JPH03271113A - 微粒の製造方法 - Google Patents

微粒の製造方法

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JPH03271113A
JPH03271113A JP2067890A JP6789090A JPH03271113A JP H03271113 A JPH03271113 A JP H03271113A JP 2067890 A JP2067890 A JP 2067890A JP 6789090 A JP6789090 A JP 6789090A JP H03271113 A JPH03271113 A JP H03271113A
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pressure container
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正人 守時
Kazuo Kitagawa
北川 一男
Yasuhiko Inoue
康彦 井上
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は微粒の製造方法に関し、殊に超臨界状態または
亜臨界状態にある溶媒が高い溶解能力を示すことを利用
し、該溶媒中に溶解されている溶質を、圧力制御により
微粒として析出させる方法に関するものである。
[従来の技術] 超微粉は体積当りの表面積が著しく大きく、その表面エ
ネルギーも著しく大きくなることから、焼結、吸着、触
媒等の各種技術分野において重要な役割を果たしている
。また超微粉がアモルファス状固体であれば、結晶状の
ものに比べて微粉自体のエネルギーも更に高くなり、表
面の活性は非常に高いものとなる。こうしたことから超
微粉の製造方法については様々な手段が研究され、また
実施されており、夫々の技術分野で多様な効果を発揮し
ている。
近年、数百気圧以上の高圧下に形成した超臨界流体内に
溶質を溶解し、これを大気圧または減圧下の雰囲気にむ
けてオリフィスから基板上に噴射し、噴流中での瞬時の
減圧過程における過飽和状態の発生を利用して、基板上
に固体皮膜や超微粉を形成する技術がスミス・リチャー
ド・デイ−らによって提案されている(公表特許昭和6
1−500210号)、彼らによれば、オリフィスから
のr噴射プロセスは膨張中の溶剤クルスターの形成、お
よび溶液の自由ジェットまたは超音波膨張から生じるマ
ツハ ディスク(Mach Disc)における溶剤ク
ルスター「崩壊(freak up)」現象の影響を受
ける1ことが指摘されている(前記公表特許公報第4頁
右上欄)。つまりマツハ ディスクによるfJ軍によっ
て溶媒の凝集核を一度破壊して溶質の超微細粒子からな
る固体析出物を形成し、これを基体上に膜状に堆積させ
るものである。
従って、この技術は、膜製造分野には一つの指針を与え
るものであると言える。また超臨界流体では溶解度が著
しく高くなることが一般的に知られており、この性質を
利用して水晶の単結晶育成や混合物からの特定の溶質の
抽出等に応用されているが、上記技術は超臨界流体から
固体皮膜や超微粉を形成しようとする発想からくるもの
であると位置付けることができる。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、かねてより超臨界状態の応用という観点
から様々な研究を進めてきており(例えば化学工学第5
4年金、1989年)、上記従来技術についてもその効
果の確認を行なった。しかしながら本発明者らの実験に
よれば、噴流中で微粉を形成する方法では次に示す様な
幾つかの問題があることが判明した。
■音速の領域で製造される固体は、その性状(微粉の形
成数、大きさ、形状等)の再現性が劣る。
■噴流中の溶質の全てが、目的とする薄膜または微粉の
どちらか一方になるとは限らず、回収されないまま大気
中へ飛散するものもあり、従って歩留まりが悪くなる。
■ノズルを安定的に同一孔径・同一形状に製作すること
は困難であり、少しの違いによっても噴流が変化する為
、製造条件の再現性及び生成微粉の均一性に劣る。
■固化した微粉の回収が困難である。
本発明はこうした情況のもとになされたものであって、
その目的は、超臨界状態または亜臨界状態にある溶媒中
から、溶質を再現性良く析出・成長させて微粒を製造す
ることができ、また回収も容易な方法を提供することに
ある。
[3!l!を解決するための手段] 上記目的を達成し得た本発明とは、溶質を溶解している
超臨界状態または亜臨界状態の溶媒を、高圧容器の閉じ
られた系内Cおいて断熱的に膨張させ、前記高圧容器内
において溶質を析出せしめた後、容器内の残存圧力を大
気に開放してからまたは開放しつつ、前記溶質の微粒を
回収する点に要旨を有する微粒の製造方法である。また
上記構成において、断熱膨張速度をlIJ#すれば、微
粒の発生数および形状を任意に制御することができる。
尚微粒の形状は、球形に限らずひげ状、塊状その他のあ
らゆるものを含む趣旨である。
[作用] 以下、図面に基づいて本発明の原理および作用・効果に
ついて説明する。
第1図は高温高圧水中への5iOz(水晶)の溶解度の
変化を示すグラフ(G、C,Kennady、1950
)である。341図から明らかな様に、臨界温度以上で
は、温度および/または圧力が上がるにつれてS i 
O2の溶解度が上がる。
例えば、第1図の点A(550℃、750Bars)で
SiO2を飽和溶解した超臨界水を、オリフィスを経て
大気圧下へ断熱的に膨張させる場合では、熱力学的計算
によればライン11の如き経過を辿って超臨界水の温度
および圧力が下降し、従ってS i O,の溶解度も下
降する。但し、溶解度が下降しても溶質固体は直ちに析
出することはなく、まずは過飽和状態になる。
今、初期条件の溶解度をX、、R正中の任意の瞬間圧力
に対応する溶解度をX、とすると、過飽和度Cは下記(
I)式の様に表わされる。
X。
前記′s1図から明らかな様に、大気圧下における5i
02の溶解度はほとんどOであり、従ってオリフィスか
ら噴射するとき(即ち瞬時に断熱膨張するとき)の過飽
和度は無限大となる。
一般に、過飽和度が小さいと溶質は析出せず、ある過飽
和度(臨界過飽和度)を超えると核が発生する確率が実
質的に現われ始め、更にそれより大きくなると核発生の
確率が高くなっていく。
従って圧力が低下して過飽和度が無限大に近くなると、
超微結核が無数に発生し、それらが噴射流の下流側の固
体表面上に堆積すれば薄膜を形成することになる。この
ことから、薄膜ではなく微粒状に形成したい場合におい
ては、過飽和度をある程度までに抑えて核発生数もある
程度の範囲内とし、発生核を微粒にまで成長させる必要
がある。
上述の様な過飽和度と核発生の確率との関係は、実際の
工業界でも多くの例が認められるが、これを統計力学の
手法に基づいてマクドナルド(McDonald)が計
算した例を下記第1表に示す(黒田登志雄著、結晶は生
きている1株式会社サイエンス社発行)。この表は0℃
の水蒸気の蒸気圧(4,58Torr)をP、とし、取
扱う環境の蒸気圧をPとしたときの、種々の過飽和度比
P/P、に対する核発生頻度J1.臨界核の半径r“、
臨界核中に含まれる分子数i′ を夫々示している。
第1表から次の様に考察できる。P/P、が3以下では
実質的に核は発生しないと考えてもよい。P/P、が4
のときは、毎秒当たりの核発生確率が5個/c1・se
cとなり、P/P、がそれより多くなると実用上桟が発
生し得る条件となる。
但し、P/P、が8にもなると、核発生頻度J。
が4X101′1個/cm’・secにもなり、実際上
は無数と表現される状態となる。
こうして発生した核のまわりには気体分子が凝集し、先
に発生した核から順次大きくなり気体分子の数が少なく
なっていく。それが閉じられた系内で行なわれるならば
、P/P、は結果的に減少し、核発生の頻度は低下する
。この傾向は、意図的にP/P、を小さくした場合にお
いても同様であり、例えばP/P、が3以下に下った場
合には、新たな核の発生の確率は実質上0となり、それ
までに発生した核に基づく粒が成長して気体分子を消費
しつつ、P/P、が更に下がって遂には1に達する。し
かし第1表から明らかな様に、臨界核の半径r1はIO
A以下のものであって、そのままでは微粒として使用で
きず、エネルギー的にも不安定であり、大きなものに成
長しようとする傾向があり、本発明はこの様な点に着目
して研究を行った。
前記第1表は純戒分(水)の0℃における蒸気(水蒸気
)についての計算の一例であり、蒸気から液滴発生に係
るものである。しかしながらこの様な傾向は、気・固転
移や液・固転移の場合についても成立する。また一方が
溶質で他方が溶媒の成分系についても成立するものであ
る。但し、に、前記(I)式に示したCが用いられるこ
とが多い。
以上の様な事情を考慮しつつ、スミスらの技術を検討す
ると、下記の様な知見が得られに、オリフィスから噴射
された直後の大気圧下心おける5i02の溶解度X、は
ほとんどOに近く、従って過飽和度Cは無限大であり、
このとき核は無数に発生し、それに伴って過飽和度Cが
瞬時にOに近づくので発生した無数の核の成長はほとん
ど起こらない、これが前記技術における薄膜、超微粉の
形成の基本原理となっている。しかも上記技術では、オ
リフィスからの噴射に当たり、マツハ ディスクにおけ
る衝軍によって、クラスター(核の基になる分子の集団
)を粉砕することになり、より一層の微細化が図られて
いる。尚スミスらによる研究では、Sin、以外に有機
物の代表としてポリスチレンの例も示されているが、こ
こにおいては大気圧から更に減圧雰囲気に噴射しており
、これは前記(I)式における平衡濃度Xpを更に小さ
くして、過飽和度Cを大きくするものであり、上記傾向
に拍車をかける結果となっている。
一方本発明(おいては、ある程度成長した微粒を製造す
ることを目的としており、ここにその原理を説明する0
例えば前記′s1表において、P/P、が4になる状態
で10秒間保持させると、5個×101!50個の核が
形成されるが、これらの核は′!J1表のi″に示す如
く少なくとも87個の分子の集合体となっている。そこ
でこの分子集合体を核として次々に分子を取り込んで核
は成長するが、695個以上の集合体に成長した段階で
P/P、=2に変化させるならば、その核は695個以
上の分子集合体であるという理由によって分解消滅する
ことなく引続き成長を続けていくことが可能になる。即
ち50個の粒子はそのまま成長を続けることになる。5
0個の粒子が分子数695個以上に成長する間に、さら
に生成・増加してくる新たな核は、それらの分子数が臨
界核の分子数i”、695個に満たないという理由で、
P/P、を4から2にした時点で再び分解気化して消失
する。結局、粒径が比較的大きな粒子のみが粒子成長を
達成することができ、最終的に粒径の揃った微粒子とな
る。尚P/P、を4から3−2→1と変化させると、粒
子の近傍における過飽和状態にはかなり大きな差が生じ
る。試算によれば、蒸気圧Pが1.2,3.4のとき、
1c1中にある蒸気分子の数は夫々、1.6.3.2゜
4.8.6.4 (X 10 I7)個であり、この様
な差は成長の立場から見ると形態上重大な差異が生じる
原因になるものと考えられる。
例えば前記第1図における点A(750気圧)から断熱
膨張させて点A’  (500気圧)に達したとすると
、超臨界流体中の5i02溶解度はX7!。= 0.1
1i5からx5°。= 0.07に変化し、このときの
X’B。/ X s。。(以下溶解度比と言うことがあ
る)は2,2となる。ここで有限個のSin。
凝集核が発生・成長し始めたと仮定すると、溶解度Xの
値は低下し、新たな核は発生しなくなる。
そこで500気圧から例えば300気圧まで徐々に圧力
を下げると、そのときの溶解度比(X/X5ao)は再
び増加するが、上記溶解度比2.2を超えない限りにお
いては、新たな核発生はなく、既存の粒子が成長するだ
けである。以下同様の原理で、新たな核が発生しない程
度の速度で蒸気圧を大気圧まで下げることによって、粒
径の揃った微粉が得られる。そして大気圧近傍において
は、溶解度がほとんど0に近くなり、圧力・温度を急激
に下げても粒子の性状に大きく影響を与えることはほと
んどない。しかしながら、残存圧力を急激に開放する前
の溶解度が無視できない程度に実質的な数値を示す場合
は、溶解度の絶対値が低くてもその条件における溶解度
比が核発生条件を満たし、臨界核が発生することにより
、既にいくらか成長してきた大きな粒子の表面に微細粒
子が付着或は独立に成長することなどもあり得る。
これまでの説明では臨界核発生の過飽和度比X/Xpを
2.2と仮定して便宜的に述べたが、現在の技術ではこ
の値を容易に測定することができない。仮に測定できた
としても、温度、圧力、溶解度等の全ての操作条件、溶
質や溶媒の種類、更じは微量添加される酸またはアルカ
リ或はいわゆるエントレーナー等の影響を受けるであろ
うから、特定の条件を明らかにしても一般的な意味はな
い。また操業条件に関しても減圧をどの程度の速度で行
なうか、或は途中で一旦中断して段階的に減圧していく
かといったことなども、個々の対象物質、条件、目的粒
子の性状をもとにして適応条件が定められる。しかしな
がら本発明は高圧容器の閉じられた系内で行なうもので
あるので、比較的余裕のある条件範囲で再現し得るもの
であって工業的操作に困惑を来たすほど厳密な条件設定
が求められるものではない。
また上記の説明においては、出発条件として第1図の点
Aからの断熱膨張の例で説明してきたが、この条件では
臨界点以下の圧力を通って気液共存線に入って、液滴が
発生しはじめる。この時点じおいて、なお相当量の溶解
度が残留しておれば、液滴として凝集する水分自体が′
s1表に示した傾向を有し、且つ水分子とSin、分子
が混合または水素会合したクラスター、更には臨界核を
構成することもあり得る。そして上記水滴は、数を増し
、または成長する。そして最終に水分が除去された場合
には固体が得られる。この過程を第2図の水蒸気圧の温
度−エントロピー線図上で示せば、気液共存領域を示す
境界線の頂点(臨界点)より右側を点Aから直下に下降
することを意味する。
これに対して第1図および第2図の点Bは超臨界状態か
ら、亜臨界状態(臨界温度よりも低い液相域)を経て、
或は点B゛は亜臨界状態から出発して減圧し臨界点の液
態(左側)を通って気液共存域に入る。
亜臨界状態における臨界核発生についても、数値は第1
表の場合と異なるが、臨界核半径、核発生頻度と過飽和
度比の関係はやはり同じ傾向を示す、また亜臨界域から
気液共存域に入る場合においては、前記点Aを出発点と
する場合と異なり、水蒸気の割合が増加する方向C状態
変化が進みながら飽和溶解度が下降することになる。
亜臨界からまたは亜臨界を通過して減圧し、微粒を作る
場合においても、圧力下降速度を制御することによって
様々な形態の微粒が得られる。さらに亜臨界の液体から
気液共存域に入ることによって気化の進行に伴う凝集メ
カニズムの変化も利用し、−層多様な形状、粒度分布が
期待できる。
以上に述べてきた核は、主として分子レベルの凝集であ
るが、それが成長したときの粒子は、超微細粒の凝集体
であることを必ずしも意味するものではない。成長した
粒子は、アモルファス状の固体であり、またそれが成長
の過程や取出しまでの温度経過等により、一部または全
部が結晶構造になることもあり得るし、またそれらが凝
集することもありうる。
本発明によって得られる微粒がその形態(おいて広範な
多様性を有していることを以下説明する。まず比較的お
だやかな過飽和条件下で製造すると、分子または極めて
小さな(一般に臨界核半径以下の半径の)粒子も大きな
粒子の表面に付着するように成長する。また    を
小さくしてX。
成長した後新たに核発生をし得る条件が与えられた場合
には、新たに出来た核が、大きくなりかけた状態で、先
に存在する大きな微粒に付着することもある。更に新た
な核発生はしないが、過飽和が相当にあるような条件で
製造すると球状微粒表面にひげ状体が急成長する。尚ひ
げ状体が成長する微粒については、第1表における臨界
半径が示すとおり、過飽和度比が小さくなるとある程度
以上の大きさのひげでなければエネルギー的にX/X、
=1の条件では存在が許容されず、急激にx / x 
p 冨tになる時はすでに発生していたひげが消失する
こともあり得る。
上記の説明では凝集する物質は、溶質であるとの前提で
述べたが、溶質と溶媒が会合し、吸着するなどした状態
のクラスターや凝集体が発生することも当然あり得る。
このような場合には、高圧力下で凝集した粒子は、減圧
過程で溶媒が再び気化消失して粒子が多孔質になったり
、条件によっては「空気の抜けたボール」のように変形
した後固い粒子として取出されることもある。この様な
場合量て本発明の範囲に含まれる。
本発明は降圧にともなう過飽和の発生を駆動力とするも
のであるから、できれば溶質は、降圧開始条件における
飽和溶解度に近く溶解しておくことが、圧力の効率的利
用の立場からは好ましいが、目的によっては未飽和の状
態から減圧し飽和を経て過飽和に至ることもあり、この
様な場合も本発明の範囲に含まれる。
また本発明は気体分子運動論などの統計力学(基礎をお
く臨界核発生理論を考察することによって得られたもの
で、極めて一般性が高い。従ってS i 02−超臨界
水の例に留まらず、高温高圧力下で溶解度を増す全ての
系に通用され、水を溶媒とするものでは種々の酸化物、
一部の水酸化物、或は一部の硫酸塩や燐酸塩などの種々
の化合物の微粒が得られる。このとき用いる水は適量の
酸またはアルカリやハロゲンを添加するなど溶解度を増
すように調整したものであってもよい。また溶媒を二酸
化炭素、メタン、プロパン、メタノールをはじめ近年超
臨界抽出に使われているような有機溶媒とすることによ
って、有機物などの微粒も得られる。2種以上の溶質を
超臨界流体に適正なモル比で溶解し、反応させて微粒を
得ることも可能である。
本発明における微粒生成の駆動力は断熱膨張である。こ
れによって高圧容器内を非常に広い膨張速度範囲で均一
に制御できる。ここでいう断熱膨張は高圧容器の閉じら
れた系内で行なわれるから、断熱膨張時に流体の温度下
降はさけられず、したがって膨張開始温度に保持された
容器から流体への熱の流入はさけられない、比較的低温
に保持した他の高圧容器に流体を移しかえて断熱膨張さ
せる場合には逆に熱の流出をともなう。しかしこれらは
操作上必要な伝熱であって凝集、析出の駆動力が圧力変
化に伴う断熱膨張であることに変りはない。
これらの説明から明らかである様に、本発明における高
圧容器は単一容器、複合容器の別を問わず、また高圧容
器内の区画によって断熱膨張を達成するものであって良
く、要は大気圧と空間的に隔絶されている高圧系内での
断熱膨張による核発生操作は全て本発明に含まれる。
本発明によって得られた微粒はその表面積の大きさ、活
性の高さ、そしてその他微粒の形態的特徴等を有効に利
用することにより、多様な用途が考えられる0例えば触
媒用途を考えると、得られた微粒をそのまま使うことも
できるが、その他、表面処理(例えば白金等の電解メツ
キ〉するなどして利用することもできる。また表面に化
学的に吸着機能をもたせ、光学活性体の分離等に使うこ
とも可能である。このような微粒の工業的利用技術の開
発は今後多くの先端技術分野で進展し得るものと考えら
れるから、本発明で得られる微粒の応用範囲は今後更に
拡大していくものと期待される。
以下本発明を実施例によって、更に具体的に説明するが
、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく前
・後記の趣旨に徴して設計変更することは、いずれも本
発明の技術的範囲に含まれるものである。
[実施例] 第3図は本発明を実施する為に構成される装置構成例を
示す概略説明図であり、図中1は原料溶解槽、2は第1
高圧容器、3は第2高圧容器、4は大気圧容器、5は圧
力調整器、6は減圧器、V、〜v3は塞止弁、■、及び
v6は絞り弁を夫々示す。
原料溶解槽1内には、溶質を溶解している超臨界又は亜
臨界状態の溶媒が充填されており、この溶媒は第1高圧
容器2内に送り込まれる。そして圧力調整器5によって
第1高圧容器2内の溶媒が断熱膨張されると、溶媒中に
は溶質からなる核が生成し、成長する。次いで、溶媒は
減圧器6でさらに減圧されつつ第2高圧容器3に送られ
、この段階で溶媒中の発生核の成長はほぼ完了する。こ
の際第1高圧容器2内の溶媒は一度に第2高圧容器2に
送る様にしてもよいし、段階的に分けて送る様にしても
よい、核の成長がほぼ完了すると、絞り弁V、および塞
止弁v3が開放され、第2高圧容器3内の残存圧力は開
放される。尚図中7゜8は、$2高圧容器3および大気
圧容器4に夫々設けられたフィルターであり、これらの
フィルター7.8によって微粒が回収される。
上記の説明では、第1高圧容器2内で核を発生・成長さ
せる様に述べたが、この操作は様々な手順が考えられ、
例えば第1高圧容器2でわずかに圧力を下げて(断熱膨
張させ)微粒を生成させた後、第2高圧容器内で微粒を
成長させる様にしてよいし、核生成直前の過飽和状態か
ら、第2高圧容器に移送し、核発生、成長をさせてもよ
い。
また第2図においては、第1高圧容器2内で昇温昇圧し
て、溶質を融解させてもよい、また3i81高圧容器の
容積の変化が十分に大きくとれる場合には、第1高圧容
器2内で実質的な工程がほぼ終了するので、342高圧
容器3を省略することもできる。
本発明者らは、第3図に示した装置を用いて、過飽和状
態が高い5in2溶解水を550℃、643 Barの
超臨界状態から、−旦核が生成した後は新たな核が発生
しない条件下で微粒を製造したところ、球状粒子表面に
ひげ状固体が急成長した微粒が得られていた。
第3図に示した構成では、第2高圧容器3を容積不変の
ものとしたが、本発明を実施する為の装置構成は第3図
に示したものに限らず、例えば第4図に示す様に第2高
圧容器3を341高圧容器2と同様な圧力調整可能な構
成としてもよい。この様な構成とすることによって、高
圧容器内の断熱膨張速度を比較的おだやかな傾斜で変化
させることができる(尚ここでは溶解槽は示していない
)。
本発明者らは、′i44図社示した装置を用いて、X/
X、を小さくして一旦核を発生させた後新たに核発生を
し得る条件下(450℃、600Barから)で微粒を
製造したところ、新たに出来た核が大きくなった状態で
、既に形成されて存在する大きな粒子に付着した形態の
微粒が得られていた。
第5図は本発明を実施する為の他の装置構成例を示す概
略説明図であり、この構成では高圧容器10が前記2つ
の高圧容器2.3の機能を兼ね備えたものとなっている
。即ちこの装置構成例では高圧容器10内の第1空間1
1内に超臨界状態の溶媒(溶質を溶解している)が充填
された後、絞り弁v7および塞止弁v8を閉じ、塞止弁
v1および絞り弁v1°を開くと第1空間11内の溶媒
は高圧容器10内の第2空間12に移動し、そこで溶媒
が断熱膨張し、核が発生し、粒子が成長する。次いで絞
り弁■、および塞止弁■6を開くと残存圧力は大気圧容
器4を介して大気に開放される。そして成長した粒子は
、大気圧容器4内で回収される。
尚′tS5図に示した装置において、溶媒を第1空間1
1から第2空間12に移動させる際に、絞り弁V、およ
び塞止弁v6はわずかに開いておき、第2空間12内の
圧力を徐々に下げる様にしてもよい。あるいは絞り弁V
、による背圧調整などで第1空間11から第2空間12
への移動を徐々に行なわせてもよい。
本発明者らは、第5図に示した装置を用い、550℃、
781Barの超臨界状態の5i02溶解水から、−旦
核を生成した後は核を発生させない条件で微粒を製造し
たところ、比較的均一なSin、粒子が得られていた。
第6図は本発明を実施する為の装置の更に他の構成例を
示す概略説明図であり、図中15は第1高圧容器、16
は第2高圧容器、17は′s3高圧容器を夫々示す、こ
の構成では、絞り弁VI2〜14の流量が下流になるに
つれて流速が遅くなるように調整されている。この様な
構成では、k42高圧容器16および第3高圧容器17
は圧力を希望する値にする為に機能するだけで良く、圧
力を低下させる為に必要な容量を比較的小さくすること
ができるという利点がある。
尚圧力を調整する構成は絞り弁VI2〜14によるだけ
でなく、例えば配管の太さを段階的または連続的に調整
したり、付は換え可能型にすること等によっても達成さ
れる。
[発明の効果] 本発明によれば、次に示す様な様々な効果が得られる。
■膨張速度の制御や膨張開始条件を比較的容易に設定で
き、−様なまたは希望する粒度分布を有する球状を基本
として様々な微粒が再現性良く製造できる。
■特に本発明によって得られる「ひげ状個体を有する微
粒」は比表面積が超微粉に匹敵するほど大きくなる一方
で、超微粉に比べて粒径が大きく、取扱いが極めて容易
である。
■高圧容器の閉じられた系で行なうものであるので、減
圧過程は様々な速度にプログラムすることができ、形状
選択が自由に行なえる。
■大気圧に開放する以前に容器内でほぼ完全に微粒が形
成されているので、装置規模を小さくすることができる
ばかりか、超微粉として飛散することが少ないので回収
率は高くなる。
【図面の簡単な説明】
i4i図は高温高圧水中への5in2の溶解度の変化を
示すグラフ、′s2図は水蒸気圧の温度−エントロピー
線図、第3〜6図は本発明を実施する為の各種装置構成
例を示す概略説明図である。 第3図 第5WA

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)溶質を溶解している超臨界状態または亜臨界状態
    の溶媒を、高圧容器の閉じられた系内において断熱的に
    膨張させ、前記高圧容器内において溶質を析出せしめた
    後、容器内の残存圧力を大気に開放してからまたは開放
    しつつ、前記溶質の微粒を回収することを特徴とする微
    粒の製造方法。
  2. (2)請求項(1)の方法において、断熱膨張速度を制
    御することにより微粒の発生数および形状を制御するこ
    とを特徴とする微粒の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995021688A1 (de) * 1994-02-15 1995-08-17 Eckhard Weidner Verfahren zur herstellung von partikeln bzw. pulvern
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