JP3322465B2 - 陰極構体及びその製造方法 - Google Patents

陰極構体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管等の電
子管に用いられる陰極構体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、走査線を増加させて解像度を改善
したカラー受像管や、超高周波対応ディスプレイ管が開
発されている。また、投写管等においても、輝度の向上
が望まれている。これらの用途では、陰極からの放出電
子密度を大幅に増大させる必要がある。ところで、エミ
ッタ含浸型の陰極は、酸化物陰極に比べて大きな電流密
度が得られる。そのため、この含浸型陰極は、これま
で、進行波管、クライストロン等の電子管に用いられて
きた。しかし最近は、含浸型陰極の高電流密度特性を有
効に活用する用途として上記のようなカラー受像管等が
開発されている。
【0003】よく知られるように、含浸型陰極構体は動
作温度が酸化物陰極に比べて約200℃程度も高く、そ
れに伴ってヒータ温度も高く、定格動作時で1250℃
以上にも達する。その結果、ヒータの熱変形やヒータ・
カソード間の耐電圧性能の劣化が生じやすい。そこで、
ヒータから陰極ディスクへの熱伝達効率を上昇させて、
ヒータの温度を低下させる試みが幾つかなされている。
例えば、特開昭61−288339号公報には、陰極ス
リーブの内表面に高融点金属またはその粉末および無機
質結合材を含む黒化層を形成した含浸型陰極構体が提案
されている。すなわちそれは、例えば、タングステン粉
末と酸化アルミニウム即ちアルミナ粉末の混合物をアル
ミナゾル液中に投入したスラリーをタンタル(Ta)ス
リーブの内面に塗布して乾燥させた後、約1600℃の
温度で5分間焼成して黒化層を形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子放出部
を支える陰極スリーブは、電子放出部以外への熱伝導を
抑制して熱効率を向上させるように、肉厚を例えば15
μm〜20μmというように非常に薄く形成される。こ
のように薄い陰極スリーブの内面に上記のような方法で
黒化層を付着させると、強度劣化が著しく、製造中に割
れやクラック等が発生したり、動作中に熱疲労で変形が
生じやすい。とくに、陰極スリーブとしてTa又はTa
合金を使用した場合は、アルミナとTa製スリーブとの
反応により、スリーブ全体に化合物が生成されて強度劣
化が顕著になることが確認された。陰極動作時にこのス
リーブが変形すると、カラー受像管の特性不良、なかん
ずくカットオフ特性の劣化による輝度劣化不良、或いは
色ずれ不良に至る。また、針状のアルミナゾルを使用す
ると、この針状の先端部に電界が集中することによるヒ
ータとスリーブとの間の絶縁不良が生じやすい。
【0005】この発明は、以上のような不都合を解消
し、陰極スリーブの機械的な強度を素材の強度以上に向
上させ得て、再現性に富み且つ信頼性の高い陰極構体及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、陰極スリー
ブの内面黒化層が0.5μm以上2μm以下の範囲の平
均粒径のタングステンと、0.1μm乃至1μmの範囲
の平均粒径のアルミナとが、重量比(タングステン:ア
ルミナ)で(90:10)乃至(65:35)の範囲で
混合された焼結層である陰極構体である。
【0007】また、製造方法の発明は、陰極スリーブの
内面に平均粒径が0.5μm以上2μm以下の範囲のタ
ングステンと、平均粒径が0.1μm以上1μm未満の
範囲のアルミナとを、重量比(タングステン:アルミ
ナ)で(90:10)乃至(65:35)の範囲で混合
したスラリーを塗布し、これを非酸化性雰囲気のもとで
1250℃乃至1580℃の範囲の温度で焼結して黒化
層を形成することを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明によれば、陰極スリーブの機械的な強
度が素材の強度以上に高く、再現性に富み、信頼性の高
い陰極構体が得られる。
【0009】
【実施例】以下、この発明をカラー受像管の電子銃構体
の一部を構成する含浸型陰極構体に適用した例を、図面
を参照して説明する。図1において、符号11は電極支
持用ガラスビード、12は第1制御グリッド、13は電
子放出部であるエミッタ含浸型陰極ディスク、14はデ
ィスク保持用キャップ、15は端部にディスク及びキャ
ップを固定する陰極スリーブ、16は陰極スリーブを支
持する3本のストラップ、17は熱反射用円筒、18は
その支持リング、19は陰極保持用円筒、20は陰極構
体をガラスビードに支持させる支持アーム、21は加熱
用のコイルドコイル型のヒータ、22はヒータ端子をあ
らわしている。
【0010】含浸型陰極ディスク13は、空孔率が約2
0%の多孔質タングステン(W)の基体に、電子放射物
質が含浸されたものである。なお、この陰極ディスク1
3の表面には、イリジウム(Ir)−タングステン
(W)合金層が形成されている。また、ヒータ21は、
3%Re−W合金線で構成され、その表面に絶縁物であ
るアルミナがコーティングされている。更にこのアルミ
ナの表面に熱放射特性を良くするためにタングステンと
アルミナの混合物がコーティングされている。そして、
陰極スリーブ15、ディスク保持用キャップ14、及び
3本のストラップ16は、いずれもタンタル(Ta)又
はタンタルを主成分とする合金で構成されている。これ
ら陰極スリーブの内面、陰極キャップの裏面、及びスト
ラップの全面には、図2に拡大して示すように、黒化層
23、24、25がそれぞれ付着されている。
【0011】次に、黒化層23、24、25について、
好ましい製造方法を含めて説明する。なお、以下は主と
して陰極スリーブの内面に黒化層を形成する場合を代表
的に説明する。
【0012】(実施例1)平均粒径が0.9μmのタン
グステン粉末と、平均粒径が0.7μmのアルミナ(A
23 )粉末とを、重量比で80:20とした混
合粉に、酢酸ブチルとニトロセルローズを混合させ、ス
ラリーを作成した。
【0013】次に、このスラリーを、外径が1.3m
m、肉厚が20μm、長さが4.2mmのタンタル製陰
極スリーブ15の内面に注入法で塗布し、乾燥させた。
この状態の塗布膜は平均して約10μmの厚さであっ
た。
【0014】その後、これを、10-6torr以下の真空雰
囲気中で、1250℃乃至1580℃の範囲の温度、例
えば1450℃で、10分間の熱処理を行い、タングス
テン粉末とアルミナ粉末の混合焼結層からなる黒化層2
3を形成した。
【0015】なお、この熱処理温度の設定条件は、以下
の通りにして決定した。すなわち、幅が0.32mm、
厚さが30μm、長さが150mmのタンタル製リボン
の全面に、上記のスラリーを塗布して乾燥させた後、1
-6torr以下の真空中で、温度を1000℃から170
0℃の範囲の種々の温度で、それぞれ10分間焼成し、
黒化層が形成されたリボンを作製した。黒化層の平均的
な厚さは、約10〜15μmである。比較のために、ス
ラリーを塗布しないタンタル製リボンも同時に処理し
た。そして、それぞれの条件で処理したリボンの破断強
度を、引張り試験により調べた。破断加重は、図3に示
す通り、処理温度が約1200℃を超える付近から増加
し、1500℃の処理で最大となり、スラリーを塗布し
ないTaリボンの場合のおよそ2倍となり、それ以上の
処理では急激に低下し1580℃を越えるとスラリーを
塗布しないタンタル製リボンと同等またはそれ以下に、
破断加重が低下するという、意外な事実が確認された。
【0016】これによって、熱処理温度は、1250℃
乃至1580℃の範囲が陰極スリーブの機械的強度を素
材のそれよりも高めるので好ましいことが確認された。
そして、1400℃乃至1550℃の範囲で熱処理し焼
結することによって、とくに強度的に良い結果が得られ
た。このように特定範囲の熱処理温度で陰極スリーブの
機械的強度が素材のそれよりも高まる理由は、基体であ
るタンタル中に黒化層形成材料中の酸素、アルミニウ
ム、あるいはタングステンがタンタル粒界部に微量析出
することにより、基体結晶の異常粗大化や等軸結晶化が
妨げられるためであると推定される。
【0017】次に、上記した熱処理温度範囲が他の性能
の評価でも適正であるかどうかを調べるため、黒化層を
形成したリボンの表面硬度や、破断部の走査型電子顕微
鏡観察を行うとともに、実際に陰極スリーブを製作して
含浸型陰極構体に組立てる際の組立て性を評価した。さ
らに完成した含浸型陰極構体を、カラー受像管に組込
み、寿命試験中の熱疲労特性を調べた。
【0018】その結果を表1に整理した。この表1に示
した結果について、更に詳しく述べる。すなわち、硬度
は、黒化処理したサンプルから黒化物を機械的に剥した
後、表面のビッカース硬度を測定した。その結果、熱処
理温度が1200℃から硬度が徐々に上昇し、1580
℃を越えると急激に上昇し、1600℃以上の処理温度
では急激に脆くなることがわかった。
【0019】また、破断部の走査型電子顕微鏡観察から
は、黒化処理したサンプルの場合は、1580℃以下の
熱処理温度のものは結晶の伸びを伴なった延性破断の形
態をしていることがわかった。それに対し、熱処理温度
が1600℃を越えたものでは、粒界で破断をしてお
り、脆性破断に至っていることが確認された。タングス
テン、アルミナの粒径は焼結前後ではほとんど変わらな
かった。
【0020】
【表1】
【0021】さらに、組立て性の評価は、組立装置の治
具を陰極スリーブの内側に挿入したときの黒化層の剥が
れの発生有無、及び陰極ディスクを陰極スリーブの開口
端部の内側に圧入するときの陰極スリーブの割れの発生
有無等で評価した。また、熱疲労特性は、カラー受像管
の寿命試験中のカットオフ電圧の変化を調査した。一般
に受像管では、第1グリッドと陰極表面との間の間隔寸
法が何らかの原因で変化すると、カットオフ電圧が変化
し、陽極電流が変化する。陰極をカラー受像管に使用し
た場合、赤、緑、青それぞれの電子銃のカットオフ電圧
は均等であるように調整される。しかしながら、カラー
受像機を長時間使用していくと、陰極構成材料が熱疲労
により変形し、第1グリッドと陰極表面との間の間隔寸
法に変化が起こる。この寸法変化は、赤、緑、青それぞ
れの電子銃で一定でないのが普通であるため、蛍光面に
入射する電子ビーム電流が変化し、色ずれを起こす。
又、輝度劣化も起こる。そこで、熱処理温度を種々変え
た場合の陰極スリーブの熱疲労による寸法変化を、カラ
ー受像管の陰極加熱放冷試験により確認した。この試験
条件は、カソードの到達温度が約1150℃となるよう
に印加電圧を定め、5分オン、10分オフで、繰り返し
試験を行った。陰極表面と第1グリッドの寸法変化がカ
ットオフ電圧の変化量とほぼ比例するため、カットオフ
電圧の変化量を測定することで比較的精度良くスリーブ
の熱疲労による変形が測定できる。カットオフ電圧の変
化は、オン、オフを4000回繰り返した後の結果で判
断した。
【0022】表1から明らかなように、このカットオフ
電圧の変動の程度からも、黒化層形成の熱処理温度は1
250℃から1580℃の範囲が良好な特性を示すこと
が確認された。
【0023】(実施例2)黒化に使用するタングステン
粉末とアルミナ粉末の粒径を種々変えて組み合わせたサ
ンプルを製作し、評価した。使用したタングステン粉末
の平均粒径は、0.1μm、0.5μm,0.9μm,
2μm,3μm,5μm及び10μmの7種類を用意し
た。また、アルミナ粉末は、アルミナ微粉(平均直径が
約0.01μm,長さが約0.1μm),平均粒径が
0.1μm,0.3μm,0.5μm,0.6μm,
0.8μm,1.0μm,2μm,及び5μmの、合計
9種類を用意した。なお、スラリーの乾燥後の被膜の熱
処理温度は、全て1450℃とし、処理雰囲気は同等真
空度の真空とした。各粉末の種々の組み合わせによる試
験の結果を表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】この評価は、熱処理後の黒化層の付着強度
の度合いと、ヒータ及びカソード間の耐電圧を測定し
た。黒化層の付着強度は、先端の尖った針で塗布膜を引
っ掻き、その時の剥がれ状態で付着強度の度合いを判断
した。また、耐電圧は、それぞれのサンプルを各5個づ
つ含浸型陰極構体として組立て、更にそれぞれを受像管
にして、ヒータ及びカソード間に直流電圧を印加し、放
電する電圧を測定し、評価した。なお、この試験は、ヒ
ータ加熱電圧を定格の1.1倍として評価した。
【0026】表2から明らかなように、付着強度及び耐
電圧の点で、タングステン粉末の平均粒径は0.5μm
以上2μm以下の範囲が好適であることが裏付けられ
た。一方、アルミナ粉末は、その平均粒径が0.1μm
以上1μm未満の範囲が好適であることが裏付けられ
た。なお、アルミナ微粉を用いたサンプルが耐電圧性能
が著しく劣っている理由は、先端が尖った形状のアルミ
ナを用いたため、その微粒子の先端に電界が集中するた
めに放電しやすいためであると考えられる。
【0027】(実施例3)これは、陰極スリーブの内
面、及びストラップの全表面を黒化した含浸型陰極構体
である。陰極スリーブの内面に黒化層を形成する方法
は、上記の実施例で説明した方法を採用した。そして、
ストラップは、その幅が0.2mm、厚さが0.02m
mのタンタル製である。このストラップ材の全面に、平
均的な厚さが3μmの黒化層を形成した。使用したタン
グステン粉末の平均粒径は、0.9μm、アルミナ粉末
の平均粒径は、0.6μmとした。スラリー塗布、乾燥
後の真空中での焼結温度は、1450℃とした。
【0028】このようにして製作した含浸型陰極構体
を、受像管に組込み、寿命試験中のカットオフ電圧の変
化を調査した。評価条件は、上述(実施例1)と同じで
ある。その結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3から明らかなように、ストラップにも
黒化層を形成することにより、ストラップの機械的な強
度が素材のそれよりも向上するため、カットオフ電圧の
変化を小さくすることができた。
【0031】(実施例4)この実施例も、陰極スリーブ
内面にタングステン粉末及びアルミナ粉末を用いて黒化
層を形成した含浸型陰極構体の場合である。そして、黒
化に使用するタングステン粉末とアルミナ粉末の重量比
を種々変えたサンプルを作製し評価した。すなわち、使
用したタングステン粉末の平均粒径は、0.9μm、ア
ルミナ粉末は、0.8μmである。スラリー塗布、乾燥
後の熱処理温度は、全て1500℃とし、真空雰囲気中
で10分間の熱処理をした。
【0032】この実施例での評価は、熱処理後の黒化層
の外観色、付着強度およびカソード温度が1100℃と
なるヒータ温度をそれぞれ測定した。黒化層の付着強度
は、被膜を先端が尖った針で引っ掻き、その時の剥がれ
状態で付着強度の度合いを評価した。また、カソード温
度の測定は、それぞれのサンプルを含浸型陰極構体に組
立てた後、ヒータを挿入したダミー管を作製して行なっ
た。その結果を、表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4から明らかなように、黒化層の付着強
度、カソード温度特性の点で、タングステン粉末とアル
ミナ粉末との重量比(タングステン:アルミナ)は、
(90:10)乃至(65:35)の範囲が好適である
ことが裏付けられた。そしてとくに、これらタングステ
ンとアルミナとの重量比(タングステン:アルミナ)
は、(70:30)乃至(85:15)の範囲でより一
層良好な性能が得られることが確認された。
【0035】(他の実施例)上記実施例では、陰極スリ
ーブ及びストラップ材として、タンタル(Ta)材を使
用した場合について述べた。しかしそれに限らず、例え
ば10重量%のWを含むTaを主成分とするTa合金
や、2.5重量%のWを含むTaを主成分とするTa合
金であっても同様の効果があった。また、40重量%の
Nbを含むTa合金であってもよい。更にまた、この陰
極スリーブはNbでも良く、或いはUSP4820954で知られ
るようなNbを主体としてこれにTi,Zr,Hf,
V,Ta,Mo,またはWの中から選んだ少なくとも1
つを、合わせて15重量%以下含む合金でも良い。
【0036】また、上記実施例では、陰極スリーブ及び
ストラップ材に黒化層を形成した場合について述べた
が、ディスク保持用キャップの裏面に黒化層25を形成
してもよく、それによれば陰極構体の強度の向上のみな
らずキャップを通しての熱伝達効果の増大によるヒータ
温度の低減効果が一層高まる。
【0037】なおまた、この発明は含浸型陰極構体に限
らず、他の傍熱型陰極や、直熱型陰極等にも適用可能で
ある。さらにまた、タングステン粉末及びアルミナ粉末
の他に他の耐熱性粉末を数重量%以下含んでもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
陰極スリーブの機械的な強度が素材の強度以上に高く、
再現性に富み、信頼性の高い陰極構体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す縦断面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】熱処理温度と破断加重との関係を示す特性図。
【符号の説明】
13…含浸型陰極ディスク 14…ディスク保持用キャップ 15…陰極スリーブ 21…ヒータ 23、24、25…黒化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢壁 徹 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式 会社東芝 堀川町工場内 (56)参考文献 特開 平1−211825(JP,A) 特開 平6−44892(JP,A) 特開 平1−201457(JP,A) 特開 平4−319226(JP,A) 特開 平1−211826(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 1/20 H01J 9/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面が黒化された陰極スリーブと、該陰
    極スリーブの端部に直接又は保持体を介して設けられた
    電子放出部と、上記陰極スリーブの内側に挿入された加
    熱ヒータとを具備する陰極構体において、 上記陰極スリーブの内面黒色被膜は、平均粒径が0.5
    μm以上2μm以下の範囲のタングステンと、平均粒径
    が0.1μm以上1μm未満の範囲のアルミナとが、重
    量比(タングステン:アルミナ)で(90:10)乃至
    (65:35)の範囲で混合された焼結層であることを
    特徴とする陰極構体。
  2. 【請求項2】 上記陰極スリーブがタンタル又はタンタ
    ルを主成分とする合金、もしくはニオブまたはニオブを
    主成分とする合金からなることを特徴とする請求項1記
    載の陰極構体。
  3. 【請求項3】 タングステンとアルミナとの重量比(タ
    ングステン:アルミナ)は、(70:30)乃至(8
    5:15)の範囲である請求項1記載の陰極構体。
  4. 【請求項4】 電子放出部が直接又は保持体を介して設
    けられる陰極スリーブの内面に黒色被膜を形成する陰極
    構体の製造方法において、上記陰極スリーブの内面に、
    平均粒径が0.5μm以上2μm以下の範囲のタングス
    テンと、平均粒径が0.1μm以上1μm未満の範囲の
    アルミナとを、重量比(タングステン:アルミナ)で
    (90:10)乃至(65:35)の範囲で分散溶液体
    に混合した懸濁液を塗布し、これを非酸化性雰囲気中で
    1250℃乃至1580℃の範囲の温度で焼結して黒色
    被膜を形成することを特徴とする陰極構体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記陰極スリーブがタンタル又はタンタ
    ルを主成分とする合金、もしくはニオブまたはニオブを
    主成分とする合金からなることを特徴とする請求項4記
    載の陰極構体の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼結する温度は、1400℃乃至155
    0℃の範囲の温度である請求項4記載の陰極構体の製造
    方法。
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