JPH0329272B2

JPH0329272B2 -

Info

Publication number: JPH0329272B2
Application number: JP60211732A
Authority: JP
Inventors: Hayamizu Ito; Shuhei Tatsumi; Yoshitaka Kajihata; Shoichi Takao
Original assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Current assignee: Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date: 1985-09-25
Filing date: 1985-09-25
Publication date: 1991-04-23
Also published as: JPS6270490A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明は、燃焼性および貯蔵安定性に優れた石
炭、オイルコークス、石油系ピツチなどの炭素質
固体を高濃度に含む水スラリー（以下、高濃度石
炭・水スラリーという）の製造方法に関するもの
である。〔従来の技術〕近年、石油供給の不安定化のため、石炭、オイ
ルコークス、石油系ピツチなどの炭素質固体を有
効利用する技術開発が進められている。たとえ
ば、これらの炭素質固体の有効利用技術として
は、熱分解、ガス化、燃焼あるいは鉄鋼業におけ
る高炉吹込重油の代替燃料、セメントキルンの重
油の代替燃料など種々のものが考えられる。しか
しこのような各種利用技術において、炭素質固体
は常温で固体であるために、ハンドリングが困難
である上、粉塵飛散による公害発生や粉塵爆発の
危険があるなどの短所があり、利用が困難になつ
ている。したがつてこうした炭素質固体の流体化
を図り、ハンドリングを容易にし公害発生や危険
を防止することが望まれる。一方、炭素質固体の
輸送コストを下げるためにも、流体化して輸送す
るのが効果的である。以上のような目的のために、炭素質固体を流体
化する方法として、スラリー化するのが効果的で
あるが、このスラリーを熱分解、ガス化、燃焼あ
るいは高炉への吹込、セメントキルンの燃料など
に利用するためには、スラリーを高濃度化すると
ともに、スラリー中に懸濁する固形物粒子が沈降
して固液分離が起こることを防止する必要があ
る。従来、石炭、水、分散剤および安定化剤を湿式
粉砕機に供給し、粉砕混合して安定なスラリーを
得る方法や、分級機により粗粒を除去し、それを
湿式粉砕機入口に戻す方法などが知られている。
たとえば第５図に示すように、原料石炭を粗粉砕
機１に導入して粗粉砕した後、水、分散剤、安定
化剤とともに湿式粉砕機２に導入して微粉砕し、
湿式粉砕機２から排出されるスラリーを分級機３
に導入して粗粒を除去し、この粗粒を含有するス
ラリーを湿式粉砕機２の入口に戻す方法が知られ
ている。〔発明が解決しようとする問題点〕しかし上記の従来技術は、いずれも分散剤と安
定化剤を同時に添加する方法である。安定化剤を
スラリーに添加すると、通常、粘度が増大し、こ
のため粉砕動力が多くなり、かつ分級機での粗粒
分離が困難になり、製品スラリーの粗粒含有割合
が多くなつて燃焼性および貯蔵安定性が悪くなる
という問題点が生じる。本発明は上記の問題点を解決するためになされ
たもので、燃焼性および貯蔵安定性に優れた高濃
度石炭・水スラリーの製造方法の提供を目的とす
るものである。〔問題点を解決するための手段および作用〕本願の第１の発明の高濃度石炭・水スラリーの
製造方法は、石炭、水、分散剤、安定化剤を混合
して高濃度石炭・水スラリーを製造する方法にお
いて、石炭を水、分散剤とともに湿式粉砕機に導
入して微粉砕し、ついで分級機に導入して粗粒を
除去した後、安定化剤を加え混合機で撹拌混合す
ることを特徴としている。また本願の第２の発明の高濃度石炭・水スラリ
ーの製造方法は、原料石炭の一部を乾式微粉砕
し、分級機で細粉と微粉とに分け、原料石炭の残
部を粗粉砕し、この粗粉砕炭および前記細粉を
水、分散剤とともに湿式粉砕機に導入して微粉砕
し、ついで分級機に導入して粗粒を除去した後、
前記微粉とともに混合機に導入し安定化剤を加え
て撹拌混合することを特徴としている。以下、図面に基づいて詳細に説明する。第１図
は本願の第１の発明の一例を示すフローシートで
ある。原料石炭をまず粗粉砕機１に導入して粗粉
砕した後、粗粉砕炭を水および分散剤とともに湿
式粉砕機２に導入して微粉砕し、湿式粉砕機２か
ら排出されるスラリーを分級機３に導入して粗粒
を除去した後、安定化剤を加え混合機４で撹拌混
合することにより、燃焼性および貯蔵安定性に優
れた水スラリーを得る。分級機３で分離された粗
粒含有スラリーは湿式粉砕機２の入口に循環され
る。また第２図は第２の発明の一例を示している。
第２図において、原料石炭の一部を乾式微粉砕機
５に導入して乾式微粉砕し、分級機６で細粉と微
粉（たとえば150μm以下）とに分ける。一方、原
料石炭の残部を粗粉砕機１に導入して粗粉砕し、
この粗粉砕炭および分級機６からの細粉を水、分
散剤とともに湿式粉砕機２に導入して微粉砕し、
ついで分級機３に導入して粗粒を除去した後、分
級機６からの微粉とともに混合機４に導入し安定
化剤を加えて撹拌混合することにより、燃焼性お
よび貯蔵安定性に優れた水スラリーを得る。分級
機３で分離された粗粒含有スラリーは湿式粉砕機
２の入口に循環される。本発明において用いられる分散剤としては、ア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤
などを単独でまたは組み合わせて用いられ、炭種
によつて適宜選択される。具体的には、アニオン
系界面活性剤としては、脂肪油硫酸エステル塩、
高級アルコール硫酸エステル塩、非イオンエーテ
ル硫酸エステル塩、オレフイン硫酸エステル塩、
アルキルアリルスルホン酸塩、二塩基酸エステル
スルホン酸塩、ジアルキルスルホこはく酸塩、ア
シルザルコシネート、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキル（アルキルフエノール）硫酸エステ
ル塩、アルキルリン酸エステル塩、ジアルキルス
ルホコハク酸エステル塩、アクリル酸もしくは／
および無水マレイン酸共重合体、多環式芳香族ス
ルホン化物もしくはホルマリン化合物などが使用
され、カチオン系界面活性剤としては、アルキル
アミン塩、第４級アミン塩などが使用され、ノニ
オン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフエノー
ルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレン
ブロツクポリマー、ポリオキシエチレンアルキル
アミン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルト
リメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメ
チルベンジルアンモニウムクロライド、アルキル
ピリジニウム塩、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、脂肪族アルコールポリオキシエチレンエー
テル、アルキルフエノールポリオキシエチレンエ
ーテル、多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸
のエタノールアマイドなどが用いられ、両性系界
面活性剤としては、アルキルベタインなどが使用
され、また１，２，３モノアミン、ジアミンなど
のアミン化合物、高級アルキルアミノ酸などが用
いられ、望ましくは、ナフタリンスルホン酸ナト
リウム、そのホルマリン縮合物、ジシクロペンタ
ジエンのスルホン化物のナトリウム塩と酢酸ナト
リウムとの共重合物などが用いられ、炭素質固体
に対して0.001〜５重量％、望ましくは0.05〜1.5
重量％添加される。また本発明において用いられる安定化剤として
は、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属
塩（CMC）、ビドロキシエチルセルロース
（HEC）、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩、ポ
リビニールアルコール、デンプン、カラヤガム、
カラヤガムとポリアクリルアミドの混合物、ポリ
アクリレートで変性した多糖類、アルギン酸のア
ルカリ金属塩、ベントナイト、アラビヤガム、グ
アーガム、ローカストビーンガム、トラガントガ
ム、ブリテイツシユガム、セネガールガム、クリ
スタルガムなどのガム類などが用いられ、炭素質
固体に対して0.0001〜5.0重量％、望ましくは
0.001〜1.5重量％添加される。〔実施例〕以下、実施例および比較例を挙げる。実施例１湿式粉砕機として、内径480mm、長さ960mmの湿
式ボールミルを、分級機として、目開き500μmの
金網を取り付けた振動ふるいを用いて、第１図に
示すフローに従つて、HGI50の石炭を原料とし
て、スラリー濃度66％、200メツシユ通過量80％
の高濃度石炭・水スラリーを製造した。なお分散
剤としてナフタレンスルホン酸ホルムアミド縮合
物のナトリウム塩を対石炭当り0.8重量％添加し、
安定化剤としてカルボキシメチルセルロースのナ
トリウム塩を対石炭当り0.005重量％添加した。
結果は第１表、第３図に示す如くであつた。比較例１実施例１と同じ湿式粉砕機を用い、分級機とし
て、目開き500μmの金網を取り付けた振動ふるい
を用いて、第５図に示すフローに従つて実施例１
と同じ濃度、粒度の高濃度石炭・水スラリーを製
造した。原料石炭、分散剤、安定化剤の種類、添
加率は実施例１と同様であつた。結果は第１表、
第３図に示す如くであつた。

【表】なお第１表におけるスラリー粘度は、サーレ式
レオメータを用いて測定した、スラリーの流動曲
線の下降曲線上におけるずり速度100sec^-1、25℃
での値である。第１表および第３図から、本発明の方法によれ
ば、従来方法に比べて動力原単位が約９％低減さ
れ、かつ製品スラリーの粗粒含有割合が低減さ
れ、燃焼性および貯蔵安定性に優れた高濃度石
炭・水スラリーが得られたことがわかる。実施例２湿式粉砕機として、内径480mm、長さ960mmの湿
式ボールミルを、分級機として、目開き500μmの
金網を取り付けた振動ふるいを用いて、第２図に
示すフローに従つて、HGI50の石炭を原料とし
て、スラリー濃度66％、200メツシユ通過量80％
の高濃度石炭・水スラリーを製造した。なお分散
剤としてナフタレンスルホン酸ホルムアミド縮合
物のナトリウム塩を対石炭当り0.8重量％添加し、
安定化剤としてカルボキシメチルセルロースのナ
トリウム塩を対石炭当り0.005重量％添加した。
また微粉炭は150μm以下100％のものを用い、湿
式粉砕機出口のスラリー濃度は60％であつた。結
果は第２表、第４図に示す如くであつた。比較例２実施例２と同じ湿式粉砕機を用い、分級機とし
て、目開き500μmの金網を取り付けた振動ふるい
を用いて、第６図に示すフローに従つて実施例２
と同じ濃度、粒度の高濃度石炭・水スラリーを製
造した。原料石炭、分散剤、安定化剤の種類、添
加率は実施例１と同様であつた。結果は第２表、
第４図に示す如くであつた。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の方法において
は、安定化剤を分散剤と同時に湿式粉砕機に導入
せず、分級機の後流で添加するので、従来方法に
比べて粉砕動力が小さく経済的であり、かつ分級
機での粗粒分離が容易であり、すなわち分級経を
小さくすることができ、製品スラリーの粗粒含有
割合が低減され、燃焼性および貯蔵安定性に優れ
た高濃度石炭・水スラリーを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願の第１の発明の一例を示すフロー
シート、第２図は第２の発明の一例を示すフロー
シート、第３図は実施例１および比較例１におけ
るスラリーの粒度分布図、第４図は実施例２およ
び比較例２におけるスラリーの粒度分布図、第５
図は従来法を示すフローシート、第６図は比較例
２におけるフローシートである。１…粗粉砕機、２…湿式粉砕機、３…分級機、
４…混合機、５…乾式微粉砕機、６…分級機。

Claims

【特許請求の範囲】１石炭、水、分散剤、安定化剤を混合して高濃
度石炭・水スラリーを製造する方法において、石
炭を水、分散剤とともに湿式粉砕機に導入して微
粉砕し、ついで分級機に導入して粗粒を除去した
後、安定化剤を加え混合機で撹拌混合することを
特徴とする高濃度石炭・水スラリーの製造方法。２石炭、水、分散剤、安定化剤を混合して高濃
度石炭・水スラリーを製造する方法において、原
料石炭の一部を乾式微粉砕し、分級機で細粉と微
粉とに分け、原料石炭の残部を粗粉砕し、この粗
粉砕炭および前記細粉を水、分散剤とともに湿式
粉砕機に導入して微粉砕し、ついで分級機に導入
して粗粒を除去した後、前記微粉とともに混合機
に導入し安定化剤を加えて撹拌混合することを特
徴とする高濃度石炭・水スラリーの製造方法。