JPH0327193B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、飼料、とくに、活性成分を保護する
ため、食用脂肪酸塩を含む飼料を、連続的に生産
するための装置に関するものである。

［従来の技術］ 反芻動物は、理想的には、第一胃の中で変質や
変化を受けない栄養物の形で、その必要植物の一
定割合を供給されるときに、最もよく肉および
（または）ミルクを作り出すことが知られている。
また、このような栄養物は正常の反芻発酵プロセ
スのじやまをすべきではない。

たとえば、牝牛のミルク生産量を最大にするた
めに充分な量の脂肪を与えるべきであるが、成熟
した牝牛が、１日につき約500ｇ以上の脂肪を与
えられるときには、反芻発酵の正常プロセスが悪
影響を受けることが知られている。とくに、トリ
グリセリドや自由脂肪酸は、第一胃内で、繊維質
またはセルロース系の物質を、物理的におおい、
第一胃バウテリアによる分解を阻止する。このよ
うな効果は、動物のエネルギー代謝を変え、ミル
クの産出量を低下させる。自由脂肪酸は、第一胃
内のある種のバクテリアに対して毒性があり、こ
れがまた、飼料の消化全体に悪影響を及ぼす。さ
らに、正常条件下では、反芻動物に与えられた不
飽和脂肪酸は、第一胃内で水素が添加され、その
結果、ミルクの中の脂肪の大半は飽和される。か
なりの量の不飽和脂肪酸残留物を含むミルクを生
産するには脂肪が、正常の第一胃のプロセスから
保護されることが必要である。

タンパク代謝の場合、牝牛の成長、発育、授乳
の一定期間中、成長を最大にし、またミルク生産
量を最大にするために、第一胃内で不充分な微生
物タンパク質が生産される。従つて、第一胃内
で、すばやく微生物タンパク質に転換される第一
胃変質タンパク質を、高い割合で含む補助飼料を
牝牛に与えることが一般に行なわれている。しか
し、非変質性タンパク質を牝牛に与えることが望
ましい。なぜなら、これによつて、同量の変質タ
ンパク質を与えるときに比べて、成長率も飼料転
換効率も改善されることからである。

EP−Ａ−0163395（ヨーロツパ出願公開公報）
によると、上記の要求条件を満たす飼料を作り出
す方法は、酸化カルシウムまたは他の非水性塩基
性酸化物を、脂肪酸と混合して、１種またはそれ
以上の食用高級脂肪酸の非水溶性塩を与えること
であり、また、場合によつては、栄養物質が脂肪
酸で含浸されるような条件下で、この混合物に水
を加え、酸化カルシウムまたはその他の塩基性酸
化物を、脂肪酸と発熱反応させて、そのカルシウ
ム塩（または他の非水溶性塩）を形成させ、次
に、まだ高温の、反応中の混合物をひろげて、混
合物から充分な水分を自然に蒸発させて、砕けや
すい物質を作り出すことである。

本発明の目的は、この後者の方法によつて飼料
を作り出すための飼料の連続生産装置を提供する
ことである。

［発明の簡単な説明］ 従つて、本発明は、少なくとも１種の食用高級
脂肪酸と塩基性酸化物を混合するための手段と、
少なくとも１種の食用脂肪酸と塩基性酸化物に水
を加えて、液体反応混合物を得るための手段と、
水が反応熱によつて蒸発する間に、水性液反応混
合物を、反応ゾーンの下流端に向かつて進めるた
めに、第１の連結棒コンベヤの下部が触れる反応
ゾーンに、液体反応混合物をひろげるための手段
と、混合物を前進させて、砕けやすい物質に変え
て、少なくとももう１つの追加ドラツグリンク・
コンベヤの端に排出させるため、前記第１ドラツ
グリンク・コンベヤの下流端から乾燥中の混合物
を受けるような位置に配された少なくとももう１
つの追加ドラツグリンク・コンベヤにより構成さ
れ、少なくとも１種の食用高級脂肪酸と塩基性酸
化物からなる飼料を連続的に作り出すための装置
を提供するものである。

出来れば、少なくとも１種の食用高級脂肪酸と
塩基性酸化物を混合するための手段は、広げ手段
によつて広げる直前に、水が導入されるポンプ部
分へ、混合物を運ぶよう作動できることが望まし
い。

出来れば、数大の追加ドラツグリンク・コンベ
ヤがあつて、乾燥が終る前に、製品の粒子サイズ
を管理できる分粒（サイジング）手段によつて分
離されていることが望ましい。

各種のドラツグリンク・コンベヤは、製品の前
進方向を交互に変え、また垂直に間隔をおいたレ
ベルで作動させて、反応混合物の移動方向が、１
つの反応レベルから次への動くときに逆転するよ
うに配置してもよい。

数台の追加ドラツグリンク・コンベヤが、互い
に関連して作動し、１つのドラツグリンク・コン
ベヤの上部走行部が第１方向に物質を運び、次に
下のレベルに移つて、そこでは同じドラツグリン
ク・コンベヤの下部走行部が、反応混合物を第２
方向へ運ぶようにすると、とくに有利である。

装置の排出端の近くで、前記反応ゾーンの支持
面を通して空気を導入し、最終ドラツグリンク・
コンベヤにより前進中の混合物に、乾燥空気を通
すことによつて、乾燥を促進させるための手段を
設けると、さらに有利である。

希望するときは、塩基性酸化物と、前記の少な
くとも１種の食用高級脂肪酸の混合物に、追加栄
養物を加えるための手段を設けてもよい。

［実施例］ 図面を参照すると、第１図は、使用する塩基性
酸化物として、石灰（酸化カルシウム）を受ける
ホツパー１を示し、石灰は排出されて、引入れラ
イン２を通じて、酸性油と混合され、混合ポンプ
３へ送られる。ライン２を経て導入された酸性油
は、１種またはそれ以上の食用高級脂肪酸の、抽
出可能トリグリセリドを含んでいる。

脂肪酸は、非水溶性カルシウム塩を形成する食
用高級脂肪酸ならどれでもよい。たとえば、ステ
アリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸
のいずれでもよいが、通常は、牛脂、大豆油、ヤ
シ油、トウモロコシ油、ナタネ油またはラードな
どから取つた天然脂肪酸の混合物を用いることが
望ましい。このような物質は、油精製の副産物と
して作り出される。これは、通常、１種またはそ
れ以上の脂肪酸のほかに、一定割合の相応のグリ
セリドを含んでいる。このようなグリセリドの存
在は、本発明によるプロセスのじやまにならな
い。牛脂酸性油と、ヤシ酸性油は、とくに本発明
での使用に適している。

混合ポンプ３を出た混合物は、次に、縦並びに
配置された１対の自己洗浄型ポンプ５と６を通
り、注水管４により、第１自己洗浄型ポンプ５を
出て、第２自己洗浄型ポンプ２自己洗浄型ポンプ
６にはいる混合物に、水が注入される。

第２自己洗浄ポンプからの排出物は、ドラツグ
リンク・コンベヤ７を囲み込む通路型反応部分へ
放出され、コンベヤには１つの方向へ回転するド
ラツグリンク７′が続いていて、コンベヤ７の下
部が、込洗浄型ポンプ６からの排出液を、右手、
つまりコンベヤ７の送出端の方へと移動させる。

液体が、通路型の反応部分へ排出されるところ
では、天井が高くなつて、液体保留ボツクス９を
形成し、これによつて噴出液を収容し、また物質
の飛散や喪失を防止している。

通路型の反応部分８には、その全長にわたつて
伸びる天井があり、同様に物質の喪失を防止して
いる。

反応部分８の右端で、半固体化した物質は分粒
機内に落下し、これには分粒ローター１０があつ
て、第２反応部分へ落下する半乾き物質の塊を分
粒ローター１０の四方に伸長した複数の突起棒に
て砕くことによりその最大径が所定値以下となる
よう粒子サイズを調節し、第２反応部分で、ドラ
ツグリンク・コンベヤ１１が別の反応面１２に沿
つて、物質を左方向へ送る。

第２反応部分１２の左手、つまり排出端で、砕
き易くなつた製品は、シフター（ふるい）１３内
に落下し、ここで最終製品の粒子サイズが調節さ
れる。

７または１１のようなドラツグリンク・コンベ
ヤの使用は、反応面に沿つて、反応混合物を積極
的に動かすという利点があり、また、早期の凝固
や、固形塊の形成を防止して、そのあとの生産段
階で取扱いが困難とならないように、混合物を攪
拌するという利点がある。

通路型の反応部分の断面積は、ドラツグリン
ク・コンベヤを不必要に改良せずに、かなり広い
範囲内で変えることができる。なぜなら、反応部
分の床に沿つて、すなわち、問題の反応面に沿つ
て動く混合物の流れが、混合物の動きを促進し、
攪拌を開始するからである。

ドラツグリンク・コンベヤの構造は、比較的ま
つすぐであり、きわめて頑丈で、保守はあまり必
要としない。

上記の説明は、塩基性酸化物として酸化カルシ
ウムを用いた場合についてであり、これは、本発
明の装置を用いて作る飼料にとつて、望初ましい
ものであるが、その他の塩基性酸化物で非毒性の
もの、また非水溶性脂肪酸塩を形成できるもの、
たとえば酸化マグネシウムを、原則として用いる
ことができる。

希望するときは、使用する酸性油の粘度を下げ
るために、たとえば、80°〜100℃の温度まで、食
用高級脂肪酸を加熱する手段を設けてもよい。

注水管４を通じて水を加えたあと、ホツパー１
からの塩基性酸化物、引入れライン２からの脂肪
酸、注水管からの水の間に、急速な反応が起こ
る。

この反応は、充分な発熱反応であつて、正常条
件下では、混合物の温度は、100℃以上となり、
混合物は、移動するコンベヤのドラツグリンク
７′の作用によつて急速に広げられ、混合物から
出る蒸気は、急速に消散する。

塩基性酸化物と脂肪酸油お混合物に加えるに、
タンパク質を含む物質、またその他の栄養物質を
用いてもよいが、これは、“乾いて”いるように
見えても、少量の水を含むことがある。最初の混
合物を作るときに、もちろんこのような少量の水
の存在を考えに入れるべきであるが、通常は、最
初の物質を乾燥する必要はないと思われる。

栄養物質は、通常、多孔質であるため、第１段
階の間に、脂肪酸は、栄養物質中に含浸する。こ
の含浸は、栄養物質が、不溶性脂肪酸塩によつて
保護されることを保証するために重要である。

本発明による装置は、使用する塩基性酸化物が
酸化カルシウムであり、食用高級脂肪酸がステア
リン酸である場合に、とくに有利である。本発明
によるプロセスおよび装置では、乾燥混合物を運
搬する間の、ドラツグリンク・コンベヤの作用が
形成される砕け易い製品の粒子サイズ調節に役立
つ。

ステアリン酸カルシウムを含む動物飼料を調製
する従来の方法は、ステアリン酸カルシウムのブ
ロツクを作り、次にこれを粉砕して、細かい粒子
のステアリン酸カルシウムからなる最終製品を作
る方法であつた。粉砕工程は、かなりの発火の危
険を伴うとされており、ステアリン酸カルシウム
は、粉砕段階で爆発するとも言われている。従つ
て、反応混合物を、本発明の場合のように、常
時、攪拌状態に置けば、このような粉砕段階を避
けることができ、従つて、安全な製造工程を得る
ことができる。

注水管４から加える水は、できれば、その沸点
近くに、たとえば、90℃程度に加熱しておくこと
が望ましい。これは、脂肪酸の加熱の代わりとし
てもよいし、また脂肪酸の加熱の上に、さらに加
熱してもよい。しかし、通常の条件下では、酸化
カルシウムと脂肪酸は、反応により、かなりの量
の熱を出して温度を上げ、このため蒸発が起こつ
て、製品が反応面に広げられるときには、乾いた
製品が出来上つている。

第２図は、上部反応部分８の断面を示す。

第３図は、最少数のドラツグリンク・コンベヤ
を用いて、装置に沿つて、交互方向に、反応混合
物を、かなりの回数通した場合の、ドラツグリン
ク・コンベヤを示している。

第３図について見ると、液体は、入口ノズル１
４を通して、第１ドラツグリンク・コンベヤ１６
を取り囲む上部反応通路１５へと噴射される。反
応通路１５の右端で、床の開口部から、部分的に
乾いた混合物が、１７で示されるように第２反応
通路１８の床へ排出され、この床は、第２コンベ
ヤ１９のドラツグリンクによつて、左方向へ働く
その上部走行部により掃引される。

通路１８の左端では、さらに乾燥した混合物
が、20で示されるように第３の反応通路２１の床
に排出され、この床は、第２コンベヤ１９のドラ
ツグリンクにより、その右方向へ動く下部走行部
によつて掃引される。

同様に、部分的に乾燥した混合物は、次の第４
反応通路２２の床へ、次いで、第５反応通路２３
の床へと排出され、製品は、これらの２つの床の
上で、第３コンベヤ２４の、上部および下部の走
行部のドラツグリンクによつて、移動させられ
る。最下部の反応通路２３の床に沿つて、右方向
へ動く間に、２５の細長孔を通つてはいる空気に
よつて、さらに乾燥される。

ドラツグリンクの形は、通路の床上での乾燥混
合物の動きを促進するために、どんな形にでも選
ぶことができる。

第２図に示したように、反応通路８の両側に沿
つて伸びた各固定ガイドレール２６によつて、ド
ラツグリンクは、反応面、すなわち、反応通路の
床に接するよう、押し下げられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、装置の第１の実施例の部分的概略側
面図であり、反応混合物が異なつたレベルで、２
つの連続した走行部に沿つて移動する様子を示し
ている。第２図は、第１図の上部ドラツグリン
ク・コンベヤの断面図である。第３図は、３台の
ドラツグリンク・コンベヤを用いて、反応混合物
を５回交互に移動させるところを示した概略側面
図である。 １……ホツパー、２……引入れライン、３……
混合ポンプ、４……注水管、５，６……自己洗淨
型ポンプ、７，１１，１６，１９，２４……ドラ
ツグリンク・コンベヤ、７′，１１′……ドラツグ
リンク、８……反応部分、９……液体保留ボツク
ス、１０……分粒ローター、１２……第２反応部
分、１３……ふるい、１４……入口ノズル、１
５，１８，２１，２２，２３……反応通路、２５
……細長孔、２６……ガイドレール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１種の食品高級脂肪酸と塩基性酸
   化物を混合するための手段１，２，３と、少なく
   とも１種の前記食用高級脂肪酸と、前記塩基性酸
   化物に、水を導入して、液体反応混合物を作り出
   す手段４と、反応部分８に、１つの層として、液
   体反応混合物を広げるための手段６，９と、反応
   熱によつて水が蒸発する間に、水性液反応混合物
   を、受渡位置１３へ前進させるための手段７，１
   １とによつて構成される少なくとも１種の食用高
   級脂肪酸と塩基性酸化物を含む飼料の連続生産装
   置において、前記前進させるための手段が、前記
   反応部分８を、前記反応部分の下流端へ向かつて
   掃引する下部走行部を有する第１のドラツグリン
   ク・コンベヤ７と前記第１ドラツグリンク・コン
   ベヤの下流端から、乾燥中の混合物を受けるよう
   配置した少なくとももう１台のドラツグリンク・
   コンベヤにより構成され、前記少なくとももう１
   台のドラツグリンク・コンベヤは前記混合物が、
   砕け易い製品に変つて、前記の少なくとももう１
   台のドラツグリンク・コンベヤの端の、受渡位置
   １３に排出されるように、前記混合物を床１２に
   沿つてさらに前進させるよう動作するものである
   ことを特徴とする、少なくとも１種の食用高級脂
   肪酸と、塩基性酸化物を含む飼料の連続生産装
   置。 ２ 前記の少なくとも１種の食用高級脂肪酸と、
   塩基性酸化物を混合するための手段５が、混合物
   をポンプ部分６まで運び、ここで、広げ手段によ
   つて広げる直前に、水が注入されることを特徴と
   する、特許請求の範囲第１項記載の飼料の連続生
   産装置。 ３ 前記の追加ドラツグリンク・コンベヤ１６，
   １９，２４が、数台あることを特徴とする、特許
   請求の範囲第１項または第２項記載の飼料の連続
   生産装置。 ４ 乾燥の完了前に、製品の粒子サイズを調節す
   るための、分粒手段１０があり、前記分粒手段１
   ０が、前記ドラツグリンク・コンベヤの２台（７
   および１１）の間に位置することを特徴とする特
   許請求の範囲第３項記載の飼料の連続生産装置。 ５ 各種のドラツグリンク・コンベヤ７，１６，
   １９，２４が製品を交互に別方向に、また垂直間
   隔を保つたレベルで、前進させるよう配置され、
   反応混合物の移動方向が、１つの反応レベルから
   次の反応レベルへ移るときに、逆転することを特
   徴とする、特許請求の範囲第３項または第４項記
   載の飼料の連続生産装置。 ６ 前記の追加ドラツグリンク・コンベヤ数台１
   ６，１９，２４が互いに関連して作動し、前記追
   加ドラツグリンク・コンベヤの１台の上部走行部
   が製品を第１の方向に運び、そこから次のレベル
   に移されて、同じドラツグリンク・コンベヤの下
   部走行部が、反応混合物を第２の方向に動かすこ
   とを特徴とする、特許請求の範囲第５項記載の飼
   料の連続生産装置。 ７ 装置の排出端近くの反応部分または前記反応
   部分の床２３を通して空気を導入するための装
   置、また、各ドラツグリンク・コンベヤ２４によ
   つて運ばれている混合物に乾燥空気を通すことに
   よつて、乾燥を促進させるための装置２５を含む
   ことを特徴とする、上記の特許請求の範囲各項の
   いずれかに記載の飼料の連続生産装置。 ８ 塩基性酸化物と、前記の少なくとも１種の食
   用高級脂肪酸の混合物に、追加栄養物を加える手
   段を含むことを特徴とする、上記の特許請求の範
   囲各項のいずれかに記載の飼料の連続生産装置。 ９ ドラツグリンク・コンベヤまたは前記の各ド
   ラツグリンク・コンベヤの、ドラツグリンク７′
   が、たて方向に伸びるガイド手段２５，２６とい
   つしよに働いて、ドラツグリンク７′を、反応面
   に接触させるよう保持することを特徴とする、上
   記の特許請求の範囲各項のいずれかに記載の飼料
   の連続生産装置。