JPH0328722Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、堆肥を散布するための堆肥散布装置
に関する。

（従来の技術） 従来の堆肥散布装置（マニユア・スプレツダ
ー）は一般には被牽引車に装備されており堆肥散
布口に破砕ビータを備えてなるものである。破砕
ビータは、垂直軸の周りに回動自在に設けたもの
（立型と云われる）と、水平軸の周りに回動自在
に設けたもの（横型と云われる）とがある。そし
て、横型の堆肥散布として特開昭59−48005号公
報に記載されたものがある。この堆肥散布装置
は、第５図の平面図に示すように、床コンベヤ１
の後端部に垂直軸を有するデイスク２，２を回転
自在に設け、床コンベヤ１の後部上方位において
破砕ビータ３を水平軸の周りに回転自在に設けた
構造となつている。そして、床コンベヤ１、デイ
スク２、破砕ビータ３は適宜の駆動手段により回
動駆動されると共にデイスク２，２は後方に向け
て傾斜可能に設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記公報記載の堆肥散布装置においては、一部
の堆肥をデイスク２の上に受止めてこれをデイス
クの回転力により後方に放てきしようとすると
き、デイスク２の後方への角度を調節することに
よつて堆肥の散布巾および厚さを適宜調制するこ
とができるが、デイスク２の後方への回動中心４
は床コンベヤ１の後端部より更に後方であるの
で、床コンベヤ１とデイスク２との間に隙間を生
じ、堆肥が移動するとき、この隙間から堆肥が落
下するので散布厚さを調節することができにくい
ものであり、またデイスク２の下側に堆肥が入り
やすいので、長時間作業ではデイスクの回動に支
障を生ずるものであつた。

本考案は上記問題点を解決するためのもので、
床コンベヤと散布手段との間に隙間を生じさせ
ず、散布ビータは長時間に亘つて円滑に作動する
ことのできる堆肥散布装置を提供するものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成するために、床コン
ベヤ１３の後端上方において破砕ビータ１６を水
平軸１６ａの周りで回転自在に設け、前記床コン
ベヤ１３の後端下方において支持板１７をその前
縁で水平軸１７ａの周りに回動自在に設け、前記
支持板上には散布ビータ１８，１８を回転自在に
設け、前記支持板は駆動手段２２によつてその前
縁を中心として所望の角度回動されるように設け
られていることを特徴とするものである。

（作用） 本考案は、上記構成からなるものであるから、
支持板１７を後方に回動しても、床コンベヤ１３
の後端との間に隙間を生ずることがなく、しかも
支持板１７上で回転するのは散布ビータ１８であ
るので、その間に堆肥がつまることがない。

（実施例） 本考案の実施例を第１図〜第４図にもとづいて
説明する。

堆肥散布装置１０は、トラクタ等により牽引す
るために車輪１１を有する荷枠１２を有してい
る。

荷枠１２の底部には、前方部（牽引側）から後
方部に向つて回動する床コンベヤ１３が取付けら
れている。床コンベヤ１３は荷枠１２の前方部と
後方部に設けた一対のスプロケツト１４，１４お
よび１４′，１４′間に渡架されたチエン１５，１
５′間に取付けられている。

床コンベヤ１３の後端上方には破砕ビータ１６
が荷枠１２の対向する壁面間に水平に支持され、
かつ回転自在に設けられている。１６ａは破砕ビ
ータ軸である。

床コンベヤ１３の後端下方には、支持板１７の
前縁が回動自在に取付けられている。この取付け
の方法、荷枠１２に取付けた破砕ビータ支持枠１
２ａの下端前方に設けた孔１２ｂに、支持板１７
の前端縁両側に突出した軸１７ａを回動自在に支
持することにより行う。

支持板１７上には、一対のプロペラ状の散布ビ
ータ１８，１８が回転自在に取付けられている。
散布ビータ１８，１８の回転軸は支持板１７を貫
通し、貫通した個所に傘歯車１９，１９が取付け
られている。傘歯車１９，１９は後述の駆動手段
により回動される散布ビータ駆動軸２０に設けら
れた傘歯車２１，２１と咬合つている。破砕ビー
タ支持枠１２ａの上端と支持板１７との間には駆
動手段が取付けられており、駆動手段２２の伸縮
によつて支持板１７をその前縁を中心として上下
に回動するように設けられている。駆動手段２２
としては、ネジジヤツキ、電動シリンダ、油圧シ
リンダ等を採用する。散布ビータ１８，１８は支
持板１７の上面に接近して回転自在に設けられて
おり、床コンベヤ１３によつて運ばれて来た堆肥
を後方に放てきするために、支持板１７の周囲に
は後方部分を除いて飛散防止壁２３が立設されて
いる。また、支持板１７の後端中央には三角形状
の切欠き１７ｂが設けられているが、散布ビータ
１８，１８の回転範囲外の部分に堆肥が飛散され
ずに残留するのを防止するためである。

本考案の駆動系を説明する。

堆肥散布装置１０は、第２図に示すように、牽
引稈２５をトラクター等の牽引車に連結すること
によつて牽引可能とすると共に荷枠１２の下側に
配置された入力軸２６と牽引車の駆動軸（図示せ
ず）を連結することによつて入力軸２６を回動す
る。

第３図に示すように、入力軸２６の後端は、駆
動軸２７にベベルギヤボツクス２８を介して接続
されており、駆動軸２７は荷枠１２の両側方に突
出し、一方の突出した個所にはスプロケツト２９
が取付けられている。

スプロケツト２９と、破砕ビータ１６の軸１６
ａに取付けたスプロケツト３０と、荷枠１２に取
付けた軸３１に設けたスプロケツト３２とに亘つ
てチエン３５が張設されている。軸３１にはスプ
ロケツト３２と一体になつて回動するようにスプ
ロケツト３３が設けられ、散布ビータ駆動軸２０
に取付けたスプロケツト３４とスプロケツト３３
とにはチエン３６が張設されている。軸１７ａと
軸３１とは、第３図で良く示されているように同
一軸線上に整合された位置に取付けられている。
しかして、ビータ１６，１６は回転される。駆動
軸２７の他方の端部にもスプロケツト３７が取付
けられており、スプロケツト３７は適宜のチエ
ン、スプロケツトを介して床コンベヤ駆動軸３８
に取付けたスプロケツト３９に連繋されて、前述
のチエン１５，１５′が回動され、床コンベヤ１
３が回動する。支持板１７をその前縁において駆
動手段２２を操作して回動することによつて堆肥
の前記巾と厚みを自由に調節することができる。
このとき支持板１７と床コンベヤ１３との間には
隙間が生じないので円滑に散布ビータ１８の個所
に運ばれることとなり、しかも支持板１７の前縁
の軸１７ａと軸３１とが同一軸線上にあるので、
支持板１７の回動は、ビータの回転駆動中でも、
走行中でも行うことができる。

（効果） 本考案は、前記の構成からなるものであるか
ら、散布ビータと支持板との間に堆肥をつまらせ
ることはなく、また支持板を傾斜させても床コン
ベヤと支持板との間に隙間を作ることがないので
所望の堆肥の散布を円滑にすることができ、また
支持板の回動軸線と散布ビータの駆動伝達軸線と
を同一とすれば、支持板の回動はいつでも行うこ
とができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の後方部の拡大側面図、第
２図は本考案装置の全体側面図、第３図はその平
面図で、その一部を省略して示した図、第４図は
その背面図、第５図は従来の堆肥散布装置の平面
図である。 １３……床コンベヤ、１６……破砕ビータ、１
７……支持板、１７ａ……水平軸、１８……散布
ビータ、２２……駆動手段、３１……軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 床コンベアの後端上方において破砕ビータを
   水平軸の周りで回転自在に設け、前記床コンベ
   ヤの後端下方において支持板をその前縁で水平
   軸の周りに回動自在に設け、前記支持板上には
   散布ビータを回転自在に設け、前記支持板は駆
   動手段によつてその前縁を中心として所望の角
   度回動されるように設けたことを特徴とする堆
   肥散布装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲(1)に記載の堆肥散布
   装置において、前記支持板上の散布ビータは、
   前記床コンベヤの後端下方に位置する水平軸の
   軸線と同一軸線上に位置する軸に設けたスプロ
   ケツトを介して駆動されるように設けられてい
   るもの。