JPH0327201B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、前方へ弾性的に傾動可能な脚部分
を有するスキーブーツに関するものである。

足部分に結合した脚部分を有するスキーブーツ
は従来既知である。このようなブーツの欠点は、
その脚部分が、スキーヤの脚の屈曲をある範囲内
に制限し、また次の伸長段階での中立位置への弾
性復帰を緩慢なものとすることである。

かかる欠点を除去するため、足部分をその後部
において、種々の強さのばね装置またはゴムキヤ
ツプ付きの緩衝器を介して脚部分に連結すること
が提案されている。

しかしながら、この解決策は他の欠点をもたら
している。それはとくに、 スキーヤの脚の屈伸段階での信頼性に欠け
る。

付加的手段の追加によるだけでなく、それら
の取付けの困難さにより高価になる。

破損時における交換が困難である。

この発明は、これらの全ての欠点を除去したス
キーブーツを提供するものであり、前方へ弾性的
に傾動可能な脚部分を有するスキーブーツであつ
て、スキーブーツ前面のほぼ縦プロフイルに対応
する形状をなし、かつスキーブーツに結合され
て、脚部分に対する補強素子を具え、この補強素
子は、弾性的に柔軟で細長い本体部分と、補強素
子より大きな剛性を有し、補強素子に対して交換
可能な挿入片とを具備することを特徴とする。

好ましくは、補強素子を、その下方部分で、固
定連結手段によりスキーブーツに結合し、補強素
子の上部に、スキーブーツの舌革の上端部に形成
した切れ目に掛合可能な掛合素子を設ける。

また好ましくは、補強素子の弾性的に柔軟な本
体部分が、交換可能な挿入片を収容する長手方向
の条溝を有してなる。

さらに好ましくは、交換可能な挿入片と長手方
向の条溝とが、挿入片の条溝へのスナツプ掛合を
可能とする相補的な横断面形状を有する。

以下にこの発明を図面に基づいて詳細に説明す
る。

図示のように、この発明によるスキーブーツ
は、プラスチツク材料の射出成形にて形成し、一
般的なレバー締付手段を設けた足部分１および脚
部分２を具える。

スキーブーツ前面に、舌革形状をなし、好まし
くはプラスチツク材料製の補強素子３を設ける。

この補強素子は、弾性的に柔軟な本体部分４
と、この柔軟な本体部分に適用可能であつて、か
つ本体部分より大きな剛性を有する交換可能な挿
入片５とを具える。補強素子３の曲率半径はブー
ツの舌革６の曲率半径よりもわずかに大きい。

補強素子３の下端部７は、ブーツの舌革６上に
一層確実に支持できるよう、三角形状に広がつて
おり、またねじ８によつて足部分１に連結され
る。補強素子の上端部９もまた拡開する三角形部
分を有しており、更に掛合素子１０を有してい
る。この掛合素子は、舌革６の上端部に設けた切
れ目１１に掛合する。

さらに、補強素子３の弾性的に柔軟な本体部分
４に、第３図に示すようにダブテール、いわゆる
「鳩尾状」の横断面形状を有する長手方向の条溝
１２を設ける。この条溝は、金属、プラスチツク
またはプラスチツクと金属との複合材料からな
り、条溝に対して相補的な横断面形状を有する交
換可能な挿入片５を収容し、挿入片５を条溝１２
内にスナツプ掛合によつて掛合させる。すでに述
べたように挿入片５は、補強素子３の本体部分４
よりもより大きな剛性を有する。

実際には、スキーブーツは、同一形状を有する
も異なつた剛性を有する一連の挿入片５ともに販
売される。ユーザは、スキー操作に最高の結果を
もたらす挿入片５を選択し、条溝１２にスナツプ
嵌めすることができる。

上述したところから明らかなように、この発明
によるスキーブーツは種々の利点をもたらす。と
くには、 ブーツ後部に付加的な装置を設けることな
く、脚部分を休止位置へ弾性復帰させ得る。

スキーヤーの脚の前屈に際しての動作及び有
効範囲の効果的な対比、そして次の伸長段階で
の後方への迅速な弾性復帰が行われる。

所望の剛性を有する挿入片を基本的な補強素
子に挿入することにより、上記作用を変更し得
ること。

従来の装置を変更することなく部品を成形型
で製造することができる。

破損の際には、補強部材を簡単に交換するこ
とができることである。

【図面の簡単な説明】

第１図は補強素子を具えたこの発明によるスキ
ーブーツの斜視図、第２図は補強素子の分解斜視
図、第３図は第２図の−線に沿う横断面図で
ある。 １……足部分、２……脚部分、３……補強素
子、４……本体部分、５……挿入片、６……舌
革、７……下端部、８……ねじ、９……上端部、
１０……掛合素子、１１……切れ目。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 前方へ弾性的に傾動可能な脚部分２を有する
   スキーブーツであつて、スキーブーツ前面のほぼ
   縦プロフイルに対応する形状をなし、かつスキー
   ブーツに結合される、脚部分に対する補強素子３
   を具え、この補強素子３は、弾性的に柔軟な細長
   い本体部分４と、補強素子より大きな剛性を有
   し、補強素子に対して交換可能な挿入片５とを具
   備することを特徴とするスキーブーツ。 ２ 補強素子３を、その下方部分で、固定連結手
   段８によりスキーブーツに結合し、補強素子の上
   部に、スキーブーツの舌革６の上端部に形成した
   切れ目１１に掛合可能な掛合素子１０を設けてな
   る特許請求の範囲第１項に記載のスキーブーツ。 ３ 補強素子３の弾性的に柔軟な本体部分４が、
   交換可能な挿入片５を収容する長手方向の条溝１
   ２を有してなる特許請求の範囲第１項に記載のス
   キーブーツ。 ４ 交換可能な挿入片５と長手方向の条溝１２と
   が、挿入片の条溝へのスナツプ掛合を可能とする
   相補的な横断面形状を有する特許請求の範囲第３
   項に記載のスキーブーツ。 ５ 条溝および交換可能な挿入片５が、鳩尾状の
   横断面形状を有する特許請求の範囲第４項に記載
   のスキーブーツ。 ６ 補強素子の少なくとも下方部分を、広げて固
   定する特許請求の範囲第１項に記載のスキーブー
   ツ。