JPH0327404Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、特に椎茸、なめこ等のいわゆる瓶栽
培に使用する茸類栽培用容器の改良に関する。

（従来の技術） 従来、椎茸の栽培はナラ、クヌギを始め各種闊
葉樹の原木による栽培が一般的であつたが、近年
では資源の有効利用を意図して、縦長の広口瓶形
状をした栽培容器を使用した人工栽培がなされて
いる。

この椎茸の人工栽培に使用される栽培容器の一
例としては、第５図及び第６図に示す如く、筒状
の胴部１の上端に肩部２が一体成形され、該肩部
２の上端に筒状の首部３が一体成形されるととも
に、前記胴部１の下端部内周には雌ねじ１ａが形
成された容器本体４と、前記首部３の上端開口縁
に施蓋自在にしてなるフイルター部材５が装着さ
れた通気孔を有する蓋体６と、前記胴部１の雌ね
じ１ａに着脱自在に螺合される雄ねじ７が形成さ
れた有底筒状の底蓋８とを備えるとともに、前記
胴部１の雌ねじ１ａの上端部内側には前記底蓋８
の雄ねじ７の先端７ａを当接する段部９が形成さ
れたものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来の茸類栽培用容
器にあつては、容器本体の胴部１と底蓋８との螺
合を強引に行なつたりすると、第７図に示す如
く、底蓋８が内側に屈曲して雄ねじ７の先端７ａ
が段部９に当接せずに内側に傾斜して雌ねじ１ａ
と雄ねじ７の螺合が確実に行なわれないという問
題点があつた。また、この状態で培養基を栽培容
器内に充填して培養を行なうと、容器本体の胴部
１と底蓋８の間〓より栽培容器内に空気が侵入
し、これとともに雑菌が侵入し、茸の品質及び収
穫量に悪影響を及ぼすという問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題に鑑み、これ
を解消すべくなされたものであり、容器本体の雌
ねじと底蓋の雄ねじとの螺合を確実にするととも
に、空気が蓋体以外から栽培容器内に侵入するの
を有効に阻止し得る茸類栽培用容器の提供を目的
としたものである。

（問題を解決するための手段） 上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を
達成するための本願考案の要旨とする構成は、筒
状の胴部の上端に肩部が一体成形され、該肩部の
上端に筒状の首部が一体成形されるとともに、前
記胴部の下端部内周には雌ねじが形成された容器
本体と、前記首部の上端開口縁に施蓋自在にして
なる蓋体と、前記容器本体の雌ねじに着脱自在に
螺合される雄ねじが形成された有底筒状の底蓋と
を備えるとともに、前記容器本体の雌ねじの上端
部内側には前記底壁の雄ねじの先端を当接する段
部が形成された茸類栽培用容器において、前記段
部の内側には、前記底蓋の雄ねじの先端を係止す
る環状の突条を一体成形したことを特徴としてな
る茸類栽培用容器に存する。

（作用） この茸類栽培用容器では、底蓋の雄ねじの先端
が当接する段部の内側に、前記雄ねじの先端を係
止する環状の突条が一体成形されているため、容
器本体の雌ねじと底蓋の雄ねじは的確に螺合され
るとともに、雄ねじの先端は屈曲することなく段
部に当接することとなる。

（実施例） 次に、本考案の実施の一例を第１図乃至第４図
を参照しながら説明する。

図中Ａは、本考案に係る茸類栽培用容器であ
る。この茸類栽培用容器Ａは全体が合成樹脂材料
をもつて形成されるものであり、容器本体１０と
蓋体２０及び底蓋３０とからなつている。

この容器本体１０は、円筒状の胴部１１の上端
に肩部１２が一体成形され、該肩部１２の上端に
円筒状の首部１３が一体成形されるとともに、前
記胴部１１の下端部内周には雌ねじ１４が一体成
形されている。該雌ねじ１４の上端部内側には開
口部を小径にした環状の段部１５が形成されると
ともに、該段部１５の円周方向内側下方には環状
の突条１６が一体成形されている。また、この容
器本体１０の肩部１２の上面には、該容器本体１
０を回動操作するための係止部１７が、胴部１１
の上端から首部１３の下端まで一体的に四方に４
個形成されている。

前記蓋体２０は、前記首部１３の上端開口縁１
３ａに施蓋自在となるものであり、この蓋体２０
にはフイルター部材２１と通気孔２２が設けられ
ている。

前記底蓋３０は、有底筒状となつており、円形
状の底板部３１の周縁部に立上がり壁３２が一体
成形されており、該立上がり壁３２の外周面には
雄ねじ３３が一体成形されている。また、前記底
蓋３０の底板部３１内面には、円形状の突起３５
が４個形成されており、該突起３５，３５…は底
板部３１の下面から凹陥状に形成されている。こ
の突起３５，３５…は、栽培容器内に充填するオ
ガクズなどを主体とした培養基を係止するための
ものであり、培養基を係止できれば突起３５の数
は特に限定されず、底蓋３０の内面に少なくとも
一以上形成されていればよい。また、この突起３
５，３５…の形成によりできた凹陥部は、底蓋３
０を回動操作するための回動操作用の係止部３
６，３６…となつている。

このように構成される容器本体１０と底蓋３０
とは、第４図に示す如く、容器本体１０の雌ねじ
１４と底蓋３０の雄ねじ３３とを螺合して着脱自
在とするものであり、この螺合の際に雄ねじ３３
の先端３４は、前記容器本体１０の段部１５に当
接されるとともに、該段部１５の円周方向内側に
形成された環状の突条１７で係止されるのであ
る。そして、この容器本体１０と底蓋３０との螺
合後に、培養基を栽培容器内に充填した状態で従
来と同様に種菌接種及び培養等を行い、容器本体
１０を取り外して発茸を待ち、椎茸等の茸類の収
穫を行うのである。

（考案の効果） 本考案の茸類栽培用容器は、上述の如く構成さ
れ、容器本体の段部の内側には、底蓋の雄ねじの
先端を係止する環状の突条を一体成形したことに
よつて、容器本体の雌ねじと底蓋の雄ねじとの螺
合の際に、雄ねじの先端は容器本体の段部に当接
されるとともに、環状の突条をもつて係止される
こととなるので、雌ねじと雄ねじの螺合は確実と
なり、しかも雄ねじの先端は容器本体の雌ねじと
段部及び環状の突条とで密着構造となるため、容
器本体と底蓋とは間〓が生じないこととなるの
で、雑菌の侵入が防止されるとともに、培養基の
乾燥むらもなくなり、品質のよい茸が得られる利
点を有する茸類栽培用容器を提供できることとな
つた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の茸類栽培用容器の縦断面図、
第２図は同平面図、第３図は同底面図、第４図は
本考案の要部を示す部分拡大縦断面図、第５図は
従来の茸類栽培用容器の縦断面図、第６図は第５
図の茸類栽培用容器の螺合状態を示す部分拡大縦
断面図、第７図は第６図の螺合状態が不十分な場
合を示す部分縦断面図である。 Ａ……茸類栽培用容器、１０……容器本体、１
１……胴部、１２……肩部、１３……首部、１４
……雌ねじ、１５……段部、１６……突条、２０
……蓋体、３０……底蓋、３３……雄ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状の胴部の上端に肩部が一体成形され、該肩
   部の上端に筒状の首部が一体成形されるととも
   に、前記胴部の下端部内周には雌ねじが形成され
   た容器本体と、前記首部の上端開口縁に施蓋自在
   にしてなる蓋体と、前記容器本体の雌ねじに着脱
   自在に螺合される雄ねじが形成された有底筒状の
   底蓋とを備えるとともに、前記容器本体の雌ねじ
   の上端部内側には前記底蓋の雄ねじの先端を当接
   する段部が形成された茸類栽培用容器において、
   前記段部の内側には、前記底蓋の雄ねじの先端を
   係止する環状の突条を一体成形したことを特徴と
   してなる茸類栽培用容器。