、このストラ
ップの材質として、従来はTaまたはNbが用いられてい
る。
(発明が解決しようとする課題) 上記のような従来の含浸型陰極構体では、酸化物陰極に
比べ動作温度が200℃程度高く、それだけ多くのヒータ
電力を要し、実用上の障害となっている。そして、含浸
型陰極構体の省電力化を考えた場合、陰極構体の小形化
を図る必要がある。この小形化のうち、ストラップの断
面積を小形化し、熱伝導損失を低減化して省電力化を図
ることは有効な手段である。
しかしながら、ストラップは陰極を支持するためのもの
であるため、余りにも小形化すると、陰極動作時にスト
ラップ材が熱疲労で変形して、受像管の特性、例えば輝
度劣化不良或いは色ずれ不良を起こすことがある。
この発明は、ストラップの材質を改善することにより、
高性能な含浸型陰極構体を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は、含浸型陰極のストラップの材質が、Ta−W
系合金、Ta−W−Hf系合金、Nb−W系合金およびNb−W
−Hf系合金のいずれか一つからなることを特徴とするも
のである。
(作用) この発明によれば、機械的強度および耐熱性を改善した
ストラップ材を使用しているため、受像管の輝度劣化不
良及び色ずれ不良等を著しく改善することが出来ると共
に小形化が可能となり、省電力化に寄与する。
(実施例) 以下、図面を参照して、この発明の実施例を詳細に説明
する。
この発明による含浸型陰極構体を使用した電子銃構体
は、第1図に示すように構成され、第1図中の符号2は
タンタル製の陰極スリーブであり、この陰極スリーブ2
にはヒータ7が内蔵されている。このヒータ7はコイル
ドコイル型で、図中のA部分の1次コイルは、それ以外
の部分より密ピッチで巻かれており、この実施例ではA
部分のピッチは他の部分の約1/3で巻かれている。
そして、陰極スリーブ2の上端部にはカップ4が固着さ
れ、このカップ4内にはエミッタ含浸型の陰極円板3が
設けられている。この陰極円板3は空孔率が約20%の多
孔質タングステン基体にエミッタ(電子放射物質)が含
浸されたもので、その表面にはイリジウム膜が形成され
ている。尚、カップ4はタンタル製にして、陰極円板3
からのエミッタ材(例えばBa)の蒸発物がヒータ7の方
へ飛散することにより起こるヒータ7の絶縁劣化を防止
するために、取付けられている。
このような陰極スリーブ2の外側には、所定間隔をおい
て同軸的に筒状ホルダー6が配設され、陰極スリーブ2
は複数例えば3個の短冊状ストラップ8を介してこのホ
ルダー6に支持されている。この場合、ストラップ8の
一端が陰極スリーブ2の下端部に取付けられ、他端がホ
ルダー6の上端部に取付けられている。
そして、このストラップ8は、その材質が機械的強度お
よび耐熱性が良く且つ低熱伝導材料、例えばTa−10W合
金、Ta−3W合金、Ta−8W−2Hf合金またはTa−10W−2.5H
f合金からなっている。
その他の実験結果を下記第1表に示す。
この第1表の結果から、Ta中のWの量は2.5〜12.5重量
%、又、Ta中のHfの量は2〜5重量%の範囲の組成が好
ましい。
また、Ta中にCを例えば0.01重量%含有した合金であっ
てもかまわない。
同様に、Nb合金については、例えばNb−10W−10Hf,Nb−
10W、またはNb−15W合金からなっている。
その他の実験結果を下記第2表に示す。
この第2表の結果より、Nb中のWの量は2.5〜17.5重量
%、又、Nb中のHfの量は4〜12.5重量%の範囲の組成が
好ましい。
また、例えばNb中にYを0.2重量%、Zrを0.8重量%、ま
たはMoを5重量%含有した合金であってもかまわない。
更に、陰極スリーブ2とホルダー6との間には、遮蔽筒
9が同軸的に配設され、この遮蔽筒9は支持部材例えば
複数の半断面L字状の支持片10を介してホルダ6の上端
部に支持されている。支持部材としては、複数の支持片
10に限らず、環状支持部材や遮断筒9自身を一部切り起
したものでも良く、または遮蔽筒9をプレスにより据込
み加工して鍔状部を形成したものでも良い。
この場合、第1図からも明らかなように、陰極スリーブ
2を支持するストラップ8は、遮蔽筒9に接触しないよ
うに、この遮蔽筒9の下端の下を通って軸に平行に延長
され、ホルダー6の上端に溶接されている。
上記のように構成された含浸型陰極構体は電子銃に組込
まれるが、図示のようにこの含浸型陰極構体の前方に所
定間隔をおいて第1グリッド11が配設され、この第1グ
リッド11はその周辺部が直接ガラスからなる絶縁支持体
12に埋設されている。又、含浸型陰極構体はそのホルダ
ー6外周部に固定片13の一端が取付けられ、この固定片
13の他端が絶縁支持体12に埋設されている。
さて、この実施例では、上記のように遮蔽筒9を有する
と共にストラップ8の材質として耐熱性が良く且つ低熱
伝導材料を使用し、更にヒータ7としてバリアブルピッ
チヒータを使用しているので、省電力構造となってい
る。これにより、消費電力は従来に比べ約1/3で済む
(従来は2Wであるが、この実施例では0.7W)。従って、
酸化物陰極使用のテレビジョン受像機に、回路を変更す
ることなく搭載出来る。
そして、省電力化の結果、ヒータ温度が低下し、これに
よりヒータ7と陰極スリーブ2間の耐電圧特性が向上す
る(従来は強制試験において600Vであるが、この実施例
では1200V)。
更に、この実施例によれば、機械的強度および耐熱性を
改善したストラップ材を使用しているため、受像管の輝
度劣化不良及び色ずれ不良等を改善することが出来る。
又、ストラップ材の耐熱性が向上するため、ストラップ
材の断面積の縮小化が可能となり、この結果、省電力化
が図れる。
次に、輝度劣化不良及び色ずれ不良の原因について、一
般的な考え方を下記に述べる。
即ち、電子銃の設計における第1グリッド・カソード
(陰極表面)間ギャップ(Gg1−k)、第1グリッド・
第2グリッド間ギャップ(Gg1−g2)、第1グリッドの
板厚Tg1、第1グリッドの穴径Dg1、補正係数Kを用い、
第1グリッド電位をEc1、第2グリッド電位をEc2とした
場合、Ec1は、 なる関係に規正される。又、陰極電流は陰極が空間電荷
領域内で動作しているときの式 maxIk=K′×coEc1 3/2 におけるmaxIkに設定される。
このmaxIkは、Ec1を定格電圧に保ってEc2(陽極電圧)
を変化させた時のビームカットオフ電圧とし、次にEc1
を零バイアスにした時の陽極電流に等しい。
この式から判るように、Gg1−kの寸法が何等かの原因
で変化すると、カットオフ電圧が変化し、陽極電流が変
化する。
カラー受像機に使用された場合、赤、緑、青それぞれの
電子銃のカットオフ電圧は所定の色を発色するように調
整されている。
しかしながら、カラー受像機を長時間使用していくと、
構成材料の熱疲労により構成材料が変形し、Gg1−kの
寸法変化が起こる。この寸法変化は、赤、緑、青それぞ
れの電子銃で一定でないため、蛍光面に入射する陽極電
流が変化し、色ずれを起こす。又、輝度劣化も起こす。
ストラップ材の違いによる寸法変化を見るため、この発
明に係る第1図に示す含浸型陰極構体を用いて加熱放冷
試験を行なった。その時の条件は、5分オン・10分オフ
でカソード温度1150℃にて繰返し行ない、カソードと第
1グリッド間の寸法変化がカットオフ電圧の変化量と比
例するため、カットオフ電圧の変化量を測定することで
比較的精度良くストラップの変形が測定出来るので、カ
ットオフ電圧の変動を測定した。
通常の動作温度では、変化が遅いので、カソード加熱温
度を1150℃に強制加熱し安定になった後、放冷を繰返し
て、カットオフ電圧の変動値を調べた。第3図に、従来
例のTa製ストラップによる場合、第4図に、従来例のNb
製ストラップによる場合とこの発明の合金製ストラップ
による場合をそれぞれ示してある。
この第3図から判るように、従来のTa製ストラップによ
るものは1000回目位から変化が現われ、第4図に示すよ
うに従来のNb製ストラップによるものは800回目位から
変化が現われてくる。しかし、この発明の合金製ストラ
ップによるものは、非常に長時間に亘ってオン・オフを
繰返しても、殆ど変化を生じない。
更に、1250℃に上げて強制試験を行なったが、カットオ
フ電圧の変化は非常に小さかった。従って、この発明の
ストラップは上述の試験を長時間に亘って行なっても、
変形を生じ難い。
なお、第3図中の数字は第1表の試料1〜9に対応し、
第4図中の数字は第2表の試料10〜19に対応するもので
ある。
又、従来のストラップは、その断面積が0.025mm2であっ
たが、この発明の場合は、耐熱性合金を使用しているた
め、0.01mm2断面積低減が実施出来、0.2Wの省電力(全
電力の30%)化が可能となった。
なお、上記実施例では、陰極スリーブ2とホルダー6と
の間に遮蔽筒9が配設されていたが、この発明は第2図
に示すように遮蔽筒の存在しない含浸型陰極構体にも適
用可能であり、上記実施例と同様効果が得られる。図中
の1はヒータ、5はストラップであり、このストラップ
5の材質は、上記実施例と同様な合金からなるものであ
る。
〔発明の効果〕
以上説明したようにこの発明によれば、含浸型陰極構体
のストラップの材質の改善により機械的強度および耐熱
性に優れ、この結果、受像管に使用した場合、その輝度
劣化不良及び色ずれ不良等を著しく改善することが出来
る。又、ストラップ自体の小形化が可能となり、省電力
化に寄与することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係る含浸型陰極構体を使
用した電子銃構体を示す断面図、第2図はこの発明の変
形例を一部切り欠いて示す斜視図、第3図および第4図
は従来及びこの発明で用いる各ストラップにおけるカッ
トオフ電圧の変化を示す特性曲線図である。 2……陰極スリーブ,3……陰極円板, 6……ホルダー,1,7……ヒータ, 5,8……ストラップ,9……遮蔽筒, 11……第1グリッド,12……絶縁支持体, 13……固定片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 栄 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式会 社東芝堀川町工場内 (56)参考文献 特開 昭59−108233(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒータが内蔵され一端にエミッタ含浸型の
    陰極円板が固着された陰極スリーブと、この陰極スリー
    ブの下端部に一端が取付けられた複数のストラップと、
    この各ストラップの他端が上端部に取付けられ上記陰極
    スリーブの外側に所定間隔をおいて配設された筒状ホル
    ダーとを具備する含浸型陰極構体において、 上記ストラップの材質がTa−W系合金、Ta−W−Hf系合
    金、Nb−W系合金、又はNb−W−Hf系合金のいずれかで
    あることを特徴とする含浸型陰極構体。
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