JPH0326420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は低温水、蒸気系に発生する復水、圧縮
空気系の凝縮水等の液体の流量を測る流量計に関
する。

特に蒸気系に発生する復水は圧力が変動すると
再蒸発するので流量の測定が難しい。復水に限ら
ず液体の流量は、測定中に圧力が変動しない環境
に於いて正確な測定ができる。

簡単な方法は、液体を所定容積の容器に流入せ
しめて、その容器に所定量溜るのに要する時間を
計測して、単位時間当りの流入量として流量を求
めることである。しかし、この場合は、瞬間流量
を求めることができず、また、流入量に応じて測
定時間が変動する不都合がある。

従来の技術 そこで、出願人は堰きを用いた流量計を開発し
てきた。これは、流体の通路に鉛直な壁を立て、
その壁にスリツト状の堰きを開け、液体が堰きを
通過するようにすると共に、堰きの上流側の液位
を測定するようにしたものである。堰きを通過す
る液体の量は、堰きの形状と上流の液位で定まる
ので、液位を測定して求めることができる。

考案が解決しようとする問題点 この場合、小流量を流定するとき測定誤差が大
きくなる不都合がある。これは、小流量の測定に
用いる堰きはスリツトの幅が狭いので、表面張力
で通過量が不規則になるためである。

本考案の技術的課題は、堰きを用いずに、圧力
変動を起こさずに瞬間流量を測定できるようにす
ることである。

問題点を解決するための手段 上記の技術的課題を解決するために講じた本考
案の技術的手段は、容器に液体の導入口と導出口
を形成し、容器内を仕切壁で隔ててその導入口側
に、液位と溜り量とが既知の関係にある液溜め室
を形成し、液溜め室内に液位と共に浮上降下する
フロートを収容し、フロートにその位置を連続的
に検出するポテンシヨ・メータを連結し、液位の
上昇速度の時間的変化量から瞬間流量を演算する
演算器をポテンシヨ・メータに連結し、液溜め室
と導出口を連結するサイフオン管を取り付け、サ
イフオン管の上方に液溜め室と導出口を連結する
連通孔を形成し、液体を自動的に排出するトラツ
プを導出口に取り付けた、ものである。

作 用 上記の技術的手段の作用は下記の通りである。

液体流量を測定する場合、容器の導入口を被測
定系に接続する。トラツプは閉じている。従つ
て、被測定系の液体はこれと同じ圧力の容器に自
然流入する。流入した液体によりフロートが上方
へ変位し、その位置がポテンシヨ・メータで連続
的に検出される。ポテンシヨ・メータで検出され
た液位が演算器に入力される。液溜め室は液位と
溜り量の関係が既知であるので、演算器は入力さ
れた液位の上昇速度の時間的変化量から瞬間流量
を演算する。

液溜め室内の液位がサイフオン管の上端に達す
ると、サイフオン作用によつて液体は導出口に吸
い出され、トラツプで自動的に廃除され、廃除後
トラツプが閉じる。

考案の効果 本考案は下記の特有の効器を生じる。

液位の時間的変化量、すなわち上昇速度に基づ
いて測定するので、微小流量から大流量まで広い
範囲を計測できる。

堰きを用いる方法ではスリツトにスケールが付
着したり、固形物が詰まつたりするが、本考案で
は容器に液体を蓄積し、所定高位でサイフオン管
から吸い出すので構造が簡単で故障が少ない。

堰きを用いる方法では液位の上昇量も下降量も
測定する。これに対して本考案では、常に上昇量
だけを測定するので、ヒステリシスによる測定誤
差がなく、それだけ正確に測定できる。

導出口に電磁弁や電動弁等の他力操作弁を取り
付けたものでは所定液位で開閉弁せしめるための
電気回路を必要とするが、本考案のトラツプはこ
の電気回路を不要にできる。

実施例 上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明
する。

実施例１ （第１図参照） 液体は導入して蓄積する容器１０は、本体１１
に蓋１２を取り付けて作る。容器１０は水平方向
の断面積が一定の、円柱状空間の液溜め室１３を
有する。液溜め室１３の上部に液体の導入口１４
が開口し、仕切壁１５で隔てて下部に液体の導出
口１６が開口する。導入口１４と導出口１６は仕
切壁１５の上部に設けた連通孔１７と、仕切壁を
貫通して配置したサイフオン管１８を通して連結
する。導出口１６にドレントラツプ３９を連結す
る。

蓋１２を気密的に貫通して円筒形状の隔壁部材
１９は鉛直に取り付ける。隔壁部材１９の周りに
中空フロート２０を配置する。フロート２０は球
殻２１の中心軸に沿つて案内筒２２を気密的に固
定したものである。案内筒２２に環状の磁石２３
を取り付ける。

蓋１２の上に支持部材２４，２５，２６を取り
付け、ポテンシヨ・メータ２７を固定する。ポテ
ンシヨ・メータ２７をキヤツプ２８で覆う。ポテ
ンシヨ・メータ２７の操作棒２９は隔壁部材１９
の中を下方に延び、磁石２３に対向する位置に円
筒形状の磁石３０が取り付けてある。磁石２３と
磁石３０の一方は磁性体であつてもよい。操作棒
２９の上端にポテンシヨ・メータ２７の抵抗体３
１の上を摺動する摺動子３２を取り付ける。操作
棒２９の磁石３０の下方にフツ素樹脂製のスライ
ド・リング３３を取り付ける。

ポテンシヨ・メータ２７の端子３４，３５は電
線３６，３７で演算表示器３８に連結する。演算
表示器３８は液溜り室１３の液位を示すポテンシ
ヨ・メータ２７からの信号を用いて、液位の時間
的変化量を演算し、液位と溜り量との既知の関係
から瞬間流量を演算して表示するものである。
尚、動力供給線は省略してある。

第１図に示す様に、液溜り室１３の液位が低い
ときは、トラツプ３９は閉弁しており、容器１０
の内部は被測定系と同じ圧力である。従つて、液
体は圧力変動を受けずに液溜り室１３に自然に流
入する。そして、液位と共にフロート２０が浮上
する。

液位がサイフオン管１８の上部に達すると、液
体はサイフオン管１８から導出口１６に吸い出さ
れ、第１図に示す液位に戻る。サイフオン管１８
から液体が吸い出されるとトラツプ３９は開弁し
て液体を排出し、排出後閉弁する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の概略を示す断面図で
ある。 １０……計量容器、１３……液溜り室、１８…
…サイフオン管、２０……フロート、２７……ポ
テンシヨ・メータ、３２……摺動子、３０……磁
石、３４……演算表示器、３９……ドレントラツ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器に液体の導入口と導出口を形成し、容器内
   を仕切壁で隔ててその導入口側に、液位と溜り量
   とが既知の関係にある液溜め室を形成し、液溜め
   室内に液位と共に浮上降下するフロートを収容
   し、フロートにその位置を連続的に検出するポテ
   ンシヨ・メータを連結し、液位の上昇速度の時間
   的変化量から瞬間流量を演算する演算器をポテン
   シヨ・メータに連結し、液溜め室と導出口を連結
   するサイフオン管を取り付け、サイフオン管の上
   方に液溜め室と導出口を連結する連通孔を形成
   し、液体を自動的に排出するトラツプを導出口に
   取り付けた復水用流量計。