JPH0327756Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はプレス機械に付設され、深絞り加工
や抜ち抜き加工をする場合に、素材板の縁を適度
な圧力で挟圧するため用いられる、いわゆる、ダ
イクツシヨンの改良に関するもので、特に、ダイ
クツシヨンのプレス機に対する着脱を容易にする
ための装置を備えたものに関する。

〔従来の技術〕

一般に、プレス機械によつて深絞り加工や特殊
な打抜き加工をするとき、ダイクツシヨン装置を
必要とすることは知られており、汎用形のプレス
機械では廉価なものを除いて市販される状態で既
に付設されている。

他方、プレス機械も作業の能率を向上させるた
め、近年はプレス機械を市販のまゝ使用するので
なく専用機的に改造し、複数個の金型を取りつけ
て絞り加工を行つたり、構造が簡単で廉価なプレ
ス機に後付けてダイクツシヨンを設置することが
行われている。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような場合、必要の都度ダイクツシヨンを
設計し製作しているが、面倒である上に、ダイク
ツシヨン自体が高価となつて、折角、廉い機械を
用いることを意図しても果たし得ないことがあ
る。また、ダイクツシヨンは本来、強力なばねを
持つものであるから、プレス機械に後付けて設置
しようにも機械への着脱が容易でなく、更に、ク
ツシヨンの強さを調整することも容易でなかつ
た。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は構造が簡単で、且つ、種々のプレス
機械に対して容易に着脱でき、しかもそのバネ強
さを容易に調節できるようにした汎用性に富んだ
ダイクツシヨンを得ることを目的とするもので、
プレス機１に取りつけられる基板５ｂの下側にシ
リンダ手段５ｃと上側に支承板５ｍとを支持し、
シリンダ手段５ｃのピストン５ｊと支承板５ｍと
をピストンロツド５ｋを介して連結し前記シリン
ダ手段５ｃのピストンロツド５ｋのない側の室、
すなわち、下室５ｈに圧気を導入し排除するため
の通気孔５ｇを設けると共に、前記基板５ｂをロ
ツド５ａによりベツド１ａの下面へ着脱可能に取
り付けた点に特徴がある。

〔作用〕

シリンダ手段５ｃを下にして基板５ｂをベツド
１ａの下面へ取りつけることにより、プレス機１
はダイクツシヨンを設置される。その設置はシリ
ンダ手段５ｃの下室５ｈに通気孔５ｇを通して圧
気を供給することにより、支承板５ｍを突出させ
れば、通常のダイクツシヨンとして作動する。ま
た、圧気を除去すれば、支承板５ｍが引つ込み着
脱の障害とならなくなる。

〔実施例〕

以下、図示の実施例によつてこの考案を説明す
る。第３図において、１はプレス機であり、ベツ
ド１ａの一側に立設したフレーム１ｂにはベツド
１ａの直上に位置して上下動可能なラム１ｃが支
持され、前記ベツド１ａ上にボルスタ２を介して
金型３が支持されている。４はラム１ｃ側に取付
けられたポンチであり、５は金型３と協働するダ
イクツシヨンである。

金型３は第２図で示すように、この実施例では
平座金状の金具を打抜く打ち抜き型を示す。そし
て、前記ポンチ４と協働する円筒状の突部３ａを
持つ下型３ｂと、その突部３ａの外面を上下に摺
動するブランクホルダ３ｃとからなつており、前
記ポンチ４は芯金４ａ、その外周に嵌合させた第
２ブランクホルダ４ｂ、および第２ブランクホル
ダ４ｂを支持する外筒４ｃからなつている。な
お、前記第２ブランクホルダ４ｂは複数のロツド
４ｄを介して図示してないばねにより下方へ常時
押圧されている。

ブランクホルダ３ｃは下型３ｂに嵌合された複
数のロツド３ｄとカラー３ｅを介してダイクツシ
ヨン５により弾性的に支承され、その後退動が制
限されている。なお、以上の構成は特に従来のも
のと異なるものではない。

ダイクツシヨン５は４本のロツド５ａを介して
プレス機１のベツド１ａの下面に支持される基板
５ｂによつて構成されている。すなわち、基板５
ｂには下面に空圧作動のシリンダ手段５ｃが４本
のボルト５ｄによつて固定れており、シリンダ手
段５ｃはシリンダ５ｅと、その内面を上室５ｆと
下室５ｈとに区画するピストン５ｊとで構成され
ている。ピスストン５ｊに連結されたピストンロ
ツド５ｋは上室５ｆを貫いて上方へ伸び、その上
端部に環状の支承板５ｍが取付けられている。５
ｎは素材６から切りおとされた屑材を外部へ排出
するための排出シユート、５ｐ，５ｇはそれぞれ
上室５ｆと下室５ｈとに対する通気孔である。

なお、下室５ｈに対する通気孔５ｇは圧気を導
入し排除するため、開閉弁７によつて開放および
遮断可能に、且つ、図示してないコンプレツサへ
連結してある。

ダイクツシヨン５をベツド１ａに取付けるに
は、下室５ｈ内の圧気を除去しピストン５ｊを降
下させた状態で行う。すなわち、その状態でダイ
クツシヨン５をベツド１ａの下方へ挿入し、４本
のロツド５ａによつて基板５ｂをベツド１ａへ締
着する。そして、別に用意したコンプレツサによ
り下室５ｈに所定圧力の圧気を供給し支承板５ｍ
をベツド１ａの下面へ弾性的に押圧させた状態で
コンプレツサとの連結を絶ち、密封することによ
つて完了する。また、ダイクツシヨン５を取外す
には以上と逆の手順により、まず、下室５ｈ内の
圧力を抜き、環状の支承板５ｍをベツド１ａの下
面から引離し、次いで、４本のロツド５ａを緩め
ることによつて行う。

〔考案の効果〕

この考案に係るプレス機用ダイクツシヨンは以
上のように、基板５ｂの下側にシリンダ手段５ｃ
と上側に支承板５ｍとを配し、シリンダ手段５ｃ
のピストン５ｊと支承板５ｍとをピストンロツド
５ｋを介して連結したものであるから、構造が簡
単で廉価に製造でき、しかも、通気孔５ｇを介し
て下室５ｈから圧気を排除し、基板５ｂをプレス
機１へ着脱するだけの簡単な操作で容易に着脱で
きるなど実用上の大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図はダイクツシヨンの外観図、第２図はその軸線
上での断面図、第３図はプレス機の側面図であ
る。 ４……ポンチ、５……ダイクツシヨン、５ｂ…
…基板、５ｃ……シリンダ手段、５ｈ……下室、
５ｍ……環状の支承板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス機１に取りつけられる基板５ｂの下側に
   シリンダ手段５ｃと上側に支承板５ｍとを支持
   し、シリンダ手段５ｃのピストン５ｊと支承板５
   ｍとをピストンロツド５ｋを介して連結し前記シ
   リンダ手段５ｃのピストンロツド５ｋのない側の
   室、すなわち、下室５ｈに圧気を導入し排除する
   ための通気孔５ｇを設けると共に、前記基板５ｂ
   をロツド５ａによりベツド１ａの下面へ着脱可能
   に取り付けてなるプレス機用ダイクツシヨン。