JPH03271284A - 新規化合物フォリパスタチン - Google Patents

新規化合物フォリパスタチン

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JPH03271284A
JPH03271284A JP6848490A JP6848490A JPH03271284A JP H03271284 A JPH03271284 A JP H03271284A JP 6848490 A JP6848490 A JP 6848490A JP 6848490 A JP6848490 A JP 6848490A JP H03271284 A JPH03271284 A JP H03271284A
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JP
Japan
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follipastatin
culture
strain
phospholipase
medium
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JP6848490A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Hamano
潔 浜野
Kazuhiko Tanzawa
丹沢 和比古
Keiichi Matsuda
啓一 松田
Kazuhiko Mitsui
和彦 三井
Kohei Furuya
古谷 航平
Takeshi Hosoya
剛 細矢
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はホスフォリパーゼA2阻害作用を有する新規化
合物フォリパスクチン(Folipastatin)お
よびその製造法に関する。
(従来の技術) 炎症反応では、そこに関与するメデイエータ−類(プロ
スタグランデイン、ロイコトリエン等)は、細胞膜中の
リン脂質と結合しているアラキドン酸から生合成され、
このアラキドン酸放出反応の律速酵素はホスフォリパー
ゼA2であるとされている。
一方、ステロイドホルモンは各種の炎症に著効を示すが
、この作用機序の一部がステロイドによって誘導される
タンパク質群(リポコルチンと総称される)によるホス
フォリパーゼA2阻害であることを示す多くのデータが
得られている。
従って単独でホスフォリパーゼA2を阻害する化合物は
、ステロイドの持つ多様な作用のうちの抗炎症作用のみ
を有し、かつホルモン作用のない薬剤と成りうる。ホス
フォリパーゼA2阻害作用を有する化合物として、これ
まで海産物由来のマノアライド(Manoalide)
  (Jacobs、 R,S、、らrTetrahe
dronJ  41.981−984 (1985) 
) 、シュードブチロシン類(Pseudoptero
sins)  (Look、 S。
Ao、らrProc、 Natl、 Acad、 Sc
i、 USAJ 83゜6238−6240 (198
6) )が知られている。しかしながら、阻害の非特異
性、毒性といった面から未だ実用に供されてはいない。
また、現在市販されている抗炎症剤として例えばインド
メサシン(Indomethacin)  (Kapl
an、 L、。
ら  rProc、Natl、Acad、Sci、US
AJ   75. 2955−2958 (1978)
 )があげられる、これは試験管内でホスフォリパーゼ
A2阻害作用を示すことが知られているが、薬効量では
その阻害作用は極めて弱く、更にこれはデプシドン(d
epsidone)骨格を有していない。
従来デプシドン(depsidone)骨格を有する化
合物としては多数知られており、例えば微生物生産物で
あるエメグイシン(emeguisin) A、 Bお
よびC(Kacyahara、 N、、ら rJ、 C
hera、 Soc、、Perkin Trans、J
 1、(9)、2611−2614 (1988) )
 、あるいはニヅリン(nidulin) 、デクロロ
ノルニヅリン(dechloronornidulin
) +  トリスデクロロノルニヅリン(trisde
chloronornidulin)  (Siera
nkiewicz、 J、、らrActa Chem、
 5cand、J 26、N(12゜455−458(
1972) )  等をあげることができる。しかしな
がら、これらの化合物が抗炎症作用を有することは知ら
れていない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、ビルのサプライ系ダストより分離したア
スペルギルス属に属する5ANK 16888株の培養
物から、ホスフォリパーゼA2阻害作用を示し、抗炎症
作用を有する新規化合物フォリパスクチンが生産される
ことを見出して本発明を完成した。
(課題を解決するための手段) 本発明のフォリパスタチンは下記の構造式および理化学
的性状を有する。
l)構造式 2)物質の性状:中性、脂溶性、白色針状結晶3)融点
:  246−248℃ 4)元素分析: (%) 実測値  C171,71H16,46計算値  C1
72,61H16,365)分子量:  380  (
質量分析法により測定)6)分子式:  C23H24
05(高分解能質量分析スペクトル法により測定) 7)紫外線吸収スペクトル:λm□nm(E;、;)エ
タノール中で測定した紫外線吸収スペクトルは第1図に
示す通りである。
吸収スペクトルは、210 (43、963)、  2
78(10,074) nmであり、アルカリ性で20
7.320nmにシフトする。
8)赤外線吸収スペクトル: ”l’ zB)(Cm 
’臭化カリウム(KBr)錠剤法で測定した赤外線吸収
スペクトルは第2図に示す通りである。
1670.1423.1275.1266.11319
)1H−核磁気共鳴スベクトル: (δ:ppm)重ク
ロロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(270M)(z)は
、第3図に示す通りである。
1.68(3H,dd、J=6.9および1.1Hz)
、1.78(3H,dd、 J=6.9および1、1H
z)、1.88(3H,t、J=1.2Hz)、2.0
6(3H,t、J=1.2Hz)、2.18(3H,s
)、 5.38(LH,qq、 J=6.9および1.4Hz
)、5.54 (LH,qq、J=6.6および1.4
Hz)。
6.62(IH,s)、6.50(IH,s)、10)
13C−核磁気共鳴スベクトル:(δ: ppm)重ク
ロロホルム中、内部基準にテトラメチルシランを使用し
て測定した核磁気共鳴スペクトル(125MHz)は、
第4図に示す通りである。この実験条件で重クロロホル
ムのシグナルは70.1 ppmに発現した。
また、マススペクトルデータと一致して23個の炭素が
観察された。
8.93 (q)、9.32(q)、14.05 (q
)、14.21 (q)、17.76(q)、18.1
4(q)、112.1(d)、112−86(d)11
3.44(s)、114.76(s)、115.97(
s)、124.65 (d)、126.07(d)、1
35.09(s)、136.3(s)、137.21 
(s)、143.61(s)、144.81(s)、1
49.28(S)、153.23(s)。
159.86(s)、163.01(s)、164.3
2(s)、1工)溶解性: メタノール、アセトン、クロロホルム、酢酸エチルに可
溶、水に不溶。
12)高速液体クロマトグラフィm: 分離カラム; ラジアルバックツバパックカートリッジ
Cl8(粒子径 4 μm、カラムサイズ、8mm X 100 mm (ウォーターズ社製))移動相: アセ
トニトリル:水=工:1流速;2ml/分 検出波長;  UV 210 nm カラム温度25℃のとき8.6分にピークを観測するこ
とが出来た。
本発明のフォリパスクチンは不飽和結合による種々の異
性体を有する。前記式においては、これらの異性体およ
びこれらの異性体の混合物がすべて単一の式で示されて
いる。従って、本発明においてはこれらの異性体および
これらの異性体の混合物をもすべて含むものである。
本発明のフォリパスタチンは、常法にしたがって塩とす
ることができる。そのような塩としては例えばリチウム
、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属:カルシ
ウム、バリウムのようなアルカリ土類金属;アルミニウ
ム:あるいはリジン、アルギニンのような塩基性アミノ
酸;などどの塩をあげることができる。このような塩の
うち、好適には薬理上許容される塩である。
フォリパスクチンの生産菌である5ANK 16888
株の菌学的性状は次の通りである。
本発明のフォリパスタチンを生産する上記5ANK16
888株は、千代田区内のビルのサプライ系ダストから
分離したものである。
CY A (Czapek yeast extrac
t agar)上の生長は25℃、7日で2.3 cm
に達する。表面は、ビロード状で不規則なしわを有する
。中央部には綿毛状の気菌糸が発達し、わずかに盛り上
がる。
分生子を豊富に生じ、コロニー縁辺部ではdeepgr
een (26D8)を呈し、中央部付近はdeep 
yell。
w (4A8)を呈する。菌糸は白色である。
MEA (Malt extract agar)上の
コロニーは25℃、7日で3.2cmに達する。表面は
平坦でビロード状である。分生子は全面でdeep g
reen(26D8) 、但し縁辺部は白色で、中央部
に白色の気菌糸が発達する。裏面はgreyish b
rown (8F3)を呈する。
CY2O3(20%蔗糖を含むCzapek yeas
t agar)上のコロニーは25℃、7日で4、0c
mに達する。
裏面の色がpale yellow (4A3)である
点を除き、コロニーの性状はCYA上のそれと同じであ
る。
浸出物はない。
可溶性色素は37℃、CYA上でのみm察され、pas
tel yellow (LA4)を呈する。37℃で
はCYA上7日間で1.5cmのコロニーを形成する。
分生子頭はMEA上では柱状、CYA上では放射状であ
る。CYA上では、白色で線状の菌糸が分生子柄に混じ
り突出する。
分生子柄の壁は平滑で厚く、褐色を呈する。
頂球は直径8−18μm、とっくり型からこん棒状型で
、頂球の上部1/3−2/3はメトレ(7−10X3−
4.5μm)におおわれ、その上にとつくり型のフイア
ライド(6,5−7,Ox 2.5−4μm)が存在す
る。
分生子は、球形であり、表面は平滑か、いくぶん粗であ
る。完全世代は観察されなかった。
以上の諸形質から既知菌株のそれらと比較検討したとこ
ろ、阿、A、K11chおよびJ 、I 、Pitt著
rA 1aboratory guide to co
mmon Aspergillusspecies、J
 1988年、Commonwealth 5cien
tificand Industrial Re5ea
rch Organization、 Divisio
n of Food  Processing発行に記
載されてし)るアスペルギルス・ウンギュイス・エミー
ル・ヴイール・アンド・ガラデイン・トム・アンド・レ
イパー(Aspergillus unguis (E
mile−Wiel and Gaudin)Thom
  and Raper)とよく一致した。従って本菌
を公知菌アスペルギルス・ウンギュイス・エミール・ヴ
イール・アンド・ガラデイン・トム・アンド・レイパー
と同定し、保存番号として5ANK16888 (微工
研菌寄第11259号、FERN P−11259)を
付与した。
なお、色の表示はA 、KornerupおよびJ、H
Janscher著rMethuen handboo
k of colourJ第3版、1978年、Eyr
e Methuen、 London、発行に従って行
なった。
以上、フォリパスタチンの生産菌について説明したが、
カビの諸性質は一定したものではなく、自然的、人工的
に容易に変化することは周知の通りであり、本発明で使
用し得る菌株は、アスペルギルス属に属するフォリパス
タチンを生産する全ての菌株を包含するものである。
なお、同定に用いた培地の組成は以下のとおりである。
(1)  CYA (Czapek yeast ex
tract agar)K2HPO41,Og *Czapek concentrate    10
.OmlPowdered yeast extrac
t  5.OgSucrose         30
.OgAgar           15.0  g
Distilled Water    1000  
 ml(2)  *Czapek concentra
teaNO3 C1 Mg5O,・7H20 FeS(L ” 77H2 OZn5047H20 CuSO4” 7H20 Distilled Water 30.0  g 5.0g 5.0g 0.1g 0.1g 0.05 g 100    ml (3)  MEA (Malt Malt extract Peptone Glucose gar Distilled Water extract agar) 20.0 1.0 ’ 20.0 20、O 000 (4)  CY2O5(20%蔗糖を含むCzapek
 yeastagar) K2HPO41,Og *Czapek concentrate     1
0.Om1Yeast extract       
  5.OgSucrose           2
00.0  gAgar            15
.0  gDistilled Water     
1000   m1本発明の新規化合物フォリパスタチ
ンを得るため、これらの微生物の培養は他の発酵生成物
を生産するために用いられるような培地中で行う。この
ような培地中には、微生物が同化出来る炭素源、窒素源
および無機塩を含有する。
一般に、炭素源としてグルコース、フラクトース、マル
トース、シュークロース、マンニトール、グリセロール
、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウモロコシデン
プン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆粉、綿実油、
糖蜜、クエン酸、酒石酸などを単一に、あるいは併用し
て用いる事が出来る。一般には、培地量の1−10重量
%で変量する。
窒素源としては、一般に蛋白質を含有する物質を発酵工
程に用いる。適当な窒素源としては、大豆粉、フスマ、
落花生粉、綿実油、綿実粉、カゼイン加水分解物、ファ
ーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプトン、肉
エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキス、硝
酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等
である。
窒素源は、単一または併用して培地量の0.2−6重量
%の範囲で用いる。
培地中にとり入れる栄養無機塩は、ナトリウム、アンモ
ニウム、カルシウム、フォスフェート、サルフェート、
クロライド、カーボネート等のイオンを得ることの出来
る通常の塩類である。また、カリウム、カルシウム、コ
バルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の微量の金属も
含む。
液体培養に際しては、消泡剤としてシリコン油、植物油
、界面活性剤等が使用される。
アスペルギルス・ウンギュイス・エミール・ヴイール・
アンド・ガラデイン・トム・アンド・レイパー5ANK
 16888株を培養しフォリパスタチンを生産する培
地のpHは、5.0−8.0に変化出来る。
菌の生育は22℃から38℃の範囲が良好であり、更に
フォリパスタチンの生産には22℃から28℃が好適で
ある。
フォリパスタチンは、好気的に培養して得られる。通常
用いられる好気的培養法として、例えば固体培養法、振
どう培養法、通気攪拌培養法、等があげられる。
小規模な培養においては、26℃で数日間振どう培養を
行うのが良好である。培養は、バッフル(水流調節壁)
のついた三角フラスコ中で、1−2段階の種の発育工程
により開始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒
素源を併用出来る。
種フラスコは定温インキュベーター中で26℃、7日間
振とうするか、または充分に成長するまで振とうする。
成長じた種を第二の種培地、または生産培地に接種する
のに用いる。中間の発育工程を用いる場合には、本質的
に同様の方法で成長させ、生産培地に接種するために、
それを部分的に用いる。接種したフラスコを一定温度で
数日間振とうし、インキュベーションが終わったらフラ
スコの含有物を遠心分離またはろ過する。
大量培養の場合には、攪拌機、通気装置を付けた適当な
タンクで培養するのが好ましい。この方法によれば、栄
養培地をタンクの中で作成出来る。
栄養培地を125℃まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌
培地にあらかじめ成長させてあった種を接種する。培養
は26℃で通気攪拌して行う。この方法は、多量の化合
物を得るのに適している。
培養の経過に伴って生産されるフォリパスタチンの量の
経時変化は、高速液体クロマトグラフィーを用い測定す
ることができる。通常は、72時間から150時間の培
養でフォリパスタチンの生産量は最高値に達する。
培養終了後、培養液中の液体部分及び菌体内に存在する
フォリパスタチンは、菌体、その他の固形部分を珪藻土
をろ渦動剤とする、ろ過操作または遠心分離によって分
別し、そのろ液または上清中および菌体中に存在するフ
ォリパスタチンを、その物理化学的性状を利用し抽出精
製することにより得られる。
例えば、ろ液または上清中に存在するフォリパスタチン
は、中性pH条件下で水と混和しない有機溶剤、例えば
酢酸エチル、n−ヘキサン、クロロホルム、塩化エチレ
ン、塩化メチレンなどの単独または、それらの組み合わ
せにより抽出精製することができる。あるいは吸着剤と
して、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバーラ
イトXAD−2,XAD−4(ローム・アンド・ハース
社製)等や、ダイアイオンHP−10,HP−20、C
HP−20,HP−50(三菱化成(株)製)等が使用
される。フォリパスタチンを含む液を上記のごとき吸着
剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、ま
たはフォリパスタチンを吸着させた後、メタノール水、
アセトン水、n−ブタノール水などを用いて溶出させる
ことにより得られる。
また、菌体内に存在するフォリパスタチンは、50−9
0%の含水アセトンまたは含水メタノールにより抽出し
有機溶剤を除去した後、ろ液と同様な抽出精製操作を行
なうことにより得られる。
このようにして得られたフォリパスタチンは、更にシリ
カゲル、マグネシウム−シリカゲル系のフロリジルのよ
うな担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、セフ
ァデックスLH−20(ファルマシア社製)等を用いた
分配カラムクロマトグラフィー、および順相、逆相カラ
ムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製するこ
とが出来る。
本発明のフォリパスタチンは、文献未載の新規化合物で
あり、動物(例、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ等)に対し
てホスフォリパーゼA2阻害作用を示し、抗炎症作用を
有する結果、例えば皮膚炎治療剤として有用である。
本発明のフォリパスクチンを医薬として用いる場合、常
法に従ってそれ自体または適宜の薬学的に許容される保
存剤、賦形剤、油脂性軟膏基剤等と混合しくフォリパス
タチンは0.01〜2.0%)、軟膏剤などの形態で非
経口的に安全に用いることが出来る。用量は対象疾患に
より異なるが、例えば成人に対しては症状に応じて適量
を1日1〜数回、直接患部に塗布まは無菌ガーゼにのば
して貼布するのが好ましい。
(実施例) 次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1.少量培養法によるフォリパスタチンの生産 A)培養 アスペルギルス・ウンギュイス・エミール・ヴイール・
アンド・ガラデイン・トム・アンド・レイパー5ANK
 16888株を、無菌的に、滅菌した後述の組成の培
地100 mlを含むバッフルの付いた500 mlの
三角フラスコ(種フラスコ)に−白金耳接種した。
次いでこれを26℃で3日間、200 rpm (7c
mの回転半径)のロータリー振どう機で培養した。
培地組成 グリセリン ジャガイモ マルトエキスイ ーストエキス 0  g 5g 5g イオン交換水        1000  mlpf(
 6.5に調整 種培養と同じ組成の培地を、おのおの100 mlずつ
バッフルのついた500 mlの三角フラスコ20本に
入れ、滅菌後、種フラスコから2mlずつ成長菌を取っ
て接種した。この20本の三角フラスコを種培養と同じ
条件で7日間振どう培養した。
B)単離 培養液全体物を、3000 rpm、20分間遠心分離
した。沈でん物を抽出のためにとっておいた。
1、7Lの上清をpH 7.0に調整し分液ロートに入
れ、2Lの酢酸エチルで2回抽出した。得られた酢酸エ
チル層を3Lの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した後、ロータリーエバポレーターで減
圧下、濃縮乾固して 273mgの油状物を得た。
菌体を章む前述の沈でん物に、アセトン300mlを加
え、1時間攪拌しながら抽出した。得られた抽出液をろ
過し、ろ液よリロータリーエバポレーターで、減圧下ア
セトンを留去した。残留物に水を加え1000 mlと
した後、水酸化ナトリウム水溶液でpH 7.0に調整
し酢酸エチル1000mlで2回抽出した。得られた酢
酸エチル層を2Lの飽和食塩水で洗浄し、さらに無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、ロータリーエバポレーター
で減圧下、濃縮乾固して391 mgの油状物を得た培
養ろ液から得られた油状物273 mgと、菌体部分か
ら得られた油状物391 mgとを併せて664mgを
逆相液体クロマトグラフィーに付して精製した。すなわ
ち、逆相力ラムの、センシューパックODSH−525
1  (20 mm i.d. X 250 mm、セ
ンシュー科学(株)製)にアセトニトリル200μmに
溶解した全量を注入した。65%アセトニトリル/トリ
エチルアミン−リン酸バッファー(pH 3.2)を流
速6.0 ml/分で展開溶出し、示差屈折計を用いて
検出し現れるピーク画分を集め、それぞれロータリーエ
バポレーターで減圧下、濃縮乾固して活性を測定した。
乾固物のうち、20分に現われたピークが強い活性を示
した。
得られた乾固物300 mgをエタノールと水の混合溶
剤を用いて精製すると融点246−248℃を有する白
色針状結晶のフォリパスタチン126 mgが得られた
実施例2.大量培養法によるフォリパスタチンの生産 A)培養 フォリパスタチンを得るためのアスペルギルス・ウンギ
ュイス・エミール・ヴイール・アンド・ガラデイン・ト
ム・アンド・レイパー5ANK 16888株を用いる
大量培養を行なった。培養行程に用し)る種培養培地は
以下の組成を有した。
培地組成 グリセリン         50  gジャガイモ 
         50  gマルトエキス     
     5gイーストエキス         5g
消泡剤(CB−442)        0.2  g
イオン交換水         1000  m1PH
6,5に調整 500 mlのバッフルのついた三角フラスコに、10
0 mlの培地を入れ、微生物を接種する前に120℃
で20分間加熱滅菌し、無菌的にアスペルギルス・ウン
ギュイス・エミール・ヴイール・アンド・ガラデイン・
トム・アンド・レイパー5ANK 16888株を接種
した。次いでこれを、26℃で3日間、200 rpm
のロータリーシェーカーで振どう培養した。
30 Lステンレス製ジャーファーメンタ−中に、15
 Lの種培養と同一の組成の培地を入れ、これを120
℃で30分間加熱殺菌した。次いでこれに上述の種培養
液200 mlを入れ、26℃で6日間、7.5 L/
分の空気流量で溶存酸素濃度を0.3−0.5 ppm
に保つため攪拌速度を1100−30Orpの範囲で自
動的にコントロールし攪拌培養した。
B)単離 前述の5ANK 16888株の培養全体物15L中に
、1.5 Kgのろ適用のセライトを加え、混合物をフ
ィルタープレスを通じてろ過し、菌体区分とる液に分け
た。
菌体区分4.8 Kgは、これに2OLのアセトンを加
え室温下で1時間攪拌し抽出した。得られた抽出液をろ
過し、菌体と抽出ろ液に分けた。菌体区分に再度80%
アセトン15 Lを加え1時間攪拌し抽出した。抽出液
をろ過し、得られた抽出ろ液を、さきのる液と併せた。
これをロータリーエバポレーターで減圧下、アセトンを
留去して水溶液5Lを得た。得られた水溶液をpH7,
0に調節した後、10 Lの酢酸エチルで2回抽出し、
15 Lの酢酸エチル層を得た。得られた酢酸エチル層
を15 Lの飽和食塩水で洗浄し、次いで800gの無
水硫酸ナトリウムで乾燥後、ロータリーエバポレーター
で減圧下、濃縮乾固すると油状物78.4 gが得られ
た。
ろ液14 Lは、これを水酸化ナトリウム水溶液でpH
7,0に調整し、15Lの酢酸エチルで2回抽出した。
酢酸エチル層を併せ、飽和食塩水20 Lで洗浄し、次
いで無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮乾固すると油状
物29 gが得られた。
菌体から得られた油状物78.4 gおよびろ液から得
られた油状物29 gを、メタノール150 mlに溶
解し、次いで逆相液体クロマトグラフィーに付して精製
した。すなわち、逆相カラムの、0DS(10cm i
、d、X 50 cm、15〜30P(栗田工業(株)
製)を用いメタノール溶液を4回に分けてカラムに付し
た。カラムは、60%アセトニトリル・水の移動相で2
00 ml/分で溶出した。カラムに接続した示差屈折
計が示す35分から50分のピークを分取した。この両
分について高速液体クロマトグラフィー(カラム; 8
NVC184(ウォータース社製)、移動相:50%ア
セトニトリル/トリエチルアミン・リン酸バッファー(
pH3,2)、  流速; 2.Oml/min、検出
; LIV 210 nm)により成分の純度をモニタ
リングした。そして、実施例1゜で得られた結晶のピー
クと同じ画分であることを確認した。この両分をロータ
リーエバポレーターで減圧下、濃縮乾固して合計6.6
gの油状物を得た。
次いで、得られた油状物を再度、逆相液体クロマドグラ
フィーに付して精製した。すなわち、逆相カラムの、セ
ンシューパックODS H−5251(20mm i、
d、 X 250 mm、センシュー科学(株)製)に
、アセトニトリルに溶解した油状物を注入した。60%
アセトニトリル/水を流速7.0 m17分で展開、溶
出し、示差屈折計を用いて検出し、26分に現れるピー
クの画分を集め、ロータリーエバポレーターで減圧下、
濃縮乾固してフォリパスタチンを無色油状物として5.
6g得た。この油状物を更にエタノールと水の混合溶剤
を用いて精製すると融点246−248℃を有する白色
針状結晶の(実施例の効果) 試験例1.ホスフォリパーゼA2阻害試験法ホスフォリ
パーゼA2はForstらの方法(Forst、 S、
、らrBiochemistryJ 、 25.838
1(1986) )に準じ次のようにして調整した。す
なわち、家兎にカゼインを腹腔内注射し、無菌的に起炎
して腹腔滲出液を得た。これをタンパク質分解酵素阻害
剤の存在下でゲルろ過、イオン交換樹脂のカラム操作に
より酵素標品とした。基質のリン脂質はホスファチジル
コリンの2位に放射標識アラキドン酸が結合したものを
卵黄ホスファチジルコリンで希釈し、超音波処理でミセ
ルにしたものを用いた。へペス緩衝液(pH7,5)中
に、塩化カルシウム、酵素、阻害検体を加え10分間保
温した後、最終濃度100μHの基質を加え酵素反応を
行なった。次いでDole試薬(Dole、 V、 P
、、らrJournal of Biochemist
ryJ 、 235.2595 (1960))にて遊
離したアラキドン酸をヘプタン層に抽出し、放射活性を
化合物非添加の対照と比較することにより阻害層を求め
ると、IC5°=65μ河となった。
試験例2.好中球でのホスフォリパーゼA2阻害試験法 好中球は次のようにして得た。すなわち、ラットにカゼ
インを腹腔内注射し好中球を誘引し、これをヘパリン含
有燐酸緩衝液にて回収した。得られた好中球を放射標識
アラキドン酸にて標識した(Okajima、 F、、
らrJournal of BiologicalCh
emistryJ 、 259.13863−1387
1 (1984) ) 、この実験法では、アラキドン
酸は90%程度ホスファチジルコリンにとりこまれた。
標識された好中球は充分に洗浄した後、培養液に懸濁し
、阻害検体を添加して10分間保温し、遊走ペプチド(
formyl−Met−Leu−Phe)を添加して好
中球を活性化した。ホスフォリパーゼA2によって培養
液中に放出された放射標識アラキドン酸の放射活性と化
合物非添加の対照と比較することにより阻害層を求めた
結果、工C5°=24μ阿となった。
Carlsonらの方法(Carlson、 R,P、
、らrAgentsand ActionsJ 、 1
7.197 (1985) )に準じCDF l系マウ
ス(各群5匹)の耳の内側にホルボールエステルを塗布
した0次いで、20分後に片耳に阻害検体を溶解した薬
液を、別の耳に溶剤(アセトン−エタノール=1:1)
のみを塗布した。検体を塗布して220分後にクロロホ
ルムにて麻酔致死せしめた後、耳型量を比較することに
より阻害を検討した。無処置対照としては片耳のみホル
ボールエステルを塗布し、次いで両耳に溶剤のみを塗布
して上記と同様に処理した群を用いた。
結果を以下に示す。
阻害率(%) 対照群(溶剤のみ)       0 フォリパスタチン(0,5mg/ml)  40マノア
ライド(0,5mg/ml)    40インドメタシ
ン(0,5mg/ml)   70and Actio
nsJ 、 17.197 (1985) )に準じS
D系ラット(各群5匹)の耳の内側にホルボールエステ
ルを塗布した。次いで、20分後に片耳に阻害検体を溶
解した薬液を、別の耳に溶剤(アセトン−エタノール=
1:1)のみを塗布した。検体を塗布して220分後に
クロロホルムレこで麻酔致死せしめた後、耳型量を比較
することにより阻害を布して上記と同様に処理した群を
用し)た。
結果を以下に示す。
阻害率(幻 対照群(溶剤のみ)       0 フオリポスタチン(0,5mg/ml)   40マノ
アライド(0,5mg/ml)     31インドメ
タシン(0,5mg/ml)    61試験例5.急
性毒性 マウスにフォリパスタチンを200 mg/kg経口投
与したが毒性は認められなかった。
次に製剤例を示す。
製剤例1.軟膏 処方 フォリパスタチン         0.5  mg塩
酸クロロへキシジン       2.0  mg油脂
性の軟膏基剤       1000   mgフォリ
パスタチンを細末にして軟膏基剤の一部と混和し、残り
の基剤を加えて全質均等になるまでかきまぜて練り合わ
せた。
(発明の効果) 以上から、本発明のフォリパスタチンは顕著なホスフォ
リパーゼA2阻害作用を示し、抗炎症作用を有する抗炎
症剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、フォリパスタチンの紫外線吸収スペクトルを
示す。 第2図は、同物質の赤外線吸収スペクトルを示す。 第3図および第4図は、同物質のそれぞれ、1H−核磁
気共鳴スペクトルおよび13C−核磁気共鳴スペクトル
を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、式 ▲数式、化学式、表等があります▼ で示されるフォリパスタチンおよびその塩。 2、アスペルギルス属に属するフォリパスタチン生産菌
    を培養し、その培養物よりフォリパスタチンを採取する
    ことを特徴とするフォリパスタチンの製造法。 3、アスペルギルス属に属するフォリパスタチン生産菌
    がアスペルギルス・ウンギュイス・エミール・ヴィール
    ・アンド・ガウディン・トム・アンド・レイパーSAN
    K 16888株(微工研菌寄第11259号、FER
    M P−11259)である請求項2、記載の製造法。 4、フォリパスタチンを有効成分とするホスフォリパー
    ゼA_2阻害剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2278781A (en) * 1993-06-11 1994-12-14 Merck & Co Inc Unguinol and analogs as animal growth promoters
CN106632230A (zh) * 2016-11-21 2017-05-10 广东海洋大学 一种海洋真菌爪曲霉溴代缩酚环酸醚类化合物及其制备方法和应用
CN108925565A (zh) * 2018-06-20 2018-12-04 广东海洋大学深圳研究院 一种缩酚酸环醚类化合物的应用

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