JPH03288159A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH03288159A
JPH03288159A JP2088263A JP8826390A JPH03288159A JP H03288159 A JPH03288159 A JP H03288159A JP 2088263 A JP2088263 A JP 2088263A JP 8826390 A JP8826390 A JP 8826390A JP H03288159 A JPH03288159 A JP H03288159A
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JP
Japan
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toner
molecular weight
vinyl copolymer
weight
thf
Prior art date
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Pending
Application number
JP2088263A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhisa Akashi
恭尚 明石
Masaaki Taya
真明 田谷
Makoto Unno
真 海野
Hirohide Tanigawa
博英 谷川
Masaki Uchiyama
内山 正喜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真法、静電印刷法、磁気記録法に用い
られる静電荷像現像用トナーに関し、特に熱ロール定着
法に適したトナーに関する。
[従来の技術] 従来、電子写真法としては米国特許第2,297゜69
1号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭
43−24748号公報等に記載されている如く、多数
の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、
次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙
等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力或い
は溶剤蒸気などにより定着し、複写物を得るものである
上述の最終工程であるトナー像を紙などのシートに定着
する工程に関しては種々の方法や装置が開発されている
。現在量も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方
式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナーに対し離型性
を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被定
着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せし
めることにより定着を行なうものである。この方法は熱
ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で
接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際
の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことが
でき、高速度電子写真複写機において非常に有効である
。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とトナ
ー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の
一部が定着ローラー表面に付着・転Bし、次の被定着シ
ートにこれが再転移して所謂オフセット現象を生じ、被
定着シートを汚すことがある。熱定着ローラー表面に対
してトナーが付着しないようにすることは熱ローラ一定
着方式の必須条件の1つとされている。
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的で
、例えば、ローラー表面をトナーに対して離型性の優れ
た材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形成し、更に
その表面にオフセット防止及びローラー表面の疲労を防
止するためにシリコンオイルの如き離型性の良い液体の
薄膜でローラー表面を被覆することが行なわれている。
しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防止す
る点では極めて有効であるが、オフセット防止用液体を
供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑にな
ること等の問題点を有している。
それゆえ、オフセット防止用液体の供給によってオフセ
ットを防止する方向は好ましくな(、むしろ定着温度領
域が広く耐オフセット性の高いトナーの開発が望まれて
いるのが現状である。そこでトナーとして離型性を増す
ために加熱時に充分溶融するような低分子量ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のワックスを添加する方法も行な
われているが、オフセット防止には有効である反面、ト
ナーの凝集性が増し、帯電特性が不安定となり、耐久性
の低下を招き易い。そこで他の方法としてバインダー樹
脂に改良を加える工夫がいろいろと試みられている。
例えば、トナー中のバインダー樹脂のガラス転移温度(
Tg)や分子量を高めトナーの溶融粘弾性を向上させる
方法も知られている。しかしながら、このような方法は
、オフセット現象を改善した場合、定着性が不十分とな
り、高速現像化や省エネルギー化において要求される低
温度下での定着性即ち低温定着性が劣るという問題が生
じる。
般に、トナーの低温定着性を改良するには、溶融時にお
けるトナーの粘度を低下させ定着基材との接着面積を犬
きくする必要があり、このために使用するバインダー樹
脂のTgや分子量を低くすることが要求される。
即ち、低温定着性とオフセット防止性とは相反する一面
を有することから、これらの機能を同時に満足するトナ
ーの開発は非常に困難なことである。
この問題を解消するために、例えば、特公昭51−23
354号には、架橋剤と分子量調整剤を加え、適度に架
橋されたビニル系重合体からなるトナーが、特公昭55
−6805号には、α、β不飽和エチレン系単量体を構
成単位とした重量平均分子量と数平均分子量との比が3
.5〜4.0となるように分子量分布を広くしたトナー
が、更にはビニル系重合体において、Tg、分子量、ゲ
ルコンテントなどを組み合せたブレンド系のトナー等が
提案されている。
確かに、これらの提案によるトナーは、分子量分布の狭
い単一の樹脂からなるトナーに比べて、定着下限温度(
定着可能な最も低い温度)とオフセット温度(オフセッ
トが発生し始める温度)の間の定着可能温度範囲は広が
るものの、十分なオフセット防止性能を付与した場合に
は、その定着温度を十分低くすることができず、反対に
低温定着性を重視するとオフセット防止性能が不充分と
なるという問題が存在した。
又これらビニル系の樹脂に代え、低温定着性という点で
木質的にビニル系樹脂よりも優れているとされているポ
リエステル樹脂に架橋を施し、更にオフセット防止剤を
加えたトナーも特開昭57−208559号で提案され
ている。このものは低温定着性及びオフセット防止性と
もに優れたものであるがトナーとしての生産性(粉砕性
)という点で問題がある。
これを改良するために、酸成分を含有した低分子量ポリ
マー存在下でポリエステルを重合させることが特開昭6
1−210367号で提案されている。しかしこの場合
、粉砕性は改良されるものの、耐ブロッキング性や耐オ
フセット性において、まだ問題点を有している。
更に特開昭56−116043号では反応性ポリエステ
ル樹脂の存在下でビニル系単量体を重合し、重合の過程
で架橋反応、付加反応、グラフト化反応を介して高分子
化させた樹脂を用いたトナーが提案されており、粉砕性
の点では改善されているが、低温定着性、オフセット防
止性の点で互いの樹脂の機能を充分に生かすことができ
ない。
又単純にポリエステル樹脂とゲルコンテントが異なる2
種類(Gel化度80%以上とGel化度10%未満)
のビニル系樹脂をブレンドした樹脂を用いたトナーが特
公平1−15063号で提案されており、このものは低
温定着性については良いが、オフセット防止性、粉砕性
の点でまだ充分ではない。
耐オフセット性を改善する目的でGel化度80%以上
のビニル系樹脂の割合を多くしても、オフセット防止性
は良くなるが、逆に低温定着性が著しく低下する。又G
el化度lO%未満のビニル系樹脂を含有させただけで
は充分な粉砕性は満足できない。
このように定着に関わる(低温定着性とオフセット防止
性)性能および粉砕性を共に直性、能で実現することは
極めて困難である。特にトナー製造時における粉砕性は
、複写画像の高品位化、高解像化、高細線再現性の要望
によりトナーの粒径をより小さくしていく今日の方向に
重要な因子であり、又粉砕工程はひじように大ぎなエネ
ルギーを要するため粉砕性の向上は省エネルギーの面か
らも重要である。
又粉砕装置内壁へのトナーの融着現象も定着性能の良い
トナーに発生し易く、そのため粉砕効率を悪くする。更
に別な側面として他の複写工程において、転写後の感光
体上に残ったトナーをクリーニングする工程がある。今
日、装「の小型化、軽量化、信頼性の面からブレードに
よるクリーニング(ブレードクリーニング)が−船釣に
なっている。感光体の高寿命化と感光体トラムなどの小
型化及びシステムの高速化に伴い、トナーに要求される
感光体に対する耐融着、耐フィルミング性などが厳しく
なっている。特に最近実用化されてきたアモルファスシ
リコン感光体はひしように高耐久性であり、又OPC(
有機感光体)も寿命が延びてぎでおり、そのためトナー
に要求される諸性能はより高度になってきている。
又小型化はせまい所に各要素をうまく納めていくことを
しなければならない。そのため空気がうまく流れる空間
が少なくなる上、定着器や露光系の熱源がトナーホッパ
ーやクリーナーとひしように接近するため、トナーは高
温雰囲気にさらされる。そのため、より優れた耐ブロッ
キング性を有するトナーでないと実用化できなくなって
きた。
更に、上記に挙げたようなトナーに対して要求される種
々の性能は互いに相反的であることが多く、しかもそれ
らを共に高性能に満足することが近年ますます望まれ、
更に現像特性をも包括した総括的対応についての研究が
行なわれてきてはいるが、未だ十分なものはない。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したトナーを
提供するものである。
以下に本発明の目的を列挙する。
本発明の目的は、オイルを塗布しない熱ロール定着方式
に通したトナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し得、且つ耐オフセッ
ト性の優れたトナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し、感光体への融着、
フィルミングが高速システムにおいても、又長期間の使
用でも発生しないトナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し且つ耐ブロッキング
性が優れ、特に小型機の中の高温雰囲気中でも充分使え
得るトナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し且つトナーの製造時
における粉砕工程での装置の内壁へ粉砕物が融着しない
ため、効率よく連続で生産できるトナーを提供すること
にある。
本発明の目的は、耐オフセット性が優れ且つ粉砕性が優
れているため、生産効率が良いトナーを提供することに
ある。
本発明の目的は、ブレードを用いたクリーニング方式に
適したトナーを提供することにある。
本発明の目的は、粉砕性が良いため粗粉などの発生が少
なく、そのため画像のまわりのとびちりが少なく、安定
した良好な現像画像を形成し得るトナーを)是f共する
ことにある。
[課題を解決するための手段及び作用]前記目的を達成
するための本発明の要旨は、少なくともバインダー樹脂
、着色剤を含有するトナーであって、 該バインダー樹脂が、少なくともカルボン酸基を有する
千ツマ−と他の共重合可能なモノマーとの共重合体から
成るビニル系共重合体と、多塩基酸成分及び多価アルコ
ール成分の縮重合体より成るポリエステル樹脂からなり
、THF不溶分が5〜50重量%、THF可溶分におけ
る分子量分布において分子量2.000〜20.000
の領域にピークを少なくとも一つ有し、 上記ビニル系共重合体が、T)IF不溶分が5重1%未
満で刊F可溶分のGPCによる分子量分布において分子
量2.000〜15,000の領域にピークを少なくと
も一つ有するビニル系共重合体(A)と、THF不溶分
が10重量%以上で、THF可溶分のGPCによる分子
量分布において分子量20.000〜100.000の
領域にピーク又はショルダーを少なくとも一つ有するビ
ニル系共重合体(B)とからなり、上記バインダー樹脂
において、ビニル系共重合体(A)  ビニル系共重合
体(B)及びポリエステル樹脂(C)が重量比テ(A)
=(B)=(C)=0〜40:20〜80:5〜40で
配合されていることを特徴とする静電荷像現像用トナー
を提供することである。
ここで、THF  (テトラヒドロフラン)不溶分とは
、樹脂組成物中のTHFに対して不溶性となったポリマ
ー成分(実質的に架橋ポリマー)の重量割合を示し、高
架橋成分を含む樹脂組成物の架橋の程度を示すパラメー
ターとして、使うことができる。THF不溶分とは、以
下のように測定された値をもって定義する。
即ち、樹脂サンプル(24メツシユパス、 60メツシ
ユオンの粉体) 0.5gを秤量しくWlg)、円筒濾
紙(例えば東洋製紙製No、86Rサイズ28x 10
0mm)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒とし
て丁HF150〜200J+を用いて12時間抽出し、
(TIの流出サイクル1回/4分)円筒濾紙を取り出し
、十分に乾燥し、THF不溶分を秤量する(W2g)。
樹脂のTHF不溶分ば、下記式から求められる。
さらに、T)IF残分とは、トナー中の樹脂成分のうち
THFにより抽出されにくいまたは不溶性のポリマー成
分(実質的に超高分子量ポリマー)の重量割合を示し、
超高分子量分の存在の程度を示すパラメータとして、使
うことができる。THF残分とは、以下のように測定さ
れた値をもって定義する。
すなわち、トナーサンプル約0.5gを秤量し、円筒濾
紙(例えばNα86Rサイズ28X 100mm東洋濾
紙社製)に入れてソックスレー抽出器にかけ溶媒として
THF150〜200++Jを用いて12時間抽出し、
(THFの流出サイクル1回/4分)円筒濾紙を取り出
し、十分に乾燥し、THF残分を秤量する。THF残分
は、非磁性トナーでは試料トナー重量から顔料重量を、
磁性トナーでは試料トナー重量から顔料及び磁性体重量
などをさし引いた重量(Wsg)と、トナー中のTHF
残分重量から顔料、磁性体重量などをさし引いた重量(
Lg)とから次式にしたがって計算することができる。
本発明において、GPC(ゲルパーミェーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムのピーク又は/およ
びショルダーの分子量は次の条件で測定される。
試料は以下のようにして作成する。
試料をTHF中に入れ、約12時間放置したのち十分に
振とうしTHFとよ(混ぜ、更に12時間以上静置する
。その後サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
μm1例えばエキクロディスク25CRゲルマン サイ
エンス ジャパン社製が利用できる。)を通過させたも
のを、GPCの試料とする。
また試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5 mg/m、j
となる様に調整する。
本発明において、T旺可溶分のGPC(ゲルパーミェー
ションクロマトグラフィ)によるクロマトグラムのピー
ク又は/およびショルダーの分子量は次の条件で測定さ
れる。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
  (テトラヒドロフラン)を毎分1 mIlの流速で
流し、T旺試料溶液を約100pi’注入して測定する
。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量
分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製
された検量線の対数値とカウント数との関係から算出し
た。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例
えば、PressureChemical Co、製あ
るいは、東洋ツーダニ業社製、昭和電工社製の分子量が
10”〜10’程度のものな用い、少なくともlO点程
度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。ま
た検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なお、カラムとしては10”〜3 X 10’の分子量
領域を測定するために、市販のポリスチレンゲルカラム
を複数本組み合わせるのが良(、例えば昭和電工社製の
5hodex GPCKF−801,802,803゜
804、805.806.800pの組み合わせや、W
ater社製のウルトラスタイラジエル500A−TH
F、 103A−THF、 10’A−T)IF、 1
0’A−T)IF、 10’A−T)IFの組み合わせ
、或はA−Tolueneシリーズの組み合わせを挙げ
ることができる。
更に102〜2 X 10’の分子量領域を測定するた
めに5hodex GPCKF−801,802,80
3,804,805゜806、807.800Pの組み
合わせを挙げることができる。
本発明について以下に詳細に説明する。
前記の様な目的を同時に達成するため種々のバインダー
樹脂を用い、その構成と性能についてさまざまの角度か
ら鋭意検討した。その結果バインダー樹脂のTHF不溶
分の割合と、T肝可溶分の分子量分布が特定の構成のと
きに達成できることを見出した。バインダー樹脂をTH
Fなどの溶剤で溶かすと不溶分と可溶分に分離でき、可
溶分はGPCで分子量分布を測定することができる。T
HF不溶分とTHF可溶分の分子量分布のピークの位置
に着目すると、THF不溶分がないか又は少ない系は粉
砕性においてひじように不利であり、前述したように粉
砕性を良化するためTHF可溶分の分子量分布のピーク
の位置を単純に低分子量の位置に移行させていく方向は
耐オフセット性を悪化させ、耐オフセット性と粉砕性を
ともに満足することが難しいということを裏付けている
この検討から、通常考えられているようにTHF不溶分
は耐オフセット性のためだけでなく、粉砕性を良化する
目的でも特定量含有させることはひじょうに有効である
ことが判明した。
更にTHF可溶分の分子量分布と定着可能温度が高いか
低いかという性質(以後、単に定着性という)、耐オフ
セット性、粉砕性、耐ブロッキング性について検討した
。その結果、GPC分子量分布での分子量的10.00
0以下と約10.000以上の分子量を有する成分の働
きが異なることを見い出した。
即ちバイングー樹脂全体に対する分子量10,000以
下の分子量を有する成分の含有割合は、通常言われてい
るように定着性或いは耐オフセット性を強(左右するの
ではな(、特定範囲ではどちらかというとほとんど関係
せず、かわりに粉砕性に強く関係していることが判明し
た。
更に他の検討などからバインダー樹脂は、基本的にはT
HF不溶分が主に耐オフセット性、巻き付き性、粉砕性
に影響を与え、そしてTHF可溶分の分子量io、 o
oo以下の成分が主に粉砕性、ブロッキング性、感光体
への融着性、フィルミング性そして粉砕装置内壁への融
着に影響を与え、更にTHF可溶分の分子量10,00
0以上の成分が耐オフセット性及び定着性に影響を与え
、種々のバインダー樹脂の中でも、多塩基酸成分及び多
価アルコール成分の縮合体から成るポリエステル樹脂が
最も良い定着性を示すことを見い出した。
この理由は、ポリエステル樹脂は、臨界表面張力が紙の
それよりも低く、更に主極性基であるエステル基や分子
中に共存するカルボキシル基及びヒドロキシル基が紙の
ヒドロキシル基と水素結合で親和し、定着効果を上げて
いると考えられるからである。
更に、低分子量から高分子量までに至る広い分子量分布
を有する構成である樹脂バインダーを用いた場合、複写
を続けていくとオフセットの発生がな(でも定着ローラ
ー汚染が発生することがあった。これは、トナーの紙に
対する親和性よりも定着ローラーに対する親和性が強い
ために発生するものであり、特に低分子量側の組成に原
因していることがわかっている。この結果ローラーの離
型性が悪(なり、ローラーに付着したトナーが再度転写
紙に付着したり、定着ローラーに転写紙が巻き付く、と
いった弊害が発生する。これは表面張力の低いフッ素系
樹脂で表面層をコートしたローラーを用いても、ビニル
系共重合体の様な極性基を有していないバインダー樹脂
を用いた場合には汚染される。そこで我々は、本発明の
ようにビニル系共重合体にカルボン酸基を導入し、更に
酸基を含有させたポリエステル樹脂をバインダー構成に
含め、極性をもたせることが非常に有効であるというこ
とを見い出した。
更に具体的に本発明を説明すると、本発明のトナーに用
いられるバインダー樹脂組成物は、THF不溶分(ゲル
分)5〜50重量%(バインダー樹脂基準)、好ましく
は10〜45重量%、含有されている。この理由は、樹
脂組成物中のTHF不溶分が50重量%を超えると、そ
の溶融特性のために、トナーに用いた場合、定着温度の
上昇を招き、更に添加剤の分散が悪くなる。更に樹脂混
線時に高架橋酸成分の切断が起こり易く、トナーの設計
に支障をきたす原因となる。逆にゲル分が5重量%未満
では、オフセット、ローラーへの巻き付きが起こり易く
、更にゲル分が5重量%以下且つ高分子量域が多い場合
には、粉砕性が著しく悪化する。
前記バインダー樹脂は、多塩基酸成分及び多価アルコー
ル成分の縮合体より成るポリエステル樹脂とカルボン酸
基を含有するモノマーと他の共重合可能なモノマーとの
共重合体から成るビニル系共重合体で構成されるもので
ある。
該バインダー樹脂の該ビニル系共重合体は、THF不溶
分が5重量%未満好ましくは3重量%未満で含有されて
おり、THF可溶成分のGPCクロマトグラムにおいて
分子量が2,000〜15.000、好ましくは2.0
00〜12,000の領域にピークを少なくとも1つ有
するビニル系共重合体(A)と、THE不溶分が10重
量%以上好ましくは20〜90重量%で含有されており
、THF可溶成分のGPCクロマトグラムにおいて20
.000〜100,000 、好ましくは20.000
〜70、000の領域にピークを少なくとも1つ有する
ビニル系共重合体(B)とからなるとともに、該ビニル
系共重合体(A)及び(B)と、該ポリエステル樹脂(
C)とが、重量比で (A) + (B) : (C)
 = 0〜40:20〜80:5〜40好ましくは (
A) : (B) : (C) = 0〜35:25〜
75:5〜35で配合されている。
この各成分の配合比において、ビニル系共重合体(A)
の割合が40を超えると耐オフセット性、耐ブロッキン
グ性が不十分である。又、ビニル系共重合体(B)の割
合が20未満であればオフセット或いはブロッキングに
対し悪影響を及ぼし、80を超えると粉砕性が悪(、粗
粉の発生といった生産面における弊害をもたらす。更に
ポリエステル樹脂(C)の割合が5未満の時は、ポリエ
ステル樹脂を加えたことによる効果が十分に発揮されず
、定着性或いは現像性が劣り、40を超える場合は粉砕
性が悪くなり生産面での支障をきたす。
本発明のバインダー樹脂の構成成分の一つであるビニル
系共重合体に於いて、その中のカルボン酸基を含有する
モノマーとしては、特にジカルボン酸の半エステルモノ
マーが好ましく用いられる。
本発明で用いることのできるジカルボン酸の半エステル
モノマーとしては、例えば、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン
酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、マレイン酸モ
ノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル
、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェニルなどのよ
りなα、β−不飽和ジカルボン酸の半エステル類:n−
ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテニルコハク酸
モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエチル、n−ド
デセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテニルアジピン
酸モノブチルなどのようなアルケニルジカルボン酸の半
エステル類;フタル酸モノメチルエステル、フタル酸モ
ノエチルエステル、フタル酸モノブチルエステルなどの
ような芳香族ジカルボン酸の半エステル類;などが挙げ
られる。
以上のようなジカルボン酸の半エステルは、バインダー
樹脂を構成している全モノマーに対し1〜30重量%好
ましくは3〜20重量%添加すればよい。
上記のようなジカルボン酸の半エステルモノマーが選択
される理由としては、後で詳しく述べるが、樹脂の製造
方法として懸濁重合法が好ましいからである。該懸濁重
合では水系の懸濁液に対して、溶解度の高い酸モノマー
のかたちで使用するのは適切でなく、溶解度の低いエス
テルのかたちで用いるのが好ましいからである。
本発明のビニル系共重合体を得るためのカルボン酸を含
有するモノマー以外のコモノマーとしては、次のような
ものが挙げられる。
例えばスチレン、0−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p
−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3.4−ジ
クロルスチレン、p−エチルスチレン、2.4−ジメチ
ルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−
プチルスチレン、p−n−へキシルスチレン、p−nオ
クチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デ
シルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレ
ン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、
イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフィン類;
ブタジェン等の不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、臭化ビニル、沸化ビニルなどのハロゲン化ビ
ニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンジェ駿
ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル駿メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル
、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチレ
ン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル
、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オ
クチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘ
キシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロル
エチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル
類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニ
ルメチルケトン、ビニルへキシルケトン、メチルイソプ
ロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルビロ
ール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール
、N−ビニルピロリドンなとのN−ビニル化合物;ビニ
ルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタクリ
ル酸誘導体;のビニル系モノマーが単独もしくは2つ以
上で用いられる。ただし、少なくとも一種のビニル系モ
ノマーが含まれるようにモノマーを選択して用いる。
これらの中でもスチレン系共重合体、スチレンアクリル
系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好まし
い。
本発明に用いられるバインダー樹脂は、本発明の目的を
達成する為に、以下に例示する様な架橋性モノマーで架
橋された重合体であることが必要である。
芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれたジアクリレ
ート化合物類、例えば、エチレングリコールジアクリレ
ート、1.3−ブチレングリコールジアクリレート、1
.4−ブタンジオールジアクリレート、1.5−ベンタ
ンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレー
トに代えたちの;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類、例えば、ジエチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピ
レングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のア
クリレートをメタアクリレートに代えたもの;芳香族基
及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化
合物類、例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレー
ト、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び、以
上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えた
ちの;更には、ポリエステル型ジアクリレート化合物類
、例えば、商品名MANDA  (日本化薬)が掲げら
れる。多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトール
トリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステ
ルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメ
タアクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート
、トリアリルトリメリテート;等が挙げられる。
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100重量%に対
して、0.1〜5重量%程度(更には0.03〜3重量
%程度)用いることが好ましい。
これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に、定着
性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとし
て、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、
芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリ
レート化合物類が挙げられる。
更に、本発明で用いられるポリエステル樹脂の組成は以
下のとおりである。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1.
4−ブタンジオール、2.3−ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1.5−ベ
ンタンジオール、16−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
、水素化ビスフェノールA、又(A)式で表わされるビ
スフェノール及びその誘導体; (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、X13’
はそれぞれ0以上の整数であり、且つ、x十yの平均値
は0−10である) 又(B)式で示されるジオール類; 等のジオール類、 が挙げられる。
2価の酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソ
フタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類
又はその無水物、低級アルキルエステル;コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジ
カルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;
n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸等のア
ルケニルコハク酸もしくはアルキルコハク酸、その酸無
水物、低級アルキルエステル、フマル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類
又はその無水物、低級アルキルエステル等のジカルボン
酸類、及びその誘導体が挙げられる。
又架橋成分としても働く3価以上のアルコール成分と3
価以上の酸成分を併用することができる。
本発明における3価以上の多価アルコール成分としては
、ソルビトール、1,2,3.6−ヘキサンテトロール
、1.4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、トリペンタエリスリトール、l、 
2.4−ブタントリオール、1,2.5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール
、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3.5
−)リヒドロキシベンゼン、等の3価以上の多価アルコ
ール類が挙げられる。
又、本発明における3価以上の多価カルボン酸成分とし
ては、トリメリット酸、ピロメリット酸、l、 2.4
−ベンゼントリカルボン酸、1,2.5−ベンゼントリ
カルボン酸、2.5.7−ナフタレントリカルボン酸、
1.2.4−ナフタレントリカルボン酸、1.2.4−
ブタントリカルボン酸、1,2.5−ヘキサントリカル
ボン酸、1.3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メ
チレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキ
シル)メタン、1,2,7.8−オクタンテトラカルボ
ン酸、エンボール三量体酸、及びこれらの無水物、低級
アルキルエステル、次式 (式中Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数
5〜30のアルキレン基又はアルケニレン基) で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物
、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその
誘導体が挙げられる。
本発明に用いられるアルコール成分としては35〜65
 mojl’%、好ましくは40〜60 moi)%、
酸成分としては65〜35InoR%、好ましくは60
〜40moI!%であることが望ましい。
又3価以上の多価の成分は、全成分中の5〜60 mo
jl’%であることが望ましい。
本発明に於いて好ましいポリエステル樹脂のアルコール
成分としては、前記(A)式で示されるビスフェノール
誘導体であり、酸成分としては、フタル酸、テレフタル
酸、イソフタル酸又はその無水物;コハク酸、n−ドデ
セニルコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸
、無水マレイン酸等のジカルボン酸類;トリメリット酸
又はその無水物のトリカルボン酸類等が挙げられる。
これは、これらの酸、アルコールで得られたポリエステ
ル樹脂がシャープな溶融特性を示し、熱ローラ一定着用
トナーとして定着性が良好で、耐オフセット性に優れて
いるからである。
更に、ここで得られたポリエステル樹脂のガラス転移温
度(Tg)は、50〜70℃好ましくは55〜65℃、
さらに数平均分子量Mn 1,500〜10,000好
ましくは2.000〜7,000 、重量平均分子量M
W6.000〜200.000好ましくは10.000
〜150,000であることが望ましい。
又その酸価は、100以下好ましくは50以下、水酸基
価は、60以下好ましくは30以下であることが望まし
い。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナーにした
時にトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる
為である。
本発明においては、上記成分を用いて、ポリエステル樹
脂とビニル系共重合体(A)(低分子量タイプ)とビニ
ル系共重合体(B)(高分子量タイプ)から構成された
バインダー樹脂を用いるが、前記酸価が、バインダー樹
脂全体で50以下であることが好ましい。酸価がこれら
の値よりも大きくなると、トナー化した際の帯電の環境
依存性が大きくなる、又は分子量の減少を招き、定着温
度領域が狭くなる等の支障をきたす。
ここで、樹脂の酸価及び水酸基価は次の方法により測定
した。
サンプル2〜logを200〜300−の三角フラスコ
に秤量し、メタノール:トルエン=30:Toの混合溶
媒約50m!を加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いよ
うであれば少量のアセトンを加えてもよい。0.1%の
ブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬
を用い、あらかじめ標定されたN/10水酸化カリウム
〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量
から次の計算式(3)で酸価を求めた。
酸価=KOH(mj’数) x N x 56.1/試
料重量−(3)(ただしNはN/10 KOHのファク
ター)又、水酸基価は試料を過剰のアセチル化剤、例え
ば無水酢酸と加熱してアセチル化を行い、生成したアセ
チル化物のケン化価を測定したのち、次の式(4)に従
って計算する。
(ただしAはアセチル化後のケン化価、Bはアセチル化
前のケン化価を表わす。) 本発明に係るバインダー樹脂の合成方法は、基本的に2
種以上の重合体を合成する方法が好ましい。
即ち、TIIF不溶分が少な(且つ重合モノマーに可溶
な第1の重合体(ビニル系共重合体(A))をポリエス
テル樹脂(C)と重合モノマーに溶解し、モノマーを重
合して樹脂組成物を得る方法である。
この場合、前者と後者の重合体が均一に混合している組
成物が形成される。
本発明に用いるバインダー樹脂組成物中の低分子量重合
体(ビニル系共重合体(A))は、塊状重合法、溶液重
合法などの通常用いられる重合法で得ることができる。
塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を早め
ることで、低分子量の重合体を得ることができるが、反
応をコントロールしにくい問題点がある。その点、溶液
重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用し
て、又開始剤量や反応温度を調節することで低分子量重
合体を温和な条件で容易に得ることができ、本発明で用
いる樹脂組成物中の低分子量体を得るには好ましい。
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエン、
クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコール、ベ
ンゼン等が用いられる。スチレンモノマーの場合はキシ
レン、トルエン又はクメンが好ましい。重合生成するポ
リマーによって適宜選択される。又開始剤は、ジーte
rtブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキ
シベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2.2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(
2,4ジメチルバレロニトリル)等がモノマー100重
量部に対して0.1重量部以上(好ましくは0.4〜1
5重量部)の濃度で用いられる。反応温度としては、使
用する溶媒、開始剤、重合するポリマーによって異なる
が、70℃〜180℃で行うのが良い。溶液重合に於い
ては溶媒100重量部に対してモノマー30重量部〜4
00重量部で行うのが好ましい。
この低分子量重合体は、ポリエステル樹脂及び中・高分
子量重合体(ビニル系共重合体(B))を与えるモノマ
ーと共に、再び重合するわけであるが溶媒に不溶成分と
なるまでの架橋域のゲル成分を得る重合法としては、乳
化重合法や懸濁重合法が好ましい。
このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(
モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散さ
せ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行なう方法であ
る。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行
なわれる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが
別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度
が太き(、高重合度のものが得られる。更に、重合プロ
セスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒
子であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷
電制御剤その他の添加物との混合が容易であること等の
理由から、トナー用バインダー樹脂の製造方法として他
の方法に比較して有利である。
しかし、添加した乳化剤のため生成重合体が不純になり
易(、重合体を取り出すには塩析などの操作が必要で、
この不便を避けるためには懸濁重合が好都合である。
懸濁重合法を例にとると、懸濁状態となった低分子量重
合体を含んだモノマーが、架橋剤と共に重合することに
よって、樹脂組成物は、バール状に形状が整い、低分子
量重合体から架橋酸成分を含む中、高分子量重合体まで
が、均一に混合された好ましい状態で得ることができる
懸濁重合においては、水系溶媒100重量部に対して、
ポリエステル樹脂とモノマー100重量部以下(好まし
くは10〜90重量部)で行うのが良い。
使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等
が用いられ、水系溶媒に対するモノマー量等で適当量が
あるが、一般に水系溶媒100重量部に対し0.05〜
1重量部で用いられる。
重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する開始
剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべきである
。又開始剤種類としては、水に不溶或は難溶のものであ
れば用いることが可能であるが、例えばベンゾイルパー
オキサイド、tert−ブチルパーオキシヘキサノエー
ト等が、モノマー100重量部に対し0.5〜IO重量
部で用いられる。
尚、本発明においては、懸濁重合時に低分子景品のビニ
ル系共重合体(A)を加えな(でも所望のバインダー樹
脂を得ることができる。この場合には上記ポリエステル
樹脂とともに懸濁重合を行なえばよい。
今日、当該技術分野で知られている荷電制御剤としでは
、以下のものが挙げられる。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で前述した
様なモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳
香族ハイドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸系
の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボ
ン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、
無水物、エステル類。
ビスフェノール等のフェノール誘導体類。
トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質がある
例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物。ト
リブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−
ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテト
ラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこ
れらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及び
これらのレーキ顔料。トリフェニルメタン染料及びこれ
らのレーキ顔料。(レーキ化剤としては、りんタングス
テン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデ
ン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシア
ン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金属塩、
アセチルアセトン金属錯体。ジブチルスズオキサイド、
ジオクチルスズオキサイド、ジシクロへキシルスズオキ
サイドなどのジオルガノスズオキサイド。ジブチルスズ
ボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシル
スズボレートなどのジオルガノスズボレート。これらを
単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
これらの中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩の
如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤のトナー粒子への添加量はトナーバ
インダー樹脂の種類、キャリア併用か否か、或いはトナ
ーを着色する顔料等によって異なるのではあるが、バイ
ンダー樹脂100重量%に対し、0.01〜20重量%
、好ましくは0.1−10重量%である。
本発明のトナーに於いては、帯電安定性、現像性、流動
性、耐久性向上の為、シリカ微粉末を添加することが好
ましい。
本発明に用いられるシリカ微粉末は、BET法で測定し
た窒素吸着による比表面積が30m2/g以上(特に5
0〜400m”/g )の範囲内のものが良好な結果を
与える。トナー100重量部に対してシリカ微粉体0.
01〜8重量部、好ましくはo、i〜5重量部使用する
のが良い。
又、本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要に応じ、
疎水化、帯電性コントロール、などの目的でシリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル
、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、
官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケ
イ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤で併用し
て処理されていることも好ましい。
他の添加剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜
鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤、中でもポリ弗化ビ
ニリデンが好ましい。或いは酸化セリウム、炭化ケイ素
、チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸
ストロンチウムが好ましい。或いは例えば酸化チタン、
酸化アルミニウム等の流動性付与剤、中でも特に疎水性
のものが好ましい。ケーキング防止剤、或いは例えばカ
ーボンブラック、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ
等の導電性付与剤、又逆極性の白色微粒子及び黒色微粒
子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
又、熱ロール定着時の離型性を良(する目的で低分子量
ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリ
スタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワック
ス、パラフィンワックス等のワックス状物質をバインダ
ー樹脂100重量%に対し0.5〜lO重量%程度をト
ナーに加えることも本発明の好ましい形態の1つである
更に本発明のトナーは、二成分系現像剤として用いる場
合にはキャリア粉と混合して用いられる。この場合には
、トナーとキャリア粉との混合比はトナー濃度として0
.1〜50重量%、好ましくは0.5〜IO重量%、更
に好ましくは3〜5重量%が望ましい。
本発明に使用しつるキャリアとしては、公知のものが全
て使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケ
ル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスピーズ等及びこれ
らの表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂或いはシリコン
系樹脂等で処理したものなどが挙げられる。
更に本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性トナ
ーとしても使用しつる。この場合、磁性材料は着色剤の
役割をかねている。本発明の磁性トナー中に含まれる磁
性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライ
ト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或
いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、
マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、
ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン
、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合
金及びその混合物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2pm、好まし
くは0.1〜0.5pm程度のものが好ましく、トナー
中に含有させる量としては樹、脂成分100重量部に対
し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分10
0重量部に対し40〜150重量部が良い。
又、10KOe印加での磁気特性が抗磁力20〜150
0e飽和磁化50〜200emu/g、残留磁、化2〜
20emu/Hのものが望ましい。
本発明のトナーに使用し得る着色剤としては、任意の適
当な顔料又は染料が挙げられる。トナー着色剤は周知で
あって、例えば顔料としてカーボンブラック、アニリン
ブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、
ハンザイエローローダミンレーキ、アリザリンレーキ、
ベンガラ、フタロシアニンブルー インダンスレンブル
−等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持するの
に必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対し0
.1〜20重量部、好ましくは2〜lO重量部の添加量
が良い。又同様の目的で、更に染料が用いられる。例え
ばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンチン系染
料、メチン系染料等があり樹脂100重量部に対し、0
.1〜20重量部、好ましくは0.3〜3重量部の添加
量が良い。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製するにはバイ
ンダー樹脂、金属化合物、着色剤としての顔料、又は染
料、磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤
等を、ヘンシェルミキサー ボールミル等の混合機によ
り充分混合してから加熱ロール、ニーダ−、エクストル
ーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して
樹脂類を互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染
料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び
分級を行って本発明に係るところのトナーを得ることが
できる。
更に必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の
混合機により充分混合し、本発明に係る静電荷像現像用
トナーを得ることができる。
[実施例] 以下、具体的実施例によって本発明を説明するが、本発
明は何らこれらに限定されるものではない。尚、「部」
は全て重量部を表す。
[合成例1] 上記各成分を還流温度まで加熱させたクメン200部中
に4時間かけて滴下した。更にクメン還流下(146〜
156℃)で溶液重合を完了し、クメンを除去した。得
られた共重合体はGPCのメインピークの位置する分子
量が4000. Tg=60℃であった。
該共重合体30部を下記単量体混合物に溶解し、混合溶
液とした。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物0
.1部を溶解した水170部を加え、懸濁分散液とした
。水15部を入れ窒素置換した反応器に上記懸濁分散液
を添加し、反応終了後にi戸別、脱水、乾燥し、バイン
ダー樹脂組成物を得た。該組成物はTHF不溶分とTH
F可溶分が均一に混合しており、且つビニル系共重合体
とポリエステル樹脂が均一に混合してした。得られた樹
脂組成物のT)IF不溶分は、35重量%であった。又
、THF可溶分の分子量分布を測定したところ、GPC
のチャートにおいて、約1.5万の位置にピークを有し
、樹脂のTgは57℃であった。Tgは樹脂を50℃、
48時間アニーリングし、その後示差走査熱量測定法に
より求めた。又、バインダー樹脂としての酸価は14.
0であった。
[合成例2] 上記各成分を還流温度まで加熱させたキシレン200部
中に4時間かけて滴下した。更にキシレン還流下(13
8〜144℃)で溶液重合を完了し、キシレンを除去し
た。得られた共重合体は、GPCのメインピークの位置
する分子量が6000. Tg=61”Cであった。
該共重合体10部を下記単量体混合物に溶解し、混合物
とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物1部を
溶解した水170部を加え、懸濁分散液とした。
水15部を入れて窒素置換した反応器に上記分散液を添
加し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応
終了後が別、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。得られ
た樹脂組成物のTHF不溶分は40重量%であった。又
、THF可溶分の分子量分布を測定したところ、GPC
のチャートにおいて、約1.0万にピークを、約5,3
万の位置に肩を有していた。又、樹脂のTgは59℃で
あり、酸価は16.1であった。
[合成例3] 反応器にクメン150部を入れ、還流温度まで昇温した
。更に、上記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下
した。モしてクメン還流下(146〜156℃)で重合
を完了し、クメンを除去した。得られたポリスチレンは
分子量7000にメインピークを有し、Tg= 72℃
であった。上記ポリスチレン35部を下記単量体混合物
に溶解し、混合物とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
部を溶解した水170部を加え懸濁分散液とした。水1
5部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加し、
反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応終了後
、i戸別、脱水、乾燥し、ポリスチレンとスチレン−ア
クリル酸n−ブチルとポリエステルの共重合体の組成物
を得た。得られた樹脂はGPCのチャートにおいて、0
.9万にピークを有し、6,7万に肩を有し、THF不
溶分が43重量%であった。又、Tgは58.7℃、酸
価は17.5であった。
[合成例4] 上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1部を溶解した水170部を加え分散液とした。水15
部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加し、反
応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応終了後、
炉別、脱水、乾燥し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂
の分子量分布は0.5万にピークを有し、6.0万に肩
を有し、THF不溶分が45重量%、Tg 59℃、酸
価は18.0であった。
[比較合成例1] 合成例1において、溶液重合によって得られた低分子量
タイプのビニル系共重合体(A)を60部、スチレンモ
ノマー16部、アクリル酸n−ブチル15部、マレイン
酸モノブチル4部、ポリエステル樹脂5部に変えた以外
は合成例1と同様の処方により懸濁重合によって樹脂組
成物を得た。得られた樹脂はTHF可溶分のGPCチャ
ートにおいて0.2万の位置にピークを有し、1.0万
の位置に肩を有しており、THF不溶分は3重量%であ
った。
又、Tgは48℃、酸価は13.2であった。
[比較合成例2] 合成例1において、懸濁重合の際にボリエステル樹脂を
加えなかった以外は合成例1と同様の処方により樹脂組
成物を得た。得られた樹脂はTHF可溶分のGPCチャ
ートにおいて約0.6万、約5.2万の位置にピークを
有し、THF不溶分は15重量%、樹脂のTgは57℃
、酸価はl095であった。
[比較合成例3] 合成例1において、溶液重合によって得られた低分子量
タイプのビニル系共重合体(A)を5部、スチレンモノ
マー59部、アクリル酸n−ブチル28部、マレイン酸
モノブチル3部、ポリエステル樹脂5部に変えた以外は
合成例1と同様の処方により懸濁重合によって樹脂組成
物を得た。得られた樹脂はTHF可溶分のGPCチャー
トにおいて約0.6万の位置にピークを有し、12.0
万の位置に肩を有していた。又、THF不溶分は55重
量%であった。Tgは60℃、酸価は13.1であった
実施例1 (低分子量ポリプロピレン       3部上記材料
をヘンシェルミキサーで前混合した後、130℃で2軸
混練押出機によって溶融混線を行なった。混線物を放冷
後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用い
た微粉砕機を用いて粉砕し、更に風力分級機を用いて分
級し、体積平均粒径8.5)zmの黒色微粉体(トナー
)を得た。
このトナーのメルトインデックス値は、JIS K72
10記載の装置を用い、125℃、 10kgの条件下
で行なったところ5.5であった。
上記トナー100部に対し、疎水性コロイダルシリカ0
.4部を乾式混合し、現像剤とした。
この現像剤を、α−Si感光体を用いたキャノン製複写
機NP−8580を用いて画像性、定着性、オフセット
性などを評価した。その結果得られた複写画像は反射画
像濃度が1.35と高く、カブリもなく、画像周辺のト
ナーの飛散がな(解像力の高い良好な画像が得られた。
又耐久性においても20万枚複写後ウェブには若干の汚
れはあったものの、使用に耐えつるレベルのものであり
、画像については、初期の画像と比較して全くそん色の
ない画像であり、環境依存性もほとんどない上、感光体
へのフィルミング、融着などもなく、定着ローラーが複
写によって汚染されることもなかった。
ブロッキング性は、約10gのトナーを100ccのポ
リカップに入れ、50℃で1日放置した時の凝集度の変
化で調べた。凝集度は線用ミクロン社製のパウダーテス
ターにより測定した。ブロッキング性の指標は室温放置
品と50℃/1日放置品の凝集度差にした。
定着性とオフセット性、巻き付き性及び画像性、耐久性
の評価は以下の手順で行なった。
定着性は、低温低湿度環境(15℃/10%)にて評価
機を1晩放置し、評価機及びその内部の定着器が完全に
低温低湿度環境になじんだ状態から、連続200枚の複
写画像をとり、その複写画像の200枚目を定着性の評
価に用いた。定着性の評価は画像をシルボン紙で往復l
O回約100 g荷重でこすり、画像のはがれを反射濃
度の低下率(%)で評価した。
特にオフセット性は、定着ローラーのクリーニング機構
を取りはずし、何枚の複写で画像が汚れるか或いはロー
ラーが汚れるかということを耐複写枚数で評価した。
又、連続して複写を行なった際のクリーニングウェブの
汚れの状況によっては、クリーニングウェブに一度とら
れたトナーが上ローラーに転移し、複写物を汚染するこ
とがあるので、これを評価するために定着ローラーのク
リーニング機構を通常の状態にもどし連続200枚の複
写画像をとった後、30秒間隔で複写画像を1枚づつ3
分迄とり、画像汚染が発生するかを調べ、又、定着ロー
ラーのクリーニングウェブの汚れの状態を評価した。
巻き付き性は、全面黒画像を連続で30枚複写し、その
時に定着ローラーを通過した複写画像がそりかえるよう
にしてカールすることがある場合、そのカール発生枚数
を巻き付き性の評価の指標とした。
画像評価の結果は以降の表に示す。
実施例2 以上の材料を実施例1と同じ方法によってトナー化し、
現像剤を得た。画像評価についても実施例1と同様の方
法にて行なった。結果は以降の表に示す。
実施例3 以上の材料を実施例1と同じ方法にてトナー化し、現像
剤を得た。画像評価についても実施例1と同様の方法に
て行なった。結果は以降の表に示す。
実施例4 実施例1において、合成例4で得られた樹脂バインダー
を用いる以外は実施例1と同様の処方でトナーを製造・
評価した。結果は以降の表に示す。
実施例5 実施例1において、マグタイトのかわりにカーボンブラ
ック5部加え、実施例1と同様の方法でトナー化した。
このトナー8部に対し、フッ素系樹脂で表面を被覆した
フェライトキャリア(粒径的801Lm) 100部を
混合して現像剤とした。又補充剤としてはトナーのみを
用いた。この現像剤をキャノン製複写i NP−665
0にて画像評価を行なったところ、画像は良好で、20
万枚耐久を行なったが安定した画像が得られた。又感光
ドラム上へのトナーのフィルミング、融着は観察されな
かった。
実施例6 実施例1において、モノアゾ系鉄錯体錯体のがわりにニ
グロシン6部添加する以外は実施例1と同様の方法によ
りトナー化を行なった。画像評価についてはNP858
0を改造し、反転現像機構を備えた機械によって評価し
たところ、良好な画像を得ることができた。詳細な結果
は表に示した通りである。
比較例1 比較合成例1で得られた樹脂を用いる以外は、実施例1
と同様にしてトナーを製造、評価した。
得られたトナーは表に示したように、耐ブロッキング性
、耐オフセット性が劣っており、20万枚の複写後定着
ローラーを見たところ、黒(汚染されているのが確認で
きた。又複写中においても定着分離爪にトナーが融着す
ることによって発生する紙づまり(ジャム)が頻繁に起
こった。
比較例2 比較合成例2で得られた樹脂を用いる以外は、実施例1
と同様にしてトナーを製造、評価した。
結果は、画像濃度が1.25〜1.30、定着性試験に
おける濃度低下率が20%と、実施例1で製造したトナ
ーと比べて若干劣っていることがわかった。
比較例3 比較合成例3で得られた樹脂を用いる以外は、実施例1
と同様にしてトナーを製造した。この際、混線時におい
ては、各成分の分散性が悪く、混線物の吐出スピードも
実施例の約30%であった。更に粉砕後は粗粉が大量に
発生していた。実施例1と同様の評価を行なったところ
、特に現像性、定着性が極めて悪いという結果が得られ
た。
(以下余白) [発明の効果] 本発明のトナーにおいては、これまでのトナーに関連し
た問題が著しく改善され、耐オフセット、耐ローラー巻
き付きに優れ、定着温度域が広く、しかも現像特性が優
れた粉砕性の良好なトナーが得られる。
この原因は、ポリエステル及び架橋域を含む高分子量重
合体成分から低分子量重合体成分まで均一に混合されて
いるビニル系共重合体とからなる樹脂組成物では、架橋
領域の中に高分子量及び低分子量のセグメントが混然一
体化していると考えられ、架橋を含む高分子量成分が、
熱溶融時に、マトリックスとして凝集力の低下及び過度
の流動性を防ぎ、一方では低分子量成分が熱溶融性を示
す結果、低温度で熱溶融されるが、高温度でも凝集力の
低下、過度の流動が抑えられるという優れた熱溶融特性
を示すものと考えられる。本発明で言う低分子量成分か
ら高架橋成分まで均一に混合されている重合体とは、そ
れを用いてトナーを作成した場合、不均一に混合された
重合体の場合に生じる繰り返しの使用による画像濃度の
低下、カブリが実際上発生しないものを意味する。
又粉砕性に関しては、架橋領域以外の高分子領域成分が
組成物に強靭性を与える一方で架橋領域成分がもろさを
与え、低分子量域成分が更に粉砕され易さを付与するこ
とで、全体的に優れた生産効率を良(するために必要な
粉砕特性が生じるものと考えられる。
更に、多塩基酸成分及び多価アルコール成分の縮合体か
らなるポリエステル樹脂をバインダー樹脂に含有させて
いること及びビニル系共重合体に、分子内で無水化が可
能なカルボン酸基を含有させることによって、耐オフセ
ット性、耐ブロッキング性、定着性に冨んだトナーを得
ることができる。特に、負帯電性トナーとして用いた場
合、酸の無水化により、トナーとして十分な帯電能を有
し、環境依存の少ない、良好な現像特性を得ることがで
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)少なくともバインダー樹脂、着色剤を含有するト
    ナーであって、 該バインダー樹脂が、少なくともカルボン酸基を有する
    モノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合体から
    成るビニル系共重合体と、多塩基酸成分及び多価アルコ
    ール成分の縮重合体より成るポリエステル樹脂からなり
    、THF不溶分が5〜50重量%、THF可溶分におけ
    る分子量分布において分子量2,000〜20,000
    の領域にピークを少なくとも一つ有し、 上記ビニル系共重合体が、THF不溶分が5重量%未満
    でTHF可溶分のGPCによる分子量分布において分子
    量2,000〜15,000の領域にピークを少なくと
    も一つ有するビニル系共重合体(A)と、THF不溶分
    が10重量%以上で、THF可溶分のGPCによる分子
    量分布において分子量20,000〜100,000の
    領域にピーク又はショルダーを少なくとも一つ有するビ
    ニル系共重合体(B)とからなり、 上記バインダー樹脂において、ビニル系共重合体(A)
    、ビニル系共重合体(B)及びポリエステル樹脂(C)
    が重量比で(A):(B):(C)=0〜40:20〜
    80:5〜40で配合されていることを特徴とする静電
    荷像現像用トナー。
  2. (2)バインダー樹脂が、ビニル系共重合体(A)とポ
    リエステル樹脂(C)の存在下でビニル系共重合体(B
    )を形成するモノマーを重合することにより合成される
    ことを特徴とする請求項(1)記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
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