JPH0329312Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、高炉等の竪形炉の炉頂装入装置に係
り、詳しくは竪形炉に装入される原料の量を精度
良く管理するための技術に関するものである。

［従来の技術］ 高炉の炉頂装入装置として、近年、ベルレス式
のセンターフイード型装入装置が開発されてい
る。第３図にその一例を示す。

この装入装置は、炉体１の上方に上部ホツパー
（原料投入ホツパー）２及び下部ホツパー（均圧
ホツパー）３を炉心延長線上に沿つて直列に配置
し、ベルトコンベア（図示せず）から投入される
原料をほぼ炉の中心線にそつて下方に移動させ炉
体１内に供給するようにしたものであり、概略次
のような構成になつている。

上部ホツパー２は高炉頂部のやぐら（固定部）
に支持され、このホツパー２の下端排出口には原
料切り出しゲート４が設けられている。また、そ
の下の下部ホツパー３は計量装置５を介して計量
に必要な量だけ自重に応じて上下に変位できるよ
うにやぐら６に支持され、このホツパー３の下端
排出口には、ホツパー３から炉体１に排出する原
料の流量を調整する原料流量調整ゲート７が設け
られている。２個のホツパー２，３はいずれも原
料を一端貯留するためのものであるが、特に下部
ホツパー３は炉内ガスが大気中に放散するのを防
ぐための均圧ホツパーとされ、このホツパー３の
上側及び下側にはそれぞれ上部シール弁８及び下
部シール弁９が設けられている。

前記原料流量調整ゲート７及び下部シール弁９
は、ゲートユニツト１０及びシール弁ユニツト１
１の中にそれぞれ組み込まれている。そして、ゲ
ートユニツト１０のケーシング１２は、上端が下
部ホツパー３に連結され、下端がシール弁ユニツ
ト１１に伸縮管１３を介して連結されており、ま
た、シール弁ユニツト１１の下端は炉体側ユニツ
ト１４に連結され、各連結部から炉内ガスが漏れ
出ることのないような構造になつている。１５
は、ゲートユニツト１０を通過した原料を炉体内
に分配するためのシユートであり、炉体側ユニツ
ト１４内の駆動機構１６により旋回及び傾動され
るようになつている。

また、下部ホツパー３内に存在する原料は、計
量装置５によりその重量が計測されるのである
が、そのため下部ホツパー３と上部ホツパー２の
接続部には、ゲートユニツト１０とシール弁ユニ
ツト１１との間に介した伸縮管１３と同様の機能
を果たす伸縮可能な防塵カバー１７が介在され、
下部ホツパー３の自由な上下変位を妨げない構造
になつている。なお、下部ホツパー３には、均圧
化のための圧ガス注入手段１８が付設されてい
る。

そして、以上の構成の装入装置では、次のよう
に炉体１内に原料を装入する。

まず、ベルトコンベア（図示略）から原料を
上部ホツパー２内に投入する。この原料は、原
料切り出しゲート４を閉にすることにより、下
部ホツパー３の原料受け入れ準備が整うまで、
上部ホツパー２内に貯留しておく。

そして、下部ホツパー３の準備が整つた段階
で原料切り出しゲート４を開にすることによ
り、原料を下部ホツパー３内に投入する。この
とき、原料流量調整ゲート７は閉にし、また炉
内ガスの放散を防ぐため下部シール弁９は閉、
上部シール弁８は開とし、下部ホツパー３内を
大気圧に保持する。そして、計量装置５により
下部ホツパー３の荷重を計測し、中の原料の重
量を算出する。

次に、炉体１内に、原料を投入する場合に
は、まず、下部シール弁９を閉としたまま上部
シール弁８を閉じる。そして、圧ガス注入手段
１８により下部ホツパー３内にガスを注入し、
下部ホツパー３内のガス圧力を炉体１内の圧力
に等しくする。つまり均圧化する。

その後、原料流量調整ゲート７を開にして、
原料を所定の流量で炉体１内に均等に分配投入
する。

下部ホツパー３内の原料の排出がすんだら、
下部シール弁９及び原料流量調整ゲート７を閉
じる。

それから、下部ホツパー３内のガス圧力を抜
き、下部ホツパー３内の圧力を大気圧に等しく
する。以後は、上記の手順を繰り返すことによ
り、順次原料を投入する。

以上の各段階における測重データを第４図に示
す。図において、 W₀：原料貯蔵前の重量 W₁：原料貯蔵時の重量 W₂：均圧後の重量 W₃：原料を炉内に装入した後の重量 である。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、従来の装入装置においては、上記
の工程において、均圧化した際、その圧力上昇に
より伸縮管１３が伸びて、下部ホツパー３に対し
持ち上げ力が作用する。そのため、均圧化の前後
で測重データに差が生じ、測重データが即ち原料
の重量とならない。これは、測重データをもとに
原料装入中に原料流量調整ゲート７の開度を微調
整したりすることから、同ゲートの制御に困難を
生じることを意味する。

以上のように、従来の装入装置においては、測
重データの精度の点で若干の改善すべき問題があ
つた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、炉体の頂部に、自重に応じて上下に
自由に変位できるように伸縮管を介して均圧ホツ
パーが連結され、その均圧ホツパーの上部に、均
圧ホツパーに荷重がかからないように原料投入ホ
ツパーが連結され、前記均圧ホツパーは計量装置
により測重可能に支持され、また、前記炉体と均
圧ホツパーとの間には両者を気密に遮断する下部
シール弁が設けられ、均圧ホツパーと上部ホツパ
ーの間には両者を気密に遮断する上部シール弁が
設けられ、これら両シール弁を閉じて均圧ホツパ
ー内を炉体内圧力と等しくした後、均圧ホツパー
内に投入されている原料を炉体内に排出するよう
にした炉頂装入装置において、前記下部シール弁
を、均圧ホツパーと伸縮管の間に配置したことを
特徴としている。

［作用］ 上記構成の装入装置にあつては、シール弁を閉
じているときも、開いているときも、常に炉体内
圧による持ち上げ力が計量装置にかかつている。
したがつて、均圧工程前後の測重データに変動を
生じることがない。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を第１図を参照して説
明する。なお、前述した第１図に示す従来例と同
一構成部分には同一符号を付してその説明を省略
する。

この実施例の炉頂装入装置においては、下部ホ
ツパー３の下側に、原料流量調整ゲート７及び下
部シール弁９を組み込んだゲートユニツト２０が
連結されており、さらにそのゲートユニツト２０
の下側に伸縮管１３が連結され、この伸縮管１３
を介してゲートユニツト２０は炉体側ユニツト１
４に連結されている。すなわち、この装入装置で
は、下部シール弁９と伸縮管１３の上下位置が従
来のものと逆転している。

これにより、炉体１の内圧は、下部シール弁９
を閉じているときに、シール弁９に加わるが、こ
のシール弁９は伸縮管１３より上方にあり、下部
ホツパー３と一体的に上下するから、同内圧によ
る持ち上げ力は下部ホツパー３に作用する。この
場合、下部ホツパー３内を均圧化しているかどう
かには全く関係しない。また、下部シール弁９を
開いているときは、炉内圧は上部シール弁８に加
わり、それによる持ち上げ力は下部ホツパー３に
作用する。すなわち、下部ホツパー３は、常時、
炉内圧による持ち上げ力の作用を受けており、測
重データは常に持ち上げ力を含んだ値となり、均
圧工程の前後で全く荷重上の変動を生じない。こ
のことは、第２図に示す測重データにより明らか
である。

［考案の効果］ 本考案の炉頂装入装置にあつては、シール弁を
閉じているときも、開いているときも、常に炉体
内圧による持ち上げ力が計量装置にかかつてい
る。したがつて、均圧工程前後の測重データに変
動を生じることがなく、測重精度の向上を図るこ
とができる。したがつて、炉体に投入する原料流
量の管理を精度良く行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側断面図、第２図
は同実施例装置の測重データを表わす図、第３図
は従来装置の側断面図、第４図は同従来装置の測
重データを表わす図である。 １…炉体、２…上部ホツパー（原料投入ホツパ
ー）、３…下部ホツパー（均圧ホツパー）、５…計
量装置、８…上部シール弁、９…下部シール弁、
１３…伸縮管、１４…炉側ユニツト、１８…圧ガ
ス注入装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉体の頂部に、自重に応じて上下に自由に変位
   できるように伸縮管を介して均圧ホツパーが連結
   され、その均圧ホツパーの上部に、均圧ホツパー
   に荷重がかからないように原料投入ホツパーが連
   結され、前記均圧ホツパーは計量装置により測重
   可能に支持され、また、前記炉体と均圧ホツパー
   との間には両者を気密に遮断する下部シール弁が
   設けられ、均圧ホツパーと上部ホツパーの間には
   両者を気密に遮断する上部シール弁が設けられ、
   これら両シール弁を閉じて均圧ホツパー内を炉体
   内圧力と等しくした後、均圧ホツパー内に投入さ
   れている原料を炉体内に排出するようにした炉頂
   装入装置において、前記下部シール弁を、均圧ホ
   ツパーと伸縮管の間に配置したことを特徴とする
   炉頂装入装置。