JPH0326482B2 - - Google Patents

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JPH0326482B2
JPH0326482B2 JP57161520A JP16152082A JPH0326482B2 JP H0326482 B2 JPH0326482 B2 JP H0326482B2 JP 57161520 A JP57161520 A JP 57161520A JP 16152082 A JP16152082 A JP 16152082A JP H0326482 B2 JPH0326482 B2 JP H0326482B2
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oil
insulating oil
impregnated
electrical insulating
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JP57161520A
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Atsushi Sato
Keiji Endo
Shigenobu Kawakami
Hitoshi Yagishita
Teruzo Hayashi
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Priority to CA000436803A priority patent/CA1194284A/en
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Priority to EP83109196A priority patent/EP0103868B1/en
Priority to DE8383109196T priority patent/DE3370895D1/de
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はジアリールアルカンと芳香族2環オレ
フインとからなる電気絶縁油に関する。さらに詳
しくは、金属導体または金属電極と、少なくとも
その一部に付与されたポリオレフインなどのプラ
スチツク材料からなる絶縁体または誘電体とを有
する油含浸電気機器、たとえば、油含浸コンデン
サー、油含浸ケーブルなどに含浸する場合に好適
な、ジアリールアルカンと芳香族2環オレフイン
とからなる新規な電気絶縁油に関するものであ
る。 近年、油含浸コンデンサー、油含浸ケーブルお
よび変圧器などの油含浸電気機器の高電圧化およ
び小型化に伴い、各種のプラスチツク材料が従来
の絶縁紙と共に使用されるようになつた。油含浸
電気機器の構成材料として使用されるこれらプラ
スチツク材料は、今後益々多く使用される傾向に
あり、既に従来の絶縁紙を全てプラスチツク材料
に変えたものも使用され始めている。 ところで、従来の電気絶縁油、たとえば、精製
された鉱油、ポリブテン、アルキルベンゼンまた
は塩素化ビフエニルなどは、種々の欠点を有して
いる。たとえば、塩素化ビフエニルは公害問題の
ために使用が避けられている。また、従来の各種
電気絶縁油は、前記の油含浸電気機器に使用され
るポリオレフインなどのプラスチツク材料との適
合性が必ずしも満足できるものではない。すなわ
ち、従来の電気絶縁油がこれらのプラスチツク材
料と接触すると、プラスチツク材料を溶解し、も
しくは膨潤させて、絶縁耐力を低下させることが
ある。したがつて、油含浸電気機器の高電圧化や
小型化の要求により一層適応できるような高性能
の電気絶縁油が切望されていた。 本発明者らは、上記の事情に鑑み鋭意研究を行
なつた結果、ジアリールアルカンに芳香族2環オ
レフインを配合することによつて、諸特性が格段
に優れた電気絶縁油を得られることを見出し本発
明を完成したものである。 すなわち、本発明は、 (a) ジアリールアルカンの1種または2種以上、
および、 (b) 縮合または非縮合型の芳香族環を2環有する
オレフイン(但し、スチレン、α−メチルスチ
レンまたはこれらのベンゼン核にメチル基が置
換したモノメチル置換体から選ばれるスチレン
類の不飽和二量体および不飽和共二量体を除
く)の1種または2種以上からなる電気絶縁油
に関するものである。 上記(a)項のジアリールアルカンのアルカン部分
は−CoH2o−で表わされるもので、nは1から10
の範囲が好ましい。代表例としては、メタン、エ
タン、プロパン、ブタンなどから2つの水素を除
いた2価の置換基である。(a)項のジアリールアル
カンは、その単独または2種以上の混合物の40℃
における粘度が10cSt以下のものが、本発明の電
気絶縁油の成分として使用するためには好まし
い。ジアリールアルカンの内好ましい化合物は、
下記の一般式(I)または()で表わされる
1,1−または1,2−ジアリールエタンであ
り、その中でも片方のベンゼン核にアルキル基が
置換していないアリールフエニルエタンが好まし
い。 一般式 上記式(I)および()において、R1、R2
R3、R4、R5およびR6は水素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基などであり、かつR1ないしR6の合計炭素数
は4以下である。 ジアリールアルカンの具体例は次の通りであ
る。1,1−ジフエニルメタン、1,1(または
(1,2)−ジフエニルエタン、1−フエニル−1
(または2)−(メチルフエニル)エタン、1−フ
エニル−1(または2)−(ジメチルフエニル)エ
タン、1−フエニル−1(または2)−(エチルフ
エニル)エタン、1−フエニル−1(または2)−
(メチルエチルフエニル)エタン、1−フエニル
−1(または2)−イソプロピルフエニル)エタ
ン、1−フエニル−1(または2)−(トリメチル
フエニル)エタン、1−フエニル−1(または2)
−(tert−ブチルフエニル)エタン、どである。 これらはスチレンもしくはアルキルスチレン
と、ベンゼンもしくはアルキルベンゼンとを、ル
イス酸触媒の存在下に反応させることにより容易
に製造し得る。また、エチレンのアルキレーシヨ
ンによるエチルベンゼン製造時の副生油から分離
して得ることもできる。さらに、ベンジルクロラ
イド、1,1−ジクロロエタンまたは1,2−ジ
クロロエタンなどのハロゲン化炭化水素とベンゼ
ンもしくはアルキルベンゼンをフリーデル・クラ
フツ触媒の存在下に反応させることによつても製
造することができる。これらのジアリールアルカ
ンは単独または2種以上の化合物の混合物として
使用する。 前記(a)項のジアリールアルカンと併用する化合
物は(b)項の縮合もしくは非縮合型の芳香族環を2
環有するオレフイン(但し、スチレン、α−メチ
ルスチレンまたはこれらのベンゼン核にメチル基
が置換したモノメチル置換体から選ばれるスチレ
ン類の不飽和二量体または不飽和共二量体を除
く)である。このオレフインにはシクロペンテ
ン、シクロヘキセンなどの環状オレフインの誘導
体と鎖状オレフインとがあるが、このようなオレ
フインには次の一般式()、()および(V)
で表わされるような化合物がある。 一般式 式()において、R1、R2、R3およびR4
内、いずれか1つの基はアリール基またはアラル
キル基であり、その他の基はそれぞれ水素原子ま
たはアルキル基である。また、nは0から3の整
数であり、R4がアリール基またはアラルキル基
のときはnは1である。さらに記号+++++は
存在してもよい結合であり、該結合が存在すると
きは、R1およびR3はそれらの合計炭素数が3か
ら5のアルキレン基である。但し、スチレン、α
−メチルスチレンまたはこれらのベンゼン核にメ
チル基が置換したモノメチル置換体から選ばれる
スチレン類の不飽和二量体および不飽和共二量体
を除く。 一般式 式()において、R5はアルケニレン基また
はシクロアルケニレン基であり、かつその脂肪族
性不飽和二重結合が芳香族環と共役していない。
また、mおよびnは0から3の整数であり、m個
のR6およびn個のR7はそれぞれ同一もしくは異
なり、それらは水素原子またはアルキル基であ
る。 一般式 式(V)において、R8はアルケニル基または
シクロアルケニル基であり、mおよびnは0から
3の整数であり、m個のR9およびn個のR10はそ
れぞれ同一もしくは異なり、それらは水素原子ま
たはアルキル基である。 前記(a)項のジアリールアルカンと併用すべき、
前記式()から(V)で表わされる芳香族オレ
フインの内、式()の芳香族オレフインとし
て、式()におけるR1またはR2がアリール基
またはアラルキル基の場合は、次式(−1)で
表わされる化合物である。式中、Arはアリール
基またはアラルキル基を示す。 また、式()においてR3がアリール基また
はアラルキル基のときは次の式(−2)で表わ
される。 さらに、式()においてR4がアリール基ま
たはアラルキル基のときは次の式(−3)で表
わされる。 ここで上記(−1)から(−3)におい
て、Arがアリール基の場合には、たとえば、フ
エニル、トリル、キシリル、エチルフエニル、ク
メニルなどの基である。またArがアラルキル基
の場合には、たとえば、ベンジル、1または2−
フエニルエチル、1または2−トリルエチル、1
または2−キシリルエチル、1または2−エチル
フエニルエチル、1または2−クメニルエチルお
よび1,2または3−フエニルプロピルなどの基
である。その場合、式(−1)から(−3)
のR1〜R4は、水素原子またはアルキル基であつ
て、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチルなどの基である。また、+++++
+は存在しても良い結合であつて、該結合が存在
するときはR1およびR3はそれらの合計の炭素数
が3〜5のアルキレン基である。 上記式(−1)においてArがアリール基の
場合の具体的な化合物としては、スチルベン、4
−メチルスチルベン、1,2−ジフエニルプロペ
ン−1、1,2−ジフエニルシクロヘキセンなど
がある。 また、式(−1)においてArがアラルキル
基の場合には、1,3−ジフエニルプロペン、
1,4−ジフエニルブテン−1、フエニル−ベン
ジルシクロヘキセンなどがある。 式(−2)においてArがアリール基の場合
には、1,1−ジフエニルエチレン、1−フエニ
ル−1−(4−エチルフエニル)エチレン、1,
1−ジフエニルプロペン−1などがある。 また、式(−2)においてはArがアラルキ
ル基の場合には、2,3−ジフエニルプロペン、
1,2−ジフエニルブテン−2などがある。 式(−3)においてArがアリール基の場合
には、2−イソプロペニル−ビフエニル、1−イ
ソプロペニルビフエニル、2−イソプロペニル−
4′−イソプロピルビフエニル、シクロヘキセニル
ビフエニル、シクロペンテニルビフエニルなどが
ある。 さらに式(−3)においてArがアラルキル
基の場合には、1−フエニル−1−(4−ビニル
フエニル)エタン、1−(4−メチルフエニル)−
1−(4−ビニルフエニル)エタン、1−フエニ
ル−1−(4−イソプロペニルフエニル)エタン、
フエニル−(4−ビニルフエニル)メタン、フエ
ニル−(シクロヘキセニルフエニル)メタンなど
である。 また、前記式()で表わされる芳香族オレフ
インにおいて、R5は、その基が有する脂肪族性
不飽和二量結合が該芳香族オレフインの有する2
個の芳香族環のいずれとも共役していないアルケ
ニレン基またはシクロアルケニレン基であつて、
たとえば、ブテニレン、メチルブテニレン、ペン
テニレン、シクロペンテニレンもしくはシクロヘ
キセニレンなどであり、またR6およびR7は、水
素原子またはメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチルなどのアルキル基である。 具体的な化合物として、式()で表わされる
芳香族オレフインは、1,4−ジフエニルブテン
−2、1,4−ジフエニルペンテン−2および
1,4−ジフエニル−2−メチルペンテン−2な
どである。 さらに、前記式(V)で表わされる芳香族オレ
フインは、R8がビニル、アリル、イソプロペニ
ル、ブテニルなどのアルケニル基もしくはシクロ
ペンテニル、シクロヘキセニルなどのシクロアル
ケニル基であり、また、R9およびR10は水素原子
またはメチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルもしくは
tert−ブチルなどのアルキル基である。 式(V)で表わされる具体的な芳香族オレフイ
ンとしては、α−ビニルナフタレン、イソプロペ
ニルナフタレン、アリルナフタレン、1−シクロ
ペント−2−エニルナフタレンなどがある。 これら芳香族化合物は、種々の合成化学的手法
などにより製造され得る。 たとえば、ビニルナフタレンはホルミルナフタ
レンにヨウ化メチルマグネシウムなどのグリニヤ
ール試薬を反応させ、ついで脱水させることによ
り得られる。フエニル−(ビニルフエニル)エタ
ンなどは、ジフエニルエタンにフリーデルクラフ
ツ触媒によりアセチルクロライドを反応させ、フ
エニル−(アセチルフエニル)エタンを得て、つ
いで、水素化ホウ素ナトリウムなどで還元後に脱
水させ得られる。フエニル−(イソプロペニル)
エタンなどはフエニル−(ホルミルフエニル)エ
タンにヨウ化メチルマグネシウムなどのグリニヤ
ール試薬を反応させ、その後脱水させることによ
り得ることができる。また、1,2−ジフエニル
エチレンなどは、ベンズアルデヒドと臭化ベンジ
ルマグネシウムを反応させ、脱水すればよく、
1,2−ジフエニルプロペンも同様である。1,
1−ジフエニルエチレンはジフエニルケトンにヨ
ウ化メチルマグネシウムなどのグリニヤール試薬
を反応させ、脱水により得られる。さらに、イソ
プロピルビフエニルの脱水素によりイソプロペニ
ルビフエニルも得ることができる。 前記式()から(V)で表わされる芳香族オ
レフインは、ジアリールアルカンと混合、溶解さ
せて用いるものであり、混合、溶解後に常温液状
となれば良い。したがつて、常温で液体または固
体のいずれであつても良い。また、この縮合また
は非縮合型の芳香族環を2環有するオレフイン
は、単独または2種以上の混合物としてジアリー
ルアルカンと併用することができる。 本発明においては、上述のように(a)のジアリー
ルアルカンに(b)の芳香族オレフインを混合して併
用することによつて電気絶縁油を得るが、このよ
うにして得られた絶縁油は、粘度は40℃で30cSt
以下が好ましく、より好適には、10cStである。
したがつて、混合後の粘度がこの範囲に入るよう
に、(a)のジアリールアルカンとして前記式(I)
または()で表わされる化合物を、また(b)の芳
香族オレフインとして前記式()から(V)で
表わされる化合物を適宜に選択して用いれば良
い。 ジアリールアルカン自体は生分解性、耐熱性、
酸化安定性と共に電気的諸特性に優れ、かつ水素
ガス吸収性にも優れているが、本発明の芳香族オ
レフインを併用することにより、水素ガス吸収性
がさらに向上し、かつ芳香族オレフインのような
不飽和化合物を併用しているにもかかわらず、生
分解性、熱安定性および酸化安定性の低下は認め
られず、その他の電気的諸特性は更に向上する。 (a)のジアリールアルカンと(b)の芳香族オレフイ
ンとの混合割合は任意であるが、両者の合計量に
対して後者の芳香族オレフインは0.01〜50重量%
の範囲にすることが相乗効果の点から好ましい。
より好適には1.0〜30重量%の範囲である。 本発明の電気絶縁油は、上記組成の混合物から
なるものであるが、これのみに限定されない。す
なわち、その一般的な電気的諸特性を損なわない
範囲で、所望の電気的性能を改善する目的で、従
来公知の電気絶縁油、たとえばポリブテン、鉱
油、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ア
ルキルビフエニルなどを加えて使用することがで
きる。一般にポリブテンを加えると、体積固有抵
抗、誘電正接が改善され、鉱油は絶縁破壊電圧を
向上させ、アルキルベンゼンを初めとするその他
の芳香族系絶縁油では、絶縁破壊電圧、誘電正
接、流動点などを向上させる傾向がある。 また、電気絶縁油用として公知の酸化防止剤、
たとえばフエノール系として、2,6−ジ−第三
ブチル−p−クレゾール(商品名BHT)、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチル
フエノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メ
チル−6−第三ブチルフエノール)、4,4′−チ
オビス(3−メチル−6−第三ブチルフエノー
ル)、ステアリル−β−(3,5−ジ−第三ブチル
−4−ヒドロキシフエノール)プロピオネート
(商品名Irganox 1076)、テトラキス〔メチレン
−3(3′,5′−ジ−第三ブチル−4′−ヒドロキシフ
エニル)プロピオネート〕メタン(商品名
Irganox 1010)、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名Ionox
330)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−第三ブチルフエノール)ブタン
(商品名Topanol CA)など、また硫黄系として
ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリル
チオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオ
ジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオ
ネートなど、そしてリン系としてはトリイソデシ
ルフオスフアイト、ジフエニルイソデシルフオス
フアイト、トリフエニルフオスフアイト、トリノ
ニルフエニルフオスフアイトなどを本発明の電気
絶縁油に添加して用いることができる。これらの
酸化防止剤を単独もしくは2種以上適宜用いるこ
とができ、その添加量は絶縁油に対して0.001〜
5重量%、より好適には、0.01〜2.0重量%であ
る。 さらに、難燃性付与その他の目的で電気絶縁油
の添加剤として公知のリン酸エステル系化合物や
エポキシ系化合物などを併用して差支えない。 本発明の電気絶縁油は一般の電気絶縁油として
好適である上に、特に、コンデンサー、ケーブ
ル、変圧器などの油含浸型電気機器の含浸用とし
て好ましい。 前述のようにこれらの油含浸型電気機器では、
近年高圧化、小型化の要求が強いが、それに伴つ
てこれらの油含浸電気機器の絶縁材料または誘導
材料として、従来の絶縁紙の代りに、または絶縁
紙と併用する形式でプラスチツクが使用されるよ
うになつてきた。すなわち、具体的には、コンデ
ンサーにおいては、コンデンサーの絶縁体(誘電
体)として延伸もしくは未延伸のポリプロピレン
基、ポリメチルペンテン、ポリエステルなどのプ
ラスチツクフイルムと絶縁紙とを併用したもの、
あるいはこれらのプラスチツクフイルムのみを用
いたもの、さらにプラスチツクフイルムとして、
微細なエンボス加工を施して含浸し易くしたフイ
ルムや、表面金属層を電極としたメタライズド
(金属化)プラスチツクフイルムなどがある。ま
たケーブル(OFケーブル)の絶縁体として、絶
縁紙の代りに架橋もしくは未架橋のポリエチレン
や、延伸もしくは未延伸のポリプロピレン、ポリ
メチルペンテンなどのポリオレフインフイルムを
用いたもの、絶縁紙とこれらのポリオレフインと
を溶融押出しにより積層した積層フイルムや、絶
縁紙とシラングラフト化ポリエチレンとをシラノ
ール縮合触媒の存在下に架橋結合した複合フイル
ムを用いたもの、あるいは紙パルプとポリオレフ
イン繊維との混抄紙などがある。 本発明の電気絶縁油は、プラスチツクとの適合
性にも優れているので、上述のように、プラスチ
ツクをその絶縁体もしくは誘電体の一部もしくは
全部に用いた油含浸型電気機器、たとえばコンデ
ンサーやケーブルなどの含浸用として好適であ
る。 すなわち、プラスチツク、特にポリオレフイン
を絶縁体(誘電体)の一部もしくは全部に用いた
コンデンサーに、本発明の電気絶縁油を含浸させ
た場合には、プラスチツク絶縁体の膨潤が少ない
ので、電気絶縁油の含浸が充分に行なわれ、ボイ
ド(未含浸部分)が生ずることがない。従つて、
ボイドへの電界集中に起因するコロナ放電が生じ
て、絶縁破壊に到る恐れがない。また本発明の電
気絶縁油は水素ガス吸収性や、高電圧下における
耐コロナ放電性に優れており、長寿命であり、ま
た高圧化が達成できる。 同じくケーブルの場合には、膨潤による絶縁体
の寸法変化が少ないため、絶縁油の油流抵抗が非
常に低くなり、ケーブルに油を含浸させる際に、
絶縁油の含浸時間が短くなる。もちろん、含浸が
容易に行なわれるために、ボイドも生じ難いので
絶縁破壊電圧がより高くなる。また、プラスチツ
クフイルムと絶縁紙との積層フイルムもしくは複
合フイルムからなる絶縁体を使用したケーブルに
おいては、長期間、本発明の絶縁油と接触しても
層間剥離や、屈曲による剥離、しわおよび座屈な
どが発生する恐れが少ない。また、絶縁油は水素
ガス吸収性に優れているので、コンデンサーと同
様に、耐コロナ放電性の優れたケーブルを得るこ
とができる。従つて、ケーブルにおいてもコンデ
ンサーと同様に長寿命で高圧化の図れるケーブル
が得られる。 さらに、複数の成分から成る絶縁油を含浸する
ことによつて、成分間の相乗効果として、上記の
諸特性を改善し、かつ各成分自体の優れた電気的
特性、生分解性、耐熱性、酸化安定性を維持する
と共に、粘度や流動点を好適な範囲に調節するこ
とができるので、油含浸電気機器の製造が効率的
かつ容易に行なわれ、使用条件による制約なしに
高い性能を発揮する油含浸型電気機器を得ること
ができる。 次に実施例および比較例により本発明を詳述す
る。 実施例および比較例 本実施例および比較例で用いた絶縁油を表1に
まとめて示す。表1中、絶縁油1、17、19、20、
21は比較例として使用している。 なお、いずれの試験においても、絶縁油に酸化
防止剤としてBHTを0.2重量%添加して行なつ
た。また、いずれの絶縁油の粘度も40℃で4.5〜
6.5cStであつた。
【表】 (1) ポリプロピレンフイルムとの適合性 所定の形状に切断したポリプロピレンフイル
ム(厚み14μ)を各種絶縁油中に80℃で72時間
浸漬した後、フイルムを取り出み、浸漬前後の
フイルムの体積変化(%)を測定した。 その結果を表2に示すが、数値の小さいも
の、すなわち体積変化率の小さいものほどフイ
ルムを膨潤させず、寸法安定性が優れているの
で、ポリプロピレンフイルムとの適合性が良い
ということができる。 表2に示す結果から解るように、本発明の絶
縁油はいずれもポリプロピレンとの良好な適合
性を有する。一方、1−ヘキサデセンのような
脂肪族オレフインを含有する絶縁油19は、体積
変化率が大きく、ポリプロピレンとの適合性が
ないことは明らかである。 (2) 油含浸コンデンサーの試験 誘電体として厚み14μのポリプロピレンフイ
ルムを2枚重ねたものを使用し、電極としては
アルミニウム箔を常法に従つて、巻回、積層す
ることにより、油含浸用のモデルコンデンサー
を作製した。 このコンデンサーに、真空下で各種絶縁油を
含浸させ、静電容量約0.4μFの油含浸コンデン
サーを作製した。 次にこれらのコンデンサーに電圧を印加し、
コロナ放電開始電圧(CSV)およびコロナ放
電消滅電圧(CFV)を測定した。測定温度は
30℃である。この測定結果を表2に示す。 また、別に、同様にして作製した油含浸コン
デンサーに一定の交流電圧を課電し、そのコン
デンサーが破壊するまでの時間を測定すること
によつてコンデンサーの寿命を求めた。表2に
は、同一の絶縁油で含浸された7個のコンデン
サーの破壊時間の中から、最大値と最小値を除
外し、残りの5個のコンデンサーの破壊時間の
平均値を示す。
【表】
【表】 表2に示す結果から、本発明の絶縁油を含浸し
たコンデンサーはいずれも、ジアリールアルカン
単独からなる絶縁油1および17を含浸したコンデ
ンサーよりも、CSV、CEV共に高く、その寿命
が格段に改善されていることが解る。さらにスチ
レンがα−メチルスチレンの線状不飽和二量体を
含む絶縁油20、21を含浸したコンデンサーより
も、特に寿命の点で一層優れていることは明らか
である。 以上説明したように、本発明の電気絶縁油は、
プラスチツクフイルムとの適合性に優れ、その絶
縁耐力を向上させ、また、放電エネルギーに対し
て安定性に優れた電気絶縁油である。特にプラス
チツク、たとえばポリオレフインをフイルムなど
として、絶縁体(誘電体)の少なくとも一部に使
用している油含浸電気機器の含浸用として有利に
使用できる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) ジアリールアルカンの1種または2種以
    上、および、 (b) 縮合または非縮合型の芳香族環を2環有する
    オレフイン(但し、スチレン、α−メチルスチ
    レンまたはこれらのベンゼン核にメチル基が置
    換したモノメチル置換体から選ばれるスチレン
    類の不飽和二量体および不飽和共二量体を除
    く)の1種または2種以上からなる電気絶縁
    油。 2 前記ジアリールアルカンがアリールフエニル
    エタンである特許請求の範囲第1項記載の電気絶
    縁油。 3 前記電気絶縁油が0.001から5重量%の酸化
    防止剤を含んでいることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項記載の電気絶縁油。
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