JPH03275528A - 石英ガラスの製造方法 - Google Patents

石英ガラスの製造方法

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JPH03275528A
JPH03275528A JP7337890A JP7337890A JPH03275528A JP H03275528 A JPH03275528 A JP H03275528A JP 7337890 A JP7337890 A JP 7337890A JP 7337890 A JP7337890 A JP 7337890A JP H03275528 A JPH03275528 A JP H03275528A
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JP
Japan
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gel
glass
porous
quartz glass
chlorosilane
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Application number
JP7337890A
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English (en)
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Osamu Kondo
治 近藤
Masukazu Hirata
益一 平田
Kozo Arii
有井 光三
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/12Other methods of shaping glass by liquid-phase reaction processes

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アルコキシシランを原料とするゾルゲル法に
よる石英ガラスの製造方法に関する。
更に詳しく言えば、本発明は、アルコキシシランを原料
物質として、その加水分解生成物であるゾルを重縮合さ
せてゲルとしたのち、十分に脱水、乾燥させて得た乾燥
ゲル、または、乾燥ゲルを焼成して得た多孔質石英ガラ
スを、400℃よりも低い温度でクロロシランを含有す
る雰囲気中で加熱処理したのち、酸素気流中で焼成して
無孔質の石英ガラスを製造する方法に関するものである
[従来の技術] 近年、石英ガラスの低温合成法として、アルコキシシラ
ンS I(OR) 4を原料物質とするゾルゲル法が注
目されている。このゾルゲル法には、■熔融法に比べて
非常に低温(800−1100℃)で製造できる、■原
料物質が液体で、精留操作によって容易に高純度化する
ことができる、■ゲルの段階で容易に種々の任意の形状
に成形することができる、■ゲルの焼成操作を適宜に制
御することによって、種々の機能性の付与が可能な多孔
質体が得られる等の特徴がある。
しかし、ゾルゲル法には、ゾルのゲル化・収縮時、およ
び、ゲルの乾燥時に割れ・亀裂を生じ易いと言った欠点
が有り、更に、乾燥ゲルの焼成・無孔化時にも割れや発
泡(Bloating)を生じ易いと言った欠点がある
乾燥ゲルの焼成・無孔化時の割れや発泡は、ゲルの表面
に存在するシラノール基5i−OH同士の脱水縮合反応
によって生成する水が細孔内部に閉じ込められたり、 或いは、細孔内を拡散して脱離する際の圧力によって生
じると言われている。従って、乾燥ゲルの細孔径をより
大きくすることによって、生成した水分子の拡散・放散
が容易になると同時に、無孔化温度が上昇するために、
無孔化温度における0)1の平衡濃度が減少し、焼成・
無孔化時の割れや発泡が起こり難くなるものと期待され
る。
山板等は、アルコキシシランの加水分解・重縮合反応の
反応条件を制御・調節して、比較的大きな細孔のゲルを
製造する方法を提案している〔山板等、窯協誌、87.
434(1979) )が、通常のゾルゲル法では、ア
ルコキシシランは、酸、或いは、アルカリ触媒で加水分
解される。触媒としてアルカリを用いると、アルコキシ
シランの加水分解と共に、加水分解生成物である珪酸5
i(OH)、の重縮合反応が進行して反応生成物である
ゾルの構成粒子は粒径の大きなものになる。
従って、これらゾル粒子の凝集によって生じるゲルは、
細孔の大きな(10nm前後のものを多く含む)ものが
得られる。ゲルの凝集力は、ゲルを構成する粒子の粒径
の増大と共に減少する。
従って、ここに得られたゲルは、凝集力が弱くゲル化・
乾燥過程で割れが生じ易く、特に、平板のような厚さが
相対的に小さい形状の場合には、歩留りが非常に悪くな
る。更に、細孔が大きいと、それだけ無孔化温度が上昇
するため、石英ガラスを低温で、より省エネルギー的に
製造することを目的とする低温合成法の立場からすれば
、好ましいことではない。
アルコキシシランの加水分解触媒として酸を用いると、
加水分解生成物である珪酸Si (OH)。
は、殆ど重縮合反応を起こすことなく、ゾル中の珪酸は
、高々4量体として存在している。このゾルから生成す
るゲルの凝集力は、極めて強く、透明性に優れた大型の
平板状の乾燥ゲルを歩留り良く製造することができ、し
かも、無孔化温度が低いと言った特徴を有している。し
かし、ゲルの細孔の平均直径が2nm程度以下と小さい
ため、焼成時に粉々に破壊し易いと言った欠点を有して
いる。
また、他の方法として、アルコキシシランの酸加水分解
溶液にシリカ微粒子を添加したゾルを用いる方法(特公
平1−23420、特公昭64−3811、特公昭64
−3812)が開発され、歩留り向上に大きな進歩がも
たらされた。しかし、この方法では、添加した微粒子(
直径数十nm)によって光が散乱されるためにゲルは白
色不透明なものになる。
従って、ゲルの透明性を利用して機能性を付与し、機能
性ニューガラスとして実用化することが難しく用途面で
の制約を有している。
最近になって、ゲルの透明性のみならず、乾燥ゲルの焼
成時、および、或いは、無孔化温度以上の温度に加熱し
たときの発泡現象が、ゾルゲル法石英ガラスの用途開発
、実用化を推進する上で大きな障害になると指摘される
ようになった。既に述べたように、この発泡現象は、乾
燥ゲル、或いは、焼成ガラスに含まれるシラノール基5
i−OH同士の脱水縮合反応により生成する水に起因す
ることが知られている。従って、焼成試料が、なお発泡
現象を起こすと言うことは、焼成試料中に、なお相当量
のシラノール基が残存している、換言すれば、製品石英
ガラス中のシラノール基を無くすることが容易ではない
ことを示唆していると言える。
ゾルゲル法によって製造された石英ガラス中のシラノー
ル基を、焼成によって極めて少なくすることは容易では
ない。このことは、ゾルゲル法に特有の技術的困難では
なく、硼硅酸ガラスを母体ガラスとする多孔質高度シリ
カ含有ガラス、即ち、石英ガラスの製造法においても起
こる現象であり、石英ガラス中のシラノール基を除去す
るためには、焼成法以外の新しい方法を併用する必要が
ある。
エルマー等は、硼硅酸ガラスを母体ガラスとする多孔質
高度シリカ含有ガラス体の残留水分、即ち、シラノール
基を除去する新しい方法(特公昭42−23036) 
として、公知の方法で製造された硼硅酸ガラスを所望の
形状に成形したのち、500〜600℃に加熱してシリ
カに富む相とシリカに乏しい相とに相分離させ、次いで
、シリカに乏しい相を酸を用いて溶解浸出してシリカに
富む相からなる多孔質構造(多孔質ガラス)を作り、こ
こに得られた多孔質ガラス(細孔径>10nm)を、約
600〜1000℃で塩素含有雰囲気、更に具体的に言
えば、塩素C1,、塩化水素HCI、塩化アンモニウム
NH,CL四塩化炭素CC1,、トリクロロエチレンC
,HCI、、或いは、四塩化珪素5iC14の蒸気を1
0%以上含む雰囲気中に充分な時間曝したのち、引き続
いて中性雰囲気、更に具体的に言えば、窒素ガス気流中
で1250〜1300℃に加熱して無孔質ガラスとする
方法を提案している。
本提案は、焼成操作によって除去することの困難なシラ
ノール基5i−DHの−OH基を熱的により安定な、例
えば、クロロシリリジン基−3i−CIに変換してシラ
ノール基含量を低減させて発泡現象を防止しようとする
ものである。
エルマー等は、当該特許明細書において、塩素含有化合
物として金属塩化物、および、有機塩素化合物を用いる
と、処理後に多孔質ガラス中に異物を残すという重要問
題があるのであまり望ましくなく、費用と使用上の便利
さの点でガス状塩素CI□、および、塩化水素HCIが
望ましいと述べると共に、具体的な事例として、四塩化
珪素5IC14を用いると処理試料は外観がやや乳白色
乃至幾分灰色になると述べている(特公昭42−230
36)。
また、松山等は、ゾルゲル法で製造した乾燥ゲルを酸素
の存在下に800℃にまで加熱昇温したのち、塩素ガス
CI2の存在下に30分間(800℃)処理し、次いで
、1100℃に昇温しで酸素の存在下に1時間保ったの
ち、ヘリウムガス気流中にて1300℃に昇温しで加熱
処理を行う方法を提案しているが、併せて、本方法は、
試料乾燥ゲル(多孔質ガラス)の細孔の平均直径が大兄
8nm以上の比較的大きく、無孔化温度が1100℃以
上の場合にのみ良い結果が得られると報告して〔1゜M
atsuyama et allCeramic Bu
lletin、63.1408(1984) )いる。
本発明者等は、上記したエルマー等の方法、および、松
山等の方法を通常一般のゾルゲル法で製造される細孔の
平均直径の小さなゲルに適用するべく、詳細な追試実験
を行った。しかし、松山等と同様に細孔の平均直径が大
兄13nm以上の比較的大きな乾燥ゲル(多孔質ガラス
)の場合にのみ良い結果が得られて、アルコキシシラン
を酸加水分解して得られる細孔径の小さい、換言すれば
、無孔化温度が低い(800〜1000℃)ゲルの場合
には具体的なシラノール基濃度低減効果は得られなかっ
た。また、塩素含有物質として四塩化珪素5iC1,を
用いた場合には、エルマー等の結果と異なりシラノール
基濃度低減効果は全く得られなかった。即ち、エルマー
等の方法、および、松山等の方法は、塩素含有物質とし
て塩素ガスCI2、または、塩化水素ガスHCIを使用
して、細孔の平均直径が大兄3nm以上の比較的大きな
多孔質ガラスに適用した場合にのみ有効な方法であって
、細孔径の小さいゲノペ或いは、多孔質石英ガラスには
不適当な方法であると言える。
し発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的は、従来技術の有する技術的課題を解決し
て、更に具体的に言えば、通常のゾルゲル法で製造され
る細孔の平均直径の小さいゲルを母材として、透光性に
優れた大型の、しかも、実用温度において発泡性のない
ゲル・石英ガラスを歩留り良く製造する方法を提供する
ことにある。
本発明者等は、アルコキシシランS i (OR) 4
を原料とするゾルゲル法に、石英ガラスの低温合成性、
即ち、省エネルギー的合成法としての可能性を見出し、
種々の基礎的な実験を行った結果、アルコキシシランの
加水分解生成物であるゾルを重縮合させてゲルとしたの
ち、十分に脱水、乾燥させて得た乾燥ゲル、または、乾
燥ゲルを焼成して得た多孔質石英ガラスを、400℃よ
りも低い温度でクロロシラン、例えば、四塩化珪素5I
C14を含有する雰囲気中で加熱処理したのち、酸素気
流中で焼成して無孔質化すると発泡性の殆どない透明な
石英ガラスが得られるとの知見を得て、更に鋭意検討を
行い本発明を完成させた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、アルコキシシランの加水分解生成物であるゾ
ルを重縮合させてゲルとしたのち、十分に脱水、乾燥さ
せて得た乾燥ゲル、または、乾燥ゲルを焼成して得た多
孔質石英ガラスを、400℃よりも低い温度でクロロシ
ランを含有する雰囲気中で加熱処理したのち、酸素気流
中で焼成して無孔質化することを特徴とする透明な石英
ガラスの製造方法に関する。
本発明において、アルコキシシランとは、般式5l(O
R)4 (但し、Rは低級アルキル基を意味する〕で表
される低級アルコキシシランを意味し、更に具体的に言
えば、例えば、テトラメトキシシランSi(OCH3)
4、テトラエトキシシラン5i(OCH2C1(3)4
等を意味し、クロロシランとは、一般式5iC1つR’
、−、[但し、Roは水素、アルキル基、または、他の
ハロゲンを意味し、Xは1乃至4の整数である〕で表さ
れるクロロシラン類を意味し、更に具体的に言えば、例
えば、四塩化珪素5iC14、トリクロロシラン5IH
C13、トリクロルメチルシランC1(3SiC1,等
を意味する。
本発明を実施する時、アルコキシシランの加水分解反応
、および、ここに得られたゾルのゲル化は、通常公知の
ゾルゲル法に従って実施すれば良いが、製品の透明性、
および、製品歩留りを改善すると言った観点からすれば
、本願発明者等の発明した3工程からなる加水分解法〔
特許出願中、特願平2−1実施例1参照〕で実施するの
が好ましい。何故ならば、本発明の効果は、アルコキシ
シランを塩酸などの酸触媒で加水分解して得た細孔の平
均直径が小さく透明性のよいゲルにおいて、特にその効
果が発揮されるからである。本発明の効果は、酸触媒加
水分解して得た細孔の平均直径が小さく透明性のよいゲ
ルにおいてのみ発揮されるものではなく、アンモニア等
のアルカリ触媒で加水分解して得たゲルにおいて同様の
効果が得られることは言うまでもない。
ここに得られたゲルの成形、および、乾燥操作は、公知
の方法に従って実施して、充分に乾燥させれば良い。な
お、本発明の効果をより一層発揮させるために、公知の
方法に従って得た乾燥ゲルを、更に空気中で加熱して脱
水・乾燥させると共に溶媒として使用した低級アルコー
ルや未反応アルコキシ基などの脱炭素処理を行うのが好
ましい。また、乾燥ゲルに限らず、所望の細孔特性を持
つ多孔質ガラスを製造する目的で、引き続いて乾燥ゲル
を、完全に無孔化しない範囲内で任意の温度にまで加熱
焼成して細孔の少ない、換言すれば、密度のより大きい
、或いは、細孔体積のより小さい多孔質石英ガラスにま
で緻密化させても良い。
ここに得られた乾燥ゲル、または、多孔質石英ガラスの
クロロシラン処理は、公知の処理装置を使用して、当該
試料を室温乃至400℃のクロロシランを含む雰囲気中
に静置してクロロシランを試料の細孔中に十分に拡散・
浸透させたのち、400℃にまで加熱昇温する方法で実
施するのが好ましい。本発明を実施するとき、クロロシ
ランは、一般式S+CIxR’ 4−X (x=1〜4
)で示されるクロロシラン類であれば良いが、室温、或
いは、クロロシラン処理温度での蒸気圧、即ち、取り扱
い易さ、および、入手の容易さと経済性から四塩化珪素
、或いは、トリクロロシランが適当である。
乾燥ゲル、または、多孔質石英ガラスのクロロシラン処
理操作におけるクロロシランの作用機構については未だ
充分には解明されていないが、クロロシラン処理実験の
結果、および、クロロシランの物性値と反応性等から、
クロロシランが乾燥ゲルの細孔表面のシラノール基と容
易に反応して、シラノール基の一計基が、熱的により安
定な、例えば、トリクロロシロキシ基−0−3t (C
I) 3になってシラノール基5in)Iの含量を低減
させて発泡現象を防止するものと考えられる。
−s、1−o)1+  5iC1a 実際の平均細孔直径の小さいゲルの場合には、細孔が大
きな負の曲率を持っているので、細孔の表面に存在する
シラノール基の0■基は、叶基同士が接近しており、互
いに水素結合を形成して安定化した状態となっているこ
とが知られている。従って、実際には、複数のシラノー
ル基が複雑に関与して、更に脱塩化水素反応が進行して
環状構造、および、或いは、網状構造を形成しているも
のと推測されるが、今後の研究成果に待たなければなら
ない。
本発明を実施するとき、クロロシラン処理装置に特別な
制約・制限はなく、公知の回分式密閉容器、或いは、気
体流通式の処理装置を使用すれば良い。クロロシラン処
理温度、特に、クロロシランの導入温度の選定は、非常
に重要であり、室温乃至400℃、より好ましくは、室
温乃至300℃に選ぶのが好ましい。クロロシランの導
入温度を400℃以上に選ぶと、所期の目的を充分に達
成することができない。一方、室温付近に選ぶとクロロ
シランが、乾燥ゲル等の細孔中の表面に多分子層吸着、
或いは、凝縮してクロロシラン濃度が高くなるため、細
孔中への拡散時間の短縮やシラノール基との置換反応速
度が増大して処理時間の短縮とクロロシラン処理効果の
均一化に有効である。本発明を実施するとき、クロロシ
ラン処理装置にクロロシランを導入して試料の細孔中に
十分に拡散・浸透させたのち、300乃至400℃まで
加熱昇温するが、昇温速度は、クロロシランの乾燥ゲル
等の細孔中への拡散速度、シラノール基との置換反応速
度、ゲルの大きさ、および、細孔特性等を考慮して適切
に選定される。
なお、本発明の効果をより一層発揮させるために、当該
試料を吸引減圧下に約1時間静置して物理的に吸着して
いる水分等の除去を行なったのちに、系内ヘクロロシラ
ンを導入するのが良い。また、得られた試料石英ガラス
中のクロロシラン処理によって生成した塩化水素の挙動
を赤外線吸収スペクトル解析法によって検討したところ
、生成した塩化水素の相当量が細孔内に捕捉・閉じ込め
られていること、および、石英ガラス中の残留塩素量と
石英ガラスの白濁現象との間に相関関係のあることが見
出された。
石英ガラス中の残留塩素量を減少させると言った観点か
ら、クロロシラン処理を終えた当該試料は、そのまま直
ちに大気中に取り出したり、或いは、引き続いて焼成し
て無孔化させるのではなく、吸引減圧下に未反応のクロ
ロシラン、および、塩化水素等を除去したのちに、更に
、酸素ガスを吹き込んで系内の圧力を調整し、次いで、
酸素ガス気流下に焼成して無孔化させるのが好ましい。
この酸素ガス気流中での焼成は、製品石英ガラスの白濁
防止に有効であり、クロロシラン処理に引き続いて、3
00乃至400℃の加熱下に実施すると良い結果が得ら
れる。これらの知見から、石英ガラスの白濁は、細孔内
に捕捉・閉じ込められた残留塩素、更に具体的に言えば
、塩化水素HCI、および、クロロシIJ jlジン基
5i−CI に起因して起こる現象であり、酸素ガス処
理によって塩化水素HC1の拡散、放散が促進されると
共にクロロシリリジン基5i−CIの酸化反応を促進す
るものと考えられる。このように考えると、クロロシラ
ン処理工程における種々の現象を容易に理解することが
できる。
クロロシラン処理を終えた当該試料は、酸素ガス気流下
に加熱焼成して無孔化させる。酸素ガス気流中での加熱
焼成処理操作では、昇温速度、酸素ガスの流量、および
、酸素分圧が重要なパラメータである。特に、昇温速度
の選定は重要であり、クロロシリリジン基5i−CI 
とシラノール基、或いは、酸素との反応、および、クロ
ロシランとシラノール基との反応によって生成した塩化
水素等が、細孔外に拡散して除去されるまでに石英ガラ
ス基材が無孔化し、細孔内に閉じ込められることのない
ように、通常一般的には0.5〜b ガスの流量については特に注意が必要であり、酸素ガス
の流量が不足すると製品石英ガラスが白濁して不透明と
なる。通常一般的には、酸素ガスの流量を300乃至1
000cm3/min程度に、酸素分圧を100Tor
r程度に選べば、本発明の効果を充分に得ることができ
る。
以下、本発明について実施例、および、比較例を示して
、その効果と実施態様を具体的に、かつ詳細に説明する
が、以下の例は、具体的に説明するためのものであって
、本発明の実施態様や発明の範囲を限定するものとして
は意図されていない。
[実施例コ 実施例1 テトラメトキシシラン300cm3とメタノール150
clI13の混合液に、0.01Nアンモニア水溶液1
50cm’を加え、0℃で1時間撹拌してテトラメトキ
シシランが37%加水分解したゾル溶液を製造し、この
溶液に0.05N塩酸水溶液120cm3を加え、0℃
で1時間撹拌して加水分解を終了させた。さらにゲル化
を促進するためにこの溶液に0.5Nアンモニア水溶液
11.6Cm3を加えたゾルを、34mm x 54m
mの底面、開口率3%の複数の容器にキャストしゲル化
させた。湿度制御下、40℃で約2週間乾燥して乾燥ゲ
ルを得た。この乾燥ゲルを空気中で830℃に加熱し、
17mmX32mm X 1mm s比表面積430m
”/g、平均細孔径2.5nmの非常に透明な多孔質ガ
ラスを得た。
ここに得た多孔質ガラス1を、第1図に示す真空系を備
えた内径4cmの石英製管状炉2の所定の位置にセット
して、真空下で約1時間放置して物理吸着水を除去した
。次いで、室温で四塩化珪素3を蒸気圧を利用して約1
00Toor導入し、密閉系で2時間放置して多孔質ガ
ラス内部に十分拡散、凝集させた。その後、100℃/
hrの昇温速度で400℃まで加熱し、この温度で系を
開放して未反応の四塩化珪素、および、反応生成物(主
に)l(’1)を真空ポンプで吸引除去した。
十分に脱気した後、フローコントローラ4を介して酸素
を400cm’/minの流量で流し、その時の系内の
圧力を圧力計5でモニターしながら約100Toorに
制御した。この状態で、昇温速度80t/hrで105
0℃まで加熱し、この温度で更に1時間保持して無孔化
を完了させた。
ここに得られた石英ガラスの赤外スペクトルを調べたと
ころ3760cm ’のOH吸収は全く見られず、ガラ
ス中の叶濃度はlppm以下であると判定・認定された
実施例2 四塩化珪素の導入を300℃で行い、その温度で16時
間放置した後、系を開放して未反応の四塩化珪素、およ
び、反応生成物の除去を行った以外は実施例1と全く同
様に処理して石英ガラスを得た。
ここに得られた石英ガラス中の叶濃度は1pprn以下
であった。
実施例3 テトラメトキシシラン300cm3とメタノール150
cm’の混合液に、0.02N塩酸水溶液270cm3
を加えて、0℃で1時間撹拌して加水分解を終了させた
。ここに得られたゾル溶液に、0.05Nアンモニア水
溶液11.6Cm’を加えてゲル化を促進させて、実施
例1と同様にしてゲル化させた。
次いで、実施例1と全く同様にして乾燥、焼結して多孔
質ガラスを製造し、比表面積330m2/g、平均細孔
径2.Qnmの透明性の良い多孔質ガラスを得た。ここ
に得た細孔特性の異なる多孔質ガラスを実施例1と全く
同様に処理して石英ガラスを得た。ここに得た石英ガラ
ス中のOH濃度はlppm以下であった。
実施例4 クロロシランとしてトリクロロシラン5IHC13を用
いた以外は、実施例1と全く同様に処理をして石英ガラ
スを得た。ここに得られた石英ガラス中のOH濃度はl
ppm以下であった。
比較例1 実施例1と全く同様にして製造した多孔質ガラスを通常
の電気炉を使用して、空気中で950℃に加熱して無孔
化させたところ、不透明なガラスが生成した。顕微鏡で
調べると無数の気泡が観察された。次いで、昇温速度を
12℃/hrに変更してみたが、不透明なガラスが生成
して発泡現象は改善されなかった。ここに得られたガラ
ス00■含有量を調べたところ、約7000ppmであ
った。
比較例2 実施例1と全く同様にして製造した多孔質ガラスを、実
施例1で使用した装置を用いて真空下で800℃まで加
熱・昇温し、800℃からHeガスで濃度3%に希釈し
た塩素ガスC12を流しながら1000℃にまで加熱し
て無孔化させた。ここに得られたガラスは顕著に白濁し
ており、塩素の効果は認められなかった。
比較例3 四塩化珪素を450℃で導入し、16時間放置した以外
は実施例1と全く同様にして無孔化させたところ、回合
有量5500ppmのガラスが得られた。四塩化珪素の
効果は見られなかった。
比較例4 酸素を流さない以外は実施例1と全く同様にして無孔化
を行ったところ、得られたガラスは白色不透明であった
。ここに得られたガラスの赤外スペクトルには、OHと
共にHCIに起因するピークが観測された。
比較例5 四塩化珪素の代わりに四塩化炭素を用いた以外は、実施
例1と全く同様に処理をして石英ガラスを得た。そのガ
ラス中の叶濃度は7000ppmであり、四塩化炭素の
効果は全く認められなかった。
[発明の効果〕 本発明の構成を採用することによって、高価なヘリウム
ガスを全く使用することなく、通常のゾルゲル法によっ
て製造されたゲルから実質的にシラノール基5i−OH
を含まない、光学特性の劣化しない、優れた耐熱性を有
する透明な石英ガラスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で使用された実験装置を模式的に示す
概念図である。 1・・・試料〔乾燥ゲル、多孔質ガラス〕、2・・・石
英管状炉、3・・・四塩化珪素計量槽兼気化器、4・・
・フローコントローラ、5・・・圧力計、6・・・管状
電気炉

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. アルコキシシランの加水分解生成物であるゾルを重縮合
    させてゲルとしたのち、十分に脱水、乾燥させて得た乾
    燥ゲル、または、乾燥ゲルを焼成して得た多孔質石英ガ
    ラスを、400℃よりも低い温度でクロロシランを含有
    する雰囲気中で加熱処理したのち、酸素気流中で焼成し
    て無孔質の石英ガラスを得ることを特徴とする石英ガラ
    スの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1114799A1 (en) * 2000-01-05 2001-07-11 Lucent Technologies Inc. Process for heat treatment of a shaped article with gaseous reactants
JP2015071500A (ja) * 2013-10-01 2015-04-16 住友電気工業株式会社 光ファイバ母材の製造方法、光ファイバ母材、光ファイバ、およびマルチモード光ファイバ

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