JPH03294539A - 高強度高弾性率ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

高強度高弾性率ポリエステル繊維の製造方法

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JPH03294539A
JPH03294539A JP9291790A JP9291790A JPH03294539A JP H03294539 A JPH03294539 A JP H03294539A JP 9291790 A JP9291790 A JP 9291790A JP 9291790 A JP9291790 A JP 9291790A JP H03294539 A JPH03294539 A JP H03294539A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は従来にない高強度と高弾性特性とを有するポリ
エステル繊維を工業的に製造する方法に関するものであ
る。更に詳しくはタイヤ補強材、コンベアベルト補強材
あるいは熱可塑性コンポジット補強材、等の用途に有用
な高性能ポリエステル繊維の製造方法に関するものであ
る。
(従来の技術) 従来、高強度高弾性率ポリエステル繊維を得る方法とし
ては例えば特開昭63−12715号公報、特開昭83
−99322号公報、特開昭63−196711号公報
、特開昭63−196712号公報、特開昭63−19
6713号公報、等が提案されている。これらの特許に
共通する高強度高弾性率のポリエステル繊維を得るため
の手段として高重合度の原料ポリマーの利用は原理的に
正しい方向である。従来よりこの考え方に基いた研突が
なされており、最近の重合技術の進歩により極限粘度3
.0を越える超高分子量ポリエチレンテレフタレートが
工業的に得られるようにもなっている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記従来技術を見ると、超高分子量ポリ
エチレンテレフタレートを用いて溶融紡糸法により高性
能繊維を得ようとすると、超高分子量体のために溶融粘
度が極めて高くなり溶融液の流動性が極端に低下するた
め従来の紡糸装置と方法および条件での紡糸は極めて困
難である。そのため特公昭47−3372号公報及びU
SP384G377に見られるように高圧に耐える紡糸
装置を新たに設計した高圧高温下での紡糸研究もなされ
ているが耐圧性付与の為、装置の設備投資が大きく、又
かかる方法によっても生産性の低下は免れない為、十分
に実用的とはいえない。また特開昭61−207616
号公報に記載された技術によれば高重合のポリエステル
を加工するために溶液を用いて3〜10重量%といった
希薄な濃度で紡糸を行なっており湿式紡糸による生産性
の低さ及び溶媒回収コスト、等を考えると実用的とはい
えない。特開昭63−12715号公報では極限粘度が
1゜2以上のエチレンテレフタレート系ポリエステルを
トリフロロ酢酸/塩化メチレン混合溶媒に溶解造する技
術が開示されているがこれも前記特許と同様に生産性の
点に問題がある。さらに特開昭63−196712号公
報に記載されている技術においてはノズルオリフィスに
おける剪断速度を極端に低下させる必要があり、このた
め紡速は高々20m/分と極めて低い紡糸速度を適用せ
ねばならず生産性が低く実用性に欠ける。特開昭63−
196711号公報に記載の技術は、特開昭63−19
6712号公報に記載された技術に、延伸前にアセトン
、等の溶媒を用いて膨潤させる技術を追加したものであ
り膨潤処理速度が律速となり生産性の面で実用性に欠け
る。このようにいずれの製造方法も十分な実用性を具備
しているとはいえず現状では工業的に高強度高弾性率を
有する高性能ポリエステル繊維を得るには至っていない
高強度高弾性率ポリエステル繊維を得ようとする従来技
術はいずれも実用性が欠如しており工業的規模の生産に
は採用し難い方法である。この発明はエチレンテレフタ
レート系ポリエステル繊維の高強度高弾性率化に関し従
来技術では欠如していた実用性、特に高速生産性の問題
を解決し、高強度高弾性率ポリエステル繊維の安定的な
紡糸・延伸の新規な製造方法を提供せんとするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するための手段、即ち本発明は、極限粘
度(rV)が1.0〜3.0のエチレンテレフタレート
系ポリエステルに210℃以上の温度で該エチレンテレ
フタレート系ポリエステルに相溶する化合物を該エチレ
ンテレフタレート系ポリエステルに対して2〜50重量
%を添加し、溶融してノズルオリフィスより押出し、次
いで紡出糸条を冷却固化して引取り、紡糸に連続して又
は一旦巻取った後、延伸することを特徴とする高強度高
弾性率ポリエステル繊維の製造方法である。
本発明に使用するエチレンテレフタレート系ポリエステ
ルは1.0以上3.0未満の極限粘度と少なくとも85
WtJ%のエチレンテレフタレート単位を有する。極限
粘度が3.0以上ポリエステルでは該ポリエステルと相
溶性のある前記化合物を添加しても溶融液の溶融粘度が
高い為、溶融紡糸法で繊維化するには高耐圧仕様の特殊
な紡糸装置と特殊な紡糸・延伸条件が必要となり、極限
粘度が1.0未満のポリエステルの場合には本発明の繊
維の特徴である高強度高弾性率が得られないからである
。本発明のエチレンテレフタレート系ポリエステルは高
強度高弾性率繊維を得る目的の為、ポリエチレンテレフ
タレート単独が最も好ましいが少なくとも85J%のエ
チレンテレフタレートから成るポリエステルである必要
がある。本発明でエチレンテレフタレート系ポリエステ
ルに添加する該ポリエステルと相溶性のある化合物とは
ビフェニール化合物またはナフタレン化合物またはフェ
ニルエーテル化合物の中より選ばれた少なくとも1種類
以上の化合物またはそれらの混合物である。該化合物を
エチレンテレフタレート系ポリエステルに添加したこと
による溶融状態における溶融粘度の低下の大きさやポリ
エステルポリマーの熱的安定性(極限粘度の保持性)の
向上の程度さらには該化合物及び該化合物を添加したポ
リエステルポリマーの取扱性、等を考慮すると特に好ま
しい化合物として、エチルビフェニール、1−メチルナ
フタレン、ジフェニルエーテル、等が挙げられる。これ
らの化合物のポリエステルポリマーに対する添加率は2
重量%以上、50重量%未満とすることであり、さらに
好ましくは2〜20重量%とすることである。ポリエス
テルポリマーに対する該化合物の添加率が2重量%未満
では本発明で満足する溶融粘度が得られず、さらに後述
するように該ポリエステルを紡糸して得た未延伸糸では
高倍率の延伸が達成できない。また、ポリエステルポリ
マーに対する該化合物の添加率が50重量%を越えると
該混合ポリマーをノズルオリフィスから吐出した時に紡
出糸条からの添加化合物の揮発量が著しく増大し、発煙
および臭気、等のため作業環境の面から溶媒回収装置が
必要となる。このことは溶融紡糸ではなく乾式紡糸と規
定すべきであり、このため装置の製造コストが飛躍的に
増大することになる。本発明は安価に高強度高弾性率を
達成する為に溶融紡糸方法を採用しているのであり目的
に合致しない。さらに又、紡糸口金汚れ、等の操業性の
面で問題も派生する。
エチレンテレフタレート系ポリエステルと相溶性のある
前記化合物をポリエステルポリマーに添加する方法に特
に限定はないが、予めポリエステルポリマーと前記化合
物とを攪拌混装置内で混合する、ポリエステルポリマー
と前記化合物の溶融混合物を冷却後にチップ化する、溶
融紡糸装置の原料供給部から前記化合物を定量供給しエ
クストルーダー内で混合する、等の方法が採用可能であ
る。前記化合物を添加したポリエステルポリマーを相溶
系混合物の示す融点以上、好しくは該混合物の融点より
少なくとも10℃高い温度で溶融し押し出す。特に注目
すべき点は前記化合物を含有するエチレンテレフタレー
ト系ポリエステルは該化合物を添加していないエチレン
テレフタレート系ポリエステルに比べて添加率にも依る
が10〜50℃の範囲の融点降下を示すことである。こ
のことは該化合物を添加しないポリエステルポリマーに
比べて融点降下に相当する分だけ低い温度で溶融押出し
が可能であり、分子鎖の熱的な切断が抑制できる。この
ように該化合物を添加することには溶融粘度を下げられ
そのため該ポリマーの加工性が向上するという利点、す
なわち減粘効果と同時に溶融押出温度を低くできること
による熱分解の抑制という利点がある。溶融押出し方法
に特に限定はないが、エクストルーダー型押出機、ピス
トン型押出機、2軸混練型押出機、等が用いられる。こ
のようにして溶融後ノズルオリフィスから吐出されたエ
チレンテレフタレート系ポリエステル紡出糸条を冷却固
化せしめ、必要に応じて適量の油剤を付与した後、糸条
の複屈折率△nが0.0001〜0.0200となるよ
うに引取る。
引取った未延伸糸の複屈折率が0.0200以上となる
と前記化合物を添加したことによる延伸性の増大効果が
小さくなり高強度高弾性率の達成は困難になる。一方、
複屈折率が0.0001未満となると紡糸状態が極めて
不安定となり、紡糸過程で発生する糸条の長手方向の斑
の抑制が困難になる。引取られた糸条は一旦巻取った後
、又は紡糸に連続して該未延伸糸のガラス転移温度以上
の温度で自然延伸倍率以上の倍率で延伸する。ここで注
目すべき点は通常本発明の方法で溶融紡出された糸条に
は残留する該化合物が存在し、このため該ポリエステル
単独で示すガラス転移温度より低いことである。延伸温
度がガラス転移温度未満であると分子鎖のモビリティが
十分でなく延伸による分子鎖の配列性が低く、次の延伸
工程での延伸性の上昇が困難になる。第1段の延伸を自
然延伸倍率未満とした場合には該工程で糸斑の発生頻度
が増大し、次の延伸工程での延伸性の向上は期待できす
、全延伸倍率は増大しない。第1段の延伸に引き続き、
150〜250℃の温度範囲で次の段の延伸を行なう。
必要に応じてさらに多段延伸を行ってもよいが、最終延
伸段の最大延伸応力が3.0g/d以−Lで延伸するこ
とが肝要である。
3.0g/d未満の応力下で延伸した場合、本発明の目
的とする高強度高弾性率の達成は困難である。この延伸
応力を得るための延伸条件は前記化合物の添加率及び糸
条内部における該化合物の拡散速度、さらには糸条表面
からの蒸発速度及び延伸時の糸温度、その温度における
滞留時間、等を勘案して決められる。前記化合物を添加
することにより該ポリエステルの分子鎖の絡み合い間距
離を増大せしめ自然延伸倍率が増大する効果をいかに全
延伸倍率の増大に反映させるかが技術上の要点の一つで
ある。このように前記化合物を含む未延伸糸を特定の条
件で多段延伸することにより該未延伸糸の全延伸倍率は
飛躍的に増大し、高強度高弾性率のエチレンテレフタレ
ート系ポリエステル繊維の実用的な製造が可能になる。
以下に本発明の評価に用いた各種特性値の測定方法を述
べる。
〈溶融粘度の測定法〉 エクストルーダー型押出機を使用して一定温度に保った
ノズルオリフィスからエチレンテレフタレート系ポリエ
ステルを通過して溶融吐出し、該ノズルオリフィスの孔
径、孔長、単孔当りの吐出量及び吐出圧力とから剪断応
力と剪断速度を31算して該ポリマーの溶融粘度をもと
めた。剪断速度をゼロに外挿して得られる粘度を測定温
度におけるゼロ剪断粘度(η0)と見なした。
く極限粘度の測定法〉 本発明において、エチレンテレフタレート系ポリエステ
ルの極限粘度(■)はP−クロロフェノール/テトラク
ロルエタン=3/1混合溶液を用い、30℃の温度で測
定した極限粘度[η]を次式によりフェノール/テトラ
クロルエタン=60/40の極限粘度(IV)に換算し
たものである。
IV=0.8325X [η]+0.005゜なお前記
化合物を含有する糸条の極限粘度の測定には予めソック
スレー抽出器でアセトンで3.0時間の抽出を行なった
後、さらに120℃の温度で6時間の減圧乾燥をした糸
条を使用した。
く糸条中の添加化合物の残留量の測定法〉理学電機社製
・示差熱天秤TG−DTA高温型を用い、試料重量5−
gをアルゴンガス気流中で雰囲気試料昇温開始温度20
℃、試料昇温終了温度500℃、試料昇温速度20℃/
分にて昇温し、減量曲線から試料中に残留していた添加
化合物の量を求めた。
くガラス転移温度の測定法〉 東洋ボールドウィン社製、レオパイブロン(Rheo 
Vlbron)DDV −II EA型動的粘弾性測定
装置を用い試料約Q、1mmg1測定周波数110Hz
、昇温速度1℃/分において乾燥空気中でtanδが立
ちトる温度(”C)を求めて、該温度をガラス転移温度
の尺度として採用した。
く繊維の繊度の測定方法〉 繊度はJIS L 1013(1981)の7.3に準
拠した試験方法と条件で測定した。
〈繊維の強度の測定方法〉 繊維の引張強さ(強度)はJIS L II3(198
1)の7.5.1に準じ、標準状態の実験室で、東洋ボ
ールドウィン■社製の定速伸長型万能引張試験装置Te
n5llon UTM −mを使用して単繊維の引張強
さを測定した。
但し測定条件は5kgf1引張型ロードセルを用い、つ
かみ間隔10C=1.引張速度10c■/分、記録用紙
の送り速度100cII/分で試料を引張り、該試料か
切断した時の荷重(g)を次式により引張強さ(g/d
)を算出し、強度(g/d )とした。
引張強さ(g/d):切断時の強さ(g)/試料の繊度
(d)く繊維の初期引張弾性率の測定方法〉 繊維の初期引張弾性率(初期引張弾性率)は上記のJI
S L 1013(1981)の7.5.1準じた繊維
強度の試験方法と同し方法で試験を行ない、記録紙子に
荷重の一伸長曲線を描き、この図よりJIS L +0
13(198+)の7.lOに記載の初期引張抵抗度計
算式により初期引張弾性率(g/d)を算出し、初期引
張弾性率(g/d )とした。
く複屈折率(△n)の測定方法〉 ニコン製偏光顕微鏡POH型とライフ製ベレックコンベ
ンセーターを用い、干渉縞と消光角度から繊維のりター
デーンヨン(r)を、また測微マイクロメーターにより
繊維直径(D)&II7し下記の式により複屈折率(△
n)を求めた。光源としてはスペクタル光源用起動装置
(東芝5LS−8−B型Na光源)を使用した。
△n=r/D    (I’:リターデーション)(作
用) 本発明で得られるエチレンテレフタレート系ポリエステ
ル繊維が高強度高弾性率という優れた物理的特性を有す
ることは該ポリマーと相溶性のある特定の化合物を該ポ
リマーに対して特定の比率で添加することにより溶融粘
度を低下させ実用的な成形加工を可能とすると同時に、
さらに得られた未延伸糸の延伸においては該化合物が該
ポリマーの冷却固化時に分子鎖の絡み合い数を低下させ
るため可塑剤的な役割を果たし、ポリエステル分子鎖を
高度に引き伸ばしが可能になったものと本発明者らは推
察している。
(実施例) 次に実施例により、本発明の特徴を詳述する。
実施例1 触媒として三酸化アンチモン(テレフタル酸に対し、ア
ンチモンとして0.05モル%含む)を使用したポリエ
チレンテレフタレートチップ(極限粘度0.6)を水素
化トリフェニルの熱媒中、窒素ガスを吹き込みながら、
237℃に保ち、20時間加熱撹拌、熱媒重合を行ない
極限粘度2.0のポリエチレンテレフタレートを得た。
このポリエステルチップを120℃の温度で16時間減
圧乾燥後、該ポリマー800重量部に対して1−メチル
ナフタレン(新日鉄化学銖製、蒸留量)200重量部を
加えた後にこの混合物を45℃に昇温して、1.Om+
sgの減圧下で2時間攪拌を行った。所定時間の撹拌処
理が終了した後、混合撹拌容器からポリマーを取り出し
たが該容器中に1−メチルナフタレンは全く残存してい
なかった。また処理後のポリエステルチップの表面にも
1−メチルナフタレンの付着は認められなかった。この
ような処理を行うことで1−メチルナフタレンを含浸し
たポリエチレンテレフタレートが得られた。該ポリエス
テルチップを熱天秤装置で加熱による重量変化を測定し
たところ19.8%の重量減少を示した。なお、上記測
定装置を用いて1−メチルナフタレンを添加しないポリ
エチレンテレフタレートチップを同一温度範囲で測定し
た重量減少は0.2%であった。1−メチルナフタレン
を添加したL記ポリエチレンテレフタレートチップをエ
クストルーダー型小型紡糸機を用いてポリマー溶融温度
270℃で溶融し、孔径がφ0.28.、孔数が24の
紡糸口金から紡糸口金温度310℃、該紡糸口金の単孔
当りの吐出量0.31g/分で溶融吐出を行ない、0.
3m/秒の速度の気流を吹き当てて冷却固化させた後、
該糸条に対して約0.5%の油剤を付与し、引取速度を
15.2〜250m/分の範囲で変更し、巻き取った。
なお、該紡糸口金温度における該ポリエステルの零剪断
粘度は13,800ポイズであった。引取速度100m
/分で巻き取った未延伸糸の複屈折率(△n)は0.0
002であり、22℃の温度における自然延伸倍率は3
.78倍であった。また、未延伸糸中に残留している1
−メチルナフタレンの量は12.6重量%であり、動的
粘弾性測定から求めたガラス転移温度は44.5℃であ
った。次いで該未延伸糸を表面速度が50m/分の供給
ロールと第1延伸ロールの間で60℃の温度に加熱した
比接触式熱板間ヒーターを介して第1表に記載の第1延
伸倍率で第1段延伸した後、さらに245℃の温度に加
熱した非接触式熱板間ヒーターを介して第2延伸ロール
との間で第1表に記載した第2延伸倍率で延伸を行ない
、ワインダーで巻き取った。得られた延伸繊維の性能は
第1表に示す通りである。未延伸糸の複屈折率が0.0
001未満(比較例N11l)の場合、また複屈折率が
0.02を越える場合(Ni12)、善を除くといずれ
も高い引張速度と初期引張弾性率を有していた。
実施例2 実施例1において熱媒重合時間を調節することで極限粘
度がそれぞれ0.9.1.3.3.o13.5のポリエ
チレンテレフタレートポリマーを得た。各ポリマーに実
施例1に記載した装置・条件を使用して1−メチルナフ
タレンを混合・含浸させた。このポリマーにつき実施例
1で記載した紡糸装置を使用して溶融吐出を行なった。
当然のことであるが溶融押出し時に紡糸口金にかかる圧
力および紡出糸の特性は紡糸に使用するポリエステルポ
リマーの極限粘度に大きく依存して変化するため、紡糸
温度や紡糸口金寸法、さらに紡糸口金の単孔当りの吐出
量、等は極限粘度の異なるポリエステルポリマー毎に紡
糸条件の適正化をはかった。得られた未延伸糸を第2表
に記載した方法で延伸した。その他の条件は実施例1に
合わせた。
結果を第2表に示す。第2表から明らかな様に本発明に
属するもの(N12〜3)は比較的低い溶融粘度での溶
融押出しが可能であり、延伸して得られた繊維は強度、
初期弾性率ともに極めて高いことが分かる。一方、これ
に対して極限粘度が0.9のポリエステルポリマーを使
用した場合(Nal)の延伸糸の強度並びに初期弾性率
の向上効果は小さいものであった。また、極限粘度が3
.0を越えるポリエステルポリマーを使用した場合(N
l14)の溶融粘度は53200ポイズであり紡糸状態
は極めて不安定のため、均質な未延伸糸は得られなかっ
た。
実施例3 原料ポリエステル1000重量部に対するl−メチルナ
フタレンの混合比率を0〜1250重量部の範囲でそれ
ぞれ変更し、実施例1に記載した方法・条件で混合・含
浸処理を行なった。該混合物をそれぞれ実施例1に記載
した紡糸装置を用いて紡糸しさらに実施例1に記載した
装置・方法で延伸を行なった。第3表に結果を示した。
第3表から明らかなように本発明に属するもの(N13
〜6)は溶融紡糸時における吐出圧力が実用レベルにあ
り、紡糸の状態も安定であった。それぞれの未延伸糸を
延伸して得た糸は強度ならびに初期弾性率ともに高い値
を示した。一方、1−メチルナフタレンを添加しない場
合(Nlll)は溶融吐出時の紡糸口金での背圧が極め
て高く、紡糸は不可能であった。本発明に属さないN1
12の場合、紡糸は可能であるものの得られた未延伸糸
は単繊維間および糸長子方向のいずれにも糸斑が極めて
大きいために高倍率での延伸は無理であった。また、本
発明に属さないNf17ではエクストルーダー型紡糸装
置を使用した場合、バレル部からの化合物の洩れの発生
や、さらには紡糸1−1金直下における吐出糸条からの
1−メチルナフタレンガスによる多量の発煙が認められ
た。
実施例4 実施例1で記載したポリエステルポリマーに実施例1に
記載した装置・条件を基本にして、210℃以上の温度
で該ポリマーと相溶性のあるビフェニール、ジフェニ−
ルエーテル、モノエチルビフェニール、また、210℃
以上の温度で該ポリマーと非相溶性の水素化ターフェニ
ールをそれぞれ独立に混合・含浸した。当然のことでは
あるが使用する化合物の種類に応じて混合する温度およ
び時間の適正化を図った。混合処理した後のポリエステ
ルチップを実施例1に記載した紡糸・延伸条件を基本に
し、使用した化合物の種類に応じて若干の条件修正を加
えながら延伸糸を作成した。結果を第4表に示した。第
4表から明らかなように本発明に属するもの(NILI
〜3)は紡糸における溶融粘度も装置的に対処が可能な
レベルにあり、また得られた延伸糸は強度並びに初期弾
性率共に高い値を示した。これに対して本発明に属さな
いもの(N[14)は紡糸状態、特に原料ポリマーの紡
糸機への供給が不安定であり連続した安定運転は困難で
あった。得られた未延伸糸は延伸性が極端に低く目的と
する高物性の繊維は得られなかった。
実施例5 実施例1で記載したポリエステルポリマー800重量部
に対して100重轍部の1−メチルナフタレンと100
重量部のジフェニールエーテルを加えて実施例1に記載
した装置・条件で混合・含浸処理を行なった。該混合化
合部を含むjj IJエステルを実施例1に記載した装
置・条件により紡糸、さらには延伸を行った。結果を第
5表の通りである。得られた延伸糸は高い強度と初期引
張弾性率とを示した。
第5表 知の紡糸、延伸方法では高強度・高初期弾性率化が困難
とされてきた高分子量エチレンテレフタレート系ポリエ
ステルの紡速50m/分以上での高速生産性と安定な紡
糸と延伸が可能にならしめた。
つまり、ポリエステルと高温下で相溶性を有する特定の
化合物を添加することで現実的なレベルまで溶融粘度が
低下し、そのため既存の紡糸ならびに延伸装置による安
定な製糸が可能になった。また、従来、エチレンテレフ
タレート系ポリエステルでは考えられなかったような低
い温度での溶融紡糸が可能であり、これにより繊維化の
過程で生じる極限粘度の低下を抑制できる。さらに上記
した未延伸糸は高い延伸性を有しており、高倍率延伸が
可能であることから強度・初期弾性率ともに優れたポリ
エステル繊維を安定に得ることが出来、産業界に寄与す
ること大である。
(発明の効果)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1.  極限粘度(IV)が1.0〜3.0のエチレンテレフタ
    レート系ポリエステルに210℃以上の温度で該エチレ
    ンテレフタレート系ポリエステルに相溶する化合物を該
    エチレンテレフタレート系ポリエステルに対して2〜5
    0重量%添加し、溶融してノズルオリフィスより押出し
    、次いで紡出糸条を冷却固化して引取り、紡糸に連続し
    て又は一旦巻取った後、延伸することを特徴とする高強
    度高弾性率ポリエステル繊維の製造方法。
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