JPH03295105A - 吸音照明装置 - Google Patents

吸音照明装置

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JPH03295105A
JPH03295105A JP2096339A JP9633990A JPH03295105A JP H03295105 A JPH03295105 A JP H03295105A JP 2096339 A JP2096339 A JP 2096339A JP 9633990 A JP9633990 A JP 9633990A JP H03295105 A JPH03295105 A JP H03295105A
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layer
sound
sound absorption
porous
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Shinji Nakajima
伸治 中島
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修 金森
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、吸音効果をあわせもつ照明装置に関するもの
である。
[従来の技術] 従来の吸音効果を持つ照明装置について説明する。例え
ば第31図は実開昭55−21578号公報に開示され
た従来の吸音照明装置である。図において、(2H)は
照明器具カバー(以下、照明カバーと略記する) 、(
25)は蛍光灯、(214)は小穴である。
この照明器具は照明カバー(213)中の小穴(214
)から漏れる光によって照明効果を有する。この照明器
具に吸音効果が生じる理由は以下のように説明できる。
照明カバー表面に設けられた小穴中の空気が質量として
、照明カバー(213)と蛍光灯(25)の間の空気が
バネとして考えられ、音響インピーダンスの絶対値が極
小となる周波数が存在する。前記周波数で、小穴の部分
で粒子速度は最大となり、小穴の部分の抵抗によるエネ
ルギー損失も最大となるため、前記周波数で吸音効果が
生じる。
[発明が解決しようとする課題] 上記の様な従来の吸音照明装置では、照明カバー (2
13)として小穴(214)をあけた板を使って、吸音
効果を持たせているので小穴(214)だけでは吸音効
果が低い欠点や所定の吸音効果をもたせるための背面空
気層が100 mまたはそれ以上になることが多いため
に照明装置の厚みが大きくなる欠点、小穴が開いている
部分と開いていない部分の照度分布が異なる欠点、小穴
が開いている部分からは直接光が漏れる欠点、小穴が開
いているために照明装置としての美観を損ねる欠点、小
穴が開いている領域が広いために照明器具(蛍光灯など
)が露出し、前記照明器具を防護する照明カバーとして
の機能を失う欠点を持っていた。
本発明は上記のような問題点を解決するためになされた
もので、多孔質構造体を照明カバーとして用いることに
より、十分な吸音性能をもち、背面空気層を相当厚くす
ることがなく、照度分布が一様であり、直接蛍光灯の光
が漏れることがなく、照明装置としての美観を満足させ
、かつ照明器具(蛍光灯など)の防護の機能を失うこと
のない吸音照明装置を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る吸音照明装置は、照明器具前面に透明また
は半透明な硬質の多孔質構造体を配置したものである。
また、この発明の別の発明に係る吸音照明装置は、照明
器具背面に硬質の多孔質構造体及び前記多孔質構造体背
面に反射板を設け、前記多孔質構造体と反射板との間に
空気層を構成したものである。
[作用] 本発明においては、照明器具前面にある多孔質構造体に
よって、従来の吸音照明装置に比べ大きな吸音力を有し
、背面空気層を厚くする必要がない。また透明または半
透明な材質を用いることによって光の透過または反射、
拡散が多孔質構造体中または表面で行なわれ、室内照度
のばらつきが減り、直接的な光の漏れ量が少なくなる。
さらに多孔質構造体が照明器具(蛍光灯など)を覆うか
ら照明器具保護の機能を失うことがない。
また、この発明の別の発明においては、多孔質構造体を
照明器具(蛍光灯など)の背面に配置し、さらに前記多
孔質構造体背面に配置された反射板を設けることで、照
明装置としての美観、照度分布の一様化が図られる。
[実施例] 第1図は本発明の一実施例を示す側面図である。
第1図において、(1)は多孔質構造体、(22)は目
地板、(23)は止め部材、(24)は天井、(25)
は蛍光灯である。基本構成は従来例と同様の構造である
が、吸音カバーの構造が大きく異なる。従来の吸音カバ
ー、即ち照明カバー(213)は小穴(214)が多数
開いており、その小穴(214)によって吸音を行なう
が、本発明では透明または半透明な多孔質構造体(1)
を吸音カバーに用いている。第6図に直径61の小穴が
ピッチ22WMで板厚0.5龍の板に開いている穴開き
板で構成した照明カバー(背面空気層150■m)と空
孔率(すなわち比重)が厚さ方向に10〜25%の範囲
で連続的に変化した多孔質構造体(板厚10鰭、背面空
気層30mm)によって構成された照明カバーの吸音率
の比較を示す。一般に背面空気層が厚くなれば吸音率は
増加する傾向にあるにもかかわらず、この図では多孔質
構造体のほうが、背面空気層の厚さが薄くて、かつ吸音
性能がよいことがわかる。また室内における照度の分布
を第7図に示す。明らかに穴開き板よりも多孔質構造体
の方が照度分布が一様であり、照明装置として良好であ
ることを示している。
次に、第2図は、面方向に多孔質構造体の比重を変化さ
せた実施例であり、多孔質構造体(1)自身が照明カバ
ーとして構成されている。カバー全体は多孔質構造体(
1)であり、空孔率分布が面方向に分布をもち、止め金
(2B)の付近のカバーは多孔質構造体でない強度をも
った部分となって連続的に一体成形されている。こうす
ることによって多孔質構造体の吸音周波数特性を向上で
き、さらに、取り付は上の強度を持たせることができる
上記第1図及び第2図に示す各実施例に使用する多孔質
構造体(1)は、出願人等により平成1年4月28日に
出願された特願平1−110996号の「多孔質構造体
」で提案したものである。
以下、この多孔質構造体について説明する。
第8図(イ)、(ロ)はそれぞれ多孔質構造体の一例を
示し、多孔質構造体である多層材(1)を厚さ方向に切
断した断面を模式的に示す図である。
(2)は比重の大きい層、例えば融合層で、通気性又は
非通気性のいずれでもよい。(3)は比重の小さい多孔
質層で、通常は通気性であり、空孔率は、厚さ方向に連
続的に変化している。(4)は通常比重が層(2)と層
(3)の中間にあるスキン層で、例えば厚さ100ミク
ロン以下の融合層である。多層材(1)は、融合層(2
)と多孔質層(3)とが一体化している。同様に融合層
(2)と多孔質層(3)とスキン層(4)は一体化して
いる。
多層材(1)を吸音材として使用するときは、多孔質層
(3)を騒音源側に対面させて、音のエネルギーを吸収
減衰させかつ、融合層(2)で音波が透過するのを防ぐ
次に、上記のような多層材(多孔質構造体)(1)を構
成する、層の厚さ方向もしくは層の面方向に比重を連続
的に変化させた多孔質層の製造方法及び特性について説
明する。
まず、製造方法について説明する。尚、製造方法に関し
ては、出願人等より別遼特許出願されているので、ここ
では、その代表例を説明する。
多層材の製造に使用する金型は、一方の金型である凹側
金型と他方の金型である凸側金型とからなり、これらの
金型は例えばアルミニウム等の熱伝導性の良い材質で構
成されている。また、凹側金型と凸側金型は夫々ヒータ
ーが設けられており、凹側金型の方が凸側金型よりも高
温にされる。
製法■ 原料として、熱可塑性樹脂の粒状素材を用いて、多孔質
構造体を成形する場合について説明する。
凹側金型の壁部の温度は、凹側金型の壁部と凸側金型の
壁部によって形成される閉空間内に入れられる原料であ
る粒状素材の軟化する温度以上で熱分解温度以下、通常
150〜240℃にセットされ、凸側金型の壁部の温度
は、凹側金型の壁部の温度よりも低い温度、例えば原料
となる粒状素材の軟化する温度付近、通常70〜180
℃にセットされる。
ここにおいて両金型内に例えばA BS(acrylo
−nitrlle−butadiene−styren
e resln)樹脂(軟化する温度80〜90℃)等
の熱可塑性樹脂の粒状素材(直径0.2〜31璽程度)
を投入し、金型を加圧しながら閉じ、数lθ秒秒数数時
間加熱る。この加熱は上述した両金型のセット温度で行
なわれ、加圧力は加熱状態で1 kg / c−〜数t
on/(4である。
すると、凹側金型の高温壁部に接触した粒状素材は溶融
し、最終的には比重の大きい層、換言すれば融合層にな
り、融合の程度により通気性から非通気性に変化する。
凸側金型の壁部は凹側の高温壁部より低温のため、凸側
の壁部から上記融合層(2)までの粒状素材は、完全流
動までには至らないが、半流動状態で、粒子素材各々が
接触部分で溶着し、最終的には上記融合層(2)に溶着
した多孔質層(3)が形成される。この多孔質層(3)
は通常は通気性であるが、バインダーなどの素材の混合
材料によっては非通気性になる。
このようにして比重の大きい層と比重の小さい多孔質層
を一体的に同時に形成することができる。
以上のように凹側金型の壁部と凸側金型の壁部の温度を
一定温度にセットして、完全溶融、半流動状態を得るに
は、実験によれば、10℃以上の温度差が望ましかった
凹側金型の壁部の温度が150℃以下になると、粒状素
材が融合しにく(なり、240℃以上になると、完全溶
融が進み過ぎて多層化が困難となる。
凸側金型の壁部の温度が70℃以下になると、粒状素材
各々が接触部分で溶融が起らず接着しにくくなり、18
0℃以上になると粒状素材の溶融が進んで、多孔質層に
することが困難になる。
粒状素材の直径が0.2關以下になると、空孔径が小さ
くなって、多層材の機能のうち吸音特性が低下する。ま
た、空孔径を大きくしようとすると、粒子間の融着度合
が少なくなり、機械的強度が低下する。直径が3關以上
になると、断熱特性は良いが吸音特性が低下する。
金型による圧力が1 kg / c−以下になると、粒
状素材各々の融着が不安定になり、圧力が数ton/−
以上になると、温度制御の精度が厳しくなって生産性が
低下する。
金型による加熱時間は、数10秒以下になると溶着が不
充分になり、数時間以上になると、溶融が進み過ぎて、
融合層と多孔質層の境界が不明瞭となり、特性が悪くな
る。
金型の高温側に形成される比重の大きい融合層は、加熱
温度、加熱時間などを変えると、形成される融合層の厚
さ、通気性の度合(通気性から非通気性まで)が変化す
るので、種々変化させて、希望特性の多孔質構造体を得
ることができる。
なお熱可塑性樹脂の粒状素材原料としては、代表的なも
のとして、PP (ポリプロピレン)、AS(アクリル
スチロール)、スチロールなどを用いることができる。
又熱可塑性樹脂の粒状素材にバインダーとして、メチル
エチルケント(MEK)セルロース、フェス、アセトン
を吹付けたり、混ぜたりすると、多層材の粒状素材各々
の固着力が増し、機械的強度が向上して、取扱い性が良
くなる。
製法■−1 製法■において、凹側金型の壁部の温度を150℃にセ
ットし、凸側金型の壁部の温度を100℃にセットし、
ABS樹脂として、電気化学工業株式会社製G T R
−40(グレード)、軟化する温度86℃の熱可塑性樹
脂の粒状素材、直径1■の球状粒子を金型に入れ、両金
型を閉じた。両壁面間の距離は10m+mであった。こ
の状態で10分間弱経過(つまり加熱状態を持続)させ
て両全型を開放した。
なお加熱状態のときの加圧力は50kg/e−であった
このようにして成形した多層材(1)は厚さがlOmで
、その中の融合層(2)はほとんどなく、多孔質(3)
のみであった。
製法■ 原料として、熱硬化性樹脂の粒状素材を用いて多層材を
形成する場合について説明する。
製法■と同様にして凹側金型の壁部の温度は、粒状素材
の軟化する温度以上で熱分解以下にセットされ、凸側金
型の壁部の温度は、凹側の壁部の温度よりも低い粒状素
材の軟化する温度付近にセットされる。ここにおいて両
金型内に熱硬化性樹脂、例えばフェノール、PBT (
ポリブチレンテレフタレート) 、PET (ポリエチ
レンテレフタレート)などの粒状素材で直径0.2〜3
■l程度の粒子を、バインダーとなる例えばセルロース
、フェス、各種接着剤などと混合して投入し、両金型を
加圧しながら閉じ、数分〜数時間加熱する。この加熱は
上述した両金型のセット温度で行なわれ、加圧力は加熱
状態で1 kg / cd〜数ton/c−である。
このようにすると、凹側金型の高温壁部に接触した粒状
素材は、軟化し、バインダーで接着されて比重の大きい
層となり、軟化の程度により、通気性から非通気性に変
化する。凸側金型の壁部は凹側金型壁部より低温のため
、凸側金型壁部から上記の比重の大きい層(2)までの
粒状素材は、完全流動までには至らないが、半流動状態
で、粒状素材各々が接触部分でバインダーで接着されて
、最終的には、上記の比重の大きい層(2)に接着した
多孔質層(3)が一体向に形成される。この多孔質層(
3)は通常は通気性であるが、バインダーの混合量が多
くなると、非通気性になる。
製法■−1 製法■において、凹側金型の壁部の温度を200℃にセ
ットし、凸側金型の壁部の温度を150℃にセットし、
熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂(明和化成株式会
社製、MW−752(グレード)、軟化する温度190
℃)で直径1鰭の粒状素材を、バインダーとなる粉末状
セルロース15重量%と共に金型に入れ、両全型を閉じ
た。両壁面間の距離は10m1mであった。この状態で
10分間程経過(つまり加熱状態を持続)させて両全型
を開放した。なお加熱状態のときの加圧力は50kg/
c−であった。
こように成形した多層材(1)は厚さが1Ollで、そ
の中の比重の大きい層(2)はほとんどなく、多孔質層
(3)のみであった。
尚、前述の製法■、■においては、高温側及び低温側金
型の各壁部の温度を一定に保った上で、原料を投入する
例であるが、例えば、両全型が常温の状態で、原料を投
入し、その後金型温度を所定の温度に向って昇温させる
過程で成形体を取り出す方法でも、同様の多層材を形成
させ得る。この場合の成形を取り出すときの高温側、低
温側金型の温度差は、実験の結果、極めてわずかな温度
差例えば2℃でも可能であった。この温度差は素材の材
質、大きさ、形状などの性状、金型の昇温速度、加圧力
などによって変わるものである。その他、凹側金型の壁
部と凸側金型の壁部とに温度差を設ける方法として、凸
側金型の壁部を、例えばPBT (ポリブチレンテレフ
タレート)樹脂、F RP (fiber reinf
orced plactics)樹脂等の熱伝導性の悪
い材質で構成してもよい。又、両金型を同材質で大きさ
を変えてもよい。要は材質と大きさに基因する熱容量及
びヒーターの発熱量の大きさの組合せにより両金型に所
望の温度差を、過渡的に又定温的に設定すればよい。
さらに、多層材の多孔質層の比重を、多孔質層の層面方
向に変化させようとするには、低温側の金型の温度を上
記層面方向に沿って変化させればよい。すると低温側の
金型の中でも、より高温部に対向する多孔質層部分は、
比重が大きくなり、より低温部に対向する多孔質層部分
は比重が小さくなる。
一方、上述の製法においては、多層材が一体的に成形で
きるので、金型を変えることにより、覆々の形状、特に
複雑な形状の多層材にも容易に対応できる。
次に、このようにして製造された、層の厚さ方向もしく
は層の面方向に比重を連続的に変化させた多孔質層の吸
音特性について説明する。
第9図は、製法■−1で成形された厚さlOmの多孔質
構造体(はとんど全域多孔質層)における厚さ方向の空
孔率(比重)分布例を示す図である。
図中、曲線A、Cは、空孔率が厚さ方向にほぼ−様な特
性を示し、それぞれ約25(%)、約lO(%)のもの
である。曲線Bは、空孔率が厚さ方向に分布を有し、l
Om25(%)の範囲で連続的に変化しているものであ
る。
この種の多孔質構造体を吸音材として利用する場合には
、その吸音特性が問題になる。第1O図は第9図に示す
三種類の空孔率分布を有するサンプルにおける垂直入射
吸音率をJIS A1405  r管内法による建築材
料の垂直入射吸音率の測定法」により測定した結果を示
す。尚、曲線Bの厚さ方向に空孔率分布を有するサンプ
ルでは、空孔率が10(%)の方を音波が入射する面と
した。図から判るように、空孔率分布を有するサンプル
(曲線B)が最も吸音率特性が良いことを確認した。
この理由は、次のように考えられる。上記のJISに規
定されている測定においては、その構成を第11図に示
すように被測定体(多孔質体)(1)の背面iヨ剛壁(
30)である。従って、音波(31)が多孔質体(1)
内に入射された場合、その音波(31)の粒子速度は剛
壁面(30)で零となる。粒子速度は、剛壁面(30)
から離れ入射面に近づく程大きくなり、入射面位置(3
2)が最大である。音波が吸収される原理は、音波が多
孔質体(1)内の細い隙間の中を伝播する行程において
、その壁面との粘性効果によって音響エネルギーが熱エ
ネルギーに変換され消散されることによる。一方、粘性
効果は、粒子速度が大きくなるほど顕著となるので、多
孔質体の入射面の空孔率が全体の吸音特性に大きく影響
する。
以上より、空孔率が小さいほど、多孔質体(1)の隙間
が細くなり粘性効果が大きくなるが、空孔率が小さくな
り過ぎるとかえって音波か多孔質体(1)内に侵入しに
くくなり吸音率は低下してくる。
第9図及び第10図において、曲線Aのサンプルは空孔
率が大き過ぎ、また曲線Cのものは空孔率が小さ過ぎて
最適な粘性効果が得られていないと言える。曲線Bのも
のは、多孔質体(1)の音波入射面(粒子速度最大位置
)が最適な空孔率であり、かつ剛壁側へ行(はど空孔率
が大きくなっているので音波が多孔質体(1)の深部に
まで容易に入射でき、その結果吸音特性が優れているこ
とを示している。
次に、多孔質体の面方向に空孔率(比重)を変化させる
ことによる吸音特性の改善効果について説明する。第1
2図は、三種類のサンプルの厚さ方向の空孔率の変化を
示し、曲線A−B−Cの順で空孔率が小さくなっている
。このときの吸音特性を第13図に示す。この図より、
吸音率のピーク周波数は大きく変わることがわかる。特
に、音波入射面側の空孔率を小さくすれば(曲線Cに相
当)、低周波域の吸音率が向上する。従って、多孔質体
の面方向の空孔率に分布を持たせることにより、様々な
吸音周波数特性を得ることができる。例えば第12図の
A、B、Cのような厚さ方向に空孔率分布をもった領域
が面方向に分布すれば、その吸音周波数特性は0.8〜
2.5KHzに広いピークを持つことになり、広い周波
数帯域で良好な吸音特性を得ることができる。
上記多孔質体は厚さが10(mm)であったが、厚さを
100  (mm)にした場合の吸音特性について説明
する。
第14図に三種類のサンプルの空孔率分布を示し、第1
5図にそれらの垂直入射吸音率を示す。これらの図より
、厚さが100  (ms)の場合は、厚さが10(v
a )の場合とは逆の特性となっていることが判る。即
ち、厚さが100  (+m)の場合は、空孔率が剛壁
側に向って小さくなる方(曲線C)が吸音特性が良くな
っている。この理由は、次のように考えられる。
厚さが厚くなると音波が多孔質体内を伝播する距離が長
くなるので、伝播途中で音波が反射される量が多くなる
。吸音特性は反射量が少ない方が良くなるので、このた
めには、音波が入射する空気側の固有音響インピーダン
ス(空気の密度と音速の積)と多孔質体の音響インピー
ダンスとの不連続を無くすと効果的である。すなわち、
空気側に面する多孔質体の空孔率を大きめにしてその音
響インピーダンスを空気の固有音響インピーダンスに接
合させ、剛壁側に向って徐々に空孔率を小さくさせてい
く方が、多孔質体の厚さが厚い場合には吸音特性が良好
になる。
以上のように、多孔質体の最適な空孔率分布は、その厚
さによって異なってくるが、いずれにせよ連続的な酸化
を与えることにより、良好な吸音特性を得ることができ
ることを確認した1゜以上説明した多孔質層を形成する
樹脂粒は形状が球状のほか、円筒状、円柱状、立方体な
どでもよい。ひげ付きの熱可塑性樹脂粒はひげの部分が
溶融しやすいので、原料として良好である。又多層材の
軽量化を図る目的で、例えば発泡した中空粒状素材や発
泡性素材を原料として利用することもできる。又補強用
として原料に短繊維を混入させてもよもし、バインダー
として糸状の熱可塑性樹脂を原料に混入させてもよい。
尚、多孔質体としての特性、特に吸音特性に対し、粒状
素材の形状や長径には、より優れた特性を有する範囲が
あることを確認した。以下、説明する。
第16図は、粒状素材の形状を変えた場合の垂直入射吸
音率の特性のバラツキ(サンプル数5個での特性のバラ
ツキ)を示す図である。曲線Aは粒状素材が直径0.8
(wn) 、長さ(1mm)の円筒形状のもの、曲線B
は直径1(1m)の球体状のものである。尚、いずれも
多孔質層の厚さは10(w)であり、吸音率を測定した
周波数は2 (KHz)である。
同図より、球体状のもの(曲線B)は、サンプルの違い
による特性の差が少なく、極めて安定していることが判
る。この理由は、球体状の場合粒状素材どうしの接触点
が一個所どなるので、成形時に粒状素材の層状態が安定
して均一になるためである。
このように、特にサンプル間で特性の安定性を要する場
合などには球体状(球体もしくは楕円体)にする方が、
より好ましい多孔質構造体を得ることができる。
また、吸音特性は、粒状素材の長径によっても異なるこ
とを確認した。第17図に、粒状素材の長径と吸音率の
関係を示す。サンプルの厚さは10(關)で、測定周波
数は2 (KHz)である。粒状素材を径を小さくし過
ぎたり、大きくし過ぎたりすると、音波が多孔質体内に
侵入しにくくなったり、多孔質体の固有音響インピーダ
ンスが空気側の固有音響インピーダンスと整合しなくな
ったりして吸音率が低下する。同図より、粒状素材の長
径は、実用的な範囲では0.2〜3.0  (mW) 
、好ましくは1.0〜2.0  (龍)の範囲とするこ
とにより、吸音特性を良好にできることを確認した。
次に、出願人等が提案した多孔質構造体の他の例につい
て説明する。この多孔質構造体は、層の厚さ方向もしく
は層の面方向に比重を連続的に変化させた多孔質層と、
この多孔質層よりも空孔率が小さく比重の大きい中実層
とを層状にしたものである。この中実層は、粒状素材が
熱可塑性樹脂の場合は、融合層になり、融合の程度によ
り通気性から非通気性まで変化する。また、粒状素材が
熱硬化性樹脂の場合には、粒状素材が軟化しバインダー
で接着されて比重の大きい層となり、軟化の程度により
通気性から非通気性まで変化する。
まず、このような多孔質構造体の代表的な製法例につい
て説明する。
製法■−2 製法■において、凹側金型の壁部の温度を150℃にセ
ットし、凸側金型の壁部の温度を100℃にセットし、
ABS樹脂として、電気化学工業株式会社製GTR−4
0(グレー下)、軟化する温度86℃の熱可塑性樹脂の
粒状素材、直径1 mmの球状粒子を金型に入れ、両金
型を閉じた。両壁面間の距離は101mであった。この
状態で20分間経過(つまり加熱状態を持続)させて両
全型を開放した。なトズ お加熱状態のときの加圧力は100kg/c−であった
このようにして成形した多層材(1)は厚さが1On+
でその中の融合層(2)の厚さは約1ml11多孔質層
(3)の厚さは約9鶴であった。
製法■−3 製法■において、凹側金型の壁部の温度を180℃にセ
ットし、凸側金型の壁部の温度を130 ’Cにセット
し、ABS樹脂として、電気化学工業株式会社製GTR
−40(グレード)、軟化する温度86℃の熱可塑性樹
脂の粒状素材、直径IIIIIの球状粒子を金型に入れ
、両金型を閉じた。両壁面間の距離は10關であった。
この状態で15分間経過させて両全型を開放した。
なお加熱状態のときの加圧力は10.0 kg / c
−であった。このとき成形した多層材(1)は厚さが1
0m。
その中の融合層(2)の厚さは約1 am、多孔質層(
3)の厚さは約9■■であったが、製法■−2の成形多
層材(1)に比べ、多孔質層(3)の表面部の融合化が
一部分進み、301a1程度のスキン層が形成された。
製法■−2 製法■において、凹側金型の壁の温度を200℃にセッ
トし、凸側金型の壁部の温度を150℃にセットし、熱
硬化製樹脂として、フェノール樹脂(明和化成株式会社
製、MW−752(グレード)、軟化する温度190℃
)で直径1龍の粒状素材を、バインダーとなる粉末状セ
ルロース15重量%と共に金型に入れ、両金型を閉じた
。両壁面間の距離は10■lであった。この状態で25
分間経過(つまり加熱状態を持続)させて両金型を開放
した。
なお加熱状態のときの加圧力は150kg/c−であっ
た。このように成形した多層材(1)は厚さがlO關で
、その中の比重の大きい層(2)の厚さは約1鰭、多孔
質層(3)の厚さは約9■lであった。
なお熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂でコートした粒状素材
を原料として用いてもよい。
上記のようにして成形された多層材(層状の多孔質構造
体)の特性等について説明する。
(D空孔率 第18図は成形された多層材の空孔率を示す曲線図で曲
線実■−2、実■−3はそれぞれ製法例■−2、製法例
■−3によって製造された多層材の厚さ(mm )に対
する空孔率(%)を示す。融合層(2)はいずれも非通
気性で、実■−2の多孔質層(3)は厚さ方向に空孔率
が連続的に変化し、表面(低温側)で空孔率が最大とな
る。実施例■−3の多孔質層(3)は厚さ方向に空孔率
が連続的に変化するが、多孔質層(3)の中央で空孔率
が最大になり表面部(低温側)で空孔率が低下し、すな
わち、表面部の空孔率は、多孔質層(3)の最大の空孔
率と融合層(2)の空孔率の中間であり、部分的に融合
したスキン層(4)が形成されていることを示している
なお比重は材質が同じであれば、当然ながら空孔率が小
さいほど大きい。
(11)層状多孔質構造体の特性 多層材を吸音材として使用する場合にはその吸音時−性
が問題になる。第19図は垂直入射吸音率を比較する曲
線図で、垂直入射吸音率を前述のJISA14(15に
より測定した結果を示す。曲線実■−2は製法例■−2
で製造した多層材で厚さlomのもの、曲線従は従来の
吸音材であるウレタンフオームで厚さLowのものの特
性をそれぞれ示す。図からも判るように多層材の垂直入
射吸音率は従来の吸音材(ウレタンフオーム)のそれと
同等以上の特性を有することを確認した。
第20図は同様な垂直入射吸音率の特性曲線図で、いず
れの曲線も前述の方法で製造した多層材の特性で、実■
−2、実■−3はそれぞれ製法例■−2、製法例■−3
で製造した厚さioHの多層材の特性を示す。製法例■
−3のものの特性が良好な理由は表面部の空孔率の最適
化の影響と思われる。
(111)スキン層の効果 次に、スキン層により吸音特性が向上する現象の解明及
びその最適厚さについて説明する。
まず、多孔質構造体としてABS樹脂を用いて、厚さ1
0 amのサンプルを前述の製法■により製作した。
このサンプルの空孔率分布の実測結果を第21図に、空
孔率の小さい方を音波入射面にしてその垂直入射吸音率
特性を第22図に示す。図から明らかなように、このサ
ンプルでは、400(H2)という低周波で吸音率が最
大となり、しかもその値が90(%)を越える良好な吸
音特性が得られた。このとき、このサンプルの音波入射
面側の低空孔率部を顕微鏡で破断観察した結果、その表
面が厚さ30ミクロン程度の、はぼ非通気性のスキン層
になっていることが見出された。
この現象を、第23図に示す音響モデルを用いて説明す
る。多孔質構造体の音響インピーダンス(図中、Zで示
す)は次式(1)で表わされる。
・・・(1) ここで、 rn:多孔質層(3)の音響抵抗 ω :角速度 m :多孔質層(3)の空気のイナータンスg :多孔
質層(3)の厚さ σ*:多孔質層(3)内の空気の等価密度C*:多孔質
層(3)内の空気の等価音速m ニスキン層(4)の面
密度 吸音率が最大となる周波数は、式(1)の複素成分が零
となる場合であり、その周波数fは次式4式% スキン層の面密度mは、多孔質層のイナータンスm よ
りもはるかに大きくなるので、式(2)より明らかなよ
うに、最大吸音率が得られる周波数fは、スキン層を設
けることにより大幅に低周波域まで下げることができる
。一般に、多孔質層の吸音率は低周波域で悪いため、そ
の改善策としては有効である。尚、スキン層による上記
効果は公知であるが、従来はスキン層を多孔体に貼りつ
ける方法で行っていた。
このような貼りつけ方法では、最大吸音率が得られる周
波数は低下するが、その吸音率の絶対値が低下し、通常
80(%)以下となる。この理由は、次のように考えら
れる。
式<1)より、最大吸音率の周波数領域では、音響イン
ピーダンスZは、 −r となる。一般に知られているように、r −ρC(ρ、
Cは空気の密度、音速)のときに、吸音率は100(%
)になる。しかし、従来のようにスキン層を貼りつけた
場合、スキン層と多孔体との間の貼りつけ部の抵抗成分
が大きくなる。これが、多孔体の音響抵抗と直列に入る
ため、上記の「 −ρCを満足しなくなるとともに貼り
つけという不安定性から特性にバラツキが生じたりして
いた。
これに対し、出願人等の提案になる多孔質構造体では、
スキン層と多孔質層とが一体に成形されるため上記の欠
点を解消することができる。
さらに、スキン層の厚さを種々変更して吸音特性の試験
を行った結果、スキン層の厚さが100ミクロンを越え
ると、スキン層が質量としてではなく、弾性膜(バネ系
)として働くようになり、最高吸音率の周波数は、逆に
上がってしまい、所要の効果は得られなかった。従って
、100ミクロン以下が妥当であることを確認した。
上記の層状の多孔質構造体は、主として二層の場合で説
明してきたが、三層あるいは任意層・任意材質の多孔質
構造体とすることもできる。
第24図は、スキン層(4)、多孔質層(3)及び非通
気性の中実層(2)よりなる三重層の多孔質構造体(1
a)の断面図を示す。これを、吸音材として用いる場合
には、前述したように、スキン層(4)及び多孔質層(
3)により優れた吸音特性を有し、かつ非通気性の中実
層(2)が遮音体となるので、吸音と遮音の両機能を効
果的に発揮する構造体とすることができる。
第25図は、さらに他の多層状構造体の一例であり、中
実層(2)の両側に多孔質層(8)とスキン層(4)と
を有する構造体(1b)の断面図である。この構造体は
、スプリットあるいはセル形消音器に応用することがで
きる。
尚、上記例に限らず、各分野でその用途に応じて、任意
層・任意材質の多孔質構造体として応用できることはい
うまでもない。
さらに、粒状素材に樹脂粒以外の粒を含む素材を用いる
ことにより、多孔質構造体の機能を拡大させることがで
きる。以下、その−例を説明する。
まず、製造方法について説明する。
製法例■−1 第26図は金型(7)、(8)の空間(12)に2種類
の粒を含む素材を入れ金型(7) 、 (8)を閉じた
ところを示す断面図である。凹側金型(7)内に、最初
に長径が約0.2mmの鉄粒(15)を積み厚さが約1
鶴になるように充填し、その後、長径が約IInのAB
S樹脂粒(1B) (製法■−2に使用したものと同じ
もの)を閉空間(12)の高さ(10mm)より約2 
amはど高くなるように充填する。充填後凸側金型(8
)(第2B図では板状金型)を凹側金型(7)に密着接
合させることにより、上記鉄粒(15)とABS樹脂粒
(1B)の充填層を圧縮し、閉空間(12)内に異種粒
の充填層を形成する。以上の条件で、ABS樹脂粒の軟
化する温度86℃より高い温度、つまり凹側金型温度を
150℃、凸側金型温度を100℃に昇温し、約20分
加熱する。鉄粒(15)の融点は約1500℃であるこ
とから、その鉄粒の粒形状は保持された状態となる。一
方ABS樹脂粒は、特に凹側金型(7)の壁部(11)
?;’:高温であることから、それに接触する鉄粒も高
温となり、鉄粒(15)と接触するABS樹脂粒(1B
)は溶融し、溶融したABS樹脂粒が鉄粒(15)を取
り巻くように流動する。
加熱後、冷却されて成形された多層体(1)は、厚さが
10III11でその中鉄粒(15)が混入された融合
層(2)は厚さが約1mm、多孔質層(3)は厚さが約
9mmの一体化した積層体となった。融合層(2)の比
重は、鉄粒を含まない場合は、ABS樹脂の比重そのも
のとなり、1.05 gr/ccであるが、鉄粒を入れ
た場合は融合層のみを切断し、その比重を測定した結果
、4.4 gr/ccであった。多層材の多孔質層を吸
音材とし、融合層を遮音材として利用する場合、遮音材
としてはその比重が大きいほど遮音特性が向上するので
、この多層材は遮音特性に優れる。従来は、ABS樹脂
のような比重の軽い材料の遮音度を上げるには、その材
料の厚さを厚くするか、鉄板などの金属を貼りつけるこ
とが必要であったか、この製造方法では溶融する部分に
比重の大きい材料を混入させることにより、多孔質層と
比重のさらに大きい融合層を持つ多層材を容易に実現で
きる。
特性例(遮音特性) 第28図はこの多層材の遮音度特性を示す曲線図である
。曲線実■−2、曲線実■−1はそれぞれ製法例■−2
で製造した多層材(鉄粒なし)省厚さ10mのもの、製
法例■−1で製造した多層材(鉄粒入り)の厚さ10I
II11のものの遮音特性を示す。この遮音特性は第2
7図の特性測定図を用いて測定した。パイプ(17) 
(100mm φ) (7)中に、III定スル多層材
(1)を挿入し、その前後にマイクロホンNfL1. 
NQ、2(18)、(19)を設置する。パイプ(17
)の−万端よりスピーカ(20)で音を入射させる。パ
イプ(17)の他端は閉しており、その閉端には、長さ
約1000mのグラスウール(21)を充填しており、
閉端で音が反射しないように処理されている。スピーカ
(20)で放射され、多層材に入射する入射波の音圧レ
ベルはマイクロホンNci、 1 (1g)で測定し、
多層材を透過する透過波の音圧レベルは、マイクロホン
NIIL2(19)で測定される。多層材の遮音度(d
B)は、入射波の音圧レベルから透過波の音圧レベルを
差引いた値で評価した。
第28図に示すように、鉄粒入りのもの(実■−1)が
、鉄粒なしのもの(実■−2)より約10dB遮音度が
向上している。
以上では樹脂粒に混合する粒を鉄粒としたが、他の金属
、ガラスや比重の大きい材料でも同様の効果を発揮する
以上により多孔質構造体(1)の説明を終る。
次に、第1図及び第2図に示す実施例は多孔質層の空孔
率を層の厚さ方向に連続的に変化させて、吸音性能上最
適な比重分布を実現することによって多孔質構造体を厚
くすることなく十分な吸音性能を確保したもの。及び多
孔質体の比重を面方向に連続的に変化させて、吸音特性
上最適な騒音周波数に合わせることによって吸音周波数
特性を向上させたもの、即ち多孔質構造体の空孔率が、
厚さ方向もしくは面方向のうち少なくともいずれか一方
に連続的に変化したものを示したが、変化させない均一
な多孔質構造体をもちいても、従来の吸音照明器具より
も吸音性能が向上していることは明らかであり、本発明
においては吸音効果及び照明効果、外観からその密度を
決定できる。
以上は多孔質構造体背面をすべて天井または壁としたが
、反射板などの照明器具としても明らかに同様な効果が
期待できる。
第1図及び第2図に示す実施例では、照明器具前面に透
明または半透明な硬質の多孔質構造体を配置したもので
あるが、第3図に示す実施例のように、照明器具(蛍光
灯など) (25)の背面に多孔質構造体(1)を配置
し、多孔質構造体(1)の背面に上部反射板(27)を
設け、上部反射板(27)と多孔質構造体(1)との間
に背面空気層を構成する。照明器具(蛍光灯)(25)
の前面には下部反射板(28)を設け、照明器具(25
)からの光は全て多孔質構造体(1)または上部反射板
(27)によって反射または拡散され、照度分布はより
一層−様化される。
また他の実施例では、異なる材質の粒状素材を用いるこ
とで、透過または反射、拡散などの効果を得、吸音効果
を持ちながら美観を向上させることができる。
また他の実施例では、蛍光または夜光塗料を含む素材を
用いる。蛍光または夜光塗料の発光、反射によって照明
効果を上げることができる。
以上のような多孔質構造体を用いた実施例として、第4
図及び第5図のようにエレベータかご内に、本発明によ
る吸音照明装置を用いた例を示す。
第29図にエレベータかご稼働時の従来のエレベータか
ごと本発明による吸音照明装置を取り付けたかご内の騒
音の比較を1オクタ一ブ分析として示す。図より、明ら
かに騒音が低減していることがわかる。この理由を以下
に示す。第30図に従来のエレベータかご内の平均吸音
率と本発明を取り付けたエレベータかご内の平均吸音率
の比較を示す。
第29図より騒音の周波数は125〜500(H2)で
あり、この周波数帯での従来のエレベータかごの平均吸
音率は第30図に示すように、2%程度である。このよ
うにエレベータかご内には吸音性能をもつ部品はほとん
どなく、また狭い空間であるために残響効果が極めて高
い。ここで本発明による吸音照明装置を用いると、12
5〜500(H2)での平均吸音率は20%となり、か
ご内の吸音能力が増加する。
吸音能力の増加にともないエレベータかご内の残響音場
か減衰し騒音値が減少する。
[発明の効果] 本発明は、以上説明したように構成されているので、以
下に記載されるような効果を奏する。
照明器具とこの照明器具前面に、透明または半透明な硬
質の多孔質構造体を配置し、前記多孔質構造体によって
、光を透過または反射、拡散する照明効果をもたせ、さ
らにこの多孔質構造体と前記照明器具との間に形成され
る背面空気層とにより吸音部を構成したことによって、
室内の吸音力を高め、室内騒音を低減でき、従来の吸音
照明カバーに比べ、照度分布差及び直接的な光の漏れ量
が少ない快適な室内環境をつくり出すことができる。
また、本発明の別の発明は、以下の効果を奏する。
照明器具とこの照明器具背面に、硬質の多孔質構造体を
、また多孔質構造体背面に反射板を配置し、前記多孔質
構造体及び前記反射板によって、光を反射、拡散する照
明効果をもたせ、さらに前記多孔質構造体と前記反射板
との間に形成される背面空気層とにより吸音部を構成し
たことによって、室内の吸音力を高め、室内騒音を低減
でき、従来の吸音照明カバーに比べ、照度分布差及び直
接的な光の漏れ量が少ない快適な室内環境をつくり出す
ことができる。また多孔質構造体背面に反射板を配置し
たことにより照度分布がより一層−様化される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第2図は本
発明の他の実施例を示し、照明カバーを一部だけ多孔質
構造体で構成し、多孔質構造体でない部分と一体成形し
たものの縦断面図、第3図はさらに他の実施例を示し、
照明器具背面に多孔質構造体を、前記多孔質構造体の背
面に反射板を設けたことを示した縦断面図、第4図及び
第5図は本発明のまた他の実施例を示し、エレベータか
ご内に吸音照明装置を用いた説明図、第6図は均一多孔
質構造体(背面空気層Bomms空孔率25%)と穴開
き板(背面空気層150mm)の垂直入射吸音率を比較
した線図、第7図は第1図において多孔質構造体の位置
に穴開き板を置いたときと多孔質構造体を用いたときの
床における照度分布の違いを示した線図、第8図(イ)
、(ロ)は夫々本発明に使用する多層材(多孔質構造体
)の模式的断面図、第9図は本発明に使用する多孔質構
造体の第1例の厚さに対する空孔率を示す曲線図、第1
0図は第9図に空孔率曲線を示した多孔質構造体の垂直
入射吸音率の特性曲線図、第11図は垂直入射吸音率を
測定するときの構成図、第12図は本発明に使用する多
孔質構造体の第2例の厚さに対する空孔率を示す曲線図
、第13図は第12図に空孔率曲線を示した多孔質構造
体の垂直入射吸音率の特性曲線図、第14図は本発明に
使用する多孔質構造体の第3例の厚さに対する空孔率を
示す曲線図、第15図は第14図に空孔率曲線を示した
多孔質構造体の垂直入射吸音率の特性曲線図、第16図
は多孔質層を形成する粒状素材の形状を変えた場合の垂
直入射吸音率の特性のバラツキを示す線図、第17図は
粒状素材の直径と吸音率の関係を示す特性図、第18図
は本発明に使用する多孔質構造体の第4例の厚さに対す
る空孔率を示す曲線図、第19図及び第20図は従来の
ものと第18図に空孔率曲線を示した多孔質構造体との
垂直入射吸音率の特性を比較する曲線図、第21図は本
発明に使用するスキン層を有する多孔質構造体の空孔率
を示す曲線図、第22図は第21図に空孔率曲線を示し
たスキン層を有する多孔質構造体の垂直入射吸音率の特
性曲線図、第23図はスキン層の効果を説明するための
多孔質構造体の音響モデル図、第24図及び第25図は
本発明に使用する任意層状の多孔質構造体を示す断面図
、第26図は鉄粒入り多孔質構造体を製造するための金
型構成断面図、第27図は遮音特性を測定する特性測定
図、第28図は本発明に使用する二種類の多孔質構造体
の遮音度特性曲線図、第29図は従来のエレベータかご
内の騒音と本発明による吸音照明装置を取り付けたエレ
ベータかご内の騒音を1オクタ一ブ分析にして比較した
線図、第30図は従来エレベータと本発明による吸音照
明装置を取り付けたエレベータ内の吸音力を比較した線
図、第31図は従来の吸音照明装置の斜視図である。 図において、(1)は多孔質構造体、(22)は目地板
、(23)は止め部材、(24)は天井、(25)は蛍
光灯、(26)は止め金、(27)は上部反射板、(2
8)は下部反射板、(29)はエレベータ天井、(21
0)はエレベータ側面、(211)はエレベータ床、(
212)はエレベータドアである。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)照明器具と、前記照明器具前面に配置された透明
    または半透明な硬質の多孔質構造体とを有し、前記多孔
    質構造体によって光を透過または反射、拡散する照明効
    果をもたせ、さらにこの多孔質構造体と前記照明器具と
    の間に形成される背面空気層とにより吸音部を構成した
    ことを特徴とする照明装置。
  2. (2)照明器具と、前記照明器具背面に配置された透明
    または半透明な硬質の多孔質構造体とを有し、前記多孔
    質構造体によって光を透過または反射、拡散する照明効
    果をもたせ、さらに前記多孔質構造体とその多孔質構造
    体背面に配置した反射板との間に形成された背面空気層
    とにより吸音部を構成したことを特徴とする照明装置。
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