JPH0327532B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 水性過酸化ベンゾイル製剤において、過酸化
ベンゾイル約１重量％〜約30重量％、並びに安定
剤および界面活性剤として有効量のスルホ琥珀酸
ジオクチルナトリウムを有するように改良されて
成る、前記製剤。

２ 前記過酸化ベンゾイルが、前記組成物中約
35μ未満の平均粒径を有する約150μ未満の粒径を
有する、請求の範囲第１項記載の製剤。

３ 前記スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウムが、
0.1重量％〜3.0重量％の組成量で存在する、請求
の範囲第１項記載の製剤。

４ ゲル化剤0.5重量％〜15重量％を含有する、
請求の範囲第１項記載の製剤。

５ 前記ゲル化剤がコロイド珪酸マグネシウムア
ルミニウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス、マイクロクリスタリンセルロースおよびヒド
ロキシル化ビニルポリマーから選ばれる、請求の
範囲第４項記載の製剤。

６ 前記ゲル化剤が中和されている、請求の範囲
第５項記載の製剤。

７ 角質溶解剤を含有する、請求の範囲第１項記
載の製剤。

８ 硫黄を含有する、請求の範囲第１項記載の製
剤。

９ 前記製剤が、前記超微細過酸化ベンゾイル約
５重量％、スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム約
0.2重量％、ヒドロキシル化ビニルポリマーゲル
化剤約0.3％ないし約３％、アルカノール約15重
量％および水を含有する、請求の範囲第１項記載
の製剤。

１０ 前記ヒドロキシル化ビニルポリマーゲル化
剤が中和されている、請求の範囲第９項記載の製
剤。

１１ 〓瘡の治療に適する水性ゲル医薬製剤であ
つて、 (a) 該製剤中35μ未満の平均粒径を有する150μ未
満の粒径を有する超微細過酸化ベンゾイル約１
重量％〜約30重量％； (b) スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム約0.1重
量％〜約3.0重量％； (c) ゲル化剤約0.5重量％〜約15重量％； (d) 低級アルキルアルコール約10％〜約80％；お
よび (e) 水 を含んでなる請求の範囲第１項記載の製剤。

１２ 角質溶解剤を含有する、請求の範囲第１１
項記載の製剤。

１３ 前記ゲル化剤がコロイド珪酸マグネシウム
アルミニウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、マイクロクリスタリンセルロースおよびヒ
ドロキシル化ビニルポリマーから選ばれる、請求
の範囲第１１項記載の製剤。

１４ 前記ヒドロキシル化ビニルポリマーが中和
されている、請求の範囲第１３項記載の製剤。

技術分野 本発明は、〓瘡および脂漏状態の治療に関し有
用である、過酸化ベンゾイルを含有する水性ゲル
組成物に関する。

背景技術 〓瘡および脂漏は、毛脂器官内に位置する皮脂
線からの過剰の皮脂すなわち皮膚の油の流れによ
つて特徴づけられるヒトの皮膚の状態である。皮
肥が皮膚の表面に至る流路は、毛包の管である。
管内および皮膚上に存する過剰量の皮脂は、小胞
管からの皮脂の連続流を封止又は停滞するように
作用し、この結果両皮包として知られる固形栓と
なる皮脂の肥厚を形成する。これが生じると、胞
状孔の角化が刺激され、かくして管は完全に封鎖
する。通常の結果は丘疹、膿疱又は嚢腫であり、
これらはしばしばバクテリアによつて感染し二次
感染を引き起こす。これらの発生は今日痙瘡とし
て知られている疾患並びに程度の少ない脂漏とし
て特徴づけられる。

〓瘡および脂漏の治療において、多くの局所治
療剤が、胞状管の封鎖を防止するため、一たん遮
断された管を再たび開口するため、バクテリア感
染および皮脂の脂厚に対抗せしめるため、又は
各々のこれらの作用を複合化して与えるために用
いられている。皮膚の角質層およびこれによつて
胞状孔を詰まらせている汚物を除去するため穏や
かに皮膚刺激剤としてイオウを用いることは周知
である。過酸化ベンゾイルゲル組成物は、〓瘡、
脂漏および関連二次感染の治療において有効であ
ることが見出された。

米国特許第3535422号は、水および少なくとも
一種の有機皮膚軟化剤を含有する流体媒体中に均
一に分散した過酸化ベンゾイルを含んでなる、〓
瘡治療用治療組成物を開示している。

米国特許第4056611号は、単一相を有する水性
アルコールビヒクル中に安定に分散せしめた微細
粒子の過酸化ベンゾイルを含んでなる〓瘡治療用
の治療組成物を開示する。組成の単一相は、非脂
質でありかつ水性アルコールビヒクルに可溶な非
イオン活面活性剤を含有する。

水および数種の選ばれた皮膚軟化剤の乳濁液中
に微細な過酸化ベンゾイルを単に含有する従来の
過酸化ベンゾイル組成物は、以下のような欠点を
有する。すなわち、乳濁液中の水分が蒸発する
と、大部分の有機皮膚軟化剤および過酸化ベンゾ
イルの大きな粒子が皮膚表面近くに残りそして〓
瘡部位に接触してそれらは刺激を引き起こす。

更に、かかる組成物中に大量の非イオン活面活
性剤を使用すると、極めて微細な過酸化ベンゾイ
ルを用いない限り、過酸化ベンゾイルからの同様
の刺激を引きおこす。

又、過酸化ベンゾイルは強力な酸化能力を有す
るため、通常の軟膏又は乳液中に該物質を含有す
ると、不安定な組成物を形成し、これは直ちに許
容し難い角質溶解力の損失を示す。

発明の要約 本発明は、より高い安定性と貯蔵寿命を有す
る、水性アルコールゲルビヒクル中に超微細の過
酸化ベンゾイル粒子を含有する新規な医薬組成物
に関する。

驚くべきことに以下の事実が判明した。すなわ
ち、水性アルコールゲルビヒクルにおいて、活面
活性剤としてスルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム
と共に150ミクロン未満の粒径を有する超微細過
酸化ベンゾイルを用いると、製品を通常使用する
際通常期待されるよりもより高い温度にさらした
場合においてさえ過酸化ベンゾイル成分に関し十
分な安定性を示す組成物を形成するという事実で
ある。又、本発明のアルコール性ゲルは蒸発する
と、他の劣つたゲル製剤で損われた火傷および紅
斑を除去するように超微細過酸化ベンゾイルを均
一に解放する。

本発明の水性アルコールゲル組成物は、約１〜
約30重量％、好しくは約５〜15重量％の超微細過
酸化ベンゾイルを含有し、該過酸化ベンゾイルは
平均粒径35μ未満で150μ未満の粒径を有する。界
面活性剤として作用し同時に組成物の安定性を高
めるため準備されるスルホ琥珀酸ジオクチルナト
リウムは、組成物の約0.1〜約３重量％、好まし
くは約0.1〜１重量％の組成量で存在する。組成
物は又、約1.0〜約60重量％、好ましくは約３〜
６重量％量の湿潤剤を含有する。

詳細な説明 本発明の医薬ゲル組成物は、治療に有効な量十
分な過酸化ベンゾイルを含有すべきであり、穏や
かに分散可能な組成物を形成するためビヒクル中
に均一に分散され得る以上の過酸化物を含有すべ
きでない。かかる理由から、組成物は、過酸化ベ
ンゾイルを少なくとも１重量％および30重量％以
下を含有すべきであり、好ましくは組成物は過酸
化ベンゾイル約５〜約15重量％を含有するように
する。組成物の過酸化ベンゾイル成分は、高純度
であるべきでありさらに平均粒径35μ未満を有す
る超微細化結晶性粒子の形状で存在すべきであ
る。本発明の水性ゲル組成物は、次のような湿潤
剤が好都合に含まれる：すなわちポリオールおよ
び糖のエステル、エチレンオキシドと脂肪酸、脂
肪アルコール、長鎖アルキルフエノール、長鎖メ
ルカプタン、長鎖アミド、ポリヒドロキシル化脂
肪アルコールのポリエーテルとの縮合生成物並び
に３〜６重量％のアルキルポリグリコールエーテ
ルである。スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウムと
ほぼ同量のアルキルポリグリコールエーテルを用
いると、法外なほど保存期間が延びた組成物を得
ることが判明した。

本発明の他の重要な成分は、ゲル化剤である。
これらはタイプと特性の双方に関して種々の粘度
を有する製品を与えるように選ばれる。本発明の
好ましい形態において、ゲル化剤は好ましく形成
されかつ安定なゲルを与えるように選ばれる。
種々のゲル化剤が、上記目的に使用される。しか
るに、好ましいゲル化剤は、純粋なマイクロクリ
スタリンセルロース、コロイド珪酸マグネシウム
アルミニウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースおよびいわゆるヒドロキシル化ビニルポリマ
ー、特に米国特許第2798053号明細書に開示のも
のである。これらの内特に興味のあるヒドロキシ
ル化ビニルポリマーは、低分子量のモノオレフイ
ンアクリル酸と全モノマーを基準に約0.1〜約10
重量％の低分子量の少糖類のポリエーテルとのイ
ンターポリマーであり、該少糖類中の変性される
水酸基はアリル基でエステル化されており、該ポ
リエーテルは少糖類分子に対し少なくとも２個の
アリルエーテル基を含有する。このタイプの商業
的に入手可能なインターポリマーは、商標
「Carbopol」の名称のもとに市販されている。該
インターポリマーは、各サツカロース分子に対し
平均約5.8個アリル基を有する約１％のサツカロ
ースのポリアリルエーテルで架橋されたアクリル
酸のポリマーである旨説明されている。これらの
ポリマーは1000000の大きさのオーダーの分子量
を有する。かかるポリマーは、ビー・エフ・グツ
ドリツチ社から入取可能でありそして商標
「Carbopol934」、「Carbopol940」および
「Carbopol941」の名称で販売されている。

種々のカルボポールは、それらの粘度を基準に
した製造法によりお互いに区別される。ポリマー
は、アルカリ性物質でそれらを中和することによ
りゲル化される。好ましい中和剤は有機アミンで
ありその内トリエタノールアミン、トリエチルア
ミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン等が言及され、更に無機塩基、その内NaOH、
KOH、Ca（OH）₂等が言及される。

本組成物内に含有されるゲル化剤の量も又幾分
変化し得る。通常は、該量は仕上げた組成物の全
重量を基準にして約0.5重量％〜約15重量％、好
ましくは約１重量％〜約５重量％である。水が存
在すると、それは又所望製品の性質に応じて変化
し得る。通常、これは仕上げ製品の全重量に対し
て、約30〜70％の間にある。脱イオン水を使用す
ることも好ましい。

水性アルコールゲルビヒクル中に用いられるア
ルコールは水に可溶性のものでなければならず、
これはビヒクル中で活面活性剤および湿潤剤に対
し補助溶剤として更に皮膚に適用した場合消毒剤
および乾燥剤としても役立つ。１〜６個の炭素原
子を有するアルキルアルコールは、前述の規準に
合致しておりそして本発明組成物の製剤に使用さ
れる。１種又はそれ以上のこれらのアルコールを
10〜80重量％有する組成は、界面活性剤および湿
潤剤が該アルコール中に溶解するのを確保するの
に十分である。過酸化ベンゾイルの活性を増加す
るため又はそれらを補うのに役立つ、治療上有効
な成分を別に本発明組成物に添加することは時と
して有利である。この目的に対し、種々の物質が
使用される。補助の皮膚治療剤として特に興味あ
る物は、角質溶解剤、特にサリチル酸である。そ
れらの治療剤を用いる場合、それらは約0.2重量
％〜約８重量％の範囲にわたる濃度範囲で使用で
きる。

組成物は又、微細に粉砕した、超微細もしくは
コロイド硫黄も含有し得る。硫黄は、〓瘡の治療
用に長い間使用されてきた殺菌剤でありかつ角質
溶解剤である。硫黄が皮膚に対しいかにその角質
溶解作用を行なうか正確に理解されてはいない
が、硫黄が動物組織と接触した場合発生する硫化
水素が組織液中のアルカリと反応し活性硫黄を生
成し、これが表皮剥脱を促進すると考えられてい
る。硫黄と過酸化ベンゾイルを組み合わせると、
それらの単独使用の場合よりも著るしく大きい表
皮剥脱を生じる。

所望により、微量の相容性の酸、塩基が組成物
に添加され組成物の相対酸度又はアルカリ度を調
整でき、その組成物のPHは通常3.5ないし7.5以
内、好ましくは５ないし6.5以内に調整される。

更に、好ましい製品に製剤化する目的で別の添
加剤が本発明の組成物に配合される。該添加剤の
内典型的なものは、乳化剤、緩和剤、保存剤等が
添加される。

本発明のゲル組成物は、皮膚の状態に応じて一
日に１回又はそれ以上該ゲル組成物をこすつて患
者の皮膚に局部的に適用され乾燥、落屑性および
殺菌効果を与える。本発明の組成物を用いる殆ど
全ての人は、最初の二、三週中に〓瘡発疹の明確
な抑制を示す。更に、本発明の組成物は、従来公
知の比較的強度のある過酸化ベンゾイル含有のエ
マルシヨン又はゲル組成物よりも著るしくより有
効でより速やかな活性を示す。

以下の本発明の実施例は、本発明の代表例であ
るが、本発明に従つて得られる医薬組成物に限定
されるものではない。

実施例 １ 精製水495.0mgを混合し次いでCarbopol940（カ
ルボキシビニルポリマー、酸型、ビー・エフ・グ
ツドリツチ社）15.0mgを、撹拌しながら該精製水
に添加した。混合物の撹拌を、45分間継続した。
次いで、精製水4.91mlに溶解した水酸化ナトリウ
ム4.095mgを該混合物に添加した。混合物の撹拌
を10分間継続し、その後エタノール150.0mg、香
料0.50mgおよびサリチル酸メチル0.50mgを添加し
た。次いで撹拌した混合物に、湿潤充填超微細過
酸化ベンゾイル（過酸化ベンゾイル50％−水50
％）210.0mg、スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウ
ム2.0mg、アルキルポリグリコールエーテル41.0
mgおよび精製水41.0mgから成る混合物を添加し
た。平滑な美しいゲル混合物が得られるまで、混
合物を30分間撹拌した。

実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 5.46重量％ 水 40.69重量％ エタノール 44.10重量％ ポリオキシエチレンラウリルエーテル6.00重量％ コロイド珪酸マグネシウムアルミニウム
2.50重量％ ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.00重量％ くえん酸 0.05重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.2重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 2.50重量％ 水 11.35重量％ エチルアルコール 70.00重量％ ポリオキシエチレン(8)ステアラート 5.00重量％ カルボキシビニルポリマー（Carbopol934）
10.50重量％ ヒドロキシプロピルセルロース 0.45重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.20重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 2.8重量％ 水 16.8重量％ エチルアルコール 70.0重量％ ポリオキシエチレンラウリルエーテル 5.0重量％ カルボキシビニルポリマー（Carbopol941）
5.0重量％ 水酸化カリウム 0.2重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.2重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 15.00重量％ 水 49.35重量％ エチルアルコール 25.00重量％ ポリオキシエチレン（40）ステアラート
5.50重量％ コロイド珪酸マグネシウムアルミニウム
4.50重量％ カルボキシメチルセルロースナトリウム
0.60重量％ くえん酸 0.05重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.50重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 5.00重量％ 水 76.47重量％ イソプロピルアルコール 10.00重量％ ポリオキシエチレン（20）ソルビタンモノオレエ
ート 5.00重量％ ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.50重量％ キサンタンゴム 1.50重量％ 燐酸 0.03重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.50重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 8.00重量％ 水 68.74重量％ エチルアルコール 15.00重量％ ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリマ
ー 5.00重量％ ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.50重量％ グア−ゴム 1.50重量％ くえん酸 0.06重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.20重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 15.00重量％ 水 52.73重量％ エチルアルコール 24.00重量％ ポリエチレングリコール400ラウレート
5.00重量％ マイクロクリスタリンセルロース 2.50重量％ カルボキシメチルセルロースナトリウム
0.50重量％ くえん酸 0.07重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.20重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 15.0重量％ 水 45.8重量％ イソプロピルアルコール 20.0重量％ アルキルポリグリコールエーテル 6.0重量％ カルボキシメチルセルロースナトリウム
11.5重量％ ナフタレンスルホン酸ナトリウム−ホルムアルデ
ヒド縮合体 1.0重量％ くえん酸 0.2重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 1.0重量％ 硫黄（超微細） 10.0重量％ 実施例 過酸化ベンゾイル（超微細） 7.50重量％ 水 62.75重量％ イソプロピルアルコール 15.00重量％ ポリオキシエチレン（20）オレイルエーテル
3.00重量％ コロイド珪酸マグネシウムアルミニウム
10.00重量％ ポリエチレングリコールポリマー 1.50重量％ くえん酸 0.05重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 0.20重量％ 実施例 XI 過酸化ベンゾイル（超微細） 10.99重量％ 水 24.36重量％ エチルアルコール 44.10重量％ アルキルポリグリコールエーテル 6.00重量％ コロイド珪酸マグネシウムアルミニウム
12.50重量％ ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.00重量％ くえん酸 0.05重量％ スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム 1.00重量％